よしなしことを、日々徒然に……
※ 2017年以前の記事は こちら になります ※



 辺境の老騎士 バルド・ローエン 10巻
2023年12月27日(Wed) 
読書記録:


コミカライズ版、最新刊まで追いつきました!
滝での修行を切り上げ旅を再開し……そしてアーフラバーンとの出会い。
ここ2冊ぐらいは俗世を離れたような雰囲気だったけれども、ここで良くも悪くも人の世界に戻ってきてしまうのですね……
という訳で収録は第2章の「第6話 カチュアの一枝(前編)」の途中から「第7話 オーヴァを越えて(前編)」の途中、アーフラ兄ちゃんのご登場までです。あと最初の2話を使って、1巻でさくっと飛ばされた「ガンツの娘」を、回想しながら物語る形でやってくれてます。
しかも巻末SSはカントルエッダさん! バルドの最初の師匠にして、アレなお方!
私が読んだ部分では、ほとんど他者の口から語られるだけの人だったので、これは嬉しいです。あとこのSSで、バルドの父の過去についてもちょっと出てきていて、あれもしかしてバルドって思ってたさらにそれ以上に、カーズと縁が繋がってた……? とか思ったり。
そしてカントルエッダが諸国漫遊してた理由が思い出せない……やっぱりこれは、紙書籍の方を読み返し&ラストまで読まないとだなあ……

期待していた「ガンツの娘」の方はというと……う〜ん。いや面白いし格好良いし、久しぶりのスタボロスも可愛いんだけど! でもこの頃のバルドお爺ちゃんは、本当にあちこちガタが来ていて、ハッタリと経験と運によってぎりぎり物事をさばいていたところがミソだったと思うのですよ。それがけっこう普通に格好良かったのがちょっと残念でした(苦笑)
でもって、今回はジュルチャガ!
「おいら旦那が死んじゃったらやだかんね」のマジ顔と言い、カーズとのじゃれ合い?と言い、ドーラへとぐいぐい話しかけていくところと言い、先のことを思うとたまらんですね!
カーズの方はあれですね、魚採りを削らずやってくれたのがGJΣG(`・ω・´)
このエピソード、「影武者徳川家康」だか漫画版の「SAKON(左近)」だかで同じような場面を見た気がするんですけど、史実由来のものなんでしょうか……?
No.3776 (読書)


 辺境の老騎士 バルド・ローエン 9巻
2023年12月24日(Sun) 
読書記録:


コミカライズ版9冊目は、ついに来た、新生の森の滝壺! そして騎士の宣誓!
個人的に、このシリーズの中でも指折りの見所というか、穏やかで心休まる一幕だと思ってます。 いや、原作途中までしか読めてないけど(苦笑)
今回の収録は第2章の「第4話 カーズ・ローエン」から「第6話 カチュアの一枝(前編)」まで。
巻末SSはクリルヅーカでした。ドリアテッサの乗馬ですが、前回とは異なり視点というか語りはドリアテッサです。まあユエイタンは特別ですからねえ。

そしてやるのか? 描くとしたらどこまで?? と思っていた、ヴェン・ウリル改めカーズの水浴び後のシーン。

見 開 き で し た ww

ッカー! もう、たまりませんね!
前巻の血塗れで立ち尽くしてた場面もすごかったけど、今回の物憂げな姿ったら! ほんとにいい絵師さんに描いてもらえたなあ。
……そしてそれがまた、次のページで「バーン」って、絵面そのままでいきなりギャグになってるのがもうね(笑)
あとひとつ前のページで、バルドが上半身裸で髪拭ってるシーンも堪らんです! 大柄でマッチョで傷だらけの爺さんの水浴び〜〜っっ《o(>▽<)o》

ドリアテッサの剣術訓練も細かくやってくれてます。ジュルチャガのアドバイスがよく効いているのとか、ハラハラしながら見守っているのが、やっぱり絵だとよく判りますね。
「パルコの脂身」グルメが削られたのはちょっと残念でしたけど、まああれはなくても大勢に影響ないですし。それよりも騎士の宣誓シーンにページを割いて、すごく丁寧に描いてくれたのが嬉しいです。
こちらの見開きも堪らんですよ。間の取り方が絶妙だなあ(しみじみ)
No.3773 (読書)


 ちったい俺の巻き込まれ異世界生活
2023年12月19日(Tue) 
読書記録:
■ちったい俺の巻き込まれ異世界生活
 https://ncode.syosetu.com/n7250gn/

現代地球の乙ゲー好きで、自分が管理する異世界を好き勝手弄り回して遊んでいたクソバカダ女神のせいで、巻き込まれ召喚したおっさん五木恵太(42歳)。
「貴方の存在が証拠になります!」と喜ぶチャラ男神によって、クソバカダ女神は裁かれるらしい。女神の選んだ聖女とやらが階段から落ちる際、リュックを掴まれ共に落ちた恵太は、すでに元の世界で死亡していたため、お詫びとお礼にと、異世界で新たな身体を用意してもらえることに。
そうして聖女とともに礼拝堂の祭壇に現れた恵太は、幼児の姿になっていた。ようやく捕まり歩きができるかどうかという年齢で、ほほえみ合うイケメン王子と聖女とやらに、当然のように置いてゆかれる。
そんな彼を抱き上げてくれたのは、整ってはいるが普通の子供なら泣きそうなヤンキー顔の少年。
先ほどのイケメンが第二王子で、こちらは第三王子らしい。持って生まれた魔力こそ高いものの、何故か魔法が全く使えないため、いろいろと複雑な立場にあるそうだ。
そんな彼に抱かれたまま、聖女と共に魔力測定を受けたり国の上層部から事情を聞いたりしていた恵太は、ふと第三王子の胸元から、ウニョウニョとした気味の悪いものが生えているのを発見。どうにも良くないもののような気がしたので、掴んで引っ張ってみると ――

巻き込まれ召喚で幼児化したおっさんが、チートと現代知識で無双しつつ、気の良い仲間達とワチャワチャする系。
文庫換算10冊ちょっとくらいで完結済。読了するのに一ヶ月ちょいかかりました。
明確に分割されてはいませんが、王宮〜学園が舞台の「聖女編」「クソバカダ女神編」、卒業後の「冒険者編」「冒険者・北大陸編」、国に戻っての「大人編」ぐらいな感じで続いています。
幼児で舌がうまく回らないため、主役の台詞が読みにくいというご指摘もあるようですが、半分は読み上げアプリで聞いていた私には、逆にちょっとありがたかったです(苦笑)<一人称の地の文と、台詞の区別が付きやすい
あとケータが登場人物の一部を、立場呼び(宰相とか将軍とか料理長とか)してくれるのもありがたかったです。横文字名前はいっぺんに覚えられんとですよ……

なおこの世界における「聖女」とは、国が召喚するのではなく、突然出現する神からの贈り物的な扱いで、基本的に王族や国上層部に拉致などの責任はありません。
むしろ女神の娯楽によって無駄に災厄を起こされまくっている、この世界こそが被害者。
まあ、聖女などを利用しようとする輩はいますが。でもほとんどの人が柔軟に現実や新たなものを受け入れるし、一部のどうしようもない面々以外は、やらかしても更生の機会が与えられます。
……まあ、更生しない者への制裁は、けっこう容赦ないですけど。

そして現代知識で食生活とか魔法体系とかガンガン変えていくので、そういうのが嫌な方は要注意。
あと死にネタ苦手な方もですかねえ。途中で元の世界の恵太死亡後の家族視点とか挟まりますし、終盤もちょっと、切ない展開が続きます。主に寿命の差的な意味で。
自分はごく普通の、結婚さえしなかった一般おっさんだと思っているケータさん、なんだかんだで一番浮世離れしてると思いました。
No.3767 (読書)


 辺境の老騎士 バルド・ローエン 8巻
2023年12月07日(Thr) 
読書記録:


コミカライズ版8冊目。
表紙の通り、ヴェン・ウリル!な一冊でした。
うんいやドリアテッサもすごく活躍してるし、いつも通りのグルメもいっぱいなんですが、ぜんぶヴェン・ウリルに(以下略
収録は第2章の「第2話 魔獣狩り(前編)」の途中から「第3話 盗賊団討伐(後編)」まで。
今回は4話進みましたか。巻末SSはユエイタン。馬視点とはこれまた斬新な。ユエイタンの半生から、バルドとの出会いで何を考えていたのか。そしてちゃんとこの巻の話に繋がってくるのがお見事です。

本編はなんかもうね……ヴェン・ウリルが普通に飯食ってる、ただそれだけのコマに悶えてしまいました。
スプーンでもぐもぐしてるのにも、魚の骨をボリボリやってるのにも萌えます。
そしてジュルチャガにヴェンくん呼ばわりされても一向気にせず、クール無表情のまま普通に返事してるのとか最高すぎるだろうww
この生活感のないキャラが、そうやって言葉少なだけれど堅実に生きているのがたまりません。
……そしてだからこそ、終盤の盗賊退治の、あの場面がもうね。
本当に良い作画さんのコミカライズだなあとしみじみ唸らせられました。
あと、ジュルチャガとドリアテッサが会話してるのも、つい見ていてニヨニヨしてしまいます。
ちっくしょう、可愛いなあ!

くぐつ煮のペン草は、もっとこう長ネギ+春菊みたいなのを想像していたら、ミニ玉ねぎの葉っぱが伸びたみたいなやつでしたね。ヒラウオはハゼっぽい?
こういう部分も、絵で見るとよりいっそう判りやすくてありがたいと思います。
No.3757 (読書)


 追放悪役令嬢の旦那様 6巻
2023年12月03日(Sun) 
読書記録:


WEB版最終話まで行きました。ラストはフランの誕生日前日で、追放されてからちょうど一年目。
前巻で時計師かつお医者さんなあの方が出てきたので、もしかして……と思っていたら、良い感じの改変がありました。
その他、いろいろそれで良いのか? と思っていた部分も拾われていたし、その後の気になっていた部分も語られていて良かったです。

ただまあうん、編集定期。
作者様が後書きではっきり「読み返せない」と書いていらしたので、本当に読み返しておられないんでしょう。
改変・書き足しされた部分と、もともとWEB版にあった部分との整合性がしっちゃかめっちゃかでした。これWEB版読んでない人には、意味判らないのでは……?
あとお花畑ヒロインさんが、なぜ断罪イベント時に口を挟まなかったのかという理由説明がないので、本当にただただお花畑で空気読めない、痛々しい娘になっちゃってます。
そこらあたりは、WEB版のこちらに。

■追放悪役令嬢の旦那様【WEB版】 - 和解した日の合間の雑談
 https://ncode.syosetu.com/n8287fp/124/

私、このSS読んで、ある意味このヒロインちゃんこそが被害者なんだなあと思ったので、これは書籍に入れておいてほしかったです……
No.3755 (読書)


 辺境の老騎士 バルド・ローエン 7巻
2023年11月26日(Sun) 
読書記録:


なろう発のグルメエピックファンタジー、コミカライズ版7巻目。
新章開始でドリアテッサ登場! な今巻でしたが、ラストで赤鴉に全部持っていかれましたww
うん、ヴェン・ウリル(カーズ・ローエン)大好きなんです。ものすごいシリアスな背景と人間離れした伎倆を持ち、寡黙かつ誠実で無骨な人となりでありながら、実はけっこう天然かつおちゃめな外見年齢詐欺という、ギャップ萌えの積み重なるこのお人。
彼のキャラデザが若イケメンすぎるというのが、このコミカライズ唯一の不満ではあるものの、やっぱり登場するとテンションが上ります。
完全にマタジロウさんのファンイラストでイメージしてたからなあ……

■辺境の老騎士 - マタジロウ氏による登場人物イラスト集(16)
 https://ncode.syosetu.com/n5011bc/74/

というわけで、収録は第2章の「第1話 ドリアテッサ(前編)」〜「第2話 魔獣狩り(前編)」の途中まで。2話半しか進んでないよ(苦笑)
まあ、モウラの棲家であるルジュラ=ティアントの霧の谷部分がだいぶ膨らまされていました。これ書籍版準拠だったっけ……?<現在該当する巻が母のところへ行っている
巻末SSはゴドンの妹ユーリカさん。ゴドンが旅に出てから、改めて思い知る兄の偉大さ的な述懐で、後に起きる大事件の前触れでもあります。
っていうかユーリカさん、けっこう兄に対して辛辣な評価だったんですね(笑)
ゴドンの過去も意外でした。本当にこの作品は一人一人の掘り下げが深い。

そして今回も、様々なことが複雑に絡み合って、今後に繋がったり現在を助けてくれたり。どれかひとつでもかけ違えていれば、どこかで旅は終わっていたんだなあと、バルドが紡いできた縁と、作者さんの構成っぷりに唸らせられます。
もしもモウラを送り届けていなければ、ジュルチャガがドリアテッサを見つけていなければ、バルドがリンツでヴェン・ウリルにお金を渡していなければ、ジュルチャガがこまめに枝を折っていなければ……ドリアテッサが花の色を問うた、そのわずか数秒のやり取りさえもが運命を左右しているのがもうね。すごいとしか言えません。
No.3752 (読書)


 辺境の老騎士 バルド・ローエン 6巻
2023年11月23日(Thr) 
読書記録:

……積みっぱなしにもほどがあった1冊を、久しぶりすぎたので1巻から読み返していてようやく未読部分まで到達。 次の巻はなんとか入手できましたが、8巻が在庫切れ&プレミアついて新刊より高くなってる_| ̄|○

なろう発の、爺ちゃん食い倒れ旅から始まる、世界を巻き込んだあれやこれやのコミカライズ版。本編も削除されずに全文どころか、書籍のおまけSSまでカクヨムで読めます。

■辺境の老騎士(支援BIS) - カクヨム
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054887903142

■辺境の老騎士外伝(支援BIS) - カクヨム
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054887905359

収録は、革職人ボルボの冤罪を晴らす後半から、エンザイア卿の入れ替わりを暴きつつ月魚との出会い、モウラを故郷へ送る道中で継承争いに悩み出奔する少年主従との出会いと別れまで。
「もう死に場所を探す旅は終わりじゃ」という、ちょうど小説版の1巻ラスト、WEB版だと序章〜第1章まででした。
書き下ろしSSはモウラ視点で、集落を離れて旅立った動機的な。
小説は全5巻(購入済だけど3巻までしか読んでない)ですから、このペースだとコミカライズは30冊ぐらい? いやまあこれからどんどん話が濃くなっていくから、もっと伸びそうではありますがww

そして相変わらず書き込みがエグいです(笑)
グルメエピックだから食事が美味しそうなのはもちろんなんですが、金属製のゴブレットの彫り模様とか服の刺繍とかすごくきれいで……先に読んだ母などは、細かすぎて目がチカチカするって言ってました^^;;
WEB版や書籍版を読んだのが相当昔な上に、どちらも最後まで読了していないのでラストは知らないままなんですが、それでも覚えている部分だけでも「ああ、このとき出会ったこのキャラが、のちにまた……」と思い出されて、かなり初期からものすごく計算されたお話だったのだなあとしみじみしてみたり。
ユーザーレビューを見る感じ、最初にカットされた「ガンツの娘」エピソードも、続刊で回想として出てくるらしいですし楽しみですね!
……それまでに8巻が再販されるか、手頃価格の古本が入手できますように……<現在10巻まで刊行中
No.3748 (読書)


 ひょうたん(漂月短編集)1〜3
2023年11月21日(Tue) 
読書記録:
■ひょうたん(漂月短編集)01「勇者は余と戦ってくれ」
 https://ncode.syosetu.com/n1701ij/

■ひょうたん(漂月短編集)02「呪術師メルツの解呪録 〜呪われた美少女が僕を殺しに来たけど心当たりが全くない〜」
 https://ncode.syosetu.com/n3759ij/

■ひょうたん(漂月短編集)03「少年忍者と破戒僧」
 https://ncode.syosetu.com/n6289ij/

「人狼への転生、魔王の副官」の漂月さんの短編3本。
「勇者は余と〜」は、好評だったそうで連載化されてます。
個人的には「呪術師〜」のどんでん返しが面白く、後日談が読んでみたい感じ。
世界観や雰囲気は「少年忍者〜」が一番好みでした。破戒僧の飄々とした感じが、ちょっと花の慶次っぽかった。
No.3746 (読書)


 ゴブリン令嬢と転生貴族が幸せになるまで 婚約者の彼女のための前世知識の上手な使い方
2023年11月18日(Sat) 
読書記録:
■ゴブリン令嬢と転生貴族が幸せになるまで 婚約者の彼女のための前世知識の上手な使い方 〜アナ誕生 新米ママの奮闘
 https://ncode.syosetu.com/n0174gy/

前世の記憶を持つジーノリウス・アドルニーは、貴族とは名ばかりの貧乏子爵家のしかも四男として生を受けた。将来家を出て自分で身を立てなければならないと判断した彼は、幼少期から知識の吸収に励み、十歳にして商売を始める。前世の知識という反則技があったおかげで、商会はわずか六年で急成長。国内主要都市ほぼ全てに支店を置くほどには到達できた。
そしてその手腕を父からも認められ、領地経営にも意見を求められるようになり、実家も多少は持ち直した。あとは独り立ちするだけだと思っていた頃、はるかに格上の大貴族から縁談を持ち込まれる。
王家に継ぐ権勢を誇る筆頭公爵、セブンズワース家。現当主は宰相で、その妻は国王の妹君。まさに雲の上の人々だ。
一人娘であるアナスタシア嬢は、ジーノと同じ十六歳。本来なら多少名が売れたとはいえ子爵家の四男に入り婿の話など、来るはずもない。しかし彼女にはひとつ大きな問題があった。
社交界でゴブリン令嬢と揶揄されるほどの醜女だったのである。
故に数々の見合いはすべて破談。こんな下級貴族にまでお鉢が回ってきたらしい。
そうして迎えた見合いの日。両親とともに現れた令嬢は、確かに異相であった。しかし言葉を交わしてみれば、彼女が聡明で上品で、素晴らしい人柄だというのはよく判った。
そんなアナスタシアは、二人きりになった際、ジーノに謝罪する。
仮に自分ごときと結婚しても、自分を大事にしてくれている両親や伯父(国王)、祖母(王太后)の存在がある以上、愛人を作ることも出来ないだろう。自分の方からこの縁談は断りを入れるから、どうか安心してほしい、と。
「その、何の話をされています? 私は浮気するつもりなど毛頭ないのですが」
縁談の場で、なぜいきなり浮気の話が出るのだろう? ジーノは何を言われているのか、全く理解できずにいた。
前世の彼は、地域でも有名なキモメンだった。恋人どころか妻も、友人もできず、生まれてから独居老人として天に召されるまでずっと、容姿で差別され続けてきた。
結果、彼の美醜に関する感覚は摩耗しきっていたのだった。
故にジーノは、彼女の容貌など完全にスルーし、こんなに愛情深く優しくて聡明そうな人達と家族になれるのなら、実に素晴らしい縁談だと、心躍らせていたのである――


男性主人公の転生系。前世知識チートでやらかしまくりつつ、主題はすれ違い恋愛的な?
書籍化・コミカライズ、本編完結済で、番外編がたまにUPされている模様。
最初はまだ令嬢が出てきていなかったコミカライズから入ったため、肌の色と耳の形が異なるぐらいで、サブカル好きの日本人には……という展開かと思ったら、小説の方ではかなりがっつりゴブリン気味でした(汗)
でも家族や使用人がみな良い人達で、いじめられる場面などはほとんどなかったので、そういう点では安心して読めました。
むしろそんなことより意外な展開が、いろいろいきなり出てきて、何度も「へっ!?」ってなりました(笑)
たとえばジーノが前世で生きていたのが、実は現代地球ではなかったこと(日本ではあるけれど、平行世界的なちょっと異なる世界線?)とか。
内面は聡明で穏やかで小動物的な可愛らしさのあるアナスタシアが、いきなり暗器を使いこなしていたりとか。
平凡なゴーレムエンジニアとか言っておいて、そのゴーレムの用途が多岐にわたりすぎてて、付随する知識の範囲が広すぎるだろうとかww
前世知識で作った薬とか、異世界で同じ材料揃えられるのかとかそもそも体質が同じとは限らないんだから……と思っていたら、実は……な展開があったりとか。
まあツッコミどころはいろいろあれど、前半は甘々イチャラブで、容姿で苦労した割にちっとも内面が歪んでいない愛らしいアナさんと、完全に容姿に関してをスルーし(醜くても気にしないを通り越して、もはや意識にさえ上っていないレベル)スパダリっぷりを発揮する主役に、もう文字で読んでいる限り普通の溺愛ものやーんww とほんわかできました。
……そのぶん後半、義父(予定)公爵さんの不用意な(でも悪意はなかった)発言で、ジーノが暴走し始めたあたりから、かなりしんどかったんですが。
いやうん気持ちは判るけど、何もそこまで徹底する必要あった? とですね。
まあ、前世で80過ぎるまで容姿で差別され続け、独居老人として孤独な最後を迎えたがゆえに、コミュ障というか人間関係の構築、特に恋愛方面についてとか情緒の発達の点で、経験値と自己評価がマイナスぶっちぎっていたのがネックな訳ですがね。
……結果的にアナさんが、一時ヤンデレ気味にww
書籍版はそのあたりも含めてだいぶ書き足しがあるのだそうですが、私にはWEB版でもうお腹いっぱいでした。
それにしても、王族や有力貴族が多数味方についてくれたおかげで、これでもかってほど演出した醜聞を、なんとかしちゃう権力とコネこっわ……(汗)
王太子ですら失脚しそうなレベルのスキャンダルを踏襲したのに、こんな形でケリをつけるとは……まあこれこそ、本人がコツコツ積み上げてきた努力と実績と人望故ってことなんでしょうが。
実際、同じことを本当にやらかした王太子殿下は、あまりの無能っぷりと人望のなさとで、誰も味方になってくれませんでしたしね……(遠い目)
No.3745 (読書)


 追放悪役令嬢の旦那様 5巻
2023年11月08日(Wed) 
読書記録:
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

追放悪役令嬢の旦那様5 (ツギクルブックス) [ 古森きり ]
価格:1,320円(税込、送料無料) (2023/11/8時点)


収録は、第五部でユーフランの実家に行ったあたりとか、クールガンがファーラに……という細々したエピソードは拾われつつも、ほぼほぼ書き下ろしでした。青竜アルセジオスへ戻る理由も異なりますし、陛下もまだご存命です。
そうそう、終わりはWEB版本編終了後の聖落鱗祭で〆られているのに、フランの『目』についてはまだなので、読んでいてちょっと違和感があったりとか。
メインはWEB版ではちらっとしか触れられなかった、紫竜ディバルディオスへの旅行。時計師で医師であるキーパーソンさんの出身地ですね。
全体的に和風っぽい設定の国で、ラナ曰くフランと同じ『物語のご都合主義を解消するための因子』なお国なのもなかなか面白く。
同じく噂でしか出てこなかった黄竜メシレジンスのトラウマ王子や、『聖なる輝き』を盾にわがまま放題している女好き野郎、あと竜様御本人もついに登場★
使いっ走り時代含めて、フランの人(だけじゃない)脈がどんどんヤベえことにww などなど、初見エピソードがたくさんあったので、そういう点ではお得でした。
アレファルドの図々しさというか厚顔無恥さ加減には、いくらなんでも引きましたが。
だってきっぱり決別言い渡された加害者が、冤罪かけて社会的(事実上物理でもある)抹殺を図った被害者に向かって、ほぼ個人的事情で泣きつきに来るってさあ(ため息)
そういったこととはまた別にですね、うん……

以下は愚痴というか辛口評価なので、記事をたたむ&要スクロールで。
No.3735 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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