2013年11月07日の読書
2013年11月07日(Thr)
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本日の初読図書: ううううう、関羽〜〜〜〜っっっ( T _ T ) 判っていたことではあるのですが。それでも悲しい、切ない!! 物語後半に至るにつれて、関羽の独白、心情、行動、すべてがフラグを立てていて、もういっそ早く(読者を)楽にしてくれっ、と言いたくなるほどにページをめくるのが辛かったです(しくしくしく) この巻で、ついに三国が鼎立し、魏呉蜀と正式に名乗り始めます。 前半のメインは、曹操と劉備が漢中を取り合って戦い、劉備が曹操を退け漢中王として立つところです。これによって劉備は正式に益州を手に入れ、三国の一角を担う主となった訳ですな。 ……しかし言ってしまえば、そこが劉備=蜀の頂点。 後半は荊州を一人守る関羽と、力をつけてゆく蜀に対し警戒心を燃やす呉のパートです。
もしかして北方先生は、呉が嫌いなんだろうかと思わなくもなく。 世のユーザーレビューでは、北方先生は劉備が嫌いだったのではというものをよく見かけます。確かに北方三国志における劉備の性格付けはかなり独特で、本家三国志や演義でさんざんイライラさせられた部分が綺麗に改変され、個人的には非常に好みなキャラにされています。 しかし今回の呉のありようは……ううむ。 なんというか、孫権が非常に小物っぽく感じられてしまいました。 いやうん、地に足は着いているのだし、ある意味現実をよく見ているのでしょうけれど……それでも考えることが小狡くてちっちゃいと思えてしまうのは、私が関羽ファンだからなのか(−ー;) 周瑜を失った呉は、老将達も次々と死んでゆき、若い世代へと交代していっています。そして孫権も含めたその若い世代達の視野が、あまりにも狭い。 麋芳と士仁が関羽を裏切ったことに関しては、関羽の締め付けがきつかったからではなく、呉による策略の結果、そうしむけられた流れになっていました。そして呉に対してそういった策略を行うよう命じたのは、合肥の戦いで形式上とはいえ彼らを臣従させていた、魏の次世代トップ曹丕と司馬懿。 仮にも同盟を約していた呉に、よりによって戦時中に裏切られることなど考えもしていなかった、愚直なまでにまっすぐな武将関羽。 曹操も、そして関羽と長らく領土争いをしていた呉の老将呂蒙でさえ、関羽ほどの将軍を策略によって討つことに抵抗を覚え、そして自分達のような戦場で雌雄を決しようとする武人の時代は終わりを告げるのだと悟ります。 いわば北方謙三の愛するハードボイルドの世界、それがここで終わってしまったのではないでしょうか。 ……関羽が捕虜になったあげくに引き出されて首を打たれるのではなく、二代目赤兎や関平達と共に戦場で駆け切ってくれたのが、せめてもの救いだったか。 これから三国は、若い世代達の時代へと向かってゆく。そこにあの戦場で熱く血をたぎらせ、敵対しながらも通じ合うものを持っていた、英雄達の居場所はもうないのかもしれません。
ううう……ここから先まだ四冊もあるのですが、正直もう読みたくない( T _ T ) 劉備と張飛の最期。そこに至る成り行きと心情を、はたして北方先生がどのように解釈・表現されるのかは確かに気になりますが、それでもこの先の展開を考えるとあまりにも切なくって、ページをめくる手が進みそうにありませんです。 北方三国志では、あの孔明さんもけして超越した天才ではなく、時に弱気になり、本当に自分の立てた戦略は正しかったのかと主君へ弱音を吐く、等身大の人間です。そんな孔明さんが三義兄弟から取り残され、実直ではあるけれどやっぱりちょっと頼りない趙雲と、何考えてるのかよく判らない投げやりな馬超とやっていくのかと思うと、気の毒すぎます……
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No.5254
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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