2011年08月20日の読書
2011年08月20日(Sat)
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本日の初読図書: 「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」と副題がついた、十九〜二十世紀初頭頃の探偵を集めた全集のうち一冊です。 そのなかでもマックス・カラドスは、盲目の探偵というひときわ変わった御仁。 二十代になったばかりの頃、乗馬中の事故で失明した彼は、驚異的な努力と訓練により、目が見える人間には持ち得ない鋭い感覚を手に入れた。見た目に惑わされることなく、あらゆる人の声を聞き分け、遺留物の匂いをかぎ分け、その鋭い指先の触覚は印刷物に触れることによって文字を読みとることすら可能とします。 また従僕のパーキンソンは、驚異的な観察力と記憶力によって主人のサポートをし、友人の私立探偵カーライルが良きワトソン役を務める。なかなかおもしろい設定ではないでしょうか。 邦訳作品が少なく、また訳されているのも文章がいささか古いのが残念なところです。 原文の文章もちょっとぎこちないのでしょうかね。今回収録されていた八作品のうち、最初の二〜三作は正直かなり取っつきにくかったです。人間関係とか、今その人物がどこにいるのか(旅行中だというのが、何ページも進んでからようやく判明する)とかが判りにくくって。一度最後まで読んでから改めて再読して、ようやく楽しむことができました。 カラドスの推理がときどき「それ根拠ないやろ」ってのと、偶然が重なりすぎるのがいささかマイナス点かと。 個人的に新しい訳で読んでみたいです。二十数編あるという、他の作品も。
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No.3319
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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