2012年10月08日の読書
2012年10月08日(Mon)
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本日の初読図書: 古事記です。マンガです。ボールペンで描かれてます。 ざっくりと説明すればそれだけなのですが、これがかなりおもしろいのですよ。 あと忘れてはいけない最大の特徴が、ナレーションおよび台詞の全てが、古文のままなことです。さすがに漢文でこそありませんが、書き下し文です。「天地の初めて発くる時 高天原に成れる神 名は天之御中主神」で始まり、イザナギとイザナミの婚礼シーンは「あなにやし えをとこを」「あなにやし えをとめを」ですよ! 古事記スキーとしてはたまりませんvv これまで現代語訳や漫画化されてきた各種作品ではおおむね省略されがちかつ、実際冗長に感じられる大量の神々を生んでゆくシーンも、秀逸なキャラデザインと画面構成でちっとも飽きさせません。ちゃんと適度な注釈も入っているので、「ああ、この神様は霧の神格化されたものなんだ」とか「この神々は火を使った産業の象徴なんだ」というふうに判りやすいです。 冒頭には四ページにわたってびっちりと、やはりボールペン手書き文字による漢文も収録されており、また現代文による簡単なあらすじも入っているので、古事記になじみのある人も初心者も、どちらも楽しめる構成ではないかと。 ちなみに収録されているのは、天つ神の誕生〜イザナギ・イザナミの婚礼に国生み、黄泉下りに三貴神の誕生、天の岩戸にスサノオの高天原追放ときて、ヤマタノオロチを退治しクシナダヒメと婚礼、「八雲立つ〜」の和歌を詠むところまでです。そして子孫にオオクニヌシが生まれたところで、以下次巻へ。 ナレーションと地の文は原文そのままで、たぶんどこも省略されていないと思われます。それだけに古文の独特のリズムと雰囲気を楽しみながら、絵と注釈による追加表現で状況が非常に判りやすく、また遊び心もたっぷり入っていて実におもしろかったです。 特にイザナギとイザナミの婚礼は、ほんの数単語のシーンを余韻たっぷりに初々しく表現されていて、実に微笑ましく。そして千引の岩での決別では、今までいろんな現代語訳や書き下し文を読んで受けた印象では、イザナギの手のひら返したような態度が少々腹立たしかったんですけど、今回は切なくも雰囲気のあるやりとりになっていて胸に沁みました。 ううむ、見事。
この作品、もともとはWEBで公開され始めたものでして。その存在を知ったときには既に最初の方が削除されており、残念無念だったのですよね。買おうかどうしようか迷いつつ、安くなったら古本で……とか思っていたら、兄が買ってきたのでラッキー★ 二巻目も買おうとしたらしいのですが、本屋で見つからないとのこと。せっかく地元なんだから、置いとこうよリアル書店…… _| ̄|○
なお、どんな内容か雰囲気を知りたい方は、こちらからどうぞ。
■こうの史代【ぼおるぺん古事記】 http://webheibon.jp/kojiki/
今日現在でニニギノミコトが天孫光臨し、猿田彦とアメノウズメがくっつくあたりが掲載されています。
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No.4222
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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