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母と二人、三月から行こう行こうと言っていた、古代出雲歴史博物館へ、ついに行って参りました。 いえね、三月から企画展で「輝く出雲ブランド−古代出雲の玉作り−」なるものをやっていたのですよ。謳い文句によれば、なんでも国宝級・重要文化財級の勾玉にお目にかかれると言うではありませんか! これを逃す手は、いかに出不精の私といえども、むしろ時間の有り余っている今だからこそ、ありません。 そして古代史ネタ好きは母も同類。春休み、GW、土日祝日は外そうとか言っている間に、気がついてみれば開催期間も終わりに近く、慌てて実際に出かけることを決めたのが、つい先日の土曜日。HPで確認したところ、ネットで前売り予約してゆけば、常設・企画展セット価格が200円も安くなると言うことで、いそいそと二人分予約して、珍しく満を持してのお出かけと相成りました。
ちなみに車で四十分ほどの距離なんですが、こんな長距離運転は冗談抜きで一年ぶり(汗) 大丈夫かとの危惧もありましたが、そのあたりはまあどうにかなったようで。
でもって、展示です。 まず一番最初の入口ロビーに鎮座ましましていたのが、かの数年前に発掘された古代出雲大社の御柱。
ガラスケース越しですが、さすがの迫力です。 こんなのが九本も丈高く建っていたのかと思うとほんとにすごいですね。
そしてこんな写真を撮っていたところで、折良く古事記を上映しているという二十分ほどのシアターの時間がやってきたので、さっそく鑑賞。 さすが本場出雲大社で作られているだけあって、某映画のような無茶苦茶な改編が為されているわけもなく、イザナギ・イザナミの降臨からヤマタノオロチ退治までを綺麗にまとめてありました。むしろスサノオが母親に逢いたいーーと子供のように寝転んでジタバタしていたり、高天原を追放されるとき髭を剃られていたり、クシナダ姫を助けるとき櫛に変えて髪に挿してたりとか、妙に細かいところが忠実で笑えました。
映画を見終わった後は、先ず常設展。こちらはテーマ別展示室と総合展示室があって、テーマ別の方は、やはり古代出雲・出雲の国風土記をテーマに、土器や青銅器が多数取りそろってました。圧巻は壁に掛かっている出雲大社の前回の造営で取り外された実物の千木(屋根の上で交差している木。一本 500kg あるそうです)とか、荒神谷から発掘された銅剣が壁一面を埋めつくしている光景。他にも三角縁神獣鏡とか、もしかしてこれ額田部臣銘文入太刀!?とか、これ日本史の教科書で見たことあるぞ? な代物もあったりして。 まあ中にはレプリカも結構含まれてたんですけど。 そうそうレプリカと言えば、実際に触れるようになっている青銅の太刀が置かれていたのですよ。拵えこみの、なかなか美しい代物。それを小学生らに入り混じって、嬉々として持ちあげてきた馬鹿がここに(苦笑) いやねえ、だって異世界ファンタジー書きとしては、実物に触れられる機会は外せないですよねえ? ちなみにかなーり重かったです。あれを振りまわせる騎士達はやっぱすげえなあと、感心しつつ。
11時前から昼過ぎまでかけてそんなこんなをながめた後は、一旦休憩と言うことで、内部のカフェ「阿礼」で昼食をば。
古代米入り薬膳カレー。トッピングは松の実とクコの実。お皿は太極の図なのか勾玉を模しているのか。食後のドリンクつきで 1200 円也と少々お高めですが、気分は出るし、味も甘口でなかなか美味しかったです。ミルクティもハーブでも足してあるのか、ちょっと変わった感じのスッとする風味でした。
で、腹ごしらえの後は、まず総合展示室。 こちらは古代出雲だけではなく歴史を後期まで追いかけて、石見銀山とか雷電爲右エ門とか不昧公とか小泉八雲あたりまで、幅広い展示が為されていました。 そしてそして、いよいよ最大目的の企画展です。 いやあ……眼福でしたvv
入口にいきなりあったのは、当代天皇陛下がご即位された際に作られたという、10センチ以上はあろうかという巨大な一対の勾玉と、同じく勾玉や管玉を使用したネックレス(共に控)。これがまた現代の技術で作られているだけあって、さすがの美しさなんですよ。あんまり綺麗だったので、最後にもう一回見に行ったぐらいで。 そこからは、ひたすら古代出雲の勾玉、管玉、その他玉石作品の世界。 ちょっと意外だったのは、勾玉とはなんぞや〜といった民俗学(?)的な解説は一切なく、ひたすら作成技法や材料の種類や産出場所などの技術的な説明ばかりが為されていたことでしょうか。いやでも勉強になりましたよ。 材料に赤瑪瑙を使用するのは古代出雲から始まったとか、同じく赤瑪瑙は管玉にはほとんど使われていないとか、出雲製の勾玉は一方から穴を穿孔しているけれど、他のものは両側から行っているとか(またこの穿孔に使う石針がシャーペンの芯並に細いんですよ! あれ自体どうやって作ったんだか)。管玉を作成するのも、材料をただ割って棒状にしてから磨く場合と、二分割二分割と当割していってから棒状にする場合と、板状にしてから細く削り割っていく方式と、様々なやり方があるのだとか。 最初は流し読みしていた解説を、途中からは行きつ戻りつして読みふけってしまい、気がつけば母なぞほったらかしにして食い入っておりました(苦笑)
ちょっと残念だったのは、展示品の多くが、作成途中の原石に近いものだったこと。 そりゃまあ確かに、遺跡から完成品が出土するのは珍しいのかもしれないですけど、個人的にもうちょっとキラキラしいのを期待していっていたもので、少々肩透かしな思いが。 ああでも、オオクニヌシがヌナカワヒメへのプロポーズに使ったのでは、とかコピーのついていた、半透明の極上翡翠の勾玉は絶品でした(うっとり) 展示もほぼラストの方に置いてありますが、これから見に行かれる予定の方は、是非! 要チェックですぞ!
そんなこんなで、気がついてみればもう三時近く。昼食時間を入れたら四時間ほども中で過ごした後は、せっかくここまで来たのだからと、大社さんへご参拝に。
生憎お天気は微妙な雨模様でしたが、まあ傘はなくても良いかな程度で。 まずは神楽殿、それから本殿、拝殿と、ちょっと滅茶苦茶なコースで参ってきましたが、まあそこはそれ。遷宮の途中だからか、周囲にテントが張られていつもとはだいぶ雰囲気が違ってました。写真は拝殿の前です。
帰りには、地元の人間にはもはやお約束な島根ワイナリーに寄り道などしつつ、俵饅頭と甘味ワインをお土産に帰宅。家に到着したのは四時過ぎぐらいでしたでしょうか。 久しぶりに一日非常に充実した時間を過ごせましたvv ああ、今日の夢にあれとかこれとか出てこないかな……うっとり。
っていうか、久々に頭の中で晴明くんが、直人達に蘊蓄かましまくってるんですが、これなんとか一本の話に仕上げられないかな……しかしどう言ったシチュエーションなら、勾玉や出雲神話を彼らに関連させられることやら(悩)
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No.2394
(日常)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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