よしなしことを、日々徒然に……
※ 2017年以前の記事は こちら になります ※



 電子書籍も視野に入れるべきか
2023年11月04日(Sat) 
寒くなってきたためか、また手首がくきくきいったり、指の関節に鈍痛が出始めた今日この頃。
この際だから痛みが強くなるのを少しでも遅らせようと、このところはハンドメイドを自粛して、読書の方に時間を使っています。
タティングレース始めるまでは、むしろずっとこんな感じでしたっけ。
それでもだいぶ視力が衰えているのと、紙書籍を支えている事自体がすでに辛いこともあって、読めるスピードはガタ落ちです。
PCやスマホやタブレットの画面なら、文字も大きくできるしスマホ立て使えば手で持っている必要もないので、一日で一冊分ぐらいは行けるんですけど。

あ、でも少し嬉しかったことがひとつ。
これで腰痛とは無縁ですとのコメントを頂いたのでちょっと試してみたら、うつ伏せで読書できるようになっていたことが判明しましたww
……いやうん、ほら。ここ数年は、腹についた肉がですね……(遠い目)
背筋がないので長時間は無理ですけど、つかえて苦しいというのはなくなっていたので、ちょっとテンションが上りましたです(笑)

それにしても、どこかで見かけた「紙書籍にこだわっていられるのは、健康体だからだ」とかいった意味の書き込みが、めちゃめちゃ実感湧くようになったお年頃です。
電子書籍は対応環境が限られるし、いつ配信がなくなるかも判らないため、お金払うならできるだけ紙で持っておきたいんですけどねえ。
……20年ぐらい前に、思い切って電子書籍で全巻揃えた金田一耕助シリーズなんて、ストアからはとっくに消えていて、念のためバックアップしておいたファイルも、今では試行錯誤してもレイアウト崩れが激しく、ほぼ読めない状態になってるからなあ(遠い目)
……かつてスキャナ取り込みで自炊した、数千冊分のPDF(もちろん裁断した本体は処分済み)も、果たしていつまで読み返せることやら……

そしてストレスが溜まっていたのか、久しぶりに紙書籍をポチポチしまくり。
読むスピードがガタ落ちしてるってのに、減らす以上のスピードで積読を増やしてどうするというのか、我ながら(苦笑)
No.3731 (読書)


 追放悪役令嬢の旦那様 4巻
2023年10月25日(Wed) 
読書記録:
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

追放悪役令嬢の旦那様4 (ツギクルブックス) [ 古森きり ]
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収録は「episode アメリー」〜「困ったひと」の第四部まるごと。
電話作ったり、ファーラが竜の愛し子として覚醒した結果、男爵位もらったりするあたりまでです。
全体的に描写が細かくなっているのはいつものこと。書き足しで印象に残ったのは、まず冒頭でいきなりルーシィにお婿さんができているところですね!
この部分で、2巻で説明なく崖を上がり下りしていた手段であろう、ブーツの竜石道具が初めてまともに説明されています。
そして今回は、フランの『影』としての部分が、これまでよりもだいぶ強調されている感じがしました。ボアやベアの上位種、国際指名手配犯などとのバトルを一人であっさりこなす戦闘力の高さもそうなんですけど、ラナや子供達といった身内以外は本当にどうでもいいと思ってる部分がですね……密猟者達の悲鳴をまるっと無視して、子供のための花を鼻歌交じりに採取しにいくのが、書籍で改めて読むとちょっとサイコパスっぽく^^;;
二人の関係は、お互い真っ赤になったりお酒の力を借りたりして、やっとお休みのキス(ほっぺ)とかハグをできるようになったレベルです。可愛い。
電話でお互い耳元で声が聞こえるのに悶絶して、死ぬ、無理、とか言ってるのがもうたまらんですww
……こいつら、もう結婚してんだぜ?

なお今回登場した竜関係の生き物は、ラストにちょろっとだけ竜狼でした。犬じゃなかったか……<十二支網羅かと思っていた
そして今回の編集仕事しろは、狩猟祭が1回目だったのか2回目だったのか。WEBでは普通に『初開催』だったっぽいのに、何でわざわざ2回目の要素を入れ込んで、修正しそこねを残してしまっているのやら……?
あとセンサーもね……WEB版ではさらっと読み流しましたが、「人の大きさに設定したから動物では反応しない」って断言して作ったものを、なんで調整もせずに害獣対策に使おうとしているのかとか。
どれも些細な部分ではあるんですけど、好きな話だけに細かいところが気になっちゃうんですよね……
No.3720 (読書)


 ええ、召喚されて困っている聖女(仮)とは私のことです〜 魔力がないと追放されましたが、イケメン召喚師と手を組んで世界を救います!〜
2023年10月23日(Mon) 
読書記録:
■ええ、召喚されて困っている聖女(仮)とは私のことです〜 魔力がないと追放されましたが、イケメン召喚師と手を組んで世界を救います!〜
 https://ncode.syosetu.com/n6435gw/

弟の訪れを自室で待っていたところ、いきなりホルダール王国へ聖女召喚された、平凡なOL鮎川春。
彼らいわく、一年後に訪れる大災害を防ぐために召喚された聖女が、彼女なのだと言う。いやいやいや、ごく普通の自分にそんなことなどできるはずがない。人違いですといくら訴えても聞く耳を持たず、国王も王子も宰相も貴族たちも、こぞってハルをもてはやす。
しかしそれも、鑑定の魔法を使われるまでのことだった。
ハルには魔力がまったくなかったのだ。魔法使い、それも攻撃魔法を至上とするのがホルダール王国である。ハルの扱いは一転し、用意されていた豪華な品々は全て取り上げられ、無一文で城から追い出されてしまう。
元の世界に返してくれという訴えは、「異世界からの召喚には召喚師一人を使い潰す」「何もせず帰るあなたのために、召喚魔法師の一生を台無しにするわけにはいかない」と、ばっさり切り捨てられた。
国家ぐるみで誘拐を働いておいて、その言い草は何だとも思ったが、ここで逆らっても良いことはなにもない。それどころか「この国に大きな災害がくることは口外するな。しゃべったら命の保証はない」と脅されまでして、ハルは逃げるように城をあとにした。
幸い、彼女に同情してくれたメイドのシェリーが、こっそり実家が経営している宿を教えてくれた。そこへ行き自分の紹介だといえば、きっと助けてくれるはずだと
人の心を持っている人がここにもいた。クズだらけの国でなくて良かった。
そう思いながら宿屋アウラにたどり着いた彼女は、快く受け入れてもらえた。城のやりように宿の皆も憤慨してくれて、ハルは従業員として働くこととなる。
どうにか衣食住を確保し、数週間が過ぎた頃、休日に市場を見て回っていた彼女は意外な人物に呼び止められた。
「ずっと探していました。なぜ城から去ったんです?」
そう詰め寄ってくるのは、あの召喚の場でぶっ倒れていた召喚魔法師の青年だった。
ヴィクターと呼ばれていた彼によると、宰相から聖女様が自ら出て行ったのだと告げられたらしい。そして失敗だった召喚術は行われなかったことになり、脈絡が焼き切れ魔法使いとして二流以下になった彼は、魔法師部隊を病気で自ら退職したと、記録が書き換えられたのだという。
上司の命令に逆らえず、使い潰し前提で魔法を使わされ、そして全てをなかったことにされた彼もまた、被害者といえば被害者なのだろう。
しかしヴィクターは、自分の術が失敗だったとは思っていなかった。故にハルを聖女と信じ、それを証明するべくつきまとい始めた。具体的にはハルが働いている宿屋へ泊まり込むという形である。それでも仕事の邪魔はせず、合間に話を聞くといった程度なので、やがて彼もハルや宿屋の人間と馴染み始めた。
そうこうするうちに、ハルにはこの世界の人間には視認できない魔力が、金の粉という形で見えていること。攻撃魔法の類が一切効かないことなどが判明してゆく。
しかしそういった平穏な日々は、城からの監視が判明することで終わりを告げる。余計な情報を知っている、なかったはずの召喚に関わる当事者二人。このままではいつ口封じされるかしれないし、そうなれば宿屋の皆にも迷惑がかかる。
しかたなく二人は、取り急ぎ王都を離れることにしたのだが ――


拉致召喚、追放した聖女がじつは本物だった系。
書籍化・コミカライズ済。WEB版は厚めの文庫一冊程度で完結済ですが、書籍でその後の続編が出ているようです。
全体的に、風が吹けば桶屋が儲かるといった印象のお話でした。
何もかも全ての元凶は野心家な宰相だった訳ですが、それを抑えきれなかった王家も大概なので、そちらへのザマア少なめなのがちょっと消化不良でしたかねえ。
主人公は点々とする中で多くの人々と交流を重ね、王家のためには働きたくないけど、あの親切な人々を助けるためなら……と、最終的には身体を張って災害に立ち向かう訳ですが。これ王家にとっては当初の目的を聖女へのコストほぼゼロで果たせた上に、国家の膿(宰相)を出せたというメリットしかないんじゃね? と。
最後、隣国の王家がちょっと出てきて、良いこと言ってくれるんですけど、それだって聞こえてない方には痛くも痒くもないですしね。むむむ……
主役が前向きにバイタリティ溢れていて、「もう腹を立てるのは終わり!」と決めてからはとことん楽しそうに日々を過ごしているのは幸いです。
個人的にシリルさんとポーリーンさんの年の差カップルが微笑ましく。
あと、いろいろ協力してくれたスーロン領主コンラッドさんが、一筋縄ではいかない感じを出しつつもすごく良い人なのがね。知り合ったきっかけが、平和ボケ日本人のやらかしってあたりも、なんだかいろいろ象徴的でした。
No.3717 (読書)


 稀色の仮面後宮 ―毒花の園 不死帝の罪―
2023年10月21日(Sat) 
読書記録:
■稀色の仮面後宮 ―毒花の園 不死帝の罪―
 https://ncode.syosetu.com/n4015gn/

死を超越し、殺されても翌日には何事もなかったかのように蘇る帝。百年を超えて生きる不死帝によって、戦火の絶えなかった島は霞国として統一された。併呑された諸国や国民は、得体のしれぬ存在である不死帝を畏れ、その恐怖によって国の平和は保たれている。
そんな霞国の辺境、海の見える集落に生まれた董珠蘭(とう しゅらん)は、海神の贄として濠に隔離される生を過ごしていた。彼女の目は紅と緑を認識することができず、まともに見分けることができるのは海の青だけ。そういった子供を村の人々は海神に愛された存在と呼び、一生海に祈る生活を強要したからだ。
彼女にとっての救いは、食事などを届けてくれていた兄の海真(かいしん)だけ。しかしその兄も3年ほど前に突然行方不明になっていた。両親のもとには定期的に莫大な金子が届くとのことで、おそらく見目よく聡明だった兄は拐かされ、下級宦官にするべく都に売り飛ばされたのだろうと考えられていた。
そんな兄が、突然濠に現れた。同じような背格好をした、楊劉帆(ようりゅうほ)という青年とともに。
「迎えにきたよ」「珠蘭の力を貸してほしい。だから、都にきてくれ」
そう告げて濠から連れ出した彼らは、不死帝が治める霞王国の中心、霞正城へと彼女を連れてゆく。その後宮で起きている様々な問題を解決するのに、珠蘭の瞳の力が必要だと言うのだ。
珠蘭の瞳は紅も緑もはっきりとは認識できない、枯緑色に見せてしまう。しかしその代わり、焼き付けたかのように見たものを記憶することができるのだった。
不死帝の秘密を教えられ、兄の命を質に取られ、後戻りのできなくなった珠蘭は、官女として沈花妃の住む瑪瑙宮へと送り込まれた。しかし花妃や官女達からは歓迎されていないようで ――


中華風世界の後宮謎解きモノ。主役は赤緑色盲の代わりに視覚的な絶対記憶持ちの官女、ヒーローは宦官に扮した事情持ち男性。
書籍化・コミカライズ済、厚めの文庫一冊ぐらいで完結済。ただし書籍では続きが刊行されているそうです。WEB版の終わり方は「俺達の戦いは〜」的な、過去の諸々に区切りをつけて、これから頑張るぞ!といった感じ。
まあ一区切りはついているので、そこまで放り出された感はないですね。
あとコミカライズでは長々と引っ張られそうな不死帝の秘密が、3話目にしてさくっと明らかにされています。正直こっちのがありがたい(笑)
後宮モノにしては女同士の争い的ドロドロが少なく、気軽に読める感じでした。名付き登場キャラのほとんどが同情もしくは共感できる部分を持っていて、最後まで「こいつ嫌い」と思うキャラがいなかったのも良かったです。
やったことの是非はともかくとして、皆が皆、誰かしらを思いやれる人ばかりなので、読後感は悪くなかったです。 名前が出てこない瑠璃宮関係者達だけは、さすがに共感できませんけど。
ただ、国のあり方自体がかなり歪(いびつ)なので、今後どうなっていくんだこれ……という懸念はものすごくあります。
そもそも不死帝の制度自体が無理の極み。たとえば今の不死帝が殺されずに済んだとしても、5年か長くても10年もすれば年齢的にアウトなことになる訳で。そうなった場合に口封じとかされずにそのまま生きていけるのか? という時点でもう不安しかない。
すでに劉帆というイレギュラーが存在している訳ですし。むしろ百年で一人だけで済んでるほうがすごすぎるぐらいですよねえ。
さりとてこれを正常な状態に戻そうとすると、一世代では無理なんじゃないかな……生に飽きた不死帝が、自分の意志で天に還ったという形を取るのが妥当かな……その前に元周辺諸国との関係を正常化しなければなりませんが。そして仮にそれができたとしても、海真や劉帆は宦官としてすでに面が割れているから、おおっぴらに表には出られませんしね……む、難しいな……?
No.3716 (読書)


 王妃陛下は、王太子の婚約破棄にブチ切れる。〜わたくしの選んだ可愛い婚約者を蔑ろにしたこと、後悔なさい。〜
2023年10月16日(Mon) 
読書記録:
■王妃陛下は、王太子の婚約破棄にブチ切れる。〜わたくしの選んだ可愛い婚約者を蔑ろにしたこと、後悔なさい。〜
 https://ncode.syosetu.com/n1605ht/

タイトル通りのお話。転生要素なしの、全5話完結済。
むしろ最初は2話だったところへ、あとの3話(別視点)をおまけSSとして追加したもののようです。
最初はテンプレ的婚約破棄アンチと見せかけて、実はそれぞれがそれなりに適材適所を考えて、ちゃんと話し合って行動した結果の予定調和という感じでした。
国王様がン年前に判断ミスをやらかしたのがそもそもの原因ではあるんですが、ちゃんとそれを修正して収めるところに収めたのが面白かったです。少なくとも主要キャラは誰も損してません。
「我輩は誤っても謝ることはない」という言い回しが格好良いww
あと、婚約破棄劇のきっかけになった聖女ちゃんのキャラも、なかなかに予想外な甲斐性っぷりで楽しかったです。
No.3712 (読書)


 悪徳領主一家の役立たず妖女は、善良な搾取に邁進するようです!〜親に売り飛ばされた隣国で、勤勉な彼女は溺愛される。〜
2023年10月15日(Sun) 
読書記録:
■悪徳領主一家の役立たず妖女は、善良な搾取に邁進するようです!〜親に売り飛ばされた隣国で、勤勉な彼女は溺愛される。〜
 https://ncode.syosetu.com/n6067hr/

「――貴族たる者、悪であれ。」
そんな家訓を持つロンダリィズ伯爵家は、悪徳領主一家としてその名を馳せていた。
「贈り物を断っただと!? 貰えるもんは貰ってこい!」
「王太子殿下にあれだけ熱烈に求婚されて断るだなんて、うちでなければ許されないことですよ?」
「なんでそこで、もっと色仕掛けしてうちに有利な取引を持ち掛けないの?」
当主もその妻も長男も、つねづねそううそぶいてやまない。
しかし長女であるアザーリエは、どうしても家族の言うようには行動できなかった。
その類まれな美貌と色香から、「社交界の妖花」「尻軽な男好き」「傾国の徒花」「貢がせ令嬢」と悪名を轟かせてこそいるものの……彼女の実家における評価は「残念で役立たずな長女」だった。
なぜならその内面は、どこまでも小心で臆病な……コミュ障だったからだ。
幼い頃から男性に体を眺め回されるのが常だったので、その視線だけで怯えて萎縮してしまう。しかし彼女のそんな姿は非常に艶めかしく、誘っているようにしか受け取られないらしい。ゆえに女性達からも下品だと冷たい目で見られ、恐ろしくて話しかけることもできない。
人を使うのも同じで、使用人に命令することさえできず、何でも自分の手で済ませてしまう方が楽だとさえ思っている。
そんな社交も家の仕事も満足にこなせない彼女へと、父親がついにブチ切れた。
「この馬鹿が! 自由恋愛という貴族悪すらまともにこなせねぇのか! もういい! お前は悪虐非道と噂の隣国の公爵に売る! 悪というものについて分かるまで里帰りも禁止だ!!」と。
そうして彼女は、会ったこともない隣の国の高位貴族と婚約することとなった。
当然、噂を知っている夫は初対面から警戒を見せてくる。
「そなたに金は使わせん。社交界に顔を出すことも不要。一年後の婚姻までは部屋も別。結婚式を挙げる予定も、披露宴を行う予定もない」
そう告げられた彼女が、まず思ったことは……

政略婚約から始まる、勘違いからのすれ違い恋愛的な?
現地主人公で、さらっと11話で完結済。
外見と内面があっていない陰キャ系嫁と、有能だけど脳筋気味な軍人旦那。
「引きこもって社交をするな」「使用人達は籠絡されぬよう必要以上の会話をするな」と指示されて、「誰にも構われない……パラダイス?」と喜んじゃう主人公は、本当に食事の支度以外のすべてを(風呂に入るための薪割りとかまで)嬉々として自分でやり。
そんな彼女を見た旦那の方は、戦場で敵を観察する際のモードに切り替えた結果、彼女の意味深な色気たっぷり仕草が、すべて怯えや緊張から来ることを見抜いてしまい、一気に陥落という流れです。
そもそも彼女の実家の家訓、「貴族たるもの、悪であれ」の続きが、「貴族にとって一番の悪は、労働である! 誰よりも働け!」という時点で、いろいろ認識がすれ違ってるんですよね(笑)
精一杯、一流の「悪」たろうと勤勉に働いてしまう、そんな主役や父親の隠された親心がくすっと笑えるお話でした。
No.3711 (読書)


 追放悪役令嬢の旦那様 3巻
2023年10月12日(Thr) 
読書記録:


前世ではブラック企業で病んだあげくに社長から自殺を強要された悪役令嬢(冤罪かつ婚約破棄時点で記憶を取り戻し)と、阿呆すぎる王太子他高位貴族連中に搾取されまくっていた無気力系無自覚有能なモブキャラ(彼女の保護を親世代から依頼されてる元伯爵令息)との、追放&形だけ結婚から始まるあれやこれやの3巻目。
2巻で王太子側とはある程度の決着をつけたので、今回はあまり故国は関わってきてません。
……いや、逃げてきた難民を保護したり、暗殺(と言うにはお粗末すぎ)部隊を送り込まれたりはしていますが(苦笑)
基本的には、新しい面子(赤竜三島ヘルディオスの子供達とか)を加えて、いろいろ生活環境を整えようと、わちゃわちゃしている感じです。
ここにいたってもまだ、牧場カフェも竜石職人学校もスタートしてませんけど^^;;
今回は作中時間が数日しか経っていないので、そこまで物事が進んでいないのはしょうがないと思います。
二人の関係は、ようやくお互い気持ちを確かめあって、「とととと、とりあえず恋人からお願いしますっっっ!?」というところまではたどり着きました。でも両者(特にユーフラン側)に経験値がなさすぎるせいで、初々しい通り越してもはやギャグ。読んでてにまにまが止まりません。いいぞもっとやれww

収録は第三部始めの「面倒な来客」から、同じく終盤の『竜の爪』【後編】まで。
ついに竜の爪が登場しましたよ。爪が出てる挿絵2枚もあります。やっぱりここぞというところで格好良いよねユーフラン。
そして今回もラストの「 side アレファルド」は省略……というか後書きによると、どうもここらへんって、いろいろプラスしてQRコード特典になっていたようですね。期間限定だったからもう読めないんですが(´・ω・`)

書き足され部分としては、冒頭からいきなりウォッシュレット開発してて楽しいことになってたり、温泉まわりやミケの子供であるタロウやファイターラビットといった、竜虎・竜兎関係、あとはお米関係でまるまる一章書き下ろされてるのが印象に残った部分でしょうか。
そして竜シリーズは、これ十二支でも目指すんでしょうかww<WEB版では確か竜馬しか出てこなかった
他に違いとしては、ユーフランが緑竜セルジジオスの竜爪使いの家がどこか知らない点で、あれ?って思いました。確かWEB版では当たり前のように知っていて、話の流れでさらーーーっと「だから養子に望まれてた」的なことが書かれていたような。
なお、6巻で完結してるというレビューを見て買い始めたのに、しれっと7巻が発売された罠。
WEBで読んでた内容は6巻までで終わるっぽくて、むしろ5巻とかもほぼ描き下ろしみたいなんですよねえ。
WEB版ラストで新たな能力を得たユーフランが、それを活用する話は確かに読んでみたかったんですが……むむむ……(悩)
No.3708 (読書)


 無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す〜今代の聖女は姉ではなく、妹の私だったみたいです〜
2023年10月08日(Sun) 
読書記録:
■【Web版】無自覚聖女は今日も無意識に力を垂れ流す〜今代の聖女は姉ではなく、妹の私だったみたいです〜
 https://ncode.syosetu.com/n9034gj/

書籍化・コミカライズ、本編完結削除済で、現在は番外編3作のみ公開中。
代々優秀な人材を排出するサンチェス公爵家の、唯一の落ちこぼれと呼ばれ蔑まれていた地味令嬢が、生贄も同然に他国へ嫁がされた途端、無自覚に発揮されていたその能力に支えられていた聖女候補の姉&豊かな故郷は一気に問題が続出。嫁いだ先の帝国はというと、戦狂いとか物騒な噂のある第二皇子を含め、皇室一家全員ものすごく暖かく受け入れてくれた結果、様々な問題が解決してうっはうは系。
コミカライズが面白くて大本のWEB版の方を読み始めたのですが……ぶっちゃけこちらのほうがもっと私好みでした。
コミカライズも良いんですよ? 絵はきれいだしストーリーや描写、人間関係もよりドラマチックになっている感じですし。
特に主役カップルに関しては、「自己評価最底辺で落ち込みやすい薄幸系美少女と、言葉が足りなすぎる鉄面皮で脳筋気味なヘタレ朴念仁との、切ない系すれ違い両片想い」ならコミカライズがオススメ。
そして「自分は確かにこの家にふさわしいほどではないけれど、普通の令嬢としてならそこそこ優秀なのでは……? という自覚を持ち、実際に嫁いだ先で皇子妃としてしっかりやれている聡明で気丈な娘と、朴訥だけど言うべきことはちゃんと口にして支えになってくれる、ちょっと抜けてても頼りがいのある旦那との、政略から始まるほのぼの馬鹿ップル」を読みたいならWEB版。
そんな感じの印象でした<商業書籍がどっちよりなのかは不明
つまりWEB版のほうが、ヒロインもヒーローも芯が強いし、変なところで言葉を飲み込んですれ違ったりしないぶん、ストレス少なく読めたと言うか。
ほぼ最初から「政略でもこの人のそばに立つのが誇り」と、かなりいい関係を築いていたのが、ちょうど半分あたりでちゃんと気持ちが通じあって、その後は初々しいらぶらぶいちゃいちゃになってますし。
あとほとんどのキャラの頭の回転が早く、余計なところでぐだぐだしないのも好印象でした。
主役がちゃんと貴族や皇室の義務・権威を理解していて、変に罪人を庇ったりしないのがまた良いんですよ。それでいてザマアは行きすぎず、故国との関係も政治的に則って、ほどほどなところに落とし込んでいます。
姉に対しても、状況がそれを許すと確認し、さらに自分のエゴだと自覚したそのうえで処遇を決めていますし。
周囲の侍女や護衛騎士も家庭に問題を抱えていましたが、それぞれがそれぞれの形で過去に向き合い、型にはまった一辺倒な解決ではなく、許したり許さなかったりとさまざまな道を選ぶのが面白く。
ただまあ気になりどころは、コミカライズでは「忙しすぎて姉が妹をいじめていたのを知らなかった」「社交界で落ちこぼれと噂されているのも知らなかった」という描写のあった父親が、WEB版ではそのあたりまったく触れないまま和解して、親馬鹿に近い勢いで主人公を気にかけ始めるのが、ちょっとひっかかりを覚えたりとか。
……というかこの父親が仕事仕事言って、妻亡きあと幼い姉妹を放置してたのが全ての元凶ですよね……母親はあんなに先を見越していたんだから、せめて使用人ぐらいはしっかりした者をつけておけば……(ぼそ)
あと聖女試験の際に、主人公の存在は他の候補者達の能力を増幅しないの? という疑問がですね……これまでずっと無自覚に、そこに存在するだけで大嫌いな姉は愚か国中に影響を及ぼしていて、しかも膨大過ぎる力を意識して止めることはできないと説明があったのに。
聖女信仰協議会も……なんかいろいろ取り決めて発足してますけど、主人公と副騎士団長の存在ありきで決まったことが多くて、二人がいなくなったあと……次世代以降ちゃんと運営していけるのかが疑問だったり。
なにげに副騎士団長がめっちゃチートというか、この人の存在とか振る舞いも、けっこういろいろ反則だと思うんですよねえ(苦笑)
No.3706 (読書)


 偏愛の代償
2023年10月04日(Wed) 
読書記録:
■偏愛の代償
 https://ncode.syosetu.com/n7680hl/

美しい異母妹をいじめているという婚約者へ、もう何度目となるかもしれぬ注意をしていた王太子。
いつもは俯いて黙っている彼女だったが、その日は様子が異なった。
突如顔を上げた彼女は、こう叫んだのだ。
「でしたら、貴方が……! 貴方が代わってくださいっ!」
初めて見る泣き顔に衝撃を受けている間に、彼女は走り去っていった。
ただ呆然と見送った彼は、それを激しく後悔することとなる。なぜなら翌朝目が覚めた時には、彼の精神と婚約者のそれが入れ替わっていたのだ ――

全3話完結済。
よくある家族に虐げられる姉と、真実を知って心を入れ替える婚約者のお話……かと思いきや、終わり方がえげつなかったです(苦笑)
王太子は事情を知って、改心。謝罪もしたんですけどね……でもそれで許せる範囲を越えてしまっていた、と。
まあある意味彼は、被害者でもあるんでしょう。婚約者の話を聞かないで、美人な妹の嘘をまるっと信じた愚か者ではありますが。
それでも未来の国王として、それではやっていけなかったが故に、こういう結果になってしまったのでしょう。
王族の義務と責任、怖いッス。
No.3703 (読書)


 追放悪役令嬢の旦那様 2巻
2023年09月21日(Thr) 
読書記録:
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

追放悪役令嬢の旦那様2 (ツギクルブックス) [ 古森きり ]
価格:1,320円(税込、送料無料) (2023/9/21時点)



婚約破棄時に前世の記憶を取り戻した悪役令嬢(ヤケクソ気味の超前向き破天荒)と、物語の中ではモブでしかなかった、リアルチートな規格外旦那(主君の婚約者に横恋慕しちゃってた、チャラ男系装った超奥手)との、追放&政略結婚から始まるスロー(?)ライフ&じれじれもだもだバカップルもの。2巻目です。
収録は三部の冒頭「嵐のあとで【後編】」まで。1巻で転生のことをカミングアウトしてちょっと親密になりましたが、今回はまだお互いすれ違ったままです。なんかすれ違ってるらしいことに二人してようやく気がつき、歩み寄ろうとはするけれど、それってどうすれば良いの??といった時点です。
そして今回も「 side 女子会」は入っていませんでした。
なのでエラーナが、ユーフランにあれやってこれ作ってと、かつての王太子達と変わらないんじゃね? ぐらいの無茶振りやわがままを言っている理由が明かされていません。ユーザーレビューで辛口な意見があるのも、これが理由のひとつじゃないかなあ。続刊で語られるんでしょうかここ?
気になる方は、WEB版二部ラストの「 side 女子会」を要チェックですΣG(`・ω・´)
その点含めて、ラナがけっこういろいろ考えて葛藤しているのが語られているこの話を、なんで削っちゃったんでしょうかねえ。
文章を整える以外の場面的な書き足しは、ラーメン作りくらいかな。ラーメンの麺ってかん水とか重曹とか必要だった気がするんですが、そのあたりは華麗にスルー(笑)
判ってやってるのか、ラナ曰くの「作者の知識の偏りがヤベえ」なのかは謎ですが。まあ、規格外リアルチートな旦那のお陰で、何をやってもうまくいくのがこの話のミソなので、そこはノリで流せばいいと思います。
WEB版ではほとんど出てこなかった南方2国のこともチラチラ触れられてきています。紫竜ディバルディオスはお箸を使う文化らしいので、和風っぽい国なのかな? 書籍版の続刊ではそっち方面に旅行したりもあるようなので、ちょっと楽しみだったり。

……ただなあ……本当に編集仕事しろという部分が随所にあって、ちょこちょこ「あれ?」と集中を削がれるのが残念でなりません。
1巻で普通に野生動物についていろいろ語ったり罠を仕掛けたと述懐していたユーフランが、家畜屋に話を聞いて「そ、そんな危険なやつがいるのか!」って驚いていたり、前の晩に「トレイもないのに大変だろう」って配膳手伝ってたのが、翌朝にはしれっーとトレイで運んでたりと、ちょこちょこしたところで引っかかる違和感が気になっちゃって……WEB版なら無料ですし下書きだと思って読み流すんですけど、仮にも商業作として対価を取るなら、もうちょっと全体の整合性を取ってほしいなあと切実に思うのでした。
No.3686 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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 at 2024/03/24 11:07:27
 お花シール、良い感じで..
 by keropi
 at 2024/03/24 00:06:53
 玉に瑕……とはよく言っ..
 by 神崎真
 at 2024/03/23 19:49:27
 あらぁ…これは悲しいで..
 by keropi
 at 2024/03/22 00:26:59
 お久しぶりです、keropi..
 by 神崎真
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 しょっちゅう使うのでは..
 by keropi
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 タカコ様も、明けまして..
 by 神崎真
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 あけましておめでとうご..
 by タカコ
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