よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年08月04日の読書
2013年08月04日(Sun) 
本日の初読図書:
「異世界のパン屋さん(オンライン小説)」
 http://kouro-koei.digiweb.jp/

両親を早く亡くし祖父一人の手で育てられた本多悠馬は、祖父と共に立派なパン屋になるべく調理師学校に通う、ごくごく普通の青年だった。
その日も朝から店へ出すパンの窯焼きを手伝い、軽くシャワーを浴びてから学校へ行くべく階段を駆け下りたのだが。一瞬の虚脱感、そして落下。
気が付くと彼は見知らぬ異世界へと放り出されていた。
見慣れぬ顔立ちをした人々。あたりには電気の明かりひとつなく、言葉もまるで通じない。
町を一人さまよい、雨に打たれてうずくまっていた悠馬を拾ってくれたのは、黄土色の瞳をした老人だった。着るものと食べるもの、そして寝床をくれた老人。彼はその町でただひとつのパン屋を営んでいた。
どこか祖父を思わせる老人の親切に応えて悠馬ができることは、ただただパンを焼くことだけで。
悠馬の異世界での生活はそうして始まったのだった ――

異世界落ちもの、完結済。
うん、なんというか……すごくしっくりくるお話でした。
私もむかーし、まだ「異世界召喚」とかいうジャンルが今のように広く認知される前に、ルーズリーフに手書きでこの系統にチャレンジしてみたことがあったのですよ。
しかしどうしても、言語と文化の壁という部分に阻まれてしまい、殺伐とした展開にならざるを得ませんでした。 ……その名残が某隻眼の破邪騎士の過去なんですが。
だってどう考えても、普通は日本語とか暦とか共通な訳ないですよね?
いきなり言葉も通じない見知らぬ世界に身ひとつで放り出されたら、普通の現代日本人なら、のたれ死にか人攫いコースまっしぐらとしか思えなくって。
ましてや勇者なんて絶対に無理。現代知識チート? 荷車の構造すら判りませんがなにか??
どんなに頑張っても、日常生活送るのが精一杯という時点から、私の力量では話が進められませんでした(しょぼん)

そういう点でこのお話は、すごく納得がいきつつ、それでも心温まるほのぼのとした雰囲気が良かったです。
悠馬を拾ったお爺さんにも、親切心だけではなく彼なりの打算がちゃんとあって。それでも悠馬を心から大切に思ってくれていたことは、紛れもない真実で。
悠馬もまた悠馬なりのエゴからお爺さんと祖父を重ねて見ていたり、家族が欲しいからという理由で他人に手を差し伸べて。それらをちゃんと自覚しつつも、自分ができるだけのいっぱいの愛情を注いでみたりして。

けして上っ面だけの偽善ではなく、自分のエゴを理解した上での、本当の優しさが身に沁みるお話でした。
そして番外編で、こちらの世界に残された祖父にもちゃんとフォローが入っていて良かったです。ブルク爺さん、本当にGJ!
No.5008 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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