よしなしことを、日々徒然に……
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 2011年09月12日の読書
2011年09月12日(Mon) 
本日の初読図書:
4044121028わたしの勇者さま〈後〉 (角川文庫―スニーカー文庫)
塚本 裕美子 とまと あき 伊東 岳彦
角川書店 1990-12

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悪の魔道士ディーアックは、シンを殺すため次々と魔物を地球に送り込んできた。巻き添えを出さないためにも、そして一刻も早くディーアックを倒しソニア姫を救うためにも、シンはルーへ戻る方法を探そうとする。そんな時、彼はタレント占い師から「古き竜の護る、振り子の下」というお告げを受ける。
謎を解いて該当の場所に向かったシンと松宮一家。
眩い光に包まれ消えようとするシンと目があった瞬間 ―― 陽子は思わず彼の腕の中へと飛びこんでいた。そして次に目を覚ました時には、飼い犬モルトと共に異世界ルーへと転移していた。
そこでは勇者として崇められているシンと共に、彼女は旅に出ることとなるのだが……

続編、番外編があと三冊あるようですが、とりあえずはこの巻で一段落。
……なんですが、なんというかちょっと消化不良の部分がちらりほらり。主にヨーコに秘められていた能力の関係なのですが、これは続編で語られているのかなあ。なにかそれなりの理由とかあるとすっきりするんですけれど。
っていうか、いろんなところがザクザク削られすぎていて、良いのかそれで? 問題は起きなかったのか?? という疑問があったりなかったり(ソニア姫の顛末とかさー、王様あたり納得したんだろうか)。
やはり二十年も前の作品ですし、当時は「異世界召喚モノ」というジャンルも始まったばかり? そこで「逆召喚」という新たな試みをしたあたりで、斬新ではあったのか。
最近のチートだったりスレ主人公の召喚モノを読みつけていると、つい大真面目に悪役やっているディーアックの台詞に、いちいちツッコミを入れたくなってなりません(苦笑)
続きはなあ、興味はあるけれど、買うほどではないと言うか……ううむ。どこかでネタバレ込みのあら筋紹介してないかなあ。
No.3364 (読書)

 
 この記事へのコメント
 
himerindow  2017/08/28/23:38:03
 ヨーコの能力については、続編(第三巻)で一応の説明がなされます(潜在能力が発動されたそうです。)。
 ソニア姫の顛末については、王様としても割り切れないものがあったでしょう。妻を亡くした後、掌中の珠のように大事に育ててきた一人娘ですから。しかし、事情を知っているのは勇者シン(とアイワナ)だけですし、詳しい事情が分からない以上、納得せざるを得なかったのでしょう。
 ただ、ソニア姫の件は、私も納得できません。どうして彼女がディーアックに心を奪われたのか、作品中では全く触れられていないからです。過保護に育てられ、世間知らずであったかも知れませんし、王女として周りからちやほやされ、わがままな性格になったのかも知れません。しかし、それと、ディーアックに与するというのは、次元の違う問題です。「世間知らず」「わがまま」というには度を超しています。
 そもそも、ソニア姫は世継ぎの王女なのですから、黙っていても、勇者シンと結婚し、イオナル王国を継ぐべきポストにありました。積極的にディーアックに与する必要はなかったはずです。そう考えると、むしろ、ディーアックに洗脳されたとするほうが流れとしては自然です。(彼の魔力からすれば、たやすいことでしょう。)。
 結局、こういうことではないでしょうか。本作は、当初、前後巻で完結する予定でした。そして、シンとヨーコのハッピーエンドで話を締めくくるには、ソニア姫は邪魔です。そこで、作者は、姫が自らディーアックに与したことにして、彼女が闇の谷で亡くなってもやむを得ないと読者思わせるような状況を作り、その存在に決着をつけたのでしょう。もし三巻以降が当初から予定されていれば、ソニア姫が闇の谷から助け出される展開もあり得たはずです。リミア姫がソニア姫と容姿・性格共に似ていることからも、それは裏付けられます。ソニア姫は、いわば、物語の展開のための犠牲者なのです。ストーリ上ではやむを得ないことかも知れません。
 ただ、ソニア姫にたいする冷たい扱い(シンはソニア姫が亡くなったことに対し心を痛めている様子がない、アイワナの『馬鹿な娘だよ』との発言、伊東岳彦氏(文庫版イラストレーター)が雑誌(誌名等不詳)のインタビューで、ソニア姫について『主人公が出世するための道具』と発言していることなど)を見ると、心が痛みます。例え彼女が架空の人物であっても…。そこで、私は、ソニア姫を救済するため、別設定(ソニア姫は、異世界に転移されたシンを救うため、止む無く闇に魂を捧げた。)を付加して、自分なりの物語を書いています。
 
No.8409
 
神崎真  2017/08/29/09:03:22
はじめまして、ようこそいらっしゃいませ> himerindow さま
こんな古い記事にみっちりなコメント、ありがとうございました!
異世界FTにおいて、「姫」という存在が一種の「装置」というか、ストーリーをきれいに収めるための存在と化してしまっている場合はままありますよね。
そういう流れがあったからこその、最近のアンチ系小説の台頭なのではないかと、私は思っています(特に悪役令嬢転生物とか)。

> 別設定を付加して、自分なりの物語を書いています。

終わりに納得がいかないから、自分で書く気持ち、判ります(><)
私も最初に二次創作というか、脳内で別エンドを作ったのは、とあるアニメの最後でヒロインがすべてを救って死んでしまったのがどうしても納得行かなかったからでした。まだ二次創作とか同人誌なんて言葉も知らない幼少期で、実際に書きはしませんでしたけど、ヒロイン自身が救われないことが切なくて切なくて。一生懸命違うラストを考えたものでした。
二次創作の原点って、そういうところから来るんだろうなあって思ってます。
書き込み、ありがとうございました。
 
No.8410

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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