よしなしことを、日々徒然に……
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 蝶々殺人事件 由利麟太郎シリーズ
2020年08月03日(Mon) 
読書記録:


表題作の長編及び、短編の「蜘蛛と百合」「薔薇と鬱金香」を収録。
うーん……なんというか(苦笑)
「蝶々殺人事件」は、吉川版ドラマの最終前後編で使われたお話なのですが……ドラマはやっぱり改変が(ry
基本的な流れは同じなんですけど、ドラマではトリックや人の動きなどが相当に削ぎ落とされ、かつ華やかに脚色されていました。犯人は同じものの、動機が全然違いましたし。あと総一郎氏(殺された歌手さくら女史の旦那)も原作では、良い人とまでは言わないまでも、まあ考えが浅いかなあぐらいの人でした。少なくとも、節操なしだったり、奥さん殺された直後に愛人引っ張り込んだりはしてない(苦笑)
殺されたさくら女史も、ドラマのほうがキャラ的にすごみがあったし、やはりこのシリーズは金田一に比べると、まだまだ作りが甘いかなあという印象が拭えませんね。
っていうか、コントラバスケースに入っていた死体、ドラマでは非常に美しく彩られていました。なのに原作の方は普段着のままで突っ込まれていたあたり、ドラマのほうがより横溝正史っぽいってどうなんでしょうww
そして一番びっくりしたのは、原作で由利先生が結婚していらしたことです。しかもお相手が20歳以上離れているらしい若奥様。
あれー、なんか思わせぶりな書き方だなあ? と思っていたら、そうかそれがドラマ版の最後の『あそこ』に繋がってるのか、とww
ドラマ放送中に原作ファンの方々が、なんかザワザワしていた意味が、ようやく判りましたですよ。
「蜘蛛と百合」は、三津木青年が怪しい女性の色香に迷って、由利先生の忠告すら疎ましく感じてしまうという、ちょっとお約束から外れた展開。しかし人死にが多いわ、由利先生も「現場保存なにそれおいしいの?」的行動を取るので、ちょっと突っ込みどころが多すぎた感が(苦笑)
「薔薇と鬱金香」、由利先生と三津木青年が登場するのは最初と最後だけ。
殺人者として投獄され、獄死したと思われていた青年が、真犯人と対決し愛しい人を取り戻す……と書けば聞こえはいいですが、そもそもあなた達、女性側が結婚してる不倫カップルだったよね? 殺された旦那はいい面の皮じゃ、という点がどうにもこうモヤッと……あとオルゴールが逢い引きの合図で、しかも中に指の骨が隠されていたというネタは、金田一耕助シリーズの「蝋美人」にも使われています。
人形佐七捕物帳などでもそうですけど、横溝先生はけっこうネタの使い回しをされるんですよねえ……
No.2081 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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