よしなしことを、日々徒然に……
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 トカゲ主夫。
2018年01月16日(Tue) 
読書記録:
■トカゲ主夫。 〜トカゲ主夫。発売記念短編:わらびもち
 https://ncode.syosetu.com/n1535dt/

世界を滅ぼす『災厄』と予言され、生まれた落ちたその瞬間に、異界へと封じられた存在。
ひたすらに過酷で、生物すらいない荒廃した大地と毒沼だけがある世界に送り込まれた『彼』は、己が何者かも知らぬまま、ただひたすらに存在し続けていた。己の中に感じる空虚さを埋めるように、周囲にあるものを片っ端から口に入れ、噛み砕き呑み込みながら。
そうして気がつけば、その世界はすっかり無くなってしまっていた。
足元に残った大地の最後の一口をかじって終わらせた彼は、別の世界へと移動することにする。
彼を追放し、そうして数百年に渡り監視し続けていた世界の者達は、唐突に起きた『災厄』の消滅にパニックを起こした。星をも喰らい尽くす、恐るべき災厄 ―― “星蝕(ほしはみ)”は、これまで何も知らなかったからこそ、異界で大人しくしていたのだ。しかし消えたその先で知恵をつけ、己を煉獄とも呼べる過酷な環境へ追いやった者達がいたのだと、気がついてしまったら ―― ?
今度こそこの世界は、完膚なきまでに滅ぼされるだろう。
全力を上げて災厄の行方を探す彼らを余所に……己が何者かも知らぬ『彼』は、まったく知らない場所にいた。
硬くのっぺりとした地面に立ち、暗くはあるが、小さな光がたくさん瞬く澄んだ綺麗な空を見上げる。
空気に混ざるのは、毒の沼とは似ても似つかぬ、ほっくりと甘い匂い。
ゆっくり歩きだそうとした彼の背後で、カラリと何かが開く音がした。そうして差し込む、明るい光。
「私んちのベランダに、でっかいトカゲがいる」
初めて聞く自分以外の生き物の声は、とても暖かく感じられて……


ある意味、逆トリップとでも言うのでしょうか?
次元の壁を超えてきた最強ドラゴンが、現代日本で一人暮らしするアラサー女性の元へ転がり込んで、ほぼほぼペットとしてひたすら美味しいご飯を食べつつ、まったりしているお話です。ちょびっと恋愛風味も。
書籍化済で、現在第一部完結したところで更新停止。書籍も続刊はなしとのこと。
と言うかこの作者さん、随分前に良いところで更新停止になってた「兎偽姫の憂鬱」書いた方だったんですね……道理でトカゲさん側のほのぼのサイドとは裏腹に、元世界の方が殺伐としていると。
トカゲさんを災厄呼ばわりして過酷な世界に追放した側では、それはもうめっちゃシリアスかつ人の命が軽い感じでいろいろと起きているんですが……まあ気持ちは判らなくもないものの、トカゲさん側に感情移入してしまう読者としては、なんかもう身勝手すぎて滑稽さすら感じるというか。
まあ、エレハルドさんは先達に押し付けられた役割を精一杯こなしつつ、ちゃんと誠意を見せてくれたし(脳内ドロップキックで一気に印象が変わったww)、堅物ゲーティアさんも良い味出していたので、その二人に関しては情状酌量もできるんですけど……でもなんかこう、なあ。
あと、トカゲさんがなぜこっちではミニマムになっていたのかの説明がないのがちょっと。
もしもトカゲさんが元のサイズで現代日本へ現れていたら、きっとまったく違う未来になっていたと思うんですよね……
No.78 (読書)


 コミック シャーロック・ホームズ The BEST
2018年01月08日(Mon) 
読書記録:

JETさんによるシャーロック・ホームズのコミカライズ。総集編ではありませんが、描き下ろしや単行本未収録作を多く含む、お得なコンビニ廉価版です。
未収録作品に関しては、「緋色の研究」128P、「ボヘミアの醜聞」52P、「曲がった男」58P、「赤毛連盟」42P、「踊る人形」56Pと半分以上。
他のも「まだらの紐」、「銀星号事件」、「青い紅玉」、「瀕死の探偵」、「六つのナポレオン胸像」と、ファンにはたまらないラインナップvv
JETさんのツイッターいわく、作品の並び順を作中年月に合わせてあるそうです。
ああ、やっぱりJETさんのコミカライズは、原作に対する『愛!』が溢れてますねえ(しみじみ)
一気に読むのがもったいなくて、少しずつじっくりページをめくっていたら、年をまたいでしまいました。
「緋色の研究」は、言わずと知れたホームズさんとワトソン先生の出会い話。
なんとホームズ先生、28歳ですよ。
以前フリートークで、うっかり御大(ホームズさんのこと)を年配に描き過ぎては、担当さんに修正液で皺を消されるとか仰っていたJETさんですが、さすがに28歳ともなると若い! ワトソン先生もまだ(当社比)細身で、ああ過去話なんだなあとしみじみと。まあそれでも、一般的な少女漫画に比べると、どちらもしっかり大人の成人男性なんですが(そこが良い)。
そして知らない人なら「腐った目で解釈してるんじゃねえよ」と一蹴しそうな、でも実はしっかり原作に存在している記述「このホームズ、自分の推理術を賞賛されると、まるで美貌を褒められた小娘よろしく、はにかんでしまうのである(深町眞理子 訳)」と頬を上気させるホームズさんも、ちゃんと成人男性の姿でしっかり描かれている外さなさvv
懸念していた第二部(犯人による動機の告白)も、ちゃんとそれなりにページを割いて描写されていました。モルモン教についての、コナン・ドイルの誤った認識が云々という注意書きつきで。 ……うん、正直原作でも、この話の流れだと最初に約束破ったのあんたらの方じゃんっていう思いがなくもないんですよね(苦笑)
あ、毒薬のテスターが、そこらへんで捕まえてきたドブネズミになっていたのは、やはりさすがに原作通りだとまずかったのかww
「ボヘミア〜」では馬丁に変装するホームズさんや、時計の鎖につけたコイン。そしてラストシーンの男装してすれ違うアイリーン・アドラーと、やっぱりファン心をくすぐる描写が随所にあります♪
「この婦人と陛下とでは、確かに釣り合いが取れません」という、一見陛下を立てているようでディスりまくりな発言もバッチリですし(笑)
……ただ最後にホームズさんが時計を引き出しにしまう場面で、鎖の先にコインがついてないように見えるのがちょっと。金具の形も他のコマとは違っているようなんだよなあ……?

って、ひとつひとつ書いていたら、ものすごく長くなりそうなので、とりあえずこのへんで(笑)

そうそう、この緋色〜やボヘミア〜を含めて今回初読だった作品は、コンビニペーパーバックが初出だという理由からか、猟奇描写が少なめだったと思います。
JETさんってホラー雑誌出身なせいか、作品によっては死体とかすごい描かれ方するんですよね……六つのナポレオン〜とか瀕死の探偵とか、うっかり子供が読んだらトラウマ化するかも……(汗)
No.55 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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