よしなしことを、日々徒然に……
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 2012年02月07日の読書
2012年02月07日(Tue) 
本日の初読図書:
4101174164影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫)
隆 慶一郎
新潮社 1993-08

by G-Tools
上巻は二郎三郎(家康)が征夷大将軍になった慶長八年( 1603 年)で終わっていましたが、その続きからそのまま始まっています。
専制君主と戦うことに半生を費やしてきた二郎三郎が、気がつけば武士の頂点に立っているというその皮肉。自分が何をすればいいのか戸惑いつつ、しかしその立場はあくまで本物の家康の継嗣たる秀忠へ譲り渡すための、仮初めのそれでしかないと知っている二郎三郎。
しかも征夷大将軍を退き、そして大阪城にいる豊臣秀頼を排してしまえば、自分は用済みとして処分されることが決まっている。秀忠は影武者に対する軽侮の念を隠そうとせず、なんとか力を付けて生き延びようとする二郎三郎との確執は深まるばかり。
やあ、相変わらず面白いです。そして内容が濃い! 要約しようにも、とてもしきれるものではありません。地の文真っ黒で、何ページもしくは数十ページにわたって会話文がないことさえザラなのに、一切ダレることなく夢中になって読ませるこの吸引力は何なのか。
とにかくあらゆる資料を引用しつつ、史実と齟齬をきたさないまま、これだけのエンターテイメント性を出せるのがすごいと思います。
今回も読むのに五日ほどかかりました。作中年月は慶長十五年( 1610 年)まで進みます。
本文中で二郎三郎(家康)の死は元和二年( 1616 年)と明言されてしまったので、ちょっぴり期待していた「死んだと見せかけてどこかへ旅立つ」的展開は消えました。っていうか、母にはっきり「死んだ」とネタバレされました_| ̄|○
あとは残された六年間が、はたしてどのようなものになるかですね……今のところは二郎三郎の圧勝と言うところですが、こちらはこれからどんどん老いて行くわけですし、一方で暗愚な秀忠・柳生宗矩主従はまだ若いから成長していくでしょうし。
……甲斐の六郎に、微妙なフラグが立っちゃってる気配が怖いです。実は彼の今後についての重大情報は、うっかり wiki 読んで知ってしまったんですけど。でもその結果どうなるのかまではまだ知らないんです。ううう、怖い、怖いよ。なんか風斎さんにも完全にフラグ立ってるっぽいし(泣)
左近さんは、なんとなく大丈夫な気がするんですけどね。今回出番少なかったのが、むしろ残念なぐらいで。
とにかく六郎がどんどん格好良くなっていて、本文でも評されている通り、上巻の彼とはまるで別人です。母も言っていましたが、ぶっちゃけ第二の主役だと思います。彼には心から幸せになって欲しいんですけれど、さてどうなることやら。
……とりあえず、下巻を読み始める前にまた、図書館の本から片付けないと。
No.3601 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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