侯爵子息は可愛い婚約者の悪役令嬢シナリオを回避する!!
2023年03月06日(Mon)
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読書記録: ■侯爵子息は可愛い婚約者の悪役令嬢シナリオを回避する!! https://ncode.syosetu.com/n7394fo/
「伯爵令嬢はヤンデレ旦那様と当て馬シナリオを回避する!!」「(元)暗殺者侍女は腹黒わんこ皇子と破滅シナリオを回避する!!」のさらなる続編で、両作品の子供世代のお話です。今回もヤンデレ×ヤンデレ。 子供達はたいてい破格ですが、親も親で破格のままなので、前作メインキャラが残念なことに……という展開は避けられた模様。 ただ……うーん……正直、今回はちょっと、という感じでした。 以下は辛口につき、記事を畳む&要スクロールで。
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No.3488
(読書)
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(元)暗殺者侍女は腹黒わんこ皇子と破滅シナリオを回避する!!
2023年03月04日(Sat)
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読書記録: ■(元)暗殺者侍女は腹黒わんこ皇子と破滅シナリオを回避する!! https://ncode.syosetu.com/n9138fn/
元暗殺者というだけの、至って普通な侍女ノエル・ノワ(十五歳)。 竜人族が治めるマグノール帝国の皇城に務める彼女は、ある日突然、同僚に言われた言葉に怪訝な顔をした。 「わたし、当て馬なのよ」 金髪碧眼の美しい侍女パールは、第一皇子の専属であった。そんな彼女いわく、自身は異世界から転生してきた存在なのだという。そしてここマグノール帝国は、オトメゲームとか言う恋愛シミュレーションの舞台。身分の高いイケメン達と、聖女であるヒロインがキャッキャウフフしながら仲を深めて魔王を討伐するのだという。 そして彼女は、そのシナリオの中で行われる、恋愛のための当て馬だとかなんだとか。 「……はあ」 半分以上聞き流していたノエルだったが、しかし続く言葉でそれは他人事ではなくなった。 「という訳で、気合いで寿退社を勝ち取ってきました☆」 「………はい?」 「近々結婚するから侍女辞めます☆ これで当て馬シナリオ回避だぜ☆ 私がいなくなることでゲームのシナリオがどうなるか分からないんだけど……頑張ってね!」 そうして退職した彼女の代わりとして、ノエルは第一皇子の専属侍女に任命されたのである。 しかし ―― 「パールは君がとても優れた侍女であると言っていましたが……人間族である君に期待は一ミリもありません。皇子の専属だというならわたしではなく、犬畜生の方でもいいでしょう」 竜と人の姿、そして高い戦闘能力を持つ竜人種は、時に傲慢で。中でもこの第一皇子は他種族に対する蔑視を隠そうともしていなかった。 彼が犬畜生と称したのは、側妃が産んだ第二皇子リオンのことである。狼獣人の姫君の息子は、竜人種と獣人種のハーフだった。ゆえに第一皇子の母である竜人種の正妃や彼は、犬畜生と呼び疎んじているのだ。 ともあれ、あんなクソ野郎の侍女よりもリオン様の方がマシかもしれないと第二皇子の元へ向かった彼女は、想像以上の状態に驚くこととなった。 薄暗い、皇城の隅。ベッドしかない質素な部屋に、平民と変わらない服を着て暮らしていたのは、アッシュグレーの髪に金の瞳、ふさふさのケモミミと尻尾を持つ第二皇子。ノエルと同じ十五歳なはずの彼は、どう見ても五歳程度の子供の姿で ――
R18な乙ゲーの、悪役ですらない当て馬(サポートキャラ)回避……のため前世持ち転生者に行動された結果、代わりに巻き込まれた現地モブキャラ(でも実は根幹に関わってくる事情あり)のお話。完結済。 以前読んだ、「伯爵令嬢はヤンデレ旦那様と当て馬シナリオを回避する!!」の続編で、本編ラストにちらっと触れられていた、「精霊術が廃れて問題になっている竜人族の帝国」のお話であり、先代が受肉して空位になった光と闇の大精霊とか「とある少女」などが関わってきてます。というか、半分を過ぎたあたりから前作の主役夫婦(ルインとシエラ)がガンガン出てくるので、順番通りに読むことを推奨。 というかなんというか、うーん……前作と比較するとちょっと作りが甘いというか、二番煎じな感は否めません。いや面白かったですけど! 初っ端からフラグを折りまくっていくスタンスとか、これと決めた相手には愚直なまでに一直線とか、腹黒溺愛系×恋愛初心者な現実主義とかすごく好きです。 前回よりさらにさくさく話が進んで、もはやゲームを開始させずに終了させてるあたりの台無し感とかも楽しいです。思わせぶりに出てきた第一皇子と聖女の空気っぷりよww ただ、そもそも主役のノエルが、元孤児から暗殺者になったというのは良いんですが。そんな過去持ちが十五歳時点でもう完全に引退して王宮の侍女に収まってるという、そこらへんの経緯が一切語られていません。一体何がどうしてそうなった?? というのが気になって、ちょっと物語に入り込みにくかったです。 そして前回に引き続き、親世代のやらかしっぷりがヒデエ。まともだったの魔王様夫妻ぐらいじゃないかなあ(苦笑) まあ、ルインさんに良いお友達が出来たのは良かったと思います。
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No.3485
(読書)
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読書記録: ■私の愛 https://ncode.syosetu.com/n6138hx/
真実の愛とやらに目覚めた第一王子から婚約破棄された侯爵令嬢アネモネは、新たに王太子となった第二王子との結婚式に臨む。文武両道でカリスマ性も高く、王としての素質が充分にある彼は、アネモネが初恋だったのだという。 そうして第一王子は、男爵令嬢との愛に生きるとして王位継承権を剥奪。王太子となった第二王子の傍らで、ウェディングドレスを着たアネモネは誓いの言葉を口にする。 それが破滅の始まりだとは、誰も予想だにしておらず ――
読み切り短編、転生要素なしの現地主人公。悪役令嬢救済と見せかけてからの、意外な展開でした。 アネモネさんの狂気っぷりが怖いです。でも彼女のそれこそが『真実の愛』だったのかもしれません。 R15が残酷描写方面でお仕事しているので、苦手な方はご注意ください。
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No.3481
(読書)
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推定悪役令嬢は国一番の【ブサイク】に嫁がされるようです
2023年02月23日(Thr)
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読書記録: ■推定悪役令嬢は国一番の【ブサイク】に嫁がされるようです 〜第33話 番外編 https://kakuyomu.jp/works/1177354054946508647
エマニュエル・ベイツリー公爵令嬢は、平成の日本から剣と魔法の異世界に生まれ変わった、いわゆる転生者だった。 国一番の美貌と称されて、魔法の才能に恵まれており、おまけに幼い頃から定められていた婚約者は、はとこである王太子。 ……このスペックって、いわゆる悪役令嬢というやつではないだろうか? そんなふうに思ったが、彼女はこの世界に該当する乙女ゲームに、一切心当たりがなかった。 誰の姿を見ても、どんな名前を聞いても、国を揺るがす事件が発生し、本編ストーリーっぽいものが進行し始めても、まったくなにも判らない。 そして貴族の子女が通う学園在学中に、魔物の氾濫が起き、学生ながらもそれらと戦い押し戻す中で ―― 王太子と、ディルナ・ラークスパー男爵令嬢が愛の女神の加護を受け、その力で国の守護聖竜を蘇らせて云々という結果になったことで、エマニュエルと王太子の婚約は破棄されることが決定した。 そこまでは良い。しかし愛の女神によって結ばれた二人の関係を正当化させるためにも、前の婚約者であるエマニュエルには、悪役の汚名を着る必要ができてしまった。事実、神殿から王家へと、エマニュエルが【女神のいとし子】に対して行った、数々の虐めについて処罰を求める親書が届けられている。 「まったく、実にくだらんな」 「本当ですよ! そんな回りくどい嫌がらせなんか、エマ様も誰もしていませんから!」 国王は不機嫌そうに吐き捨て、推定ヒロインであるディルナはぷりぷりと怒りをあらわにしている。 田舎の男爵家でのびのびと育った彼女は、確かに貴族的な作法や習慣が身についていなかった。そのため注意したりフォローしたりということはあったが、逆にそれで彼女との仲はかなり良好だったりする。 そもそも政略で決められた婚約者である王太子とは、貴族の務めとして円満にやっていこうと思ってはいたものの、恋愛感情を抱いていた訳でもない。よって奪われたという意識もほとんどないのだ。 しかし、政治的な戦で負けてしまったこともあり、ベイツリー公爵家はなんらかのペナルティを受けざるをえない状況。 いくつか上げられた中で、神殿や対立貴族達がもっとも乗り気となり、父や国王がそれはさすがに……と、難色を示すものがあった。 国境で国防を担う、サントリナ辺境伯ルースとの縁談である。 彼は国でも一番醜いと評判であった。辺境伯という高位の立場にありながら、28歳になる現在も婚約者が決まらないほどにだ。 国王と公爵は、ひとまず形だけ婚約をし、いろいろと理由をつけて婚姻を先延ばしにして、ほとぼりが冷めた頃に破談にすれば……いやしかしそれでも……と、苦悩している。 そんな中で、エマニュエルは震える声で、思い切り叫んでいた。 「……そんな、そんなの……ただのご褒美じゃないですかっ!」と。 かの魔物の氾濫の際、見事な剣さばきで己を救ってくれたルースに、エマニュエルは多大なる好意を抱いていたのである ――
美醜の価値基準が違う世界へ、絶世の美女(推定悪役令嬢)として転生した元日本人が、その世界では醜悪とされる、前世基準では絶世のイケメンに一目惚れ。 自己評価最底辺で、好感度は最初からMAXだけど、崇拝のレベルでしか接してくれない世間的な見た目以外は文句なくハイスペックなヒーローを、イケイケ押せ押せで口説き落とす系です。 書籍化・コミカライズ済。連載中となってますが、ちゃんとエピローグと後日談的番外編まで到達しています。 で、髪の色が魔力量とイコールとされるこの世界では、髪の色が濃ければ濃いほど美しいとされ、顔立ちや体型はまったく考慮されていません。むしろつぶらな目がとか通った鼻筋がとか言い出すと、特殊性癖(フェチ)扱いになりますww そして色素が薄い、すなわち魔力が低い存在である【ブサイク】への当たりが相当に厳しく。 銀髪銀瞳のルースさんは、生まれてすぐに母親が愛人と家出。しかし父である前辺境伯も色素が薄い上にルースはそれに輪をかけてブサイクだったから、それも当然だという世間の評価にさらされーの。付き合いや義務で仕方なく接した女性には、叫ばれたり泣かれたり吐かれたりといった感じで育ってきたため、見た目(髪と瞳の色)以外は人柄も地位も財産も剣の技術も最高レベルなのに、「自分なんかが貴女(黒髪黒目)のそばにいては」と、ひたすらエマから距離を取ろうとするし、周囲の使用人達もそれが当然だと協力するという不憫さ。 「町で買い物をしよう!」とデートに誘えば、「荷物持ちは見目良い人物のほうが」と辞退するわ、「だったら護衛としてついてきて」と言えば、本当に護衛の位置取りをするから「その場所は違うでしょ?(横に並んで)」と言えば「わかりました! 距離を取って視界の外から守りますね!」とくもりのない笑顔で言い放つのだからもうね……(苦笑)<たまに主役のツッコミ口調が前世に戻る エマがかなりカラッとした性格で、そこまで陰湿な雰囲気にはなりませんけど、これ普通のヒロインだったらきっと心が折れてるだろうと思うぐらいにはいろいろと根深いです。 最終的に、ルースさんが母親の呪縛から脱却して、多少なりとも自己を評価することを覚え……ヤンデレ化するという、なかなか予想外の方向に進んだお話でした。なおヤンデレの方向性は「女神である貴女は全てが正しい。貴女に害をなすものは世界だろうと滅ぼします」という愛が激重タイプww いやでもほんとね、さらっとギャグっぽく済まされてますけど、主役一度ガチで殺されかけてるというか、普通なら死んでますからね……それを全然気にしないメンタルな彼女だからこそ、めでたしめでたしとなったのだと思います。 まあつまり、ハイスペックヤンデレ同士はただのラブラブカップルというお話でした。
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No.3479
(読書)
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Web版・追放された元令嬢、森で拾った皇子に溺愛され聖女に目覚める
2023年02月06日(Mon)
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読書記録: ■Web版・追放された元令嬢、森で拾った皇子に溺愛され聖女に目覚める https://kakuyomu.jp/works/16816452219645544444
血の繋がらない薬売りの祖母ラミアと、森の中で二人暮らしていた少女キャナリー。 つかみ合い罵り合いは当たり前。時に飛び蹴りを食らわし、乏しい食事を奪い合うような生活だったが、それでも寄る年波には祖母も勝てず。 寝ついてあと数日も生きられるかどうかという状態になったところへ、なぜかいきなり子爵家の使いがやって来た。なんでもキャナリーを、養女にしたいという。 『そうさのう。最後にたらふくうまい飯を食って、浴びるようにワインが飲みたいのう。それと、腰が痛くてかなわんから、やわらかい布団が欲しい。その望みが叶うんなら、その娘はくれてやるわい』 そうして、死ぬまでの数日間にシチューとスープをそれぞれ鍋に八杯と、ワインを十七本飲み干したラミアは、ふかふかの綿の布団で永遠の眠りについた。 そのことについて、キャナリーは素直に感謝している。なんだかんだと捨て子の自分を育ててくれた祖母にも、子爵家にもだ。 だから約束を守るべく子爵家に引き取られてからも、言葉遣いの修正や、重たくて動きにくいドレスでのダンスレッスンも、我慢して必死に学んだ。半年で最低限を詰め込まれて、貴族の令嬢のみで構成された王立歌唱団へ送り込まれてからも、その頂点となる『四音の歌姫』へと選ばれた。 この国の貴族の令嬢の歌声には、魔力が秘められている場合があるらしい。故に『四音の歌姫』として披露される場で魔力を発現させたなら、確実に高位貴族や王族に見初められる。つまりキャナリーは、子爵家がさらに成り上がるための、少しでも身分が高い家に対する貢ぎ物として引き取られたのだった。 数日分の食事と布団代は、随分と高くついてしまったようだが、まあ仕方ない。 そう思いながら参加した、国中の貴族が集まる披露会。他の三人の令嬢は美しい花びらを降らせたり、光の蝶の群れを舞わせたり、幻想的な霧を生み出したりした。 最後にキャナリーが歌うと……起きたのは低い地響きだった。 これには出席していた王太子が癇癪を起こした。歌う前はキャナリーの容姿を気に入ったとほざき、歌などどうでもいいから妃になれと、ふざけたことを言っていたのだが。 「冗談ではないぞ! その顔と声で、余をたぶらかしおって、なんと不吉な女なのだ!」 その尻馬に乗り、列席する貴族達も他の歌姫も、キャナリーへとひどい言葉……どころか、靴、ワインの空瓶、コップ、食べかけの菓子までをも投げつける。 そうして彼女は王立歌唱団から永久追放、子爵家からは絶縁を突きつけられ、国外追放を言い渡される。数日分の食料だけを持たされ子爵家から追い出された彼女は、 「はー。せいせいした」 心の底から羽根を伸ばしていた。 森で祖母と罵り合っていた彼女にとって、あの程度の悪口など、そこまで気に病むほどのものでもなかったのだ。むしろ意にそまぬ縁談や窮屈な生活から逃れられて、本当にほっとした。 そうして森の中の小屋へと戻ってきた彼女だったが、そこでは見知らぬ二人の男性が、今にも行き倒れそうな様子で扉を開けようとしていて ――
追放した人物が聖女だった系。転生要素なしの現地主人公。 書籍化・コミカライズ、完結済。 ……うーん(苦笑) なんというか、ヒロインが一周回ってテンプレお花畑っぽく思えるというか。あまりに周囲に合わせなさすぎる&その天真爛漫かつ新鮮さに、隣国の皇子さまがころっといっちゃうあたりが、私にはちょっと感情移入しにくかったかなあと。 見ず知らずの他人にどこまでも手を差し伸べていっちゃうのも、国同士のパワーバランスとかにまったく関心がない、庶民……というか野生児感覚のままでこの先も突き進んでいっちゃって、本当にいいのか!? 的な。 まあ確かに、王国側の王侯貴族のありようはひどいんですが…… ただ、途中でキャナリーの出生の秘密が明らかになった時点で、ああそれならと、なんだか腑に落ちました。最初から『違う』感性で生きている存在なら、いつまでもマイペースに我が道を行く感じでも当然かなって。ヒーローも、王太子ではなく第三皇子ですし。いずれは臣籍降下なら、いつか彼女と結婚するようなことになっても大丈夫でしょう。うん。 恋愛に関して鈍感すぎるのも、きっと森育ちが理由なだけじゃなく、出生のあれがそれで、なかなか人間の異性を恋愛対象として見れないだけなんだ…… ところで、最初に国外追放を言い渡されてるのに、ふっつーに元の家に戻って暮らそうとしてるのが、すごく気になるんですが……この世界観における「国内」の範囲って、あくまで王都だけで、領土内は含まれないんですかね?
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No.3467
(読書)
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悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました 〜悪役令嬢の兄との家族エンドを諦めて恋人エンドを目指します〜
2023年02月02日(Thr)
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読書記録: ■悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました 〜悪役令嬢の兄との家族エンドを諦めて恋人エンドを目指します〜 50話 https://ncode.syosetu.com/n7332gw/
幼い頃から病弱で、ろくに学校へも行けない女子高生、春木響子の夢は、乙女ゲームの世界に転生することだった。特に大好きな『マジック・アンド・ラバー 〜恋と魔法と冒険と〜』略して『マジラバ』は、制作会社が倒産してからも、何周もプレイしてやり込んだお気に入りである。 中でもサポートキャラとして登場するヒースクリフという青年が、彼女の最推しであった。第一王子の婚約者であり、悪役令嬢となるアンナマリーの実兄である彼は、一見するとチャラそうなナンパキャラなのだけれど、随所に意味深な描写があり、謎めいた魅力に満ちているのだ。 彼との恋愛エンドがないことに失望した彼女は、その妹である悪役令嬢に転生し、没落した先でも二人肩を寄せ合って生きる未来などを妄想していた。 そんな彼女は、まもなく病で若い命を散らす。 そうして ―― 気がついた時には、彼女はマジラバの世界にいた。 ゲームスチルで何度も見た覚えのある風景。眼の前にいるのは、憧れに憧れた、見るものを威圧するかのような強いオーラと、高貴な美しさをまとった公爵令嬢、アンナマリー。 (えっと、もしかして、前世の記憶を取り戻したから、人格が別れてしまって、今から融合的なやつかな? どうしよう!? これはこれで突発イベントとして、イイ!) そんなことを考えつつ手を伸ばしてみた彼女だったが……返ってきたのは、 「あーら、ごめんなさい。気づきませんでしたわ」」 という、意地悪な口調。 ……その後に小さく、「大丈夫じゃない、びっくりさせないでよ」と呟くあたり、ツンデレが尊すぎる。 「ちょっと、リサ・コルテリーアさん。失礼ではありませんこと!」 え、待って。リサ・コルテリーア? 呼ばれた名に、彼女は愕然とする。 それはマジラバのヒロインの名前である。けして、彼女が転生を望んでいた、ヒースクリフの妹ではない。 「どうしてーっ! 神様、間違ってます。こっちじゃなーい!」 思わず叫んだ彼女だったが、現在の状況がまさに悪役令嬢に意地悪をされているその真っ最中の、強制イベントであることに気づき ――
乙ゲー転生ヒロインアンチからの、一周回ってゲーム世界を謳歌しまくるヒロイン主役もの。なお目指すは悪役令嬢一家の救済及び、皆の幸せ。 書籍化・コミカライズ済。 「連載小説は未完結のまま〜」となってはいますが、いちおう一区切りはついている感じです。 前世がすごくあれな境遇なのに、明るく前向きなまま最後まで生ききった彼女への、ご褒美転生のようなものだったのでしょうか? そこまでは語られていないのがちょっと惜しいです。お葬式で棺にアンナマリーとヒースクリフのカードを入れてくれたお友達のその後とかも、書籍版では語られているのでしょうか。 ともあれ、ゲームの強制力や、イベントを消化しないと先に進めない等の「ここはゲームの世界」的展開がありつつも、逆にそれを利用してひたすら推しキャラ(悪役令嬢兄妹)と自分を幸せに、ゲームにはなかった未来を作ることに邁進する、ドタバタっぽいコメディです。と言うか彼女が絡むと、シリアスがどこかへ飛んでいくww 謎のヒロインパワーとか自称ヒロインズスキルで、“角を曲がってぶつかったら王子様(ドントタッチミープリンス)”だの“語るだけで超説得力(スーパーファンタスティックオピニオン)”だの“攻略対象に教えてもらわないと勉強できない病(ヒーローティーチミーシック)”とか出てくるのが逆に面白い(笑)
私はコミカライズから入ったんですけど、今のところ内容はほぼ同じ。むしろコミカライズ頑張ったな!? ってくらい、いろいろ膨らませられています。これは書籍版準拠なのかな?
■悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました 〜悪役令嬢の兄との家族エンドを諦めて恋人エンドを目指します〜 - 無料コミック ComicWalker https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00202545010000_68/
今ならまだ、1話から最新まで全部読めます。
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No.3463
(読書)
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盲目の織姫は後宮で皇帝との恋を紡ぐ
2023年01月24日(Tue)
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読書記録: ■盲目の織姫は後宮で皇帝との恋を紡ぐ 〜第2部 https://ncode.syosetu.com/n1074fp/
紫陽国には後宮が存在する。千年の歴史を持ち、近年は大きな戦乱もないこの国の後宮には、皇后を頂点として、下働きの官女まで実に1200人もの女達が集められていた。 蓮香(レンカ)は、正一品から従六品まで十二に区分される后妃や官女らの中でも、下から三番目に位置する、しがない機織り官女だ。 盲目でありながら、糸と糸の触れ合う音の変化を聞き取ることで織る彼女の帯は、皇帝の即位や皇后就任、皇族の出生時などの重要な式典で使われるものである。帯の中に様々な国家機密をも織り込むその技術は、実際には秘伝のそれで、現在それを完璧に行えるのは蓮香しか存在しないほどの貴重な技であった。 そして盲目故にか、あるいは幼い頃より課せられた厳しい修行のためか、彼女は視覚以外の感覚が非常に鋭敏だ。呼吸や心音を聞き分けることで人の心の動きや嘘を見抜き、わずかな衣擦れなどから場にいる人間の立ち位置は愚かそれぞれの服装 ―― すなわち身分さえも判別する。 その鋭敏な感覚で、彼女は重大な秘密を見抜いてしまった。それは後宮の主である皇帝が、二人存在するという驚きの事実である。 最初は盲目故にからかわれているのかと思った蓮香だったが、別人だと見抜かれた皇帝達は……非常に喜んだ。二人で一人として育てられてきた彼らは、今では実の母親すらも区別できぬほどよく似ているらしい。当たり前のように個として認識してもらえることが、彼らにとっては至極新鮮であったらしい。 主に後宮での務めを果たす瑛庚(エイコウ)と、外宮で政治を担っている燿世(ヨウセイ)。 主だった后妃らが全員妊娠もしくは出産したことで、後宮での義務はひとまず果たしたと考えた彼らは、一日交代で毎晩蓮香の元を訪れるようになる。 蓮香はただ機織りをして静かに暮らしたいだけなのだが、身分の低い官女を皇帝が寵愛していると噂が立ち、当然のように嫌がらせなどが行われ始めた。 しかし後宮で起きる様々な事件に、皇帝達を介して関わることとなった彼女は、その鋭敏な感覚と聡明な頭脳で、次々と解決していって ――
中国っぽい世界観で後宮が舞台のミステリー。 盲目だけど特殊能力持ちの官女(達観系リアリスト)と、双子の皇帝ズ(微妙にチャラ男系&真面目朴念仁系)との恋愛をからめつつ、後宮の女達のドロドロしたあれこれを解決していくタイプです。 第一話でいきなり、「この日、千年続く紫陽国の歴史上初めて盲目の皇后が誕生することになった」となっているので、まあそう言う話運びです。 書籍化、コミカライズ済。WEBでは第二部まで完結済。 あらすじを確認した感じ、書籍(現在5巻まで刊行)の内容がWEBを追い越しているようなので、今後の更新は絶望的っぽく<書籍の後追い更新は、宣伝と見なされて退会対象らしい けっこう面白かったのに残念。 まあ、ある程度の区切りはついていました。 とりあえず、第二部ラストは皇后様が全部持っていったというか、酸いも甘いも噛み分けて、使える手段全部使って欲しい物掴み取るあたりが、一周回って格好いい。 まあね、やはり後宮が舞台とあってか、メインは女性で、男性は添え物っぽい感じがちらりほらり。 特に皇帝ズはちょっとポンコツがすぎるというか……後宮には伝わってこない政治面とか、蓮香が関わらない部分ではそれなりに有能なんでしょうが、こと恋愛方面になると視野が狭くなりすぎてるというか。 蓮香側の事情を解決しなければ、たとえ后妃に召し上げることができてもすぐにアウトって、ちゃんと説明されているのをぽっかり忘れているとしか思えません(−ー;) 蓮香が機織りに文字通り生命かけてることも、イマイチ理解してないよね…… あとは……謎解きモノを期待して読むと、肩透かしを食う部分も多いかと。蓮香の推理レベルが「なぜわかる」と言いたくなるレベルで、少なすぎる根拠から謎をズバズバ当てまくり。謎解き自体は舞台装置という感じでさらっと流したほうが良いと思います。 章タイトルを見る感じ、判ってやってる名作古典へのオマージュなのでしょうけれど、事件によってはもはや翻案レベルでトリックからなんからそのままなのもありましたし^^;; と言うかそもそも、皇帝ズが双子だったって、いつの間に蓮香は知ったんだろう……最初は影武者だと思ってたはずなのに……なんでニコイチで育てられてたのかの説明自体がないしなあ……
まあなんだかんだ言って、思わず重箱の隅をつつく程度には読み込むぐらい、面白かったのは事実。 個人的には燿世推しで読んでました。瑛庚もやる時はやるあたり、格好はいいんですけどね……
あ、それとこれは警告。 人の命が馬鹿みたいに軽いです。特に理不尽に命を落とす赤子・妊婦が多いので、そう言うのが駄目な方はご覧にならないほうが良いと思います。
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No.3450
(読書)
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王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います
2023年01月18日(Wed)
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読書記録: ■王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います 〜第一話エピローグ https://ncode.syosetu.com/n2049gr/
王太子アランの婚約者オリヴィア・アトワール公爵令嬢は、幼い頃より妃教育を軽んじ、必要な教養を身に着けようとしない、愚か者だともっぱらの評判であった。そして彼女が17歳となったある日、ついに王太子は我慢の限界となったらしい。 王城に呼び出された彼女は、国王を含めた上層部の面々の前で、大臣より婚約破棄を言い渡される。そして王太子の婚約者には、その大臣の娘である、ティアナ・レモーネ伯爵令嬢が新たにつくのだと言う。 オリヴィアは正直を言うと、笑い出しそうになっていた。 (思った以上にアラン王子はバカだったのねぇ) 彼女はしみじみとそう思う。 そもそもオリヴィアが妃教育を受けていなかったのは、王太子の命令があったからだ。 婚約者となって一年ほどが過ぎた頃、彼に命じられたのだ。 「お前が隣にいると私が馬鹿のように思われるから、お前はこれから馬鹿のふりをしろ、これ以上教育は受けるな」と。 そうして教師も遠ざけられてしまった。しかし教師の方には、王太子の命令には逆らえなかったことと ―― そしてもうひとつ、大人しく身を引いた理由があった。 なぜならオリヴィアは、当時まだ6〜7歳だったにも関わらず、用意されていた妃教育の大半を、すでに習得済みだったからだ。 無駄なことに時間を割くぐらいなら、その時間を使って、新たな知識を得たほうが有意義である。そうして多くの本を読み、宰相である父公爵のほうからさまざまな教育係をつけてもらった彼女は、生来の資質もあって必要充分以上の教養を身に着けていた。実際、今では本来王太子が行うべき仕事のほとんどを彼女が引き受け、王太子が失言すればさり気なくフォローに回って尻拭いをする日々が続いている。正直言って、もううんざりだった。 そこで彼女は、満面の笑みを浮かべてみせた。 「この度は。ご婚約おめでとうございます、殿下」 ドレスの裾をつまんで深く一礼する。その態度が王太子のプライドを傷つけるのを判っていて、あえての選択であった。案の定、真っ赤になって声を荒らげようとする王太子を遮ったのは、第2王子であるサイラスだ。 薔薇の花束を手にした彼は、オリヴィアの前で膝を折ると、告げた。 「オリヴィア・アトワール公爵令嬢。僕と結婚していただけませんか?」 予想外の展開に国王の様子をうかがうと、なにやら楽しそうに笑っている。 どうやらこの茶番には、なにか裏があるようだとオリヴィアは判断して ――
現地主人公で、転生要素一切なしの婚約破棄もの。 書籍化・コミカライズ済。現在三話まで掲載されてなお連載中ですが、もともとは第一話までで完結する予定だったようなので、ひとまずそこまで読了。 最初は毒親に思えた王妃様の意外な真意とか、王様と王妃様の関係性が結局それかーーーいww 的などんでん返しがけっこう面白かったです。 王太子様は……まあ、子供が子供に言った癇癪を、大人びた婚約者が真面目に受け止めて完璧に守り続けていたという気の毒さは……なくもないのかな? まあ、王族の責任を考えるとザマアが少々甘い気もしますが、いちいち極刑にするのもアレですし、やり直しのチャンスは大事ですよね。あと確かに、色恋だけで王位を狙う第二王子というのも、問題ありまくりですし。 伯爵令嬢の方は……何も知らず父親の罪に連座させられたのは気の毒な気もしますが、無知の罪というか、王太子妃、ひいては王妃の務めを一切理解していないのに、それでも自分は天才だと信じて主役を引きずり落とそうとしていたあたり、もし彼女が王妃になっていたらもっと酷い目(国が滅ぶか反乱起きて公開処刑とか)に遭いかねなかったレベルなので、自業自得かなあと。 ……自分で望んで得た立場なくせに、それに必要な教育の機会も、仕事に慣れる猶予も与えられて、でも全部必要ないと放り投げて、国交の場で主役に恥かかせようとするわ、王族しか承認できないレベルの書類を読まずにただサインだけするわって、さすがにこれは同情の余地ない……
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No.3437
(読書)
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またひとつ古参が消える
2023年01月05日(Thr)
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まだネットを初めて数年の頃、オリジナル小説といえば個人サイトでの公開が主流だった時代に出会った作品がありまして。 シンデレラストーリーとか異類婚姻譚という意味ではお約束だけれど、召喚とか転移とか神様とか勇者とか、そういうのは全く出てこない、ほんわかのんびりな話運びが大好きだったサイトさんが、この度閉鎖されることになったそうで……
■- 双月界 - http://garten.whitecafe.jp/sougetsukai/
一応、作品はなろうへ転載されるとのことですが、ざっと見た感じ企画作品や番外編や裏がどうなるかは微妙っぽいので、未読の方はお早めにーーーと、声を大にしてお勧めしておきたい次第です。
魔技術師さんの、最初は一般人と見せかけて実は超ハイスペックなマイペースヒーローっぷりとか、巫女姫さんのほやほやぽやぽやっぷりとか、まだお父さん認識な竜皇さんの不憫さっぷりとか、眷属カップルの複雑さとか、何年経ってもしっかり印象に残ってるもんなあ……
そういうお話が 私も書きたい。
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No.3426
(読書)
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転生悪役令嬢に王太子を押し付けられたモブ令嬢です
2023年01月03日(Tue)
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読書記録: ■転生悪役令嬢に王太子を押し付けられたモブ令嬢です https://ncode.syosetu.com/n7982gb/
現代日本でOLだったという記憶をうっすら持ったまま、異世界の侯爵令嬢に転生した主役。けれどしょせんは凡人。知識チートなんて無理だとまったり生きていたら、王妃主催のお茶会で「お、乙女ゲー……ッ」と叫んで卒倒した公爵令嬢が。さらには高位の貴族嫡男に片っ端から声を掛けて付きまとい、ことあるごとに「私はヒロインなのよ!」と喚く男爵令嬢もいて、どうやらここは乙女ゲームとやらの世界だと理解はするものの、一度もやったことがないのでよく判らない。 最初に卒倒した公爵令嬢が本来悪役らしいのだが、前世の記憶を取り戻した彼女が原作にはない動きをしているせいで、いろいろ弊害が出ているらしい。 王太子の婚約者候補から早々に外れただけならばまだしも、『蒸留酒を造りましょう、お父様!』『塩なら海から生成すればいいじゃない!』『可愛い服を庶民に流行らせてみせるわ』と、いわゆる転生者のテンプレと言われる事業を次々と展開しているのだ。 しかし手作り体験くらいの知識しかない人間が、そうそう上手く発展させられる訳もなく、結果として工場を作っては閉鎖を繰り返し、公爵家は困窮していっているのが現状だという。 そして仕方なく、それらの潰れかけた事業を侯爵家でいくつか買い取って立て直したりしていたところ、いつの間にか彼女は王太子の婚約者という地位についていて……
アンチ悪役令嬢もの。前中後編と別視点2本。 前世知識チートなんて、そうそううまく行くはずがないよねという話運び。あと本来の悪役令嬢さんがラノベ脳で、獣人種に「撫でさせてくれ」とか「獣の姿を見せて欲しい」と強請った結果、『公衆の面前で異性にいきなりスキンシップを求める、あるいは服を脱げと要求する痴女』扱いになってます^^;; ただすっきりしないのは、主役が全く王太子に恋愛感情持ってないし、王太子妃の重責も理解していて自分には無理だと思ってるのに、王太子のほうが勝手にヤンデレルートに入ってて、なんか貧乏くじ引いてる気が……(汗)
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No.3421
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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