よしなしことを、日々徒然に……
※ 2017年以前の記事は こちら になります ※



 伯爵令嬢はヤンデレ旦那様と当て馬シナリオを回避する!!
2020年05月07日(Thr) 
読書記録:
■伯爵令嬢はヤンデレ旦那様と当て馬シナリオを回避する!!
 https://ncode.syosetu.com/n6592fh/

ブラック企業勤務のOLから居眠りトラックに轢かれ、乙ゲー世界の伯爵家令嬢へ転生を果たしたシエラ・ジキタリスは、テンプレきたーっ!! と思ったその直後に頭を抱えることとなった。
現在は8歳。9歳の王太子殿下との初顔合わせの真っ最中である。
どうやら彼女は将来の攻略対象者と顔を合わせたことがきっかけで、記憶を取り戻したようだ。
そのゲーム《精霊と乙女と愛のワルツ》は、いわゆる十八禁であった。そして彼女シエラ・ジキタリスは、ヒロインかつ異母姉妹であるアイラ・ジキタリスのライバル令嬢である。あくまでライバルであって、悪役令嬢は別にいる。シエラはただ妹と同じ相手に恋をし、ことごとく破れ、その後はサポートキャラとして二人を手助けしていくという、当て馬的存在なのだ。
病弱とかで転地療養しており、ろくに会ったことすらない妹をサポートなどするために、自分の学園生活を犠牲にするのは嫌だ! そもそも自分の知り合いと妹のR18な濡れ場なんぞ目撃したくない!!
そう思った彼女は、ふと思いついた。もうさっさと、シナリオに関係ない人と婚約しておけば良いんじゃね?
妹と恋敵になるのが嫌なら、最初から攻略対象なんか無視すれば良いのだ。いま目の前にいる王太子など、以ての外である。
そうして彼女は、周囲に居る精霊達にお願いをした。
世界を管理する存在であり、精霊力 ―― 要は魔力 ―― を捧げることにより、その力を貸してくれる偉大なる存在。それが精霊である。この世界では、強い精霊力を持ち、そして精霊に好かれていれば好かれているほど、強力な精霊術を行使することができる。
シエラは ―― そしてヒロインである妹も ―― 非常に強い精霊力と、精霊に好かれる体質を持っていた。だからこそ伯爵令嬢という微妙な身分でありながら、こうして王太子の婚約者候補として引き合わされる結果となっているのだが。
……強い力の持ち主として、王家に囲い込まれるのもゴメンだわー、などと思いつつ、シエラは自分好みのイケメンを見つけてほしいと精霊に願ったのである。
そうして数分後、精霊の声が耳に届く。
『シエラ〜。シエラ好みなの、死にかけてる〜』
「王妃様っ!!申し訳ありませんっ!! 精霊達が人が死にかけていると騒いでいるので、治してきます!!」
「えっ!?」
不敬罪だろうとなんだろうと、まずは人命が優先だ。そもそもこんな穏やかな昼下がりに、城の敷地内で人が死にかけているとは何事なのか。
精霊術で空を飛び、王宮の裏にある森の中へ降り立ったシエラは、艶やかな黒髪に白皙の美貌を持つ青年を見つける。わずかに尖った耳はエルフのもの。臙脂色の軍服がよく似合っている彼は ―― 痛々しい火傷を負って意識を失っている。
大急ぎで傷を治すと、ゆっくり開いた瞳は燃えるような真紅だった。
……十八禁乙女ゲームもびっくりな、まさにシエラ好みの爽やかイケメンである。
「……天使、様?」
そんなことを言ってくれる相手へと、シエラはダイレクトに告げた。
「一目惚れしました! 私の旦那様になって下さいませ!!」
ハーフエルフという出自故に同胞のエルフ達から疎まれ、命に関わるほどの陰湿ないじめを受けていた彼 ―― ルイン・エクリュ二等兵は、突如現れた美しくも幼い少女に瀕死のところを救われ、しかもプロポーズされるというその事態に、困惑していた。
しかし精霊達からルインの現状を聞かされた少女は、まるで我がことのように心を痛め涙まで流してくれる。生まれて初めて他人に『好き』と言われ、泣くほど心配してもらえたルインは、急速にシエラへとその心を傾けていった。
そこへダメ押しのように四大精霊達が降臨。二人に対していきなり盛大なネタバレをブチかましてくれる。
精霊達経由でシエラの前世を知った彼らは、その乙ゲーに登場するラスボス《穢れの王》こそが、未来のルインその人だろうと告げる。
確か公式設定によれば、小さい頃から差別をされて、酷い目にあって……最終的に生贄としてエルフに殺されたハーフエルフ……間違いなくルインである。
つまりルインもまた、盛大にシナリオに関係する存在ではないか。しかし今さら彼と離れることなど、シエラは考えられない。
しかもこの手のゲームでは、IFシナリオがあったり、二巡目ではラスボスが攻略対象になるパターンも多く存在している。そして前世でシエラが死ぬ寸前には、続編の発売が間近となっていたのだ。
「……つまり……俺はその何人もの男を股にかける女に、手を出される可能性があると……?」
「……はい……」
シナリオの強制力があるというテンプレも拭いきれない。不安に思うシエラへと、ルインは輝くような笑顔を向ける。
「でも、俺が好きなのは貴方です。他の女なんかどうでもいい」
その目からは、ハイライトが……消えていた。
「さすがに尻軽とは付き合えませんから……そんなことになったら、シエラ様に殺されてもいいですよ? あぁ、監禁でも大丈夫です」
……あれ、もしかしてこれ、ヤバイ奴を覚醒させたんじゃね?


3話ぐらいでいっきにヤンデレ覚醒して、上位精霊達にこのまま闇堕ちされると世界が滅ぶかもしれないから、末永くイチャイチャしていてくれと懇願されるという、いきなりクライマックスから始まるテンプレ乙ゲー転生系。本編と続編完結済。
ルインが一方的に迫害されていた理由に、エルフのくせに精霊術が使えないから抵抗ができなかったというのがあるのですが、それもシエラの前世知識で解消された結果、一気にチートキャラへと進化。そして覚醒したチートなヤンデレと、こちらもけっこうな能力と前世知識持ちの微ヤンデレがタッグを組んだら、太刀打ちできるものなんていないよね? なお話です(笑)
というかこの世界、親世代が無自覚にひどすぎてシエラ世代にしわ寄せが行きまくってます(−ー;)
いや親世代にもいい人はたくさんいて、その人達が一部のろくでなし連中のフォローをしまくってたおかげで、かろうじてシエラ世代まで保っていたというべきでしょうか。
なのでシエラ達は、自分達の幸せのためにいっさいの躊躇がないです。自分達がずるくて汚いのは百も承知なので良し。
そもそもルインの母親は論外として、父親は仕事だけが取り柄のダメ親父で完全ネグレクト。シエラの両親も、まあ被害者ではあるんでしょうが、それを子供に向けちゃいかんだろうと。異母妹産んだ第二夫人はこれまた論外だし……ヒロインである異母妹は、毒親のせいできちんとした情報に接せられなかったという点では同情できるけれど、あまりに考えなしすぎてドン引くレベル(汗)
あと国王が恋愛絡むと手に負えないポンコツ……親世代にもうちょっと何か報復が欲しかったです。特にシエラの父親とかね。迫害エルフどもへの報復もさらっと終わったけど、あれ一年後にはどうなったのやら……?
続編の「悪役令嬢とハイエナの物語」は、好きな脇カップルのお話だったので、楽しく読めました。
一見平凡に見えるけれど、実は有能な腹黒キャラも大好物なのです。こちらは肉食獣気質持ち同士の強気カップル。
ルインとシエラの年の差ばっかり取り沙汰されてますけど、こっちもけっこう年齢離れてますよね? 出会った段階で推定二十二歳と十四歳……いくら成人が十五歳の世界でも犯罪臭が(苦笑)
しかもこっちのカップルは前世持ちとかじゃないから、精神年齢は普通なはずですし^^;;
……そしてメノウさんのその後に触れられていないのが、ちょっと気になりますね。けっこう濃いキャラだったので、あのままフェードアウトは惜しい。
別ページに今度は次世代(?)のお話があるっぽいので、そちらでの登場を期待したいです。

あとちょっとよく判らなかったのが……シエラの入学した時期前後の時系列なんですが。
この世界観では、十五歳が成人で、学園への入学はその後。
シエラは31話でデビュタント(成人・十五歳)を迎え、39話で入学前の結婚をしているのに、17話ですでに学園(教室)の場面があるんですよね……悪役令嬢(未然)と知り合ったのも、入学以前のはずなのに25話目。
読んでいてちょっと混乱しました。これ中等部と高等部みたいに、学園が何段階かあるってことなんでしょうか??
まあ、そもそも学園での場面はほとんどないので、枝葉末節ではあるんですけど……うーん……
No.1955 (読書)


 「翼の帰る処」の新刊が!
2020年04月25日(Sat) 
妹尾ゆふ子さんの、自称平凡な、実際はめっちゃ人たらしかつ超絶有能(そして病弱)官吏ヤエトさん主役「翼の帰る処」、新刊が発売されるそうです!


> 帝国に滅ぼされた都市国家アルハンの王子ファルバーンは、帝国の皇女ミムウェとアルハンの廃墟・地下迷宮を訪れることになるが…!?

ええとこれは、ひとつ前の番外編「君に捧ぐ、花の冠」同様、ヤエトさんが最終巻で療養していた頃の時系列なんですかね?
っていうか、表紙で皇女様の後ろにいるの、左がファルバーンで、右は誰だこれ……?? 短くて癖がない淡めの髪でこの年頃……北の公子さんではなさそうだし(悩) あ! もしかして二の君の伝達官さんか!?

ともあれ超! 楽しみですっ

ああでも2〜3冊前からおさらいしないと、話についていけないかも^^;;

■人気小説最新作 「翼の帰る処」 発売記念特集! :: 幻冬舎コミックス
 https://www.gentosha-comics.net/event/tsubasa.html
No.1941 (読書)


 仏頂面な旦那様ですが、考えはお見通し
2020年04月14日(Tue) 
読書記録:
■仏頂面な旦那様ですが、考えはお見通し
 https://ncode.syosetu.com/n4040fz/

“人の心の声”が聞こえる。そんな誰にも言えないギフトを持って生まれた伯爵家令嬢エヴァ・カントールは、屋敷の離れに引きこもり、畑を相手に野菜を作る日々を送っていた。18になっても社交に出ようともせず、土いじりに勤しむ彼女を、口さがない人々は芋令嬢などと呼んでいる。
彼女自身もいつまでもこうしていられないと、判ってはいるのだ。しかし一歩屋敷を出れば、行き交う人々の“声”が飛び込んできて、まともに息をすることすらできない。
そんな彼女へと、ある日父が縁談を持ってきた。相手は分家筋の子爵家の次男で、王都で騎士を勤めている青年だという。
とにかく急な話だったので、結婚式は後回しに、大量の書類にサインだけして、エヴァは一人王都へと向かった。結婚相手であるリオ・フェナンシェットは、王都で一人暮らしをしていて、その屋敷はこじんまりとしたものだった。家の中は埃だらけで、小さな庭も荒れ放題である。
そしてエヴァを出迎えた青年は、ひどく不機嫌な顔をしていた。
「言っておくが、私もあなたのことをついさきほど聞いたところなものでね。悪いがなんの準備もできていない。それでもよければあがってくれ」
とても大柄な青年が尊大に告げると、威圧感が半端ない。
しかしエヴァが驚いたのは、別の理由だった。
(彼女がエヴァさんか。申し訳ない、女性にこのような態度を取るなど、本当に申し訳がない! 許してくれ、いや、俺を許さないでくれ!!!)
彼の心の“声”は、耳と尻尾を垂れてぷるぷる震える、小型犬のようであったのだ。
「私は先程まで、遅めの朝食をとっていたんだ。――とは、言ってもだな。私にはいささか多い量だ。あなたさえよければ適当にしてもらっても構いはしない。まあ、あなたのためにわざわざ頼む侍女などいやしないが」
(長旅でさぞ疲れて、腹も減っているだろう。大したものも出せないが、よければ食べていただけるとありがたいのだが)
言葉に出している内容と、心の中で考えているそれが完全に食い違っている。
ありがたく朝食をいただきながら、漏れ聞こえる声に耳を傾けてみると、どうやら今回の件は彼にとって非常に不本意かつ、心苦しい事情が存在しているようだった。
要は持参金目当てというやつである。
お人好しで迂闊すぎる彼の父と兄が、天候不良による領地の不作を乗り切るべく、残ったわずかな資金をよくある投資話に突っ込み、見事にすっからかんになったのだと言う。もはや破産は目前。そんな折に、変わり者で貰い手がないという令嬢との縁談を持ち込まれたフェナンシェット家は、一も二もなくこれに飛びつき ―― そして当事者であるリオへと事情を話す前に、受け取った持参金を使い切ってしまったのだと。ちなみにその額は、毎月給料のほとんどを自宅に仕送りしているリオの年収、およそ十年分に当たるらしい。
持参金とは本来、妻のために使うものだ。なのにそれは既に一銭も残っておらず、結婚式を上げる金もなければ、このさき幸せにしてやれるような甲斐性もない。さりとて今さら縁談を断ろうにも、やはり返す持参金は以下略。
そこでリオの兄は、リオにこう提案したのだ。こちらから断ることができないのだったら、向こうから離縁を言い出してもらえば良いのだと。
この国では、結婚してから10ヶ月の間は何があろうとも離縁ができないという法律がある。昔々の、とてもおせっかいな王様が決めたことらしい。そして現在はこの法律、体の良い離婚の理由に使われていた。すなわち10ヶ月経ったその日ぴったりに縁を切った夫婦とは、つまり『夜の相性が悪かった』のだ、と。もちろんそれはあくまでも建前で、本当は様々な事情での離縁はあるのだろう。けれども世間的には『そういうことだから、とやかく言ってくれるな』という意味になるのだ。
なのでひたすら相手に嫌われるよう仕向けて、10ヶ月経ったちょうどに離縁を提案してもらえれば、周囲からも『まあ仕方がないことだったのね』とふんわり見逃されて、さほどの醜聞にはならないだろうから、と。
そんな訳での、リオのこの態度なのである。
必死に嫌われようと努力している彼だったが、根本的に優しく実直なのと、エヴァのギフトのおかげで、はっきり言ってぐだぐだであった。
リオ自身、たとえ一生かかろうとも返済するつもりでいるようだし、もともと父が金をちらつかせてこぎつけた婚姻だ。彼らの本意でないというのならば、協力することはやぶさかではない。
そう思って、せめて10ヶ月は居心地良く引きこもって暮していけたらなあと考えたエヴァだったのだが ――


訳あり令嬢と不器用ワンコ騎士との、偽装結婚から始まるじれじれ両片思いな恋物語。中編で完結済。
とりあえず、リオの父と兄はぶん殴っていいと思います。土下座程度で許されて良いのかこれ(−ー;)<発想が完全に結婚詐欺
なまじリオがめっちゃ家族思いで、家族に尽くしまくりつつ、はからずも利用する形になってしまったエヴァへの罪悪感と愛しさとで板挟みになってるだけに、この父と兄がもうね……
あとエヴァが引きこもりになってた理由も、単に“声”が聞こえるからと言うだけではない、かなりヘヴィな過去が関わっていたりして、そりゃこれは父伯爵もそれを容認してきたはずだわってだけにね。
っていうか、なんだかんだで父伯爵最強説?
神が与えたと言われるさまざまな『ギフト』によって、人生を左右され、時に狂わせられる人々がいる一方で、持たざる者の想いもある。
番外編の『おかしな王様』のエピソードがもう……虹の男と透明な王様が尊すぎる(T^T)
虹の彼は、結局どんなギフトを持っていたんだろう。というか、実は彼は『彼女』だったり……しないかなあと、期待したくなっちゃうよこの話は……
あとは個人的に、番外編としてマルロとシャルロッテのお話も見てみたかったり。
そのギフト故に食に興味を持てない青年と、ささやかなギフトを磨き上げて、美味しい料理を作り上げられるようになった女性とのお話とか、絶対面白そうだと思うんですよww
No.1931 (読書)


 今日もわたしは元気ですぅ!!(キレ気味)〜転生悪役令嬢に逆ざまぁされた転生ヒロインは、祝福しか能がなかったので宝石祝福師に転身しました〜
2020年04月10日(Fri) 
読書記録:
■今日もわたしは元気ですぅ!!(キレ気味)〜転生悪役令嬢に逆ざまぁされた転生ヒロインは、祝福しか能がなかったので宝石祝福師に転身しました〜
 https://ncode.syosetu.com/n6463fx/

身勝手な旦那の両親の介護や、DVやらで疲れ果てた挙げ句に首を吊った女性が、乙ゲー世界のヒロインに転生。今世は勝ち組だ! と電波ヒロインになった挙げ句、同じく転生者でまっとうに努力した悪役令嬢のおかげで返り討ちに。学園は退学、どうせ疎遠になるからと寄り付かなかった実家に戻ることもできずに、冒険者登録。
しかし本来ならば、攻略対象者と結ばれることで目覚める強い祝福能力を得ていない彼女は、弱い祝福(一種のバフ)しか使えないので、誰ともパーティーを組んでもらえない。仕方なくギルドの併設食堂でウェイトレスをやっていたところ、続編の攻略対象者が行き倒れているところに遭遇。
獣人種で人間に触れるとアレルギー反応を起こしてしまう彼は、フットワークの軽い隣国の王様。症状を抑える祝石を持っていたのだが、それにかけられていた祝福が切れたので、動けなくなっていたと。
聞けば隣国では彼のような体質の持ち主も多く、また祝石は他に様々な道具で使用されているのだそうで。しかし獣人種で祝福が使えるものはほとんどおらず、『宝石祝福師』は希少職として重宝されているとのこと。
そんなこんなで隣国で国王専属の『祝福師』として働くこととなった元ヒロインだったが、ひとつ大きな懸念があった。
彼女が前世でプレイしていた乙ゲーの続編。そこには前作ヒロインがライバル役として登場するのである。ある意味『エンディングが用意されている悪役令嬢の方がマシ』なのではないかと思うほどに当て馬にされ続け、特にその後の記述もないまま終了する ―― そんな続編の舞台こそが、まさにこの隣国だったのだ。
まさかの続編のライバルルート!? もう大人しくしてるので、ほっといてください! と心から願う彼女をよそに、国王陛下は頻繁に祝福用の石を持ち込んでくるわ、現われた続編のヒロインは、かつての己を彷彿とさせる困ったちゃんだわで ――


悪役令嬢にザマアされ、逆に追放されてしまった元電波ヒロインの更生物語。中編で完結済。
続編ヒロインも電波ちゃんで、それを見て以前の自分の所業を思い出しては、羞恥にのたうち回る主人公が面白いです(笑)
ただ、うーん……いまいち乙ゲーから脱却しきらず、結局は続編の攻略キャラとくっついちゃったのはどうかなあと思わなくもなく。冒険者やってたら王様とエンカウントしちゃうのも、ゲームのご都合主義的な部分は否めないですし。
タイトル通り一介の宝石祝福師として、ゲームと関係ない幸せを目指してくれても良かったなって気がしました。
No.1924 (読書)


 弟が『姫騎士になる』と言い出したら私が王太子になる事になりました。【連載版】
2020年04月02日(Thr) 
読書記録:
■弟が『姫騎士になる』と言い出したら私が王太子になる事になりました。【連載版】
 https://ncode.syosetu.com/n5078fg/

翌年十三歳になる、第一王子セイドリック・スカーレット・ロンディニア。そのへんの貴族令嬢などと比べても文句なく愛らしいと言える容姿をした彼は、ある日のこと力強く宣言した。
「私、姫騎士になります!」「は?」
十六歳の姉、セシル・スカーレット・ロンディニアは、思わず素で聞き返す。
「…………なぜ姫騎士になりたいと思ったのですか?」
「姉様を守りたいからです! 私は昔、姉様に着せてもらった可愛いドレスなどが大好きです! それにかっこよくて強くて姉様を守れるものといったら騎士です! だから姫騎士になるのが、姉様をお守りするのに一番良いと思いました!」
その清々しいまでの純粋な笑顔に、セシルは突っ込みの言葉がすべて封印されてしまった。
仕方なく父王に相談したところ、父もまた同じようになってしまう。そして父は思案した挙げ句にこう提案してきた。
「隣国ザグレに留学の話があっただろう? ちょうどいい、お前たち一緒にザグレに行って来なさい」と。
大陸一の強国であるサグレには、各国の王侯貴族がこぞって留学する学校があった。身分も年齢も関係なく、能力で下級、中級、上級とクラス分けされ、卒業までの二年間を過ごすのである。二年間上級クラスに在籍し続けるのは相当に難しいと聞くが、今年はちょうどザグレの王太子殿下も入学するとあって、大国の次期国王とお近づきになれる機会を求めて、周辺諸国から多数の人間が送り込まれるらしい。
そこへ、セイドリックは女装して姉姫として、セシルは男装して王太子として、通えと言うのである。
「二年間は、自由に楽しい思い出を作りなさい」
父はセシルへとそう告げる。
身分の高い母を持つ異母姉達の陰謀により、セシルは意に染まぬ婚約を強いられていた。会ったこともない、しかし悪い噂しか聞かぬシャゴイン国の王太子へと、嫁がなければならないのだ。しかしザグレへ留学が決まったとなれば、向こうも婚姻を急かしたりはできないだろう。
だから二年の間だけ自由に過ごし、そのあとはあの国の王妃としてしっかりと立派に務めを果たせ、と。
かくして姉と弟は入れ替わり、信頼できる少ない使用人達とともに、期限付きの夢を見るべく旅立った。
しかし各国の王族貴族が集まった学園での生活は、入学式の前から波乱に富んでいて ――


現地主人公で女装&男装の入れ替わりな学園モノ。ちょっと長めの中編で完結済。
元は最初の一話のみのネタ短編だったものを連載版にしたものらしく、入れ替わりの動機とかが「良いのかそれ」的な部分はありますが、まあそこはそれ。なんかファンタジーな「とりかへばや物語」っぽかったです。
そして女装と男装に入れ替わり、さらには同性愛嗜好者まで登場してきて、なんかもういろいろとカオスなことに(笑)
名前の似ているキャラが多数登場するのも、けっこう混乱の元だったんですが。
とりあえずシルヴァーン殿下……どんまい。あなただけは心底から純粋に被害者だよね……あとランドルフ公爵家子息殿もたいがい気の毒ッス(遠い目)
あ、学園に通う生徒は別に寮生活とかじゃなく、普通に屋敷を借りてそれぞれに暮しているので、異性と同室で生活してドキッ★ 的な展開はありません。貴族学園だからか、着替えるような授業もないみたいですし。
セシルの婚約者であるシャゴイン国の王太子が、清々しいまでの阿呆な馬鹿様なので、そういう意味ではすっきりできました。
No.1904 (読書)


 追放悪役令嬢の旦那様
2020年04月01日(Wed) 
読書記録:
■追放悪役令嬢の旦那様
 https://ncode.syosetu.com/n8287fp/

ユーフラン・ディタリエール・ベイリーは、法を司る法官長という職に就く父を持つ、伯爵家令息だった。6歳で青竜の国アルセジオス王太子アレファルドに引き合わされ、14歳の社交デビューからは『御学友』として共に学園へ通ってきた。
しかし学園生活が終わる頃、王太子は突如「婚約者を替える。あんな女はお前にやる」などと言い出した。冗談かと思われたそれだったが、卒業パーティーの席でアレファルドは、取り巻きである公爵家令息達三人とともに、婚約者で現宰相の娘エラーナ・ルースフェット・フォーサイス公爵令嬢へと高らかに婚約破棄を突きつけたのである。
「この毒婦め! リファナにしてきた度重なる無礼を、俺が知らないとでも思ったか! 貴様の顔を見るのも不快だ! 今日限りで貴様との婚約は破棄させてもらう! リファナへの度重なる悪質な虐めの数々も、しっかりと償わせるからな!」
そう宣言する彼の傍らには、金の髪と目をした、可憐な少女が寄り添っていた。
金色の瞳は、国の守護竜に愛される証。そんな彼女の意向は、全てに対して優先される。たとえ平民の出身であったとしても、王族との結婚すら許されるほどに、『守護竜の愛し子』とは重要な存在なのだ。そんな相手の機嫌を損ねたとあれば、守護竜の怒りによって、国そのものが滅ぼされることすらあるのだから。
その場の誰も彼女に手を差し伸べる事はなく、そこここから「悪役令嬢もおしまいね」といった呟きまで聞こえてくる。
孤立無援の中、やがて突き飛ばされたエラーナ嬢の表情が笑顔に変わり、よろよろと立ち上がった。そして彼女は見事なカーテシーを見せる。
「分かりましたわ。殿下がそこまで仰るなら、わたくしもこの婚約は白紙に戻して頂いて構いません。では、破棄の手続きがありますので本日は失礼致しますわ!」
そう告げて背筋を伸ばし、退場しようとする。しかし ―― その足元がよろめいた。どうやら転んだ際にどこか痛めたらしい。
危ない、と思った時には動いていた。
ユーフランはとっさに腕を差し伸べ、倒れそうになったその身体を支える。
「わ、わたくしに構うと貴方まで立場が悪くなるんじゃありませんの」
「あれ、俺の心配してくれんの〜。やーさしー」
「っ!」
「いいから、ほら。最後まで気張るんだろう?」
そうして彼は、エラーナ嬢を馬車に乗せ、屋敷まで送り届けた。
それから一夜明けて翌朝 ―― 父である伯爵から、ユーフランはとんでもないことを告げられる。
「エラーナ嬢と結婚しろ? 俺が彼女と? はあ?」
なんでも王太子により、エラーナは昨日のうちに学園を、そして今日中に国を出ろと命じられたらしい。すなわち国外追放である。あまりの無体ぶりに父である宰相はカンカンだし、国王陛下も頭を抱えているそうだ。なにしろただ一人の王子であるアレファルドに代わりはいないし、相手が『聖なる輝き』を持つ乙女では、公爵家といえども逆らうことはできない。しかもあの新しい婚約者であるリファナ嬢は、恐ろしいことに取り巻き達 ―― すなわち将来の国王の側近候補である、他の公爵家らの子息まで骨抜きにしているのである。当然彼らの婚約者達もリファナ嬢に対していい印象は持っていないし、そもそもユーフランが知る限りでは、エラーナ嬢がリファナ嬢に対していじめを行っていたという確たる証拠も存在しなかった。
そこで怒り心頭である宰相を宥めるためにも、事の真偽を調査するまでの間、追放処分を受けたエラーナを守る必要があった。しかしその結果いじめが事実であった場合は、守護竜の怒りに触れるためエラーナを庇う余地はなく、切り捨てるほかない。
そんな諸々を加味した結果、昨夜ただ一人エラーナの味方をしたユーフランへと、白羽の矢が立ったという訳である。
国王と宰相の意向とあれば、ベイリー家は逆らうことができない。それにユーフランは長男でこそあったが、能力的には弟であるクールガンに及ばないため、既に跡取りから外されている。そういう意味でも問題はなかった。
「いいよいいよオッケー。さーて、それじゃあ荷物まとめてくるわ〜」
ユーフランはちゃっちゃと準備をすると、おそらく二度と戻ることはないだろう実家を後にした。その足でフォーサイス公爵家へと向かい、カバンひとつだけを持ったエラーナ嬢と合流する。
目指すは隣国、緑竜の国セルジジオス。国境までは馬車で送ってもらえたが、そこから先はユーフランの私物である馬一頭だけが頼りの、野宿の旅。食糧は干し肉、寝床は地面に敷いた毛布のみだ。
幸い、国境を越えてすぐの土地の領主は、ベイリー家の遠縁であった。そこである程度の援助を受けられれば御の字。駄目なら平民に頭を下げ、適当な住み込みの仕事を探して労働するしかない。
公爵令嬢に耐えられる生活だとは思えなかったが、エラーナは思ったほどワガママを言うこともなく、死んだような目をしながらも素直に今後の説明を聞いてくれた。
そしてユーフランはユーフランで……この状況を楽しんでいたりした。
いやぁ、困ったね、これ。人生どうなるか分からないな〜。一生叶わないと思ってた横恋慕が、まさか叶ってしまうとは〜♪ 最高かよ。
王太子とその取り巻き達からは馬車馬のようにこき使われ、ろくに授業すら出席できないほど酷使されまくっていた彼は、それらから開放された上に積年の思いが形だけでも叶ったことで、内心浮かれまくっていたのである ――


婚約破棄された瞬間に前世の記憶を取り戻し、今後の破滅エンド回避を目指す悪役令嬢と、彼女に思いを寄せていた社畜系有能モブキャラとの、結婚から始まるスローライフ(?)な青春物語。書籍化、本編完結済。コミカライズの計画も進行中。思い出したような番外編UPはまだ続くのかな?
ユーフランは、エラーナが記憶している『らのべ』には登場していない存在。エラーナいわく、「作者の御都合主義を成立させるための因子」だとかで、とにかく「こんな物が欲しい」と言われれば大抵のものは速攻で作り上げてくれる、チートにも程がある存在です(笑)
王太子やその取り巻きたちが「きみのために作ったんだ★」とヒロインへプレゼントしていた諸々を、実際に発明したのはすべて彼。まあね、偉い人たちは「こういう物が欲しい」って要望だけ告げて、あとは専門家に丸投げするのがデフォなんでしょうが……ただユーフランはけして専門家ではありません。ただの同級生で御学友……のはずなのに、奴等は身分が下の者など「使ってもらえて感謝しろ」的な認識なので、時間も材料費も全部ユーフラン持ちのタダ働きで、感謝すらされずに搾取されまくりなのがもうね(−ー;)
そして本人は、「自分はその『必要なもの』を思いつく発想がない凡人」と刷り込まれているので、隣国でエラーナその他が大発明だ天才だと大騒ぎするのが理解できず、キョトンとしています。まさに社畜。無自覚チート。
あとベイリー家にもいろいろと秘密があって、ユーフランの異様な高スペックぶりの理由や、『聖なる輝き』についても徐々に明らかにされていきます。
エラーナは、最初は王太子と同じようにユーフランを利用してるんじゃね? いくら何でもワガママや無茶ぶりがひどくね? とか思わなくもなかったんですが、その理由もちゃんと語られます。軽くネタバレると、いわゆる『試し』行為だったんですね。エラーナ側からすれば、一国の上層部によって直々に国外追放を言い渡されたあげく、ほぼ初対面かつ原作にも出てこない謎キャラと交際0日結婚させられた訳ですから、そうそう相手を信用できないのも無理はなく。しかもユーフラン、見た目と言動が胡散臭いチャラ男系なんですもん(苦笑)
ユーフラン自身も自覚していなかった『貴族モード』だったらしいそれは、共に暮らすうちにだんだん軽減されていきますが、無自覚に惚気けるのは変わりませんww
心内語での口癖は「え、俺死ぬの?」。
嫁(仮)が可愛すぎて死にそう。幸せすぎて死にそう。常にそんな感じ。
長年隠し通して拗らせた、主君の婚約者への恋心は伊達じゃないぜ! と言うか、ストーカーの域に達しつつ、本人も「これ引かれね? キモいよね!?」と自覚しているので、新婚さんなのに心臓バックバクさせて手すら握れない状態です。もうね、ようやくお互いに想いを告げあって、まずは恋人からと仕切り直してからも、甘酸っぺえと言うかもだもだするというか……もうお前ら結婚しろ……って、とっくにしてるじゃねえか!? みたいなww
あと、ザマアはあんまりないです。そういう意味での爽快感は少ないかもしれませんが、これからは苦労しろよ自業自得どもめ! 的な感じなので、どちらが大変かと言われれば……的な感じでした。
そして情報伝達の大事さがしみじみと身にしみる……これってヒロインもある程度は被害者なんじゃ……いや今は事情知ってるのに、それでもまだエラーナにあの態度とかはやっぱり引くけど。
つくづく王太子たちがクズだと思いましたです……
No.1902 (読書)


 魔導具師ダリヤはうつむかない 4巻
2020年03月30日(Mon) 
読書記録:


「104.王城向け礼儀作法」〜「144.ダリヤという名の魔導具師」までを収録。
ただし遠征用コンロのプレゼンを最後まで入れるためか、個人的に大好きな「125.大恩と兄への願い」〜「128.赤いサルビアの味」までが飛ばされていました(´・ω・`)
オズヴァルド先生と息子の和解まわりはともかく、グイード兄上とヨナス先生に、ダリヤに受けた恩義を力説して呆れられるあのエピソードは、5巻に収録されてくれることを切に願いたいですっっ
アンケート特典SSは、和解後のグラート隊長とジルドさんが、二十年ぶりに徹夜で呑んだあげくにダリラさん(グラート隊長の奥様でジルドさんの従姉妹)に叱られるお話。ああ、良かったね仲直りできて(ほろり)
そして今回も加筆がいっぱい。
もっぱらグラート隊長とジルドさんの過去や心境の掘り下げがメインでしたが、他にもコンロをまだ導入していない時点での、過酷な魔物討伐部隊の遠征(雨天時)が書き下ろされていて、ヴォルフがどんな思いで遠征用コンロの『営業』を決めたのかが語られています。ヴォルフはかる〜く「執務室で燻しベーコンを焼いただけ」とか言ってましたが、その背景ではちゃんと、営利目的で売り込みしてると悪く受け取られることも覚悟の上での行動だったんだなって。
本当に成長したなあ、ヴォルフ……

あと細かいところですが、「130.友の謝罪」で誤解が解けるきっかけとなった、ワイバーン革の黒コートを再度借りる事になった時の一幕とか、初期ヴォルフが「遠征で怪我しても隠し通すくらい」だったその怪我が、実はドリノをかばって負ったものだったとか。遠征用コンロのプレゼン後の食事会(?)で、グイード兄様が中央棟を空けさせるだけじゃなく、ダリヤの緊張を解くため討伐部隊からの会議参加人数を増やすようグラートに勧めてたり、財務部の方にも頭の柔らかい若手を入れるよう手配したりと、裏で気遣いしてくれてたとか、そういうちまちまとした書き足しもじわじわきます。
遠征用コンロの件が決定する時の、魔物討伐部隊の面々の行動がね、もうね……これは泣く。

そしてジルドさんが本当は騎士になりたかったのに、上層部の意向で財務部に配属されてしまって、卒業時はグラート隊長と泣きながら呑み明かしたとか……そう言うエピソードを読むと、二十年拗れに拗れきってたその仲が改善されて、本当に良かったなって思えます。
最後の挿絵、遠征演習会という名の慰労会で、楽しげな隊員達とダリヤを眺める老いた笑顔が、ものすごく切ないっす…… ・゜・(ノД`)・゜・

巻末書きおろしは、今回もカルロパパで「声渡りの魔導具」関連。
……そうですよね、この魔導具も妖精結晶のメガネと同じぐらいヤバイ代物ですよね(汗)<変装し放題
カルロパパが、過剰なまでにダリヤの才能を隠そうとした理由、そしてヤバイものを作るとヤバイことになるという事実をあえて教えず、真綿にくるむようにして『箱入り』状態にしてまで守ろうとしていた、その心情に至った流れが明らかにされていました。
っていうか、カルロパパ実はダリヤの『秘密』にうすうす気付いていたという、衝撃の事実……っっ
どこまですごい人なんだ、カルロパパ……
ほんと、カルロパパも、まだ名前も出ていない祖父も、亡くなるのが早すぎましたよ……本当なら祖父だってまだ、生きていて全然不思議はない年齢ですよね? この謎の祖父が生きていてくれたら、きっと頼もしい防波堤になってくれていたろうに……でもそのルートに入ると、ヴォルフとの出会いはなくなってしまうんだから、複雑なものです。
No.1899 (読書)


 愛されるまで転生を繰り返す悪役魔女ですが、このたび乙女ゲーのヤンデレ系魔導士を射止めました!
2020年03月26日(Thr) 
読書記録:
■愛されるまで転生を繰り返す悪役魔女ですが、このたび乙女ゲーのヤンデレ系魔導士を射止めました!
 https://ncode.syosetu.com/n2860gb/

能力は高いけれど、姿の醜さゆえに隠れ住むようにしていた魔女。そんな彼女に唯一「愛している」と言ってくれた王子は、単に彼女が作る薬や魔法の道具欲しさに、騙して弄んでいただけだった。
その事実を知った魔女は怒り狂い、王子とその婚約者を呪ったのち、自身も死を選ぶ。
「こうなったら、私を愛してくれる人が見つかるまで転生し続けてやる!」
そうしてはや幾星霜。世界をも越えて生まれ変わり、大公殿下に石油王、そしてアイドルとも恋をして……その誰もが、彼女を本当に愛してはくれなかった。
4度目に生まれ変わった日本で付き合ったのは、劇団員の卵の青年。
「好きだから、仕事しないで毎日連絡が取れるようにするね」と言った男へと、彼女は喜んで小遣いを渡していた。しかしそんな彼が、高級外車に乗った派手な女とキスしているのを目の当たりにし、またも裏切られていたことを知る。
泣きながらその場を走り去った彼女は、見事にすっ転んで頭を打ち、息を引き取った。
そして5度目の転生。今度生まれ変わったのは、最初の人生と同じ世界。なんでもあれから500年ほどが過ぎているらしい。
もう転生にも疲れてきた。もしも今世がダメでも、次のターンに挑む気力はない。
そう思った彼女は、これを最後と決めた人生 ―― メイドインヘル帝国の第一王女、ユウナリュウムとしての暮らしを始める。
容姿は完璧と言っていいほど整っている。長子継承のこの国では、将来の王位も約束されている。きっとよき伴侶に巡り合えるに違いない! と、自身も周囲もそう思っていた。しかし……気がつけば十八になっても婚約者がいない。
もともと凝り性だった彼女は、魔女の頃に魔法を極めたので、今度はちょっと剣でもやってみるかと思いたち……十歳で正騎士レベルの剣術を身に着け、十五歳で騎士団副官に就任。結果、魔法剣士として優秀すぎるがゆえに、並の男が寄り付かなくなってしまったのだ。
そんな彼女が500年前、最初の人生の際に残した数々の呪いや罠を、罪滅ぼしも兼ねて解除して回っていると、心配した父王が無理やり宮廷魔導士達を付けてきた。正直必要ないのだが、彼らも命令には逆らえないようで、気がつくとユウナと騎士団を置き去りにし、自分達だけで強大なアンデッドドラゴンへと挑んでいる。
慌てて助けに向かったユウナは、無事に彼らを助け出すことができた。しかしそのリーダー格である、天才魔道士ディークバルドの様子が、何やらおかしくて……


異世界から、現代日本を経由して再び異世界へ、自力で転生系。乙ゲー要素も少しありますが、あまりストーリーには関わってきません。中編、完結済。
ダメンズばかりを好きになる元魔女が、転生を繰り返した最後に出会ったのは、いろいろあって拗らせている、超ハイスペックなヤンデレ魔導士。
「重すぎる愛の持ち主同士がカップルになると、普通に甘々になる」、さらにグレードアップ版ですww

「きみが会いたいと言うから転移してきたんだ。もっと喜んでくれないの?」
「さっきの一人ごとが聞こえていたの? あぁ、このピアスかしら? それともネックレス?」
「両方」
「すごいわ、どちらかが壊れてもスペアがあるなんて。そんなに私のことを……!」

とか、

「魂を縛る魂魄結界を生み出したから、もし君を捕まえられたら契約してくれる?」
「なんて情熱的なプロポーズ!(うっとり)」

とかいった感じで、もう完全に割れ鍋に綴じ蓋(笑)
っていうか、ハイスペックヤンデレ同士が怖えww<一歩間違えれば軽く世界を滅ぼせるカップル
過去話とかけっこうエグい部分もあるのですが、基本的に脳みそお花畑になっている女性の一人称なので、雰囲気的には非常に明るかったです。
No.1893 (読書)


 魔導具師ダリヤはうつむかない 3巻
2020年03月23日(Mon) 
読書記録:


「77.職人と職人」〜「103.紫の二角獣」まで収録。アンケート特典SSは、在りし日のヴォルフ達4兄弟が、鬼ごっこで泥だらけになって怒られたという、あのエピソード。
さらに今回は、加筆がかなり多かったです。まず初っ端から、新作魔導具の試作がひとつ増えてます。ヴォルフ同席かつカラー口絵付き。これを試し読みサイトで確認できたのが、紙書籍を購入する決め手になったかもしれません。あと目次にあった、WEB版では見覚えのなかった「イボダイの塩焼きと王都七不思議」の文字がww
ぐい呑みを買いに行ったデート(仮)場面などのさりげない書き足しも、ニマニマできて嬉しいですね。
なんとなくヴォルフ → ダリヤのベクトルが、WEB版よりも強めに感じられるのは気のせいかな……?
そして神殿から寄付のお礼として届いた品には爆笑ww 完全に「水虫(からの救い)の女神」が世間に浸透している模様ww

逆方向には、ヴォルフ関連でギルドの女性職員に絡まれるダリヤの描写が、一行で終わらずちゃんとやりとりまで描かれているのも、ヴォルフの呪いに近いアレの厄介さが、よりいっそう実感させられました。
そしてカルロやイヴァーノ、フェルモらの過去や心情についても、かなり掘り下げられています。イヴァーノの見る悪夢とか、具体的に語られるとほんと辛い……
さらにカルロの死に立ち会った時を思い返す、回想がもうね……そのつい1ページ前にガブリエラ夫妻もからんだニヤリとできるエピソードがあっただけに、あっただけに…… ・゜・(ノД`)・゜・

書籍化で一番イメージが変わったと言うか、WEB版では謎の多い部分へスポットが当てられているのが、カルロパパだと思います。巻末描き下ろしSSは、いつもカルロ視点ですし。そしてやっぱりダリヤの母親との別れには、なにか事情があったんじゃないかと……今回の妖精結晶のランタン作成時のエピソードを読んだら、やっぱりそう感じちゃいました。
というか、別れた妻と最愛の娘の幻影を見るために、魔力枯渇とバッドトリップ承知でわざと妖精結晶砕いちゃうパパに、心の闇を感じた……<現代に当てはめるなら、依存性はないけど下手すりゃ死亡もしかねない高額ドラッグをやるようなもの

そして何より読み応えがあったのが、グイード兄上視点の幕間「臆病者の贖罪」!
WEB版では、章の最後にごく短く挟まれていただけの述懐が、当時の回想シーンを含めて詳細に語られていましてですね。
ヴォルフが知らない、あるいは幼すぎて覚えていなかった家族の絆や、裏側で起きていたあれこれがもうね……WEB版ではまだ見ぬ父親も登場してますし。
こんなにいろいろあったのかと思うと、そりゃグイード兄上もトラウマ化したあげくに、弟と関係改善できた途端、超絶過保護にもなるよ! だってお兄様だってこの当時まだ十代半ばの、中高生の年齢ですよね? それでこれはきつ過ぎる……
実は私、ひそかに次男は名前変えて生きてたりしないかな? とか期待してたんですよ。ヴォルフが家に戻った時にはもう死亡扱いになってましたけど、父親も意外と情の深い人みたいですし、もしかしたら……って。それが木っ端微塵に砕けた挙げ句に、予想を上回る勢いでアレだったので……当時既にヨナス先生がいてくれて、本当に、本っ当に良かった……
遠い目をする現在のお兄様と、それを向かいで見守るヨナス先生の挿絵にため息が出ちゃいましたよ( T _ T )

あ、お兄様とヨナス先生のイラストといえば、外見イメージがだいぶ違ってて、最初はちょっと戸惑いました。
髪の長さとか逆だと思ってたよ<お兄様が魔法使いっぽい長髪で、ヨナス先生が戦闘重視の短髪がっしり系かと。年齢もヴォルフより八歳上なら、もうちょい年をとってた方が私好み。
イヴァーノも腹回りを気にしてたり「恰幅が良い」という描写がありますから、ぽっちゃり気味かと思ってたらむしろ痩せ型。購入前にカバーイラストを見て、「この真ん中でビール瓶持ってる細い人、誰?」と思ったのは私だけじゃないと思う。なお左の人は、1巻読むまでマルチェラだと思ってました^^::<こっちはフェルモさんだった
No.1890 (読書)


 萌え絵師への道
2020年03月21日(Sat) 
読書記録:
■萌え絵師への道
 https://ncode.syosetu.com/n5572s/

絵はうまいけれどストーリー作成は苦手な売れない少女漫画家(20代女性)が、有名純文学作家(30代イケメン)の、別名義で出版するライトノベルの挿絵を担当することに。
とにかく緻密に計算し尽くして書く完璧主義な作家さんは、有名萌え絵師達に次々とダメ出しをしており、もう締切的にこれが最後で後がないというところで、直感で絵を描くタイプの主人公と出会い……的な感じのボーイ・ミーツ・ガール? いやどっちもいい年なんですが。
中編、完結済。話数は多めですが一話一話は短いので、さくっと読み終われました。完結済です。
誰ひとり読んでくれなかろうと、とにかく書かなきゃ生きていけない大先生も、面白いと思ってもらえる話を描きたいけど、同時に絵を描いてないと息もできない売れない漫画家は、かなりどっちもどっちの人格破綻者です(苦笑)
こういうのを割れ鍋に綴じ蓋というのか……ww
No.1888 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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