酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う
2022年02月23日(Wed)
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読書記録: ■酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う〜外伝4−1 https://kakuyomu.jp/works/1177354054918377471
現地主人公で転生・トリップなし。書籍化済み、ダイジェスト化なし。 完結となっていたので読み始めてみたら、謎がいっぱい残ったままな上にいつの間にか連載中に戻ってました(苦笑) しょせんは盗賊と蔑まれるシーフ(斥候)のおっさんが、酒の勢いで購入した奴隷少女の純真さにより、英雄への道を駆け上がっていくお話。 もともと斥候としてすごく優秀なうえに、育ての親がけっこうな立場にあったらしく、能力的には有能オブ有能。ただし環境や人間関係のせいでやさぐれきっていたのが、あまりに純粋に慕ってくれる少女のおかげで、最初は「ま、いっか。どうせ抱くならもうちょっと育ててからで」と外道なことを思っていたのが、すっかり彼女一筋になり、結果的に周囲からの見た目も変わっていきます。最初は勘違い系と見せて、実は本質が戻っていく、みたいな。 「ハーレム?」タグがついていて、実際女性キャラもちょこちょこ出ますが、主役は最初から一人しか見てません。ただ周囲の女性陣の圧が強く、潔く身を引いた一人と、「恋愛が絡まないからこそ付き合いやすい」とさばさばしてる一人以外は、正直ちょっと^^;; あとヒロインの少女も純真にすぎるのが……田舎の農村育ちでその年齢で、そこまで知識がないのはいくらなんでも……と、思わなくもなかったり。
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No.2971
(読書)
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偽物の精霊姫は愛されない……はずだった。
2022年02月08日(Tue)
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読書記録: ■偽物の精霊姫は愛されない……はずだった。 https://ncode.syosetu.com/n1682hj/
十歳になったある日、精霊を見る能力が覚醒したエミイルダ公爵令嬢は、無邪気な彼らの言葉により、自分が赤子の頃に入れ替えられた平民の娘であるということを知った。その衝撃で前世の記憶も思い出してしまい、ここが『精霊姫の恋』という小説の世界であることにも気がつく。 小説の中のエミイルダは、自分が偽物であると知って周囲から距離をおき、不安と恐怖からどんどんわがままになっていった。そして家族を含め周囲がそんな彼女を持て余していた十四歳の頃に、平民として暮らしていた、本物のエミイルダが現れる。 あいにく途中までしか読んでいなかったが、覚えている限り偽物だった彼女は公爵家から姿を消してしまい、その後の登場はなかった。 絶望する彼女だったが、しかし小説内のようにわがままを言うことは愚か ―― 自分が偽物であることを、隠しておくこともできなかった。彼女の様子がおかしいと気づいた兄……いや、兄だと思っていた人に事情を打ち明けると、彼は驚いたり偽物だったのかと罵倒するどころか、優しい笑みを浮かべた。そして「大丈夫、俺に任せてね?」と言ってくれて……
前世要素はほとんど出てこない転生モノ。恋愛メイン。中編完結済。 かなりふんわりほんわりとした総愛され系。あ、逆ハーではなく、家族愛とか友情とかそう言うのが壊れないという意味です。血の繋がっていない家族や元従兄弟(王子・王女)はもちろん、本物のエミイルダとかとも、ちゃんと仲良くなっているので。 終盤のけっこうな大事件も、女の子の一人称説明なせいか、あまり緊迫感がないぐらいです(苦笑) まあお兄さんは一歩間違うとヤンデレ堕ちしそうですが、彼女が普通に受け入れているので、ラブラブカップルに収まっているような? 途中、モブ転生した前世持ちキャラが出てきて、主人公が知らなかった、小説のその後の展開なども教えてくれます。でもそれはそれで、この世界の現実とは違うと、ちゃんと理解してそれぞれの道を進んでいるのがよき。 不幸になる人が、メインキャラ中にはほぼいない、そういう意味ではノンストレスなお話でした。
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No.2956
(読書)
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キモオタモブ傭兵は、身の程を弁(わきま)える
2022年01月05日(Wed)
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読書記録: ■キモオタモブ傭兵は、身の程を弁(わきま)える https://ncode.syosetu.com/n2702gq/
SF世界で中古パーツを寄せ集めた改造宇宙船を使っている、自称「やられ役の雑魚モブ傭兵」ジョン・ウーゾス。 創作の題材になるような、試験的に製作されたものの誰1人乗りこなせなかった超最新鋭の船とか、遺跡から発掘された意思のある超兵器とか。そんなものを華麗にのりこなし、本当かどうか怪しい伝説を作り出すような連中とは異なる、冴えない小太り眼鏡のオタク傭兵だ。 今回も、ろくでもない戦闘に参加し、情報収集不足からうっかり大義のない方へ所属してしまったが、それでもなんとか5機ほどを撃墜して生還することができた。 中古船に負担をかけてしまったので、ドックに入れるか、自分でオーバーホールしなければならない。 そんなことを考えていた彼へと、不意に通信が入った。 画面に現れたのは、金髪碧眼の、とにかく物凄い美女で。 『単刀直入に申し上げます。私に乗り換えませんか?』 『私は小型戦闘艇WVSー09・ロスヴァイゼ。あなた方がいうところの、古代文明の遺跡から発掘された意思のある超兵器なのです』 何でも先ほど戦闘で、現在の操縦者を見限った彼女は、ジョンへ新しい操縦者にならないかと持ちかけてきて……
一発ネタ短編……かと思いきや、ほぼ同じ内容を冒頭に入れた【連載版】が不定期更新中だそうです。 まあ、タイトルを見れば概ね展開は予想できるかと(笑)
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No.2920
(読書)
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2021年の読了図書
2021年12月31日(Fri)
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「服飾師ルチアはあきらめない 〜今日から始める幸服計画〜」 甘岸久弥
大晦日恒例、その年読んだ書籍(商業出版されたことがあるもので、マンガ以外)のまとめ……なのですが。 ついにこんな年が来てしまいました。
紙書籍、1冊!?
11月ぐらいにまだ1冊も読んでいないことに気がついて、これはひどいと思ったんですが……無理して読んでも逆に楽しめないので、そのまま流れに任せた結果、こうなりました(呆然)
一応、オンライン小説は読んだり読み上げアプリで聴いたりして、連載を追っているものの他にも50タイトルぐらいは目を通していて、その中には1タイトルで文庫10冊を超えるようなものもありますが。 あとはもう、あれだ。朗読配信ですね!
作業したりバスに乗りながらでも聴いていられるので、もうそちらを活用しまくりです。 今年に入ってから視聴したものだと……kikubonで購入した薬師寺涼子のシリーズを皮切りに、芥川龍之介とかコナン・ドイルのマイナー作品、旗本退屈男、明治開化安吾捕物などを数話ずつ。銭形平次はなんだかんだで60話ほど聴いてますか。 あとはNHKラジオのオーディオドラマなども活用中。 著作権がアレなものは……あまり大きな声では言えませんが、探すとけっこう面白いものが出てきたりするんですよねえ、あはは(苦笑)
先日kikubonで無料公開された、黒岩涙香の「幽霊塔」なども、いずれ聴こうとスマホでスタンバっています。
■幽霊塔 | 耳で聴く本(きく本) kikubon(キクボン) https://kikubon.jp/product.php?aKey=634
これは原作を何度か読んでいるので再読に当たるんですけど、トータル16時間半オーバーとなると、さて何日かかることやら?
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No.2915
(読書)
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辺境ぐらしの魔王、転生して最強の魔術師になる 〜愛されながら成り上がる元魔王は、人間を知りたい〜
2021年12月30日(Thr)
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読書記録: ■辺境ぐらしの魔王、転生して最強の魔術師になる 〜愛されながら成り上がる元魔王は、人間を知りたい〜 145話 https://ncode.syosetu.com/n9450fl/
気がつけば大人の姿で世界をさまよっていた、不老不死の存在、ディーン=ノスフェラトゥ。 魔力を大量に含む血液を持っていた彼は、長い生の中で魔法についての研究を重ねていた。しかし血液を研究材料とする姿を見た人々からは、『吸血鬼の王』や『孤高の魔王』などと恐れられ、迫害され、住処を追われる生活を続けざるを得なかった。 しかし辺境にある古城を見つけたことで、彼の人生は変わる。 すぐ側にあるフィーラ村の人々は、ひどくのんきな者ぞろいで、年を取らない魔術師をごく普通に受け入れてくれた。そうして古城に住み着き、気がつけば150年。 面倒見が良かった彼は、いつしか村の守り神的な存在となり、魔術の研究を続けながら村の子供たちの世話をしたり、怪我や病気を治してやったり、周囲の魔物を退治したりなどして日々を過ごしていた。 村人たちは、生まれた時から死ぬまで見守ってくれる彼のことを、我が主君(マイロード)と呼び、齢を取らない親で、家族で、先生だと慕ってくれていた。 そんな暖かくものどかな生活は、しかし儚くも崩れることとなる。 疫病が国中に蔓延した際、彼は長年の経験から身につけた医療技術と魔法によって、フィーラ村から一人の死者も出さなかった。彼は守るべき『うちの子』たちを守り抜いたのだ。 しかし多くの犠牲者を出した国の中枢では、責任をなすりつける相手を求めていた。 『不死の魔術師』ディーン=ノスフェラトゥが『死紋病』を広めたのではないか。 『フィーラ村』で死者が出なかったのは、『不死の魔術師』が邪悪な魔術で村人を眷属にしたからではないか。 そう主張した聖域教会は、村人たちに命じたのだ。 『貴様らが邪悪な魔術でしもべにされているのでなければ、この聖剣でディーン=ノスフェラトゥを殺せ。それをもって「フィーラ村」が潔白である証とする』と。 村長であるライルは、逃げろと言った。村人たちは時間を稼ぎ、古城の広間で二人だけの時間を作ってくれた。 しかし下手に逃げれば、今度はフィーラ村の人々が国と教会から追われる立場となる。まわりの村や町だって、敵になる。 『古代魔術』と『古代器物』を独占している、強力な戦闘集団である教会に目をつけられた以上、もはや逃れようはなかった。 うちの子たちを、教会に殺させる訳には行かない。 そう考えた彼は、聖騎士達が飛び込んできたタイミングで、ライルが持っていた聖剣へと思い切り身を投げた。 それから200年。 男爵家の庶子で次男坊。ユウキ=グロッサリアとして、彼は生まれ変わっていて ――
同一世界内での転生もの。書籍化・コミカライズ済、ダイジェスト化なし。連載中。 「創造錬金術師は自由を謳歌する〜」と同作者さん。コミカライズが面白かったので原作に手を出してみました。 生まれ変わったマイロードは、人間初心者なのでいろいろやらかしまくってます(笑) 血液が元のままなため、いずれは成長が止まって不死になる。そうなったら人間社会から姿を消さねばならないから、今はできるだけことを荒立てないようにしつつ、今度は人間社会にうまく紛れ込めるように、人間について学んでいる……と、本人はそのつもりなのですが。 違うそうじゃない、と突っ込みたいズレっぷりが面白いです。 そして基本的に面倒見が良い超善人なので、あちこちで老若男女をたらしこみまくりww あと200年の間に聖域教会はほぼ滅びてしまっているのですが、その謎を解きつつ残党とことを構えるのも主軸のひとつです。転生できた理由については、そこらへんでかなり早めに明らかに。 っていうか、敬愛するマイロードを殺させられた、フィーラ村の人間たちの行動力が、多方面にわたってすごすぎるww マイロードの、子守という名の英才教育によって、辺境の村なのに識字率100%かつ通常魔術は全員が使えたという、一種のチート村人たち。しかもマイロードへの好感度がMAX状態なので、もう手がつけられない状態だった模様ww
懸念事項としては、今のところハーレムタグは付いていないんですけど、現在13歳になる主人公の周りに、同年代の女性キャラがかなり多いです。 ただマイロードは鈍感系……というより、自分を人間だと思っていないので、女性から好意を向けられてもよく判っていない面があるというか。あくまで庇護対象としか見てない感じです。 メインヒロインだけは「結婚して下さい!」とぐいぐい明言して、めっちゃ無茶もして追いかけてきているので、「もう嫁にするしかない」と受け入れていますが、それもあくまで「家族として、一生いっしょにいる」という認識っぽく。 サブヒロイン使用人枠は「相棒」という括りだし、同じくサブヒロイン令嬢枠は「人間にもこんな良いやつがいるんだな。いつか別れることになるけど、彼女のことはずっと忘れない」といった感じ。 そもそもマイロード、人間じゃない自分をけして厭ってる訳ではないんですよね。 「だってお前たち、先に死ぬじゃないか」と、「うちの子」たちに置いて逝かれるのを悲しみはするんですけど、でもそこで自分が人間になりたいとは思わず、逆に「不老不死の古代魔術を見つけたら、みんなを不死にできて、ずっといっしょにいられるのに」と普通に考えています。あくまでもマイロードは、徹頭徹尾「不死の魔術師」なんですよね。 なので「人間の考えることはよく判らん」と常々口にしているし、精神年齢200歳に合わないぶっ飛んだことをやらかしまくるのも「ああ、人間の常識が判ってないんだな(苦笑)」と納得できます。 っていうか、フォローするはめになってる実家の父と兄が、気の毒すぎるww<武功で爵位をもらった成り上がり男爵家だったのが出世しまくり
コミカライズ版の前世パート、マイロードのキャラデザと村人とのやり取りがすごく素敵なので、そちらもおすすめです。
■辺境ぐらしの魔王、転生して最強の魔術師になる - 無料コミック ComicWalker https://comic-walker.com/contents/detail/ KDCW_MF00201820010000_68/
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No.2912
(読書)
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悪役令息に転生したビッチは戦場の天使と呼ばれています。
2021年12月22日(Wed)
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読書記録: ■悪役令息に転生したビッチは戦場の天使と呼ばれています。 〜64話 https://www.alphapolis.co.jp/novel/494528477/350556742
「嫌われ者の俺はやり直しの世界で義弟達にごまをする」と同作者さんの、BLもの。R18で連載中。 嫌われ者〜の方は書籍化されるらしいですね! そっち読むなら今のうちですよ〜〜 で、こちらはというと、「総受けではありません」「主人公はビッチだけれど固定CPです」とあったので安心して読み始めました。 公爵家の次男である18歳の主役の前世は、38歳で病死した中年男。看護師としてバリバリ働き……そしてバリバリ遊んでいた、パートナーを決めないタイプのゲイ。 死ぬ前に願った内容が「病気をしない丈夫な身体に生まれ変わりたい……そして、出来れば外見は可愛い男の子で、気に入った男達と楽しくSEXさせてくれ!!」というのがもうねww なお好みは筋肉質なごつい男。そんな彼らがたまに見せる可愛い反応にギャップ萌えという人なので、冤罪(?)で断罪されている途中に記憶を取り戻して、そのまま奉仕活動しろと魔物との戦いの最前線送りになっても、割と落ち込みもせず環境に適応しています。 夢は傭兵ハーレムエンドとか妄想してるぐらいにはww いやもちろん、元看護師として、怪我人には真摯に向き合ってますけどね。 なお元の身体の記憶は飛び飛びで、冤罪云々についてはまだ真偽不明。あと背中に誰かの手でつけられたと思しき深い傷があり、そのせいで魔法が使えない&触られるとフラッシュバック起こして泣き叫ぶというトラウマがあったりと、いろいろ謎が多いです。 固定CPのお相手は……堅物&シュッとしたイケメン。そして奉仕活動の監視としてつけられた神殿騎士で、最初は罪人相手だと偏見バリバリでそっけない態度を向けられていたことから、主役の意識にはまだほとんど入っていません(苦笑) 騎士さんの方はもう、「噂に踊らされて、現実を見ていなかった」と反省して、恋心も自覚してるんですけどね……どんまい。 あと最近出てきたお兄さんが、ブラコンこじらせていささか病んでるっぽいのがちょっとライバルっぽいです。有能かつ予想外の出来事にもしっかり対応できてる分、兄のほうがリードしてるぞっっ、頑張れ神殿騎士ww
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No.2900
(読書)
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ある間諜と子爵令嬢の独白
2021年12月19日(Sun)
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読書記録: ■ある間諜と子爵令嬢の独白 https://ncode.syosetu.com/n8151gh/
わがままな伯爵令嬢の命令で、王太子の婚約者候補の一人だという子爵令嬢を探りに行く羽目になった間諜。 諜報の何たるかも知らぬ伯爵令嬢の指示により、触ったこともないハープを手に急遽標的の妹の誕生会へと潜り込んで、道化師兼ハープ弾きとして演奏の手を止めぬまま耳を澄ませていた彼だったが……付け焼き刃で身につけた演奏はともかく、指ばかりは長年続けた本職に及ぶはずもなかった。弦で切れた両手指を血に染めながら演奏を続けていると、妹令嬢が笑顔で恐ろしいことを提案する。 「みんなでダンスでもしない? ハープがずっと鳴っているんだから踊りたいわ」 その言葉に、彼は乾いた笑みを浮かべてしまった。 間諜に表で目立つ役をやらせると、かえって情報が得られないということを、今回の件であのわがまま伯爵令嬢も思い知るだろう。まあいいさ、感覚はなくなっているが、まだ指は動く。 そう思っていた彼の耳へと、よく通る声が届いた。 「ダンスもいいけど、その前に星の話をしない? ロザリンドは星にお詳しいのではなかった?」 それは彼の標的である、子爵家の長女、レリアの言葉であった。 妹は興味を惹かれたようで、会場にいた他の客たちもみな星の話へと意識を向ける。 これ幸いと演奏の手を止めた彼の目の前へと、一人の女性が立った。 「し、失礼。語りが気になって演奏の手が止まってしまいやしたねえ」 慌てて誤魔化そうとする彼を、しかし目の前の女性 ―― レリアは邸の中へ連れて行った。 「ごめんなさい。あなたがこんな指になってしまうまで気づかなかったなんて。ずっと音楽が聞こえていたのに」 そう言って指の傷を洗い、手当てをしたうえでたっぷりの報酬を弾んでくれた彼女について、間諜は雇い主に当たり障りのない報告だけしておいた。伯爵令嬢はレリアの美貌と、母親が平民だということが気に食わないらしく、いろいろな嫌がらせを画策し始める。 あのレリアって女も気の毒なことだと、そのときは肩をすくめるだけですませた間諜だったが ―― しかし数日後に漏れ聞こえてきた嫌がらせの計画は、さすがに看過するにはひどすぎるもので……
優秀だが人との接し方がよく判らない不器用な間諜さんと、貴族として抜け目なく生きてきた子爵令嬢の視点が交互に語られる、恋物語……なのかな? 目次では全8話ですが、6万5千字オーバー(薄めの文庫一冊ぐらい)とけっこボリュームがあります。完結済。 最後はけっこうばさっと終わります。ある意味、童話的な感じでしょうか。 優秀なはずの間諜さんは、育った環境もあってか、本人視点だと有能というよりもドジっ子に近いしww 王太子は太っ腹といえば聞こえが良いですけど、セキュリティ的なことをそんなにあっさり決めちゃって良いのかそれはとか。実母が平民の子爵令嬢が、王太子にその態度は大丈夫なのかとかとか、いろいろと突っ込みどころは多いのですが。 まあ、「そうしてみんな幸せになりました」というお話も、たまには良いと思います。ギスギスしたストーリーは、そろそろ辛いお年頃なのですよ…… それに女性が強い話は良いです。間諜さんの仕事を闇雲に否定せず、その誇りをちゃんと認めるというスタンスも好印象でした。 ……超特急で外堀埋めまくりに行くのは怖えと思いましたが。 のちのち尻に敷かれるのが目に見える……でもそれが幸せなんだろうね、きっとww
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No.2898
(読書)
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俺魔王だけど、悪魔の執事に溺愛されてたくさんエッチなことされて美味いもんたらふく食わされてます
2021年12月16日(Thr)
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読書記録: ■俺魔王だけど、悪魔の執事に溺愛されてたくさんエッチなことされて美味いもんたらふく食わされてます 〜番外編 芋名月 https://www.alphapolis.co.jp/novel/220573124/959534901
かつて勇者によって殺された魔王が、千年の時を経て復活した。彼は異界へと魂を避難させ、時が来れば自然に転生し直せるよう事前に魔法をかけておいたのだ。 地球という惑星の日本という国で生きた、マンガが好きで、アニメが好きで、ラノベが好きなごく一般的な若者となっていたが、あの日トラックに轢かれたのは運命だったのだ。 目覚めた彼は、まだ完全に力を取り戻していないからだろう。弱体化し、肉体年齢もかなり若返っていた。廃墟のような建物の中で、目覚めを見届けてくれたのはたった一人。 燕尾服を身に着け、白銀の頭髪を後ろに撫で付けた、左目の下に二つ並んだ泣きぼくろと暗褐色の肌が特徴的な、男。コウモリのような羽と尾を持つ彼は、悪魔であった。 「ああ、魔王様……若返った姿も麗しいですね」 千年間、魔王の復活を待ち続けた悪魔は、嬉しそうに微笑むと ―― 「思わず食べたくなってしまうな」 そう呟いて、顎を持ち上げてきた。 「う、うおお、お前の名前は今日からセバスチャンだ!」 魔王はとっさに名付けの儀を行った。 悪魔は忠誠心の高い頼りになる種族だが、時折こうして食欲に忠実になってしまうのだった。ちなみに悪魔の食料とは、魂 ―― 感情の昂りである。そして感情を揺さぶる手っ取り早い手段は身体を重ねること。魔力の譲渡もできて、一石二鳥の行為である。 「セェ・バス・ティアン……変わった響きの名前ですね。異界の名前ですか」 「まったく油断も隙もあったものじゃないな悪魔族は……!」 魔族にとって、名付けとは上位のものが下位に対して行うものだ。名付ければ互いの魂が繋がり、名付け親が死ねば配下は記憶の欠落や自我の崩壊を起こす。同時に配下が死ねば名付け親もまた、魂の一部を失う。そういった強い結びつきをもたらす儀式である。 第一番の側近を傍らに、魔王は思う。 さあ、千年ぶりに魔界を復活させよう。 魔界の領土であれば、魔王は魔力と引き換えにあらゆる物を生み出すことができるのだから。 そのためのまず一歩として ―― とりあえず、オコメでも作ってみようかな?
異世界から地球に転生したのが、戻ってきた系ほぼコメディ。BLでR18。連載中。 基本的に魔王様は美味しいもの食べてのんびり過ごしたいとしか思ってないですし、悪魔執事は魔王様の魂の輝きを美味しくいただくため、せっせと世話を焼いています。いろんな意味で。 悪魔自体は食事をとれないのですが、美味しいものを食べると魔王様が魂を輝かせるからと、せっせと料理の腕を磨いたりとかww でも基本的には腹黒S系です。そして執事攻め。 時おりシリアスが顔を出すのが、今後の懸念でしょうか。魔王様は前々世のことをほとんど覚えていないし、悪魔執事の方は名付けの契約をした前の魔王様が殺された&千年待っていたせいで、すっかり記憶が欠落。知識だけで動いている状態です。もしかしたら自我も一回壊れて、再構築されたんじゃという疑惑も覚えたりして。現在の忠誠心はMAXだし、魔王様への愛情も本物なんですけどね。今のところは。 あと魔王様もそれなりに魔族っぽく、倫理観ぶっ飛んでいるし薄情な面がちらりほらり。人間の国の王族の方だって、どこかサイコパスっぽさがあるしで、不穏な気配が。 癒やしは、そんな魔王様に一度とっ捕まったけど、いろいろあって人間の国との橋渡しをするはめになった、苦労性商人クラレゴの今後でしょうか。魔王様が与えた馬の魔物、ケルピーとの関係がどう変化するか楽しそうです。中年おっさん受けもいいよねww なお魔物は貞操観念がアレ&魔力譲渡の手段でもあるってことで、双子の弟×兄とかも普通に出てきます。魔王は男でも妊娠できるとかいう設定もあるので、苦手な方は要注意。
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No.2890
(読書)
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生贄令嬢は怠惰に生きる 〜小動物好き竜王陛下に日々愛でられてます〜
2021年12月13日(Mon)
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読書記録: ■生贄令嬢は怠惰に生きる 〜小動物好き竜王陛下に日々愛でられてます〜 かわいすぎるのは罪です https://www.alphapolis.co.jp/novel/580522748/185407015
地上に人間、天空の浮島に竜人とドラゴンが住む世界。 伯爵令嬢リア・エスコッタが住む人国では、竜王が代替わりすると「貢ぎ者」として女性を差し出すしきたりがあった。これは立場として圧倒的に上にある竜王国と、人の王国が共存するために定められた、古くからのしきたりである。 この貢ぎ者には、貴族か王族で、年頃かつ独身の少女が選ばれることになっていた。 家族などの慣れ親しんだ者達と離れ、単身で見知らぬ土地へと移り住まなければならない上に、竜王国の方から貢ぎ者の生活の様子が伝えられることは滅多にない。竜王国でどんな扱いをされるかも分からないことから、王国民の間ではいつしか『生贄』と呼ばれるようになっていた。 物心つく前に両親が行方不明となったリアは、代わって爵位を継いだ父方の叔父に引き取られたが、その扱いはけして良いものとは言えなかった。現在では書類仕事のほぼ全てを押し付けられ、食事すら満足に与えられない状態だ。 そしてついに、従姉妹からこう告げられた。 「あなたは竜王陛下に差し出す生贄に選ばれたのよ。出立は明日だから」 もう決まった話に文句をつけても仕方がない。従姉妹は餞別にとメイド服を寄越し、「まあ殺されないようにがんばりなさい」とだけ言って出ていった。 この家の中ではそれなりに世話になった気がしなくもない従姉妹だったが、あっさりしたものだった。 そうして迎えの竜に乗せられ浮島にある竜王国に着いたリアは、出迎えに現れた竜王を始めとした竜神たちに、カーテシーで挨拶をした。 「初めまして。リア・エスコッタと申します」 しかしいっこうに反応がない。止めていいという言葉がないため、プルプルする足で無理な姿勢を維持するが、初飛行の後ということもあり、十数分で限界が来た。 ぺたりと座り込んでしまったリアへと、無言で見守っていた竜人たちは、ハッとした表情をする。そうして竜王陛下その人が、ズカズカと近づいてきた。 リアを抱き上げた男は、大きく息を吸う。 「皆の者〜!!! 城にあるありったけのクッションを用意しろ〜!! あとマッサージが得意なやつは集合だ!!!」 竜人の咆哮を間近で耳にしたリアは、そのまま気を失ってしまい……
虐待追放からの溺愛系。連載中。 種族そろって可愛いもの(主に小動物)大好きな竜人&ドラゴン達にとっては、か弱い人間は「とにかく可愛い!」としか思えない生き物。 過去の貢ぎ者に関しての記録も、『羽のように軽いし力もないので、きっと人間の中には内臓や筋肉じゃなくて夢と希望が詰まっているんじゃないだろうか』『人間はか弱すぎる。今日も転んで膝を怪我していた。人間の皮膚は我々竜人の粘膜よりも柔いんじゃないだろうか。入り込んだ菌であっさり死んでしまいそうだと思ったので傷口は念入りに洗っておいた』と言った感じで、要約すると『人間かわいい』としか書かれていないので、竜人たちの過保護に拍車がかかりまくりww さらに実年齢は16歳にも関わらず、いろいろあって12歳ぐらいにしか見えないリアは、もう老若男女、貴淺問わずに愛されまくっております。 もちろん人間なら誰でもいいという訳ではなく、過去には性格に難のある「貢ぎ者」が来たこともあるため、そんな場合はひっそりお帰りを願っていたりもするので、無条件ではありません。あくまでリアの性格と、あと出生のもにゃもにゃが関わっています。 出生に関しては、母方に関してはすぐに予想がついたんですけど、父方はちょっと予想外だったですかね。あと従姉妹さんのキャラがけっこういい感じに裏切られた感じなので、彼女のその後を番外サイドとかで読んでみたいところです。
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No.2887
(読書)
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嫌われてたはずなのに本読んでたらなんか美形伴侶に溺愛されてます〜執着の騎士団長と言語オタクの俺〜
2021年12月11日(Sat)
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読書記録: ■嫌われてたはずなのに本読んでたらなんか美形伴侶に溺愛されてます〜執着の騎士団長と言語オタクの俺〜 第一王子のその後 https://www.alphapolis.co.jp/novel/220573124/321562113
女性という性別がとある事情で存在しなくなった、中世風異世界が舞台。 兄弟のうち長男とスペアの次男以外は、第二次性徴前に薬を飲んで体内に子宮を作り「ノンノワール」という身体に。そうして男同士で結婚し、子孫を作るのが当たり前の世界。 幼い頃の一目惚れから婚約、そのまま政略結婚した騎士団長エルムートは、成長するにつれ着飾ることにしか興味を持たなくなり、装飾品や華美な服ばかりをねだってくる伴侶に早くも嫌気が差していた。 結婚一ヶ月目のプレゼントを要求され、「オレに好かれたいなら、少しは学を積むと良い」と告げ、分厚い書籍を送ると、伴侶は泣いて自室にこもってしまった。 一方、伯爵令息だったフランソワは、格上の公爵家から縁談を持ち込まれた父に、「よほど美しさを気に入られたのだろう。美しさを絶やすな。兄弟たちの縁談のためにも」と教育されており、身分違いを覆すためにひたすら美を磨いていたという経緯があった。 完全にすれ違った二人だったが、贈られたその書物が状況を一変させる。 それは今では芸術的価値しか認められていない、解読方法が失われた古代語の書籍であった。こんなものを渡されても読めるはずがない。つまりは完全なエルムートの嫌味である。 涙ながらページをめくっているうちに、しかしフランソワには蘇ってくるものがあった。 “いくら時代が変わったとしても、文の構造までは大きくは変わらないはずだ。” “例えば現代語は、英語などの多くのヨーロッパ諸言語と同じく、SVOの構造をしているから……” 頭の中に、膨大な記憶が流れ込んでくる。 日本語英語ドイツ語韓国語イタリア語中国語フランス語アルファベットハングルひらがなカタカナ漢字……エトセトラエトセトラ。 フランソワの前世は ―― ありとあらゆる言語を嬉々として学ぶ、言語オタクであったのである。 前世の記憶を得たフランソワには、目の前の本が宝のように輝いて見え始めた。どうして今までアクセサリーなんかに金を使っていたのだろう、世の中にはこんなにも面白いものがあるというのに! そうして化粧を直すのも忘れ、古文書の解読に没頭し始めた彼は、たった数時間で古代の精霊術の基礎を復活させてしまう。 それが、王家どころか全世界をも巻き込む、重大な出来事への幕開けで……
結婚から始まる恋愛のち世界救済。BLでR18もの。連載中となってますが、本編は完結済みで後日談的番外編が続いています。 あと男性が出産可能という世界観な段階で、読む人はかなり選ぶかと^^;; 基本的に堅物すぎる騎士団長さんは、言葉が足りなすぎなところと、思い込み強くて視野が狭いところがちょっとマイナスとか、最初は思っちゃいました。まあ、前世の記憶を取り戻して性格が変化した伴侶と接することで、言葉足らずや一人で思い込むのは(むしろそこまで行かんでええというほど)改善されていきますけどww フランソワの方は、最初こそ乗っ取りかと思うほど性格が変化しましたが、話が進むにつれてそれまでの性格とか記憶とか価値観もちゃんとこちらの世界のものを保っていて、いい感じに融合していると言うか、同一人物のままですね。 前世についてはあまり語られません。もと大学教授で言語オタク。本が切れると生きていけないコミュ障(上から目線の偉そう系)だったというぐらいでしょうか。おかげで結構イイ性格になってますww いちおう、記憶を取り戻した理由もラストでほのめかされましたし。
そして千年間「女性」というものが存在しなかったおかげで、「性別」という概念そのものがなくなり、古文書の内容を知った王族たちが、「女性とは被差別民族だったのだろう。気の毒に」と評していたり、過去の焚書で情報が失われていたけれど、他国には残っていたとか、そういう描写が時代によって伝承が変遷していくリアルな感じで面白かったです(笑) そして後日談、宰相さんまさかのww これは単純なザマアよりも面白い結末だと思います。よくやった第二王子ww いろんな意味で、みんな幸せになればいいよ!
……それにしても、千年前の王族たちの選択は……苦肉の策だったのかもしれませんけど、普通にひどいですわ……もしもこの世界の千年前に女として転生したら、悪役令嬢なんてレベルではなく詰んでますなあ……
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No.2884
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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