もふもふを知らなかったら人生の半分は無駄にしていた
2020年03月13日(Fri)
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読書記録: ■もふもふを知らなかったら人生の半分は無駄にしていた【Web版】 〜351 突破方法 https://ncode.syosetu.com/n7009fc/
突然の土砂災害に巻き込まれた青年は、その死の寸前まで……いや、死んでからもなお、『みんな』を助けることのみ考えていた。しかし自身の魂すらをもすり減らし、高次の世界まで辿り着いた彼にもたらされたのは、その『みんな』も既に死んでいるという、残酷な事実。 理(ことわり)は変えられない。絶望に魂ごと崩れていこうとした彼を、白髪の老人 ―― おそらくは『かみさま』 ―― が止める。 最期の時に、青年が皆を助けたいと思ったように、皆もお前を助けようと思った。その皆の魂が一部お前に入り込み、今にも消滅しようとしている魂をなんとか繋ぎ止めている。 そんな魂が消えていくのは惜しい。しかしそこまで傷ついた魂を、そのまま修復することも難しい。だから『よそ』へ行ってみるか? と。 老人いわく、他の世界へと送れば、魂の修復は出来る。その繋がりがあれば、皆をその世界へ呼ぶこともできるだろう。ただし儂ができるのは魂の修復まで。あとはお前の頑張り次第だ、と。 えっ? それって頑張って……なんとかなるものなの? とまどう彼へと、老人はうなずいてみせる。 「綺麗な魂の迷い子よ、次は、悔いの残らぬようにな」 そうして次にはっきりと意識を取り戻した時 ―― 彼は見知らぬベッドに横たえられていた。なんでも気を失って海岸へ打ち上げられていた所を、その地の領主が助けてくれたらしい。 薄桃色でふわふわの産毛と、小さな角の生えた巨大なヘビを肩に巻きつけた領主 ―― カルロス・ロクサレン様は、貴族らしからぬ豪快な笑顔で声をかけてくる。 「ぼうず、丸一日寝てたんだ、腹減ったろう」 そう、彼は正しく『ぼうず』となっていた。 どうやら魂の損傷が大きすぎて、無事な部分を寄せ集めて修復した結果、2歳児の身体になったらしい。 えっ……てことは……寿命、2年分しか残ってなかったの? あっぶな…… 内心で冷汗をかく元青年、今は幼児になってしまったユータを、ロクサレン家の人々は快く受け入れてくれて ――
神様転生系で、現代知識で無双、もふもふ、総愛され。現在300話オーバーでなおも連載中。書籍化・コミカライズ済。 一部厳しい世界で、基本的に子供達の精神年齢も高め。でも鬱展開はなく、ひたすら優しい雰囲気でほっこりできました。 主役の年齢がまだ公称5歳、実質4歳なこともあるのでしょうが、親愛・家族愛方面での溺愛はあっても、恋愛やハーレムは一切匂わされないのも評価高し。キャラの男女比も不自然じゃないですし。 むしろチートなのは、最初に拾ってくれた領主様御一家(使用人含む)。 元A級冒険者達が、国から首輪の意味で辺境伯の爵位を押し付けられたのを、鎖ぐらいいつでも引きちぎれるけど今はまあ持っておいてやるか、程度の認識でいる人達なので、強い強いww あと主役が「前世を含めれば精神年齢**なのに」とか言わず、今の自分は前世とは別物。身体に引きずられて精神も幼児になっていると自覚してるので、少々アレなことやらかしても「まあ幼児だしね、うん」と見守れます。 もはや聖人レベルで「それ許しちゃいかんだろ」ってことをあっさり許してしまうのも、そもそもが聖人レベルで魂が清かったから、転生が可能になったんだと思えば^^;;
登場キャラが多い割に、再登場のたびにちゃんと補足を入れてくれるためか、混乱が少なかったのもいいですね。 個人的には、ツンデレなおっさん隠密が好きww 神獣ルーはもっと出番が多いかと思ったら、なにやら過去に屈託があるようで、なかなか素直にユータを構いにこないのがもどかしく。彼が何を気にしているのかも、早く知りたいところですが。 あ、領主様は別格です。イケメンなのに身なりに構わない、無精髭の豪快なおっさん(16歳の息子あり)。でも領主として父親として、家族と民を大切にして、やる時はきっちりやる大きな背中の持ち主。なお生活能力は皆無とか、最高かよww あと実は凄腕魔法使いで、いざという時は汚れ役も辞さないクールな老執事が、2歳児に落とされていく様もご馳走さまです。 最初にアレな目にあった護衛のタジルさんは、もうちょっと出番を期待したくww
そしてハンドメイドをかじった人間としては、作者さまが参考画像としてUPしておられる、羊毛フェルトのクォリティが高すぎて打ち震えております。
■作中もふもふ参考画像 *ネタバレあり 2019/8/3 追加 https://ncode.syosetu.com/n7009fc/1/
もっぱら作中に登場する架空のもふもふ達のものなのですが、もう脳内では完全にその姿で再生されてますよ。ラピスめっちゃ可愛い! ムゥちゃんなんて、文章だけではよもやこんなにも愛らしい存在だとは想像できなかったっっ プリメラの自然なラインとかもすごすぎる……私は自分が立体造形能力皆無なので、もう尊敬するしかありませんです。
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No.1878
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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