2010年11月26日の読書
2010年11月26日(Fri)
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本日の初読図書: 魔王を倒したと思ったダヤン達は、わちふぃーるどを氷の世界にしようとする雪の神を止めるため、北の地を目指します。 一方、イマのわちふぃーるどでは、皆がダヤンとジタンを取り戻すため、もう一度時の魔法を行おうとしていました。 ドワーフ達の助けを借りて、時の扉を作るイワン達。過去の世界では、バニラが兄の後を追い、さらにその後を『魔王』が追ってゆきます。 はたして世界は救われるのか。そしてダヤンとジタンの運命は?
ついにシリーズ最終巻です。 うーん、ここから先はどうしてもネタバレに触れてしまうので、記事を畳みましょうか。
注意:辛口です。
……えー、正直、めっちゃ消化不良でした。 なんというか、タイムパラドックスでしっちゃかめっちゃか。雪の神と魔王とキマイラ、そしてジタンの人生が結局どうなったのか、さっぱりわかりません。 そもそもダヤンが過去のアビルトークに行き雪の神を止めることが、なぜ現在のわちふぃーるどでの雪の神の蛮行を止めることに繋がるのか、そもそもそこがはっきりしていなかったのですよね。 過去にキマイラを連れてゆくことで、キマイラと魔王を入れ替わらせ、イマの魔王が北へ行ったことを『なかったこと』にするのであれば、そこで歴史が別れてしまい、以降の時間軸はパラレルワールド化してしまうわけで。 そもそも過去にキマイラと魔王が入れ替わることを、イマのジタンとセが知らないのであれば、それは既に起きなかったはずのことだから、それが起きてしまえば歴史は変わる。ならば過去からイマまでを生きていたはずの魔王の存在や、彼に殺されてきたあまたの動物たちの命はどうなってしまうのか。 なによりもジタン。 アビルトーク崩壊から何百年(何千年?)をダヤンのためだけに生きてきて、そうしてナンニモナイの中に溶けてしまった彼。 その彼が知らないこと(魔王=キマイラ)を知っていた、スコシマエの彼。 そしてアビルトーク崩壊からしばしの後、時の扉をくぐってイマのタシルへやってきた、いわば人生をショートカットした彼。 少なくとも三人のジタンが存在している、この矛盾はなんなんでしょう? 一番最初のジタンが切なくて、でも格好良くて、大好きな私にはどうにも納得がいかないのです。
……バニラの行動も、何というか……ぶっちゃけ、ワガママでひとり飛び出して、偶然イワン達に助けられた挙げ句、過去に残してきた皆にかけただろう心配や苦しみを気にもせずにいる彼女には、正直ちょっと……元王女様の責任感が足りないんと違う? と。 彼女の脱走を手伝ったパーやシューは、きっと後悔でやりきれない想いをしただろうに。乳母のトラは泣いただろうにと思うと、なんだかなあと。
マージョリーノエルと共に帰って(?)きたジタンのことといい、彼を迎えるバニラの存在といい、無理矢理ハッピーエンドにしようとして、失敗しているような気がしてなりません。たとえ同じキャラクターであっても、過ごしてきた人生が違えば、それは違う存在となってしまうのではないでしょうか。 人生をショートカットした三番目のジタンは、けしてわちふぃーるどを見守り続けてきた、ミステリアスな謎の猫ジタンではないと思うのです(だってイワンの事もマーシィの事も知らないんだし。たとえスコシマエ以降の彼だとしても、それはけしてダヤンのためにすべてを捧げた、一番目の彼ではありえない)
すみません、辛口評価で。 でもだって、だって、一番最初の、ナンニモナイに溶けていったジタンが、切なすぎる〜〜〜〜〜(泣)
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No.2950
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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