2011年11月14日の読書
2011年11月14日(Mon)
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本日の初読図書: 高度二万メートルの深淵に、それは存在した。 誰の目に触れることもなくひっそりと、悠久の昔からそれはあり続けた。 これまでも、そしてこれからも、厳然として存在し続ける。そのはずであった。 だが…… 航空機開発プロジェクトの試作機と自衛隊機が、高度二万メートルで相次いで爆散した。原因は判らない。 しかし二度目の事故で共に飛んでいた自衛隊機のパイロットは、『そこ』に『なにか』が存在していたのだと、そう主張した。 一方 ―― 死亡したパイロットの遺児である高校生の斉木瞬は、ある日のこと川縁で謎の生き物を拾った。最初は巨大なクラゲ状の軟体動物だったそれは、日が経つにつれて水分を飛ばし、やがて直径1mほどの浮遊する円盤と化した。しかもそれは拙いながらも日本語を操り、携帯電話を通じて瞬と会話するのである。 父を亡くした喪失感を埋めるように、フェイクと名付けた『それ』に愛情を注ぐ瞬。だがやがて判明したその思いもかけない正体に、すでにいびつだった精神の均衡を崩した彼は、取り返しのつかないことを命じてしまい ――
有川浩さんのデビュー二作目。自衛隊三部作の真ん中です。 デビュー作「塩の街」よりは落ち着いて読めたかな。途中やっぱり「人がゴミのようだ」的展開はありましたが、前作よりはましだったかと。それに途中ほのぼのしい所もいろいろあったし、最後はそれなりにハッピーエンドでしたし。 っていうか、春名さんの使える男ぶりに私はメロメロですよ。こういう一見へらへらと軽いのに、実は誠実で有能なタイプってすげえ好みなんで。 あと地味に宮じいが格好いい。ビバ、有意義に年をとった爺さん。 キャラ萌えを置いておくと、【白鯨】の設定が面白かったです。「全き一つ」にこだわるそのメンタリティとか、すごい練り込まれてる感じ。同じ言語を操りながら、その実はまったく異なる思考形態を持つ生き物と交渉を重ねていくその描写には、思わず引き込まれてしまいました。こういうものを思いつける発想って、本当にすごいなあと思います。 ……さあて、三作目はどうしようかなあ。
「2億光年の先で・・・・・・(小説家になろう)」〜治癒士への対応 http://ncode.syosetu.com/n3087q/
宇宙暦 15756 年。 ひとりの人間とアンドロイドからなる惑星改造艦隊。その唯一の人間にして艦隊司令だった如月タスクは、正体不明の空間異常により艦隊ごと遠方へ跳ばされてしまった。その距離2億光年。タキオン通信により地球との交信はできたが、帰還するにはワープ航法を駆使しても数千年の時を必要とする。有り体に言って島流しだ。 艦隊を自由に使って構わないから、自力でなんとか生き延びろと指令を受けたタスクは、幸運にも居住可能惑星を発見できた。しかもそこでは人間に酷似した生き物が、地球でいうなら十五世紀頃の文明を発展させていたのだ。 しばらく調査し、言語や習慣などを身に付けてから、タスクはアンドロイド達と共に地上へと降りて人々の間で暮らし始めた。この星には一定の割合で特殊能力を持つ者が存在しており、魔導士などと呼ばれて様々な魔法を扱っている。おかげでタスクが持っていた機材や薬なども、魔法の道具だと解釈されて受け入れられていった。 ところが宇宙では、タスクの艦隊がこの星にやってきたことで、とんでもない事態を招いており ――
他惑星という名の異世界トリップチート。 もともとが惑星改造を行う艦隊だったので、機材も豊富に持ち合わせており、資材に至ってはそこらの衛星や小惑星から採掘・調達して、月に工場を建設してしまうレベルです。 地球とも通信だけは繋がっているので、互いに情報をやりとりしあったり、雑誌(電子書籍)を送ってもらったりとけっこうお気楽です(笑) 今のところもっぱら、薬と治療カプセルを使用して凄腕治癒士として活動中。それと孤児達を教育して、福祉面の充実をはかったりとか。 途中、数百年後の時系列で番外編が挿入されており、なんとなく今後の展開は見えつつも、話はのんびりゆっくり続いています。先は長そう。
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No.3482
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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