よしなしことを、日々徒然に……
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 私は隣の田中です
2018年05月21日(Mon) 
読書記録:
■私は隣の田中です 〜花火と浴衣、時々退魔 (第二話 杉野&柳田)
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天涯孤独のOL鈴木麻衣の魂が異世界トリップした先は、彼女がつい先程最終巻を買ったばかりの、現代サイキックホラー小説『闇の慟哭』……に、非常によく似た世界だった。
主人公の退魔師 如月悟はとにかくイケメンで、毎巻異なるヒロイン達と関係を持つ、どちらかと言うと男性向けの濡れ場の多い小説で。
意識を取り戻した時、彼女はエレベーターの中でそんな如月に抱き起こされていた。
どうやら彼女は、如月が住むマンションの隣人 ―― 一作につきワンシーン登場すれば良い方である、名前があるだけマシなモブ女性 ―― 田中舞の身体に憑依してしまったらしい。いや、厳密に言えば憑依したのではなく、よく似た過去や感性を持っていたその田中と、魂が溶け合い融合してしまったようなのだ。
高校生の頃から憧れだった小説のヒーローの、隣人となってしまった。しかもよく思い返してみれば、田中がエレベーターの中で抱き起こされるというのは、第一巻冒頭のエピソードではなかったか。
それではこれから、一巻目の事件が起きるのだろうか。
そんな事を考えていた田中舞=鈴木麻衣=マイの前に、和服姿の少女が現れる。それは普通の人間には見えないはずの、如月が使っている式神で……

現代世界から現代FT世界への憑依トリップもの。本編は数年前に完結済ですが、外伝や小噺が時々投稿されているようで、最新小噺は3ヶ月ほど前にUPされてます。
異能力者達が、公にはなっていない影の組織 防魔調査室として国家公務員をやっている世界へ、原作知識ありでトリップ。二人分の魂が融合した結果、霊能力&霊的魅力が振り切れるほどUPして、見た目は平凡でも霊能力のある人や妖の類には絶世の美女に見えるようになっちゃったという総愛され系。
ただし原作知識と実際に起きる事件は、ほんのりテイストやキーワードが似通っているだけ。さらに基本オカルトありきの世界なので、魂が重なってることとか早々に他キャラ達に見抜かれて、秘密とかほとんどなく最初から洗いざらい全部事情を話して協力しあってます。
そして如月からは溺愛と言うか、むしろそれ完全にストーカー……的な嫉妬まみれのアプローチをひたすら受けまくっているんですが、なにしろ融合した二人共が生まれてからずっと凡庸だったという人生経験を持ち、さらに憑依した麻衣の方が自分はモブキャラという認識で凝り固まっていて、ちょっとイラッとするぐらいに難聴鈍感系を地で行ってます。
……まあ、本編終盤あたりで、そのあたりがらっとひっくり返されると言うか、彼女が読む前にトリップしちゃった最終巻には記されていた、いろいろな事情がある訳なんですが。
トリップした先が何故小説に酷似していたのかとか、きちんと説明がなされているのは、この手の作品として好感が持てるところでした。
No.371 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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