よしなしことを、日々徒然に……
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 2012年10月15日の読書
2012年10月15日(Mon) 
本日の初読図書:
4104507164ひなこまち
畠中 恵
新潮社 2012-06-29

by G-Tools
一太郎が賽の河原で知り合いになった少年 冬吉とその兄 七之助。彼らが祖父から遺産として受け継いだのは、古い船箪笥だった。しかしごうつくばりの親戚達は、箪笥に何か値打ち物を隠しているのではないかと疑い、中を確認しなければ渡せないと言い張る。だがからくり細工が施されたそれは、誰にも開けることができなかった。そのうちに、箪笥を預かっている店で怪異が起こり始めたことから、いっそ箪笥を壊してしまえと言う意見が飛び出して、遺品を受け取りたいだけの兄弟は困り果ててしまい……「ろくでなしの船箪笥」
最近江戸では怪談が流行っていた。その中でも名の売れた噺家 場久の寄席へと話を聞きに言った一太郎らだったが、途中で顔を隠した武家が場久へ斬りかかり、寄席は混乱のうちに中止となってしまう。そしてその頃から町では不思議な怪異が頻発するようになっていた。寛永寺の僧侶寛朝によると、どうやら悪夢除けの札から貘が逃げ出したことにより、悪夢が現実へとあふれ出しているらしい。相談を受けた一太郎達が探すと、貘は意外な人物に化けていた。そしてみなに助けを求めてきて……「ばくのふだ」
人形問屋平賀屋が、美しい小町娘を一人選び、その娘の姿を写して雛人形を作ることとなった。その人形はさる大名へと献上されることになっているのだが、なんでもその裏には、美しい娘を捜し出し側室へ迎えようと言う話が存在しているらしい。容姿に自信のある娘やその親たちは、これこそ出世への道だと色めき立った。さらに美人を一人選ぶにあたって、まずは美しい娘達の番付を作ろうという話まで持ち上がる。そしてその選者へと、長崎屋の主人 藤兵衛が選ばれてしまった。古着屋の娘 於しなは、美しく着飾る娘達に商品を買ってもらおうと、藤兵衛の好みを探りに長崎屋を訪れる。そこで不審者と勘違いされ仁吉と屏風のぞきに追いかけられた彼女だったが、逃げる途中に誤って水に落ちた屏風覗きを助けたことで、誤解は解けた。そして彼女の古着屋から大量の着物が盗まれたことを知った仁吉と屏風覗きは、勘違いしたことと命を救われた詫びとして、力を貸すことにした……「ひなこまち」
お花見にと寛永寺を訪れた一太郎と妖達。楽しく浮かれ騒いでいたところに、河童の女親分 禰々子が訪れた。彼女は以前に一太郎が河童を助けた礼にと、様々な妙薬を持ってきたのだ。と、そこを通りがかった武士の安居が、たまたまそれを耳に止め、どうか薬を譲って欲しいと懇願してくる。なんでも彼には最愛の奥方がいるのだが、彼女とうまく行っていないのだという。河童の妙薬の中には惚れ薬も混じっており、それを使いたいと言うのだった。一太郎はひとまず彼をなだめ思いとどまらせたのだが、一同が酔って昼寝をしている間に何者かが薬を持ち出したことで、寺中を巻き込んだ大騒ぎとなってしまい……「さくらがり」
たった一人選ばれる雛小町。その選者を一太郎が引き受けてしまった。一太郎は全力を尽くそうとするが、周囲は良い顔をしない。そんなある日のこと、安居の奥方だという雪柳が、小さな子供を連れて長崎屋を訪れた。一太郎は安居に河童の妙薬で「飲むと幸せになれるかもしれないが、人生を賭ける必要がある」という一粒を譲っていたのである。雪柳はその一粒を飲んだのだが、何も起こらない。どういうことかと相談しに来たのだった。しかし話を聞いている途中で、雪柳が連れているのが彼女の子ではなく迷子だと判明する。ひとまず自身番へ預けに向かう一同だったが、そこでは若い娘がなにやら騒ぎを起こしていた。しかたなく名主のところへ行くが、そこでも娘が騒いでいる。どうやらことは雛小町に関わっているらしい。町で噂を集めてみると、娘番付に選ばれた娘達はみな大名家に嫁ぎたいなど思っておらず、迷惑がっているのだという。そんなところへ、貘が通りがかった。何故こんな所にいるのかと驚いている。なんとここは現実の江戸ではなく、何者かの夢の中なのだという。一体誰の夢で、どうしてそんなところへ入り込んでしまったのか。驚く一同が気がついた時には、子供がどこかへ消えていた。そして残されていた紙切れには「子を返して欲しく場、雛小町選びを止めよ」と書かれており ―― 「河童の秘薬」

しゃばけシリーズ11弾。短編集と見せかけて、実は全体でひとつのお話です。
今回は久しぶりにおもしろく、一気に読み通せました。初心に返った……とまではいかずとも、割とシリーズ初期に近い感じだったんじゃないでしょうか。
このところ暗かったり説教臭い話が続いていましたが、この巻は明るく楽しくあっさりと読めた感じです。
個人的に表題作で屏風覗きと仁吉がコンビ組んでたのがおもしろく。……なんだかんだ言っても、やっぱり色男二人が並んでるのって良いですよねvv あと仁吉と佐助が本気で争ってるところも個人的にツボ。あそこはもっと詳しくやって欲しかったな〜〜。
ところどころに「ゆんでめて」で語られた平行世界のエピソードを挟むのは、いい加減勘弁して欲しいところではあるんですけどね。あの巻は全体的に辛いお話が多かったので、ざっと流し読みしただけで、ほとんど内容覚えてないんです(−ー;)<禰々子さんって、あの巻で登場してましたっけ??
あ、そう言えば今回は、松之助兄さんも栄吉も出てこなかったな……
No.4242 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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