2012年10月04日の読書
2012年10月04日(Thr)
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本日の初読図書: 二十歳の青年 田神悠介は、ゲーム中に何かに呼ばれたような気がして意識を失い、気がついたらと見知らぬ石室の中に横たわっていた。 とりあえず建物から出てみると、真っ白な髪と瞳をした少女に出会うが、悲鳴と共に逃げられてしまう。困惑する悠介に事態を説明してくれたのは、ゼシャールドという青い髪と瞳をした初老の男だった。 なんでも悠介が目覚めたのは、300年に一度現れ世界に災厄をもたらすと伝えられる『邪神』の祠であり、まさに今年はその300年目なのだという。しかもこの世界には、黒い髪と目を持つ人間など存在しないとのことだった。人々は炎・水・土・風のそれぞれの神の恩恵により赤・青・黄・緑の色と特殊な能力『神技』を備えている。先ほどの少女 ―― スンのように、何の能力も持たない白髪白瞳の人々は、無技人と呼ばれ奴隷や家畜のような扱いを受けているらしい。 そして悠介の持つ黒という色は、邪神の色として伝えられているものだった。 目覚める前に聞いた『声』からして、自分がその『邪神』であることは間違いないように思うと悠介は告げた。しかし自分は普通の人間だし、世界を害するようなつもりはないとも主張する。 邪神を研究していたゼシャールドは、悠介の言葉を受け入れつつも、邪神の観察と世界に与える影響を考え、当面ともに暮らすことを提案した。もちろん右も左も判らぬ彼に否やはない。 そんな会話をしている内に、悠介は自分にとある能力が備わっていることに気がついた。それはカスタマイズ・クリエート能力。異世界に落ちる寸前までプレイしていたゲームの機能のひとつで、アイテムとして認識した対象物のパラメーターを操作し、様々に作り替えることができる力だった。しかもポイント制限項目がない。いくらでも使いたい放題の、チート仕様である。 その能力を利用して最初は布から服を作ったり、穴の空いた鍋を修理するなどしていた悠介だったが、慣れるにつれできることの範囲は際限なく広がってゆく。 やがてゼシャールドが諸事情から村を離れることになり、悠介は家事手伝いのスンと二人で暮らし始めた。だがゼシャールドが国を裏切り隣国に亡命したとの情報が流れ、兵士が村へとやってくる。隣国の密偵ではないかと疑いをかけられたスンが捕らえられたと聞き、悠介は急ぎ後を追うのだが ――
「小説家になろう」から書籍化された、一部で有名な良作第二弾。 物語的にはまだ最初も最初ですね(全100話中17話の途中)。ギアホーク砦での初陣を終え、ヴォレットに協力して下々の情報を集めることを約束し、宮殿内の衛士たちへ特殊効果付き装備を作り始めるまでです。 書き足しは地味にちょこちょこと。スンとの歩み寄りや村での生活、戦闘シーンなどが微妙に詳しくなってたりぐらいかな? ある日突然異世界召還。でも超チート能力つきでお気楽極楽、安心して読めるハッピーエンド……では確かにあるのですが、それでも途中かなり残虐描写があるので要・注意です。戦時の拷問とか人種差別も存在していて、けっこうシビアな世界観ですし。 そして異世界に突然放り出された主人公が、終始淡々としていて故郷への執着をほとんど見せないあたりは先日の竜殺し〜と同じなんですが、こちらの作品ではなんとなくそれに違和感を覚えません。 それはユースケが田神悠介本人と言うよりも、そのコピー的存在なのではないかと匂わせる、冒頭の描写のためかもしれません。ユースケはあくまで悠介を原型として作り出された『邪神』なのではないかなあと。だから感情の起伏が異様なまでに平坦なのではないかと(ギアホーク砦での戦闘は、一般日本人なら軽くトラウマレベルでしょう)。
とは言えそれで、優しさや思いやりまで失われている訳ではないので、ユースケは非常に紳士的で落ち着いた、ぶっちゃけ魅力的な存在になっております。そりゃあ、スンもヴォレットも心惹かれるさ! っていうか、イラスト効果すごいですね。いやこの場合は制服効果か? 表紙の闇神隊隊服をまとってステータスウィンドウを出してるユースケは格好良すぎますvv 高校生とかじゃなくて、ちゃんと成人してるのもポイント高し。 あとスン可愛いよスンvv あか抜けないショートカットの村娘を想像していたので、長髪おリボンの初々しい少女にほれぼれしちゃいました。ああでも村服にしては、あの格好は露出高すぎると思うよ。とても『もさっとした村服』ではないね(苦笑) 他方でヴォレットもイメージぴったりでしたし、あとレイフョルドが無駄に格好良いvv 個人的には闇神隊のメンバーもイラストで見たかったです。ただでさえ、誰がどれだか読み分けにくいのに(−ー;)
……ところでこの読書記録を書こうとして気がついたんですが、背表紙にも奥付にもどこにも「1巻」の文字がないよ? あれ? 続編、出ない、の?? そんな訳ないですよね。この段階で終わったら、レイフョルドとか完全に謎の人のままですし! 張り巡らされまくった伏線もありますし!! 大丈夫、だよ、ね(不安)<古本で買ったから売り上げに貢献していない
え、えーと、とりあえず、またも設定資料が載ってなかったので、勝手に貨幣換算。 地図の方は、なろうに残ってる該当ページで見ることができます。
・貨幣換算表 赤晶貨1本=青晶貨5本=黄晶貨10本=緑晶貨30本ということは、
赤晶貨 | 青晶貨5本 | 約30,000円 | 青晶貨 | 黄晶貨2本 | 約6,000円 | 黄晶貨 | 緑晶貨3本 | 約3,000円 | 緑晶貨 | ―― | 約1,000円 |
※最低金額の緑晶貨=無技人に馬車の番をさせて充分な報酬ってことで、計算しやすく千円換算です。
……この金額で考えると、ゼシャールドは8千円を24万円にカスタマイズさせたことになるのか。あーのちゃっかりオヤジめvv
追記: 良かった……なろうの活動報告で、2が出るって報告されてる(安堵)
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No.4203
(読書)
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この記事へのコメント
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雪華
2012/10/06/00:19:48 [HOME]
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こんばんわ、雪華です。
>あの格好 布地が多い=高い、のかなぁ、とも思ったり……
>ナンバリング アルファポリスさんは、元ネット小説の一巻目初版はナンバリングしないのかもしれません。 蛟堂も異界も詐騎士も一巻はノーナンバーでした。 アルカナに一巻表記があるのは初番以降を買ったからかもしれません。
>書き増し そうですっ! ワールドは増えはしても減ってはいなかったのです!! なのに、異界は……… どうしてレジーナで出しちゃったんでしょうねぇ、きっとアルファポリスなら削りはしなかったでしょうに(涙)。
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No.4205
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神崎真
2012/10/06/01:00:43
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> 布地が多い=高い ……にしては装飾が多いとか指摘するのは、多分野暮なんでしょう。可愛いのは正義ですし! ただ王宮で『胸元のあいたドレス』を着せられて、恥ずかしがってモジモジしてるスンに、ちょっと違和感を覚えてしまったもので。
> ナンバリング そうらしいですね。いろいろ検索していたら、アルファポリスさんは1巻目にナンバーふらないという情報が引っかかってきました。売れ行き悪かったらすぐに切れるようにだという意見が多かったですが、単価が高いところと言い、WEB版は下ろすかダイジェストにさせるところと言い、微妙に小者臭を感じてしまいますよね、ふふふ……(暗笑)<いろいろ落としそこねたらしい
ワールド〜はこの調子で削らずに行くと、書き足し含めて6〜7冊は行くかもですね。 うう、嬉しいけど出費と置場が _| ̄|○ そして切実に地図が欲しいです。作者さんの描かれた画像は、あまりに画質が粗いっつーか文字が読みにくいっつーか。いや、あるだけありがたいんですけど! あと暦とか神と色と神技と貨幣の一覧とか。自分用に一応作りましたけど、やっぱり公式に判りやすいのを載せてほしいです。
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No.4207
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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