よしなしことを、日々徒然に……
※ 2017年以前の記事は こちら になります ※



 そんな俺は、廃太子。《 転生王子の逃避、あるいは 安寧への力業 》 他二編
2023年04月08日(Sat) 
読書記録:
■そんな俺は、廃太子。《 転生王子の逃避、あるいは 安寧への力業 》 他二編
 https://ncode.syosetu.com/s0526g/

ブラック企業で酷使されてた中間管理職が、推定過労死したのち、異世界の王子(17歳)に憑依転生。
第一王子だけれども、愛のない政略結婚で産まれた側妃の子、かつ側妃がいろいろやらかしまくった結果、スペックは高いけれど環境が最悪。幼い頃からの矛盾に満ちた洗脳教育と過酷すぎる王太子教育もろもろで心身ともぼろぼろになり、生きる意思を失っていた本人と話し合った結果、大本の魂は憑依した人格の奥で眠り、暖かな夢を見続ける。憑依した方は王族、貴族としての知識・教養を受け取り、代わりにこの先を生きていくということで合意。
目を覚ましたところで、周囲は監視の目だらけの四面楚歌。生活が荒んで無能の振りをしていたこともあり、味方は誰ひとりいない。
それでも第二王子に王位を継がせるために、早世させられるのはごめんだと、なんとか平穏な飼い殺しもしくは幽閉あたりに持っていくべく、いろいろ奮闘していくお話。

憑依系異世界転生。短編といっても薄めの文庫半分ぐらいある本編と、それよりは少し短い別視点プラスアルファ×2本で、トータルすると1冊分ぐらいあります。
うーん……ちょっと辛口になるので、以下は記事を畳む&要スクロールで。
No.3508 (読書)


 未亡人アンネの閨の手ほどき
2023年04月04日(Tue) 
読書記録:
■未亡人アンネの閨の手ほどき
 https://novel18.syosetu.com/n2150fy/

前世では、女手一つで子供を育てきって天寿を全うし、貧乏貴族の末娘として転生したアンネ。
借金の形として、16歳で30も年上の侯爵の後添えとなるも、9年後に侯爵は落馬で亡くなってしまい、葬儀の場で初めて前妻が残した子供達と顔を合わせる。
夫よりもはるかに年齢が近い義理の息子二人は、やはり彼女に対していい印象を持っていないらしく。貴族らしい回りくどい言い方で、「遺言の通り領地内の別荘一つと、寂れた工業地帯にある倉庫、最低限の使用人はくれてやる。それ以上はせびってくるな」と釘を差してきた。
とはいえ、変に構われても距離感が掴めないし、今後の生活が保障されているのであれば特段不満はない。そう思って穏やかに引きこもって暮らしていたアンネだったが、葬儀から一年あまりが経った頃、とんでもない用事で王都の本邸へと呼び出されることとなった。
その内容というのが、「今年15歳になる第一王子とその側近達に、閨の手ほどきをしろ」「これを断れば、グランドール侯爵家は王家に対して謀反の意ありとみなされかねない」というもので。
この世界における「閨の手ほどき」とは、要するに筆下ろしの相手となることだ。つまり年長者として年頃の青少年を、実践混じりで導く役目である。
身元が保証され、すでに喪が明けている元侯爵夫人。かつ年齢はまだ26の未亡人。王家としては適任だと判断したのだろう。
しかしアンネと前侯爵の間には、公にできない秘密が存在していた。彼はアンネと結婚した頃にはもう男として機能しない状態、いわゆる不能だったのである。
なので夫婦の営みはただの一度もなく……そして実家では貧乏故にまともな家庭教師もつけられていなかった彼女は、この世界におけるその手の知識も経験も、まったく持っていなかったのである。
その状態で、閨の指導などできるはずがない。しかし前侯爵が不能だったなどとも口にはできず、困り果てたアンネが選んだ方法は……


書籍化・コミカライズ済。完結済。ムーンライトで女性向けR18注意。
前世で子育て経験済みの現在アラサー未亡人(処女)が、男尊女卑の傾向がある国で高位貴族の子息達(前世感覚では孫世代)に閨の指導をする羽目になり、仕方なく前世知識で保健体育+体位や女性への気遣いについての座学をやってみたところ、暗喩・比喩表現を多用する貴族達にとっては、裏モノ官能小説を大声で朗読してるも同然なとんでもない内容になっていて……という、基本コメディ話です(笑)
なお年齢がほぼ変わらない20代後半な年子の義理息子達(イケメン)は、多感な時期の閨指導の相手が最悪だったことと、顔や爵位目当てで群がってくる令嬢達とのあれこれなどにより、女性嫌い……というか、半ば恐怖症になっていて、アンネに対しても最初はかなり態度が悪いです。特に弟。
そして実家が貧乏すぎて貴族としての教育をほとんど受けていなかったアンネは、彼らが使う神話を引用した慣用表現的なものがまったく理解できていなくて、意思疎通が事故りまくり。
兄弟は彼女を頭が悪い女だと見なす一方で、閨指導を受けたりその噂を聞いた貴族子息などから「好みの体位は?(比喩表現)」とか「愛人になってくれ(比喩表現)」とか言われても、笑顔で斜め上の答えを返すので、もうてんやわんやww
そもそも彼女が教育係に抜擢されたのは、支援している救済院で孤児達に施している教育が飛び抜けて高度で、そこを出た子供達は貴族とまでは行かずとも豪商の子レベルには読み書き計算、マナーなどの教養が高いという実績があってですね。作っている教科書の中身も実に素晴らしいし、王家としては是非囲い込みたいという意図もあったんですが。
しかしそもそもの彼女はあんまり地頭が良い訳でもなく、読み書き計算とか客観的な視点など聡明っぽく見えるものは、あくまで前世での教育や情報社会がもたらしてくれているだけ。日本人らしく、宗教にはほとんど興味が持てず、神話なんか読んでる途中で飽きるし、教会通いもサボりまくり。こちらの世界での常識はほとんどないが故に、何度注意されてもなんだかんだとやらかします(苦笑)
義理息子兄は、かなり早いうちに苦労症ポジに……ww
前侯爵については、最初の方と義理息子達に秘密を明かすあたりでだいぶ描写に温度差があって、ちょっと戸惑いました。これ最初はもうちょっと違う感じに設定してたのかも? とか思ってしまったり。
No.3505 (読書)


 濡れ衣で国外追放された元聖女は、辺境の地で新たな幸せを守ることにしました。〜私を罪人にした他の聖女が困っているそうですが、もうどうすることもできません〜
2023年04月02日(Sun) 
読書記録:
■濡れ衣で国外追放された元聖女は、辺境の地で新たな幸せを守ることにしました。〜私を罪人にした他の聖女が困っているそうですが、もうどうすることもできません〜
 https://ncode.syosetu.com/n7643hc/

読み切り短編。現地主人公で転生要素なしの、タイトル通りな追放ものなんですが……読んでみたら、導入部だけの続きなし! というタイプでした。
そういうことは最初に書いておいてほしかった……_| ̄|○
No.3504 (読書)


 呪いの毛玉令嬢は王子様のキスを望む
2023年04月01日(Sat) 
読書記録:
■呪いの毛玉令嬢は王子様のキスを望む
 https://ncode.syosetu.com/n9526hj/

上質な宝石を産出することで成り立つその小国は、宝石の美しさを尊び、好んできた。いつしかその思想は宝石以外にも及び、人の容姿にも適用されていって。
ルミアスは、その整った容姿から、幼くして王城へと召し上げられた身だった。父母を早くに亡くしたので、育ててくれた王家には感謝している。王子コルビーとの婚約が決められた現在では、見た目だけで成り上がった無能の妃などと笑われぬよう、日々勉学に励み、執務をこなし、王家と国に忠心を捧げている。
そんな彼女を王子も深く愛してくれ、優しく甘やかしてくれた。執務に根を詰めるルミアスを労い、毎晩肩を抱いて部屋まで送り届けてくれる。
そういった次第でルミアスも王子を慕うようになり、王家と未来の王たる彼を支え、尽くすことに何の疑問も抱いていなかったのだが。
そんな日々は、突然終わりを迎えた。
城の庭に侵入してきた悪魔から王子をかばった彼女は、その呪いを受けて ―― 毛玉になってしまったのだ。
ずんぐりむっくりとした体に、全身を覆うもふもふの毛。手足はあり、もふもふの腕の先に生えている大きくて丸っこい爪は、意外と器用に使えるようではある。お尻にはふさふさの長い尻尾が生えていて、毛色は地毛と同じ、白銀色。
「どっ、どうしましょう! わたくし、体がおかしくなってしまいました……! コルビー様、お助けくださ――」
「うわぁっ!! 寄るな!! 気色悪いっ!!」
つい先ほどまで彼女を「宝石の君」と呼び寄り添ってくれていた王子は、そう叫んでルミアスを拒んだ。
美しいものを尊ぶこの国において、彼女の姿は到底受け入れられるものではなかったのである。国王からも、呪いの姿を晒して歩くなと命ぜられ、執務は自室にこもって続けることとなった。使用人達でさえ、書類と食事を持ってくるほかは寄り付きもしなくなる。
ルミアスの慰めは、たまたま城に迷い込んできて、その汚さから叩き出されようとしていた黒猫のみとなった。
それでも執務の傍ら、なんとか悪魔の呪いを解く方法を探したルミアスは、やがていくつかの文献を見つける。共通していたのは「愛ある口づけ」によって、変えられた姿が元に戻るという記述で。
さっそく婚約者であるコルビー王子へと事情を説明しに行ったルミアスだったが、彼の隣には鮮やかな若草色の髪と瞳をした、美しくも人ならざる雰囲気をまとった娘が寄り添っていて ――


転生要素なしの読み切り短編。
「氷魔法のアイス屋さん〜」と同作者さんです。
イソップとかアンデルセンとか、そういった雰囲気を感じるお話でした。
美しいからと城に召し上げ、美しくなくなったからと婚約破棄するだけならまだしも、暴力ふるって謝りもしないわ、助けてくれた礼も言わないわ、あげくほぼほぼ軟禁状態で執務はやらせる飼い殺しってのがもうね。むしろ国王も王子もその他大勢も、執務してる描写がまったくないので、結末はまあ自業自得というか。むしろルミアスがいたからこそ、これまでこの国保ってたんじゃね? というレベルですし。
それにしても、黒猫の正体は予定調和的に予測がつきましたが、「人ならざる雰囲気を纏う美少女」の正体が、まさかそうくるとはww これはまったく予測できなかったww ヒデエww<褒め言葉
……っていうかつまり、本っ当に一言も喋らず、ただただ神秘的な美しさがあるというだけで次期王妃を選んだとか、この国の王族は、本当に『王族』の意味が判ってなかったんだなあという、因果応報な寓話だったのでした。
No.3503 (読書)


 氷魔法のアイス屋さんは、暑がり神官様のごひいきです。
2023年03月31日(Fri) 
読書記録:
■氷魔法のアイス屋さんは、暑がり神官様のごひいきです。
 https://ncode.syosetu.com/n5486he/

物心ついた時から両親がおらず、祖母と二人暮らしだったアルメ・ティティー。下町でジュース屋を経営していた祖母はアルメをかわいがってくれていたので、寂しいことは何もなかった。しかしアルメが成人を迎える頃に病に倒れた祖母は、一年ほどの闘病生活ののち天へと召された。一人残してゆく孫を気にかけた彼女は、知人の紹介で縁談を整えてくれて、その相手からの援助もあり安らかに亡くなったのだが。
代々物堅い職人との評判だった婚約者フリオは、職場で堂々と浮気をしていた。彼の仕事を補佐していたアルメはその現場をばっちりと目撃し、その場で婚約破棄を言い渡される。
婚約者も職も失った彼女はしばし途方に暮れるが、しかし常夏の観光都市ルオーリオには、こんな言葉が存在していた。
『人生は気楽に、愛は真心のままに』
祖母も好きだったその歌のとおり、ひとまずは気楽にやってみよう。未来の予定がなくなったということは、自由に何でもできるということだから。
そう考えて祖母のジュース屋を再開することにした彼女は、そこでふと思いついた。
彼女には、実は前世でこことは異なる世界に生きていた記憶があった。そしてほんのわずかながら、氷魔法を使うことができた。なので小さい頃は、祖母の作るジュースを自分で凍らせて、アイスにして食べていたことがある。この世界には、冷たいお菓子というと、果物を凍らせたものぐらいしかない。ならばいっそ、アイス屋を開いてみてはどうだろう? と。
さっそく試作をしていた彼女の元へと、来客が訪れる。それは婚約破棄の直後、失意のうちに帰宅した際、たまたま自宅前で出会った青年であった。ルオーリオの複雑な路地で迷っていた彼へと道を教えただけだったのだが、青年 ―― ファルクは、律儀に礼を告げに来たのだ。
どうやらとても暑がりらしく、気の毒なほどに汗をかいている。その様子に、自分が熱中症で死んだことを思い出したアルメは、とっさに試作品アイスの試食を依頼していて ――


書籍化・コミカライズ済、文庫8〜10冊分ぐらいで完結済。
熱中症で亡くなったOLが神様転生。婚約破棄されるも、暑さで朦朧とした状態で女神に願ったささやかな氷魔法と前世知識を使って始めたアイス屋さんをきっかけに、リアルチートな上級神官さんや、さまざまな提携業者、貴族、果ては聖女様などとまで縁を繋いでいくお話です。
雰囲気的にはちょっと魔ダリを彷彿とさせられつつ、こちらはけっこう早めに想いを自覚していて、両片思いなすれ違い焦れップルな感じです。
最初はお忍びだったファルクこと「絶対に軍人を戦死させない、最強の従軍神官」「神殿の王子様」「極北の白鷹」ことファルケルト・ラルトーゼさんの正体も、一章目の終盤でさっさとアルメにバレますし<全五章
アルメは、しっかり地に足つけた大らかで陽気な南方民。婚約破棄後もなんだかんだで前向きに、どんどん事業展開していくのがなかなか頼もしいです。ちょっとお人好しすぎてもどかしくなるところも、まあ彼女が彼女だからということで。
ファルクは、一見めっちゃクールで格好よくて、出軍行進時など女性ファンに黄色い声を上げられるアイドル状態なくせに、プライベートではいろいろと情けないというか、人間関係をうまく作れないし、鬱屈するといつまでも引きずって心の傷にしていくようなどんより北方民。そして死にたがりの気がある仕事人間だったのが、アルメやその友人達と知り合って、甘えたり肩の力を抜くことを覚えて、自分も幸せになりたいという欲が出てきましたと口にするようになり、いい意味で俗っぽくなっていきます。
というかファルク、超絶仕事できる高給取りかつイケメンだからこそ許される、プライベートでのダメンズぶりがww
アルメをして「かわいい」「彼の騎士になりたい」とか言わしめちゃうのがもうね。
なおこの世界の、特にファルクの治癒魔法は、『パーツが揃っていれば繋げられる』『身体が両断されて即死でも、その場ですぐなら蘇生可能』という反則級です。あ、ステータス表記とかはありません。
聖女も存在しますが、特別すぎるほど特別ではなく、主要都市に何人かずついて、都市を魔物から守ってくれているという位置づけ。王族と同じぐらいの扱いです。軍も、自衛隊っぽい印象。自然災害という認識の、突発的に発生する魔物を討伐するのがメイン業務。
元婚約者と浮気相手の女とそれぞれの実家といった悪役的位置づけ、特に中盤で出てくる生き別れの妹のキャラが心底うっとおしくて、ちょっとそこで挫折しそうになりましたけど……前者はともかく後者はまあ、うん……全部終わってみれば、彼女も被害者でなくも、なかった……のかな。
っていうかアルメの両親と、コーデルさんの過去についての謎が残ったのが、ちょっと残念ですかね。番外編とかで語られないかしら……?
No.3502 (読書)


 転移したら山の中だった。反動で強さよりも快適さを選びました。
2023年03月23日(Thr) 
読書記録:
■転移したら山の中だった。反動で強さよりも快適さを選びました。 〜第539話 船上へ
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054891139802

自分がやりたくないことは、他人に罪悪感を持たせて押し付ける。己のものと認定した存在は、徹底的に支配しなければ気がすまない。そして凝り性かつ飽きっぽい。そんな姉と、それを普通に受け入れる両親とに抑圧されて育った男子高校生、此花迅(このはなじん)。
大学進学を機に家を出て縁を切ろう。どうせ面倒な手続きは自分がやらされるのだからと、表面上は従順を装いつつ水面下で準備を進めていた彼は、姉とその取り巻き達の運転手として花火大会に連れ出された。本当ならば数少ない知人とキャンプに行く予定だったのだが、姉にはそんなことなど関係ない。
当たり前のように荷物運びを押し付け、先に会場へ向かった姉達を見送り、弁当の入ったクーラーボックスや ―― 未練がましく持ってきたキャンプ用品の入った鞄を持ち上げた迅は、ふと気がつくと見知らぬ山の中に立っていた。
振り返れば、あったはずの車はなく、花火客も誰ひとりいない。
歩きまわって理解したのは、そこが無人島だということだった。浜辺には流木こそ落ちているが、プラスチックごみはいっさいない。スマホは圏外、手持ちの食料は弁当が4つ。夜の花火大会はけっこう寒いので、ウルトラダウンを着ていたのは幸いだった。
どこか現実感を失ったまま、それでも水場を探し、木を削って火をおこし、魚やカニなどを採って食料にする。
そうして二ヶ月。気温が下がり、山の上のほうが雪で白くなった頃 ――
「きゃー! ごめんなさい!」
突然、光の玉が現れた。
「勇者召喚に巻き込みました! ここはあなたの知ってる世界じゃないんです! あっちの世界で亡くなる直前の方をこちらに――って、いやあああああああ! あっちの世界の寿命があるうううう!!」
パニックぎみな光の玉によると、精神化が激しいこの世界と物質化が著しい地球とを一瞬繋げることで、それぞれの世界を安定させることを目的として、勇者召喚が行われるのだという。
呼ばれた勇者にはこちらの世界での命と、そしてあちらの世界で残っていた寿命分、スキルや道具も与えられるそうで。それが使われると、召喚を行った神 ―― つまりこの玉の力が上がるらしい。
しかし本来ならば、呼べる人数は三人まで、それも死ぬ直前の人間と定められているところを、この玉は迅を巻き込んだ挙げ句、それに気づかず山の中に放置していた、と。
呼ばれた勇者とやらは、おそらく姉とその取り巻き達だ。絶対に関わりたくない。自分勝手なこの玉にもだ。
そう思っていた迅の前に、次々と神々が現れる。正確には、神と呼ばれるほど力をつけた、精霊らしいが。
彼らは光の玉に代わり、たっぷり残っていた寿命の分、迅の望むものを与えようと言い出して ――


巻き込まれ召喚&チート能力・設備からの、目指せ平穏なスローライフ! でも自重はしない! なやらかし系主人公。書籍化・コミカライズ済、連載中。
迅を置いて先に行った結果、車にはねられたという、恐らく数分〜せいぜい数時間程度の残り寿命で『勇者』と呼ばれるほどの能力を得た姉達と比較して、数年か下手すると数十年寿命が残っていた迅さんは、大量の能力と自分だけの家、しかも無限湧き食料庫つきを手に入れてます。そして【収納】と【転移】を使えば、一人で世界中を飛び回れる状態。さらに【縁切】によって、多少やらかしても直接面識のない相手からはすぐ忘れられるという特典付きなので、もう好き勝手にやらかしてます。
姉勇者達との直接接触は500話を超えてまだなく、時おり噂を聞いたり知人があおりを受ける程度で、本当にマイペースに過ごしている。ある意味では起伏の少ない話運びかと。
ただし主役がけっこうやらかしまくり(どこまでなら【縁切】の範囲内かと試していたり、もう我慢はしないという自覚的はっちゃけもある)で、話はどんどん広がっていきますww
最初は引き籠もり希望の完全人間不信で、嫌なことがあったら全部放り出して拠点を次々変える気満々でいたのが、周囲に恵まれて少しずつ丸くかつ社交的というか甘えてる感じになり、ここが帰る場所だと認識していくのがですね、なんかほっこりします。
400話を超えたあたりからそこらへんが顕著になってきて、大事な人達を傷つけられて静かにブチ切れているのとか特にツボでした。523話の「うん、行かない」もすごく好き。
召喚や世界に関する謎なども少しずつ情報が出てきてます。ゆっくりとでも話は進んでいる模様。
あとはレッツェの兄貴っぷりww 
コミカライズから入った私には、まさかこの人がここまで重要キャラになってるとは思いもしませんでしたよww<コミカライズはまだWeb版の67話らへん
地に足ついた、一見平凡な隠れ有能キャラ。しかも見た目はくたびれたおっさんとか最高です。ありがとうございます。
逆に最近は、コミカライズでヒロイン確定だと思ってたアッシュの出番が少なくて、ちょっと寂しかったりとか。いやヒロインはヒロインなんですけど、主役が情緒育て直してる真っ最中で、自分でもこれどうやったら先に進めるの?? って困惑してる状況なので……アッシュさんも女性としての経験値がマイナス方向にぶっちぎってる人ですし。
お互いに自覚があるだけ、某魔導具師と金目の黒わんこよりはマシかも知れませんけどね(笑)
あと島の金色執事もなにげにツボです。やっぱりね、我が君呼びは「妖魔の封印」の頃から刺さるのですよww
No.3499 (読書)


 毒好き令嬢は結婚にたどり着きたい
2023年03月15日(Wed) 
読書記録:
■毒好き令嬢は結婚にたどり着きたい
 https://ncode.syosetu.com/n6229gu/

結婚式まであと2週間。衣装合わせの帰りに屋敷そばの森で薬草などを観察していたボウエン侯爵家の跡取り娘エレンは、男女の修羅場らしい声を聞いて、そのまま立ち去ろうとした。
自家の使用人達であれば、気まずいことになる。そう思ったのだが、しかし続いた内容には、聞き耳をたてずにはいられなかった。
「だって赤ちゃんができてしまったんですもの。私、どうすればいいのでしょう、サムエル様」
その名は、他でもない己の婚約者のもので。
「メラニー泣かないで。君のことは心から愛している。だけど僕の家はボウエン家の援助無しでは立て直すのが難しい状況なんだ」
答える声もまた、間違いなく五年もの間、婚約を続けてきたコーレイン伯爵令息サムエルのそれだ。
「だが、もちろん君は安心して子供を産めばいい。君と子供のために、日当たりのいい居心地の良い部屋を用意するよ。そこでこれからも愛し合って暮らそう」
つまりエレンの家から援助された金で、浮気相手と子供を養おうと言っているのだ。
そこまで聞いた時点で、エレンの中で何かがぷつりと切れた。気遣う侍女と護衛の顔を見ることもできず、無言で家へと向かう。
(しっかりするのよ。やるべきことをやるの。泣いてる場合でも落ち込んでる場合でもないわ)
そうしてエレンは打つべき手を考える。父とコーレイン伯爵は学生時代からの親友同士だ。下手にこのことを訴えても、「愛人くらい受け入れる度量がなくてどうする」と、男の友情の方を優先されかねない。
しかし父の友情のために、己の人生を台無しにされるなどまっぴらだった。
エレンの母は、特級の薬師である。薬の知識と技術を女系相続で代々伝えている一族で、特に母の流派は毒の扱いにも詳しい。その知識はエレンにも伝えられており、彼女は侯爵家の跡取りであると同時に、特級薬師の後継者でもあった。動植物が作り出す毒の不思議さ、作用の多様性に魅せられている彼女にとって、最大限優先されることは、研究を続け薬師としての腕を上げること。そしてその知識と技術を後進に受け継いでもらうことである。
貴族としての社交は二の次で、薬や治療に没頭し、いずれは後継者となる実の娘に毒を食ませたりもする。そんな生活は、薬師であることを理解し支えてくれる、心から信頼できる夫とでなければ行えるものではない。しかし彼女にとってのサムエルは、もはやその対象から完全に外れてしまったのだ。
そうして共に立ち聞きして事情を知る侍女ハンナと、その兄である護衛のステファンを連れたエレンが向かった先は、常日頃良くしてくれる年上の伯爵夫人のもとで ――


努力で身につけた特殊技能持ちの現地主人公で、転生要素なし。婚約者の浮気から始まる、新たな婚約者探しのゴタゴタと人的成長的な?
書籍化・コミカライズ済。薄めの文庫一冊ぐらいで完結。
なんというか、読了後に最初に思ったのが、元婚約者の空気っぷりよ……という(苦笑)
寝取り女の方は最後の方で再登場して、賛否は分かれるでしょうがそれなりの決着はついたんですが。浮気男の方はまだ前半のうちに、安酒場で酔い潰れているところを目撃されたぐらいでフェードアウトしてます。まあ、ろくでなしを憎むエネルギーなんて、使うのももったいないですしね。
その実家が終盤で破産して平民落ちしてたのは、「え、いつの間に?」とちょっとびっくりしましたが。
そもそも商才がないのに、エレンの実家の支援でなんとか回していたのを、自業自得で援助打ち切り&これまでの資金は借金という形で返せとなったので、そりゃ破産するよなあという。でも借金は無利息で良いし、慰謝料もなしとなったんだから、むしろ温情ありすぎですよねえ。
そして主役の婚約者探しの方はと言えば、いろいろな相手とフラグが立ちそうになっては、「条件が合わない」とあっさりへし折りまくっていく様が、なんか笑えるというかww
でもそんな彼女が、最後の最後で「条件」を全部ふっとばして、自分の未来どころか生命までかけて選んだ相手というのは萌えますねvv
いろんなアンチ乙ゲーものを読んできた身としては、ぽっと出の一代貴族な男爵と侯爵令嬢だと、身分差ありすぎて後で大変なことになるのでは……と思わなくもないんですが。そこはボウエン侯爵家の特殊性と、二人で築いてきた人脈と後ろ盾と……お嬢様のためなら文字通りなんでもやっちゃう一途さで、乗り越えていくんだろうなと思いたいです。
……ってか、元商家出身な普通の少年が、自分の意志で毒慣らしまでしてたとは、その愛の重さにドン引きだよ……ww
No.3494 (読書)


 きみは大好きな友達!
2023年03月12日(Sun) 
読書記録:
■きみは大好きな友達!
 https://www.alphapolis.co.jp/novel/84296488/621704083

田舎から出てきて就職して間もない、友達いない系サラリーマン。ここ数日、玄関先に置かれている花を、いたずらだとは思いつつもちょっと心が癒やされるとか受け止めていたら、なんだか置かれているものが徐々にエスカレートし始めて……

「異世界でのおれへの評価がおかしいんだが」等の、秋山龍央さんのお話。全4話完結済。
珍しくBLではありません。たぶん?
ピクシブで行われていた、「僕だけのトモダチ」企画というものに影響されて書かれたお話だそうです。
理不尽系怪異でオチはなしというか、判らないまま終わる感じでした。
No.3493 (読書)


 黒髪地味姉は聖女のようです
2023年03月08日(Wed) 
読書記録:
■黒髪地味姉は聖女のようです
 https://kakuyomu.jp/works/16816452219694810761

巻き込まれ召喚で、美醜の価値基準が違う世界に行った、美少女で傲慢な妹と地味平凡で家族に虐げられてる姉のお話。読み切り短編。
「推定悪役令嬢は国一番の【ブサイク】に〜」と同作者さんで、世界観が似たような感じです。パイロット版かな?
召喚をやる国としてはかなりまともな方というか、まず召喚された聖女本人や巻き込まれた人物にちゃんと状況説明と意思確認をし、駄目ならその場ですぐ送り返してくれます。王様夫妻が召喚に立ち会っていて、どちらが聖女かもきっちり鑑定で確認するし、その鑑定の際にも事前に許可を求めてます。うん、常識的。
そして一方を神々しいまでの美しさだと褒め称えながら、「おい、容姿は関係ないだろう!」とたしなめる人もいて、いろいろな意味でなんか安心します。
主役はこの系の小説をいろいろ読んでいて、「私は聖女じゃないけどユニークなスキルがあったりするやつかな?」「それか、私が実は聖女でもう遅いってするやつかな」とか内心ちょっとわくわくしてるし、立ち会った騎士さんが「あの、聖女様の世界では髪色で美醜を判断しないって伝説、マジのガチのやつだったりします?」とか訊いてくるので、話が早い早いww
個人的に、前述の発言した、金髪騎士さんとのその後が気になりました。
No.3490 (読書)


 侯爵子息は可愛い婚約者の悪役令嬢シナリオを回避する!!
2023年03月06日(Mon) 
読書記録:
■侯爵子息は可愛い婚約者の悪役令嬢シナリオを回避する!!
 https://ncode.syosetu.com/n7394fo/

「伯爵令嬢はヤンデレ旦那様と当て馬シナリオを回避する!!」「(元)暗殺者侍女は腹黒わんこ皇子と破滅シナリオを回避する!!」のさらなる続編で、両作品の子供世代のお話です。今回もヤンデレ×ヤンデレ。
子供達はたいてい破格ですが、親も親で破格のままなので、前作メインキャラが残念なことに……という展開は避けられた模様。
ただ……うーん……正直、今回はちょっと、という感じでした。
以下は辛口につき、記事を畳む&要スクロールで。
No.3488 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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