断頭台に消えた伝説の悪女、二度目の人生ではガリ勉地味眼鏡になって平穏を望む
2022年10月24日（Mon）
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読書記録：
■断頭台に消えた伝説の悪女、二度目の人生ではガリ勉地味眼鏡になって平穏を望む
https://ncode.syosetu.com/n0744gz/
正式な王妃となりながらも、国王である夫は王太子時代からの愛人 ―― いや、恋人に夢中で、まったく顧みてくれることはなかった。公務にすら堂々と恋人を伴い、周囲もそれを良しとしている。そんな状況に耐えられなかった王妃レティシアは、夫に振り向いてもらおうと徐々に暴走し始めた。
高級なドレスや首飾りを購入したのは、綺麗だと言って欲しかったから。
タチの悪い商人と付き合いがあったのは、珍しいお茶を手に入れて夫を誘いたかったから。
化粧をするときにミスをした侍女を流刑に処したのは、綺麗な姿を陛下に見せたかったのに、それを邪魔したのが許せなかったから。
そうして彼女は、処刑された。公金横領の罪、民から集めた税金を不当に浪費した罪で断頭台へ登らされたのだ。
首を木枠で押さえられる寸前、なんとか見上げた陛下は、その瞳に何の温度も宿してはいなかった。
今だから言える。レティシアは残念すぎる頭を持った究極の馬鹿だったと。
侯爵令嬢レティシア・べニートは、物心ついた頃には前世の記憶を思い出していた。そうして今が二度目の人生であると理解し、当時の愚かな振る舞いを大いに反省した。
いや、ないわ……。税金の無駄使いに、悪い商人との繋がり、挙げ句の果てには侍女を流刑って、まじで最悪だわー、と。
そうして彼女は決意する。何も考えずにあんなことができてしまったのは、前世でまったく勉強をしなかったからだ。ドレスと化粧にうつつを抜かし、顔と家柄にしか取り柄がなかったから、政略で婚姻を決められた王太子殿下 ―― のちの国王にも愛されなかったのだ。
だから今度の人生は勉強に捧げる。ガリ勉地味眼鏡になって就職でもして、一度目の人生を償いながら、結婚なんてせずに生涯を過ごす！ 爵位剥奪の上に捕らえられてしまった両親を、もう二度とあんな目には遭わせない！！
そう決意した彼女は、かつて黒薔薇妃と称された美貌を隠すべく、魔法のかかった分厚い眼鏡をかけ、見事な黒髪もおさげにし、ひたすら目立たないことを心がけた。勉学に励みつつも、学園の成績は良すぎない程度のレベルを維持し、地味に慎ましく生きていく。
そうして日々を過ごしていた彼女だったが、ある日図書室で一人の男子生徒に出会った。
かつては夫であった、現在ではまだ王太子であるアグスティン殿下の従兄弟、カミロ・セルバンテス公爵令息。１回目の人生ではただ一人、王宮で他愛のない会話をしてくれた相手で、処刑される直前にも唯一助けようと動いてくれた人だった。
お礼を言いたいけれど、そんなことができるはずはない。それに彼は学園のスーパースターと呼ばれるほど人気がある存在で、現在の最底辺地味眼鏡が話しかけられるような存在でもない。
そう思っていた彼女だったが、歴史の勉強で頭を抱えている彼に、少しでも手助けができればと解説を申し出てみると ――
書籍化・コミカライズ・完結済。ダイジェスト化なし。
同一世界内での逆行もの。いちおう主役は元王妃のレティシアなんですが、むしろこれ元竜騎士のカミロのほうがいろいろとアレというか……もうね（笑）
一回目の人生で、憧れの人を救えなかったことを悔いて悔いて悔いて壊れたあげくにやらかした結果、逆行を引き起こした彼は、記憶を取り戻した瞬間から爽やかイケメンに見せかけたヤンデレというか、狂犬と化しますｗｗ 他キャラからもしっかり狂犬呼ばわりされてるので公認です。
コミカライズから入ったので、一回目で闇落ちしてるのは想像ついてましたけど、それを２回目でもがっつり引きずってるのがｗｗ
■断頭台に消えた伝説の悪女、二度目の人生ではガリ勉地味眼鏡になって平穏を望む - pixivコミック
https://comic.pixiv.net/works/8591
逆に一回目で『悪女』と呼ばれていたはずのレティは……すべてが終わってからの周囲の反応を知ると、流刑にされてた侍女さん（ちょっと天然）以外はその無責任さがむしろ腹立たしいというか、掌返しのおしゃべり雀にイラッとさせられたくらいには本当に理不尽な被害者で……
あとヒセラは、バレれば極刑って知ったうえでやってたんだから、あの末路は充分に温情ありだとは思いますけれども、ただ『悪い魔女』が野放しなままなのがちょっと消化不良でしたかね。
王太子？ あれはもうほんとにどうでもいいｗｗ プライドが高くて教養があるだけの馬鹿様なので、今後は誰の邪魔もせずに生きていってほしいです。むしろ逆に王位継承権返上とかやらかされたら、第二王子、ひいてはアロンドラが余計な責務を負わされそうなので、せいぜい馬車馬のように働いて王族の義務を果たせとだけ思いますね。
狂犬の手綱をとれるのが主人公だけというのは大好物なので、末永く幸せになって下さい＾＾
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No.3325
(読書)
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１０回婚約破棄された私が冷徹公爵様に溺愛されるなんて罠ですか？
2022年10月13日（Thr）
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読書記録：
■１０回婚約破棄された私が冷徹公爵様に溺愛されるなんて罠ですか？
https://ncode.syosetu.com/n8176hj/
田舎の領地でのびのびと育った伯爵令嬢シャルロットも、もう十九歳。幼い頃に決められた婚約者との結婚を前に、淑女らしくあろうと大人しくしていたのに、そんな彼女へと婚約者は公衆の面前で言い放った。
「シャルロット・エクフイユ！ 私は貴女との婚約を破棄する！」
「そんなもの、こっちから破棄するわ！ ヘイク・プレスト！」
公園を二人で散歩中、野犬に襲われた際にみっともなく逃げ回って尻を噛まれている彼を、シャルロットは枝を武器に救ってやったのだ。それなのにこの仕打ち。いくら親が決めた政略結婚の相手とはいえ、我慢がならない。
結局、お互い謝罪も歩み寄ることもなく。プレスト伯爵から謝罪文と正式な婚約解消の申し出があり、シャルロットは婚約者に捨てられた令嬢という汚名を被ることになった。
その後も縁談があるたびに何故か相手から解消され、気付けば九戦九敗。男やもめで子供が三人いる、二十歳も年上の子爵にさえ逃げられてしまった。
いつしか社交界では、�犇幻の畩遶瓩覆匹箸いΔ△戚召�つけられているらしい。
別に絶対結婚したい訳ではない。しかし両親を安心させたいし、兄夫婦に負担をかけたくもないのだ。条件は落としているし、あの日以来、特に目立って騒ぎなども起こしていないはずなのに、いったいどうしたものか。
思い悩む彼女へと、元婚約者だったヘイクから結婚式の招待状が届いてしまった。欠席するのは負けた気がするし、しかし一人で出席すれば笑いものになるだろう。両親にも気を使わせてしまうに違いない。
あきらめて結婚式に参列したシャルロットだったが、そんな彼女へと歩み寄ってくる男性がいた。二十代半ばの端正な顔立ちに、淡く輝く金色の髪と青灰色の瞳。まるで神の化身のような美貌の男性である。
隣国ライツェンのハルツハイム公爵と名乗った彼は、シャルロットと両親へ、礼儀正しく挨拶した。
「突然、このような場で不躾な申し出だとは思うのですが、お嬢様へ求婚する許可をいただきたいのです」
「……はい？」
レオンハルト・ハルツハイムといえば、この国へもその名が轟く、有能な宰相である。若くしてその座についた彼は、目的のためなら手段を選ばず、情も何も感じられない�猯篥袷雖瓩箸發辰僂蕕留修任△襦�
そんな彼からの突然の求婚劇に、両親も参列客もあっけにとられている。もちろん、式の主役である元婚約者もだ。それを見た瞬間、シャルロットの心は決まっていた。
「お父様、どうかお許しください。私は、公爵様からの求婚をお受けしたいと思います」
静まり返った式場内に響いたその声に、引き起こされる混乱 ―― ちょっと申し訳ない気もしたが、すっきりしたのも事実だった。
そうして初めて会う宰相閣下の妻として、急遽隣国へ嫁ぐことになったシャルロットだったが、冷徹と噂の彼は優しすぎるほどに優しく、シャルロットを気遣ってくれる。あまりにも優しすぎるので、もしかして自分は、身分違いの愛人を匿うための、形式上の妻として求められたのかと思い始めて……
結婚から始まる、割れ鍋に綴じ蓋なすれ違いカップル。現地主人公で完結済。
基本的に伯爵令嬢改め公爵夫人のシャルロットと、旦那で公爵で宰相な冷徹相レオン、その配下の密偵さんの、３人の視点が代わる代わる出てきます。
シャルロットはまあ……令嬢としてはかなりお転婆ですし、やることも破天荒でちょっと思い込みが強いところもあるけれど、基本的に人を思いやれるし努力もできる良い子です。旦那に愛人がいるかも？ とは思っても、あくまで確定事項ではないと理解しているし、それならそれで自分は妻として愛を射止めてみせる！ と実に前向きです。
そして旦那は……控えめに言って変態です（笑）
十二年越しでこじらせたその想いは、完全にストーカー。おまわりさんこっちです案件。
なまじ有能すぎるだけに世間にも誰にも興味を持てないでいたハイスペックが、予測のつかない行動をとり、己の知らなかった面をも引き出してくれるシャルロットを全肯定し、執着というか粘着しまくりです。
シャルロットのために世界征服を決意し、そしてシャルロットのために思いとどまる。笑顔の下で繰り広げられるぶっ飛んだ思考と行動は、ああこれギャグなんだなと理解するまではドン引きものでした＾＾；；
密偵さん視点は清涼剤。有能で冷徹な上司に常に無茶振りをされ、優秀な配下ゆうに３人分の働きを要求されても、うっかりこなしてしまうがゆえに一番貧乏くじを引いているかもしれない人です。こういうキャラ大好きｗｗ
密偵さんにも、誰か良い相手が見つかってくれると良いなあと思った読後でした。
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No.3315
(読書)
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准教授・高槻彰良の推察 ４巻 そして異界の扉がひらく
2022年10月10日（Mon）
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読書記録：
２年生になった尚弥は、史学科を選択した。専攻はまだ決めていないが、高槻の民俗学を選べないこともない学科である。そして高槻からのバイトがあるのも、昨年と変わらなかった。今回の依頼は建築設計事務所に務める二十代女性から。休憩時間に同僚たちと遊び半分で『四時四十四分の呪い』を試してみたところ、４という数字が並んだ差出人不明のメールが全員に届くようになり、しかも彼らは階段から落ちて捻挫したり、倒れてきた本棚の下敷きになるところを回避した直後に解雇を言い渡され、さらには通り魔に襲われたり、挙句の果てには届いたメールにパニックを起こして車道に飛び出し事故に遭うといった不幸に見舞われているのだという。次は自分の番ではないかと怯える彼女に、二人はまず呪いを行った現場と当事者を確認したいと、その建築事務所を訪ねることにした……「第一章 四時四十四分の怪」
江の島に人魚が出るというニュースが世間を賑わせていた。最初はスポーツ紙の小さな記事だったが、その後も目撃証言が相次ぎ、マスコミやネットで話題になっている。これを高槻が逃すはずもなく、「週末に人魚を探しに行こう！」と、佐々倉や尚弥も巻き込んで予定を立てていた。そんなところへ大学を訪れたのは、どこかで見たことがあるような印象の、５０代とおぼしき英国紳士。尚弥に声をかけてきた彼は、高槻に会いたいのだと居場所を尋ねてきた。俳優か誰かだろうかと思いつつ研究室へと案内すると、高槻は驚いたように叫んだ。「おじさん！ 来るなんて聞いてないよ！？」「ははははー、サプライズだ！」親しげにハグを交わす二人は、顔立ちも背格好も、少し浮世離れした雰囲気もよく似ていて……「第二章 人魚のいる海」
後継者にふさわしくないと、大学を卒業すると同時に手切れ金を渡され家を追い出された渉（わたる）は、ひとり英国へと渡っていた。友人と始めたアンティーク商が軌道に乗り、ひょんなことから手に入れたアパートメントには三人の入居者。そんなふうに生活が落ち着いた頃、クリスマスカードのやり取りすらろくにない、他人よりも遠い実家から連絡があった。姉の夫に「息子を預かってほしい」とそう告げられたその時まで、渉は甥の身に起きた出来事を全く知らないぐらいには疎遠だったのだ。そんな相手に息子を預けるというのか。もし自分が断ったのなら、この義兄はどうするつもりだったのか。まあいい。面倒ごとは大嫌いだが、アパートメントに空きはある。そう思って引き受けた渉だったが、いざ甥を迎えにゆく段になって、やはり後悔し始めていた。十五歳といえば難しい年頃だ。しかも事情が事情である。だがまあ行き場をなくした可哀相な甥が、そのまま部屋で引きこもりになったとしても、路頭に迷わせるよりはいくらかましだろう。改めて覚悟を決めた彼に話しかけてきたのは、かつての姉によく似た整った面立ちに明るい笑顔を浮かべた少年で。「おひさしぶりです。今日からお世話になります！」ハキハキした口調と礼儀正しいその態度に、渉はほっと胸をなでおろしたのだが……「【extra】それはかつての日の話２」
一気に新展開を見せた第四巻。
１巻では全て人が起こした事件、２〜３巻では「あれ、これってもしかして？」という感じでほんのり怪異を匂わせる程度でしたが、ついに来ましたよ！
１章目では、なんと尚弥くんと同じ経験をし、同じ体質になった成人男性がご登場。本当の意味の先達として、アドバイスしてくれる存在が尚弥くんにできました。そんな彼でも、過去の出来事に関してはなにかあったのか口をつぐんで「調べるのはやめておいた方がいい」としか言ってくれないんですが。
それでも最後の一文が、１巻の頃の尚弥くんと比べて「良かったねえ」と思わせられました。
そして２章目はもう、前々から話にだけは出ていた、海外の親戚こと、渉叔父さま！ もうこれにつきます（笑）
純日本人だけど英国在住の洒脱な紳士で、高槻先生をそのまま年取らせた上でちゃんと地に足をつけさせたような……という、見事なナイスミドル。イケメンで細身で背が高くて、人当たりよくお茶目な洒落っ気もあれば、愛する者のために手を汚すこともいとわず、自分のエゴだと判っていながら甥のためにと尚弥を巻き込みにかかる自称悪い大人って……完璧か！
そしてこの章でついに、科学では説明のつかない現象を二人は目の当たりにします。まさに「異界の扉がひらく」という感じでした。どういうふうに進んでいくんでしょうね、この先（どきどき）
あと今回も常識担当よくやった（笑）
「それは駄目ですやめてください！」に、出先で読んでるのに顔がにやけて参りましたよ。マスクしてて本当に良かったｗｗ
３章目の番外編は、渉叔父さまが十五歳の高槻を引き取って、英国で過ごしていた頃のお話。にこにこと朗らかにしている甥っ子に、「なんだ、何も問題のない良い子じゃないか」という第一印象を抱いた叔父さまが、転入した学校でのいじめ事件やクラスメートの誘拐未遂などを経て、異質さに気が付き、それでもなお家族として抱きしめるのがもうね。
たった三年間のことでも、高槻さんが今の高槻さんになったのは、確実にこの叔父さま（とアパートの同居人達）のおかげなんだなあって。っていうかこの頃の叔父さまは今の高槻先生とほぼ同じ年頃なんですよね。そう考えるとやっぱりすごい人だ、渉叔父さま……
そして前巻で気絶後に不思議な様子を見せた高槻さんが、もっと決定的な言動を取っていたことがついに判明。
うーわー……やっぱそっちに行くのかあ……ってか、よく見たらこれまでずっと夜空モチーフだった高槻先生のスーツが、次の巻で急に明るい色に変わってる？ そして普通だった尚弥くんの服が心なしか……って、えええ……深読みして良いのこれ……？？
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No.3313
(読書)
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身代わり婚約者なのに、銀狼陛下がどうしても離してくれません！
2022年10月06日（Thr）
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読書記録：
■身代わり婚約者なのに、銀狼陛下がどうしても離してくれません！〜４−５
https://kakuyomu.jp/works/16816700427203070306
暴君と称される国王に、国のしきたりで婚約者とされた義妹が失踪。ひとまず場繋ぎの身代わりとして王宮に差し出された従姉妹である義姉は、あっという間に国王とその周囲の心を鷲掴みにしていくけれど、義理の家族に長年使用人扱いされてきて自己肯定感が底辺であるがゆえに、どれだけ愛を囁かれても明後日の方に解釈していき……
書籍化、コミカライズ済。
……状態が「完結済」になっていたので、安心して読み始めたら、えらく中途半端なところで終わってました（−ー；）
この、作者名に「／ビーズログ文庫」って書かれているやつは、ビーズログ文庫公式アカウントで、いわゆる「続きは文庫で〜〜」ってやつなんでしょうか？
ちょっと消化不良でした。
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No.3307
(読書)
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エリート外交官は落ちこぼれ魔女をただひたすらに甘やかしたい
2022年09月07日（Wed）
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読書記録：
■エリート外交官は落ちこぼれ魔女をただひたすらに甘やかしたい
https://ncode.syosetu.com/n4907fx/
先代が一山当てて財をなした大商家の次女なるも、庶子かつ国民の９９％が魔法を使えるサジャール国の中で、魔法を使えない１％として生まれてしまったために、家族から下女以下の扱いを受けている少女カトリーン。そもそもが魔法ありきの国なこともあり、マッチや火打ち石すら存在せず、井戸にもポンプどころか滑車や釣瓶すらついていないとあって、毎朝他の使用人より何時間も早く起き、木を擦り合わせて火をおこしては、ロープを付けたバケツで水を汲むところから始まる日々だ。
当然、必要なものを買ってもらうことも、小遣いもないので、庭に自生している薬草を摘んでは調合し、町の薬屋に買い取ってもらうことで小銭を得て、最低限の衣服などを賄っていた。しかしそれさえもが家族からは、『臭い』『汚い』と罵られる理由になっている。
そんな生活の中で、父親が縁談を持ってきた。相手は親子ほども年の違う、しかも特殊性癖を持つ変態伯爵だという。もうこれ以上は耐えられないと家出を決意したカトリーンは、街の占い師から聞いた「運命の相手は東にいる」「異国の街並みと漆黒の鎧、ワイバーンに乗っている景色が見える」という言葉を頼りに、昨年王女が嫁いだというハイランダ帝国の、住み込みの求人募集へ応募することにした。
幸い、父親が格安で買ってきたものの結局捨て置かれている異形のワイバーン、テテがカトリーンに懐いており、従魔契約を結べない彼女でも背中に乗せてくれた。そうして一週間をかけてハイランダ帝国へとたどり着いたカトリーンだったが、しかし求人はすでに締め切られていた。
たどり着いたばかりの異国で、知人もお金もない。いったいどうすれば良いのかと途方に暮れた彼女は、ふと道端に立つ男性に目を止める。その人は非常に疲れているようで、何より目が死んでいた。
週末に通っていた教会の神父様は、人に親切にされたかったら、まずは自分が人に親切にしなければなりませんと常々言っていた。
「あなたも大変ですわね。どうかこれでも食べて元気を出して」
手渡したのは、旅の途中で作った、カトリーンお手製の魔法薬入りクッキー。疲労回復効果があり、本来なら今日から働く職場へと、挨拶代わりに持参したものだった。そちらでは無駄になってしまったが、このお疲れの男性に食べてもらえれば、それはそれで本望だ。
「どうかあなたが心安らかでありますように。ごきげんよう！」
よし、一日一善の目標は達成した。これできっと、今日はいいことがあるはずだろうと、カトリーンはその場をあとにする。
その後 ―― 薬局を営む老夫婦のもとへ住み込むことができた彼女は、家事や店番をしたり、魔法薬を調合して売ることで、どうにか新しい生活をスタートさせた。そうして一ヶ月。そろそろ魔法薬の材料が尽きてきたので、テテに乗り街を出たカトリーンは、良質な薬草がたくさん生えた湖のほとりで、以前クッキーを渡した男性と再会して……
転生・乙ゲー要素なしの現地主人公もの。書籍化済で完結済。
「夢見の魔女〜」「堅物閣下はわけあり男装令嬢を〜」と同じ世界観の二作目。時系列は夢見〜の１年後で、男装令嬢〜の１年前みたいです。読む順番は 夢見〜 → 本作 → 男装令嬢〜 推奨。
なお夢見〜でフレイクという名だったキャラは、この話以降、レオナルドと改名されています＜書籍化関連での理由とのこと
今回のヒーロー役は、側近四天王の外交担当、フリージさん。
恋人は癒やしをくれる人が良くて、その相手をべったべたに甘やかしたいという願望を持っているけれど、皇帝の側近という立場から肉食系の令嬢ばかりに狙われてお疲れ気味です。他の３人のうち２人は、夢見〜でお相手見つけちゃってますし、残りの一人は堅物が過ぎて女性が近寄りがたいタイプなため、いろいろ集中しちゃってるというか。
そこへ持ってきて、政務は忙しいわ、お忍びの護衛をしていたら皇帝夫婦の砂糖爆弾とも評されるラブラブ甘々いちゃいちゃを見せつけられて、死んだ目をしていたところへ通りすがりのカトリーンちゃんが、地位とか全く関係なしに癒やしてくれた、と言う訳で。
……正直、カトリーンちゃんが占い師の話を聞いてる時は、「恋に恋する少女、夢見る乙女」とか評されていたのでちょっと警戒していたら……普通に共感できる主人公でした。むしろ三部作の中では一番好感が持てたかも……？
あの生育環境で「情けは人の為ならず！ 巡り巡って己がため！」と、前向きに一日一善を心がけ、結果的に自力で己の生活基盤を整えた彼女はすごいと思います。ヒーローとの再会は、ちゃんと新しい生活を軌道に乗せてからですからね。
その後もギリギリまでフリージさんには頼らないし……いやまあ、そこは素直に話持っていけよとは思いましたけど、ちゃんと後から自分で反省してますし。魔法が使えないというマイナス部分も、もともと魔法が存在しないハイランダ帝国に来たことで、まったく意味をなさなくなってますし。
まあ気の毒だったのは、当て馬にすらなれなかったガリエットくんですかね……（苦笑）
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No.3273
(読書)
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ひょんなことからオネエと共闘した180日間
2022年09月05日（Mon）
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読書記録：
■ひょんなことからオネエと共闘した180日間
https://ncode.syosetu.com/n6835ez/
現地主人公の異世界ＦＴですれ違いラブコメ。
書籍化、コミカライズ、完結済、ダイジェスト化なし。
「夢見の魔女と黒鋼の死神」「堅物閣下はわけあり男装令嬢を逃がさない！」などの三沢ケイさんのお話。
幼い頃に茶会で会った少年を忘れられず、婚約を申し込んだは良いものの、相手はとんでもない女たらし。婚約者である主人公を放置して浮名を流しているのを悲しく思っていたら、王室付き美容アドバイザーのオネエさんが「悔しくないの！？ 綺麗になってギャフンと言わせてやりなさい！」と言い出し、強制的に始まる美容強化合宿の日々。その中で主役は、いろいろな意味で成長しつつ……的な。
主役の思考が常に斜め上を行く感じで、合わない人はとことん合わないんじゃないかなあと思います。
前向きだし勤勉だし、他人の趣味嗜好に寛容な器の大きい、良い子ではあるんですけどね……
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No.3271
(読書)
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永年雇用は可能でしょうか
2022年09月02日（Fri）
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読書記録：
■永年雇用は可能でしょうか
https://ncode.syosetu.com/n5763hc/
ルシルが使用人として三年間働いた屋敷は最悪だった。街の名士という見栄からか給金こそ高かったが、それ以外に良いところなどまったくない。夫人はいつもイライラしていて、物や人に当たり散らす。しかも夫の浮気を疑いながら、自分は若い貴族に目がないという矛盾ぶり。使用人は互いの仕事を押し付け合うばかりだし、さらに有害だったのは旦那様だ。何故かルシルに目をつけた彼は、頻繁に声をかけてきたり身体に触れようとする。波風を立てぬよう全力でやんわり遠ざかっても、日々仕事の中に面白味を探している同僚達にかかれば、「アヤシイ」関係だとされてしまう。
かくしてルシルは「この泥棒猫！！」という夫人の罵倒と平手打ちを受け、屋敷を追い出されたのであった。
晴れて無職となった彼女だったが、このまま同じ街で職を探すのは危険だった。あの奥方のことだから、どこでどう矛先を向けてくるか判らないし、場合によっては比喩でなく本当に刺しに来る可能性もある。
そう思った彼女は、遠く離れた土地を目指した。
コートデューの街は、小さいが活気があり、自然に囲まれた住みやすいところとのこと。穏やかで、静かそうなのがまた良い。電車で一晩かけて終点コートデューにたどり着いた彼女は、さっそく職を探し始めた。希望はもちろん、住み込みの家政婦だ。
ところがこの小さな街では、使用人を雇うような家などほとんど存在せず、どこも手が足りているらしかった。
最悪、ウエイトレスやお針子、洗濯屋などでお金を貯め、数か月したらまた違う街に引っ越すのもありかもしれない。
そう思い始めた彼女へ、数日して商工会の会長がひとつの話を持ってきた。なんでも先ほど『先生』が、直接商工会に足を運び、家政婦を雇いたいと言ってきたらしい。
「お医者様ですか？ それとも学校か何かの」
その問いに、首が左右へ振られる。
「先生は……『魔法使い』です」
そういう人が、世界にいるとは聞いたことがある。ただそういう人達はほんの一握りで、ルシルは一生縁のない世界の話だと思っていた。
聞けばその『先生』とやらは、街の人々からとても尊敬されているのだが、お手伝いに行った者はみな、一週間も保たなかったのだと言う
しかし彼女に選択の余地はなかった。
「ありがとうございます。是非よろしくお願いします」
そうして彼女が案内されたのは、街外れの森の中にある一軒家で ――
転生・トリップ要素なしの現地主人公もの。書籍化、コミカライズ、程よい長さで完結済のダイジェスト化なし。
作者様いわく、「クーデレイケオジ魔法使いと前向きお気楽家政婦が、生活にカットインしてくる色んなことを魔法を使ったり使わなかったりして乗り越えつつ、お互いへの気持ちを育む恋愛ファンタジー」。
世界観としては、産業革命後のヨーロッパっぽい感じでしょうか。電車があるし、工業化も進みつつあるけれど、でも魔法使いに関しては一生会えないぐらい希少だとは言いつつも、実在が普通に信じられています。
理不尽な理由で解雇されたルシルちゃんが、落ち込みつつも前向きにきちんと地に足つけて、再スタートを切る姿が実に格好良く。
あと、仕事をより良くするためにと雇用主を観察しながら、「野生動物の観察をしているようだ」とか、「か、かわいすぎます先生」とか内心で言ってる、そのからっとした性格が読んでいて安心できました。
途中から入ってくる先生側の視点も、ちょっとズレてて楽しいです。
ところで先生がご飯食べる時に合掌してたり、家を土足禁止にしてたのはなんでだったんだろう……この先トリップ要素が！？ と、うっかりラノベ脳で勘ぐっちゃいましたよ（苦笑）
なお、実は先にコミカライズを読んで続きが気になって、原作探して読了したんですが……本編終了後の番外編「僕の友達」で、涙腺が決壊しました（ Ｔ ＾ Ｔ ）
あの話はズルいよ！ 必要な話だったとは思うけど！！
該当箇所に到達したのが、一人で部屋に籠もってる時で本当に良かった……ううう、視点がイーダだってのがまたズルすぎる……彼はきっとこの先の長い一生の中で、ずっとずっとこの時のことを忘れずに、宝物のように何度も思い返しては、どうしてもっとと後悔もするんだろうなあ……
■永年雇用は可能でしょうか〜無愛想無口な魔法使いと始める再就職ライフ〜 - pixivコミック
https://comic.pixiv.net/works/8536
絵柄の雰囲気がすごく作品にあっていると思います。
特に先生のイケオジっぷりが素晴らしい……
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No.3266
(読書)
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夢見の魔女と黒鋼の死神
2022年08月27日（Sat）
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読書記録：
■夢見の魔女と黒鋼の死神（なろう版）
https://ncode.syosetu.com/n6721es/
転生・乙ゲー要素なしの現地主人公もの。書籍化済で完結済。
「堅物閣下はわけあり男装令嬢を〜」と同じ世界観で、時系列は数年前。皇帝夫婦が結婚する頃のお話です。どうもシリーズで三部作になっていて、男装令嬢〜は３作目。こちらの夢見〜が１作目だったようです。まあ、どれも独立して読めるというのは納得できましたけど、でもやっぱりこっち先に読んだほうが良かったかもとは思いました＾＾；；
あ、男装令嬢〜でのヒーロー役だったレオナルド騎士団長は、こちらだと名前がフレイクさんになっています。なんでも書籍化するにあたって、フリージと似ていて混乱するから改名したとのことでした。まあ私は事前にそれ知って、テキストの名前を全部書き換え置換してから読み始めましたがｗｗ
ただそれでも側近四人は正直、この時点では区別つきにくかったッス……いちおう、カールさんがファーストコンタクトのチャラい系で、デニスさんが次期宰相候補ってのは、終盤になってようやく判ってきましたけど。そしてフリージさんは、次の２作目「エリート外交官は落ちこぼれ魔女をただひたすらに甘やかしたい」を読めばキャラ立ちしそうですが。
そっちも読み終えたら、３作目の男装令嬢〜も改めて読み返そうかなあ。
で、内容的には、タイトルとあらすじで危惧していた、恋に夢見るお花畑なお姫様主人公ではなく、ちゃんと国益考えて行動できる、有能かつ欲しい物には外堀埋めまくっての全力一直線なキャラでした。
父の側近と後妻の王妃（義母）によるクーデターで家族を亡くし、人間不信＆若すぎる予定外の即位から、臣下や周辺国家に舐められないよう残虐非道の冷血キャラを演じている皇帝陛下。そこへ政略結婚でやってきた、全く異なる文化基盤（主に魔法とか、馬代わりにワイバーン使用とか）のお姫さま。
お姫さまは、やっと見つけた運命の相手！ と、そっけない応対にもめげずぐいぐい押せ押せで、国内の問題も次々片付けていき、結果的に皇帝陛下がほだされちゃうというか、これ男女の立場が逆なんじゃ……（笑）
しかも夢見の能力によって、会う前から皇帝陛下のことを知っていたお姫さまと、かつて夢の中で出会っていたことを全然覚えていない皇帝陛下との温度差が、「あの姫は頭が少しやられている」「お飾りの皇后であれば隠し通すことも可能だが、外交の場に出した場合、諸外国に頭の弱い皇后として噂が蔓延しかねない」「どこかから側室を娶るか」などと思われているレベルからの始まりです。よくめげなかったなお姫さま……
２章あたりで二人の関係はほぼすれ違いがなくなり、３章ぐらいからは甘々どころか溺愛レベル。わざと流している残虐キャラの噂のせいで、ＤＶ疑われる程度には独占欲も強くなってます。いやあれは確かにＤＶつっても良いと思う……それを姫さまも喜んじゃうんだから、結局は割れ鍋に綴じ蓋ですねえ（苦笑）
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No.3260
(読書)
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堅物閣下はわけあり男装令嬢を逃がさない！
2022年08月22日（Mon）
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読書記録：
■堅物閣下はわけあり男装令嬢を逃がさない！
https://ncode.syosetu.com/n9591go/
十七歳となり社交界デビューし、年に一度、皇后陛下が主催する大規模な舞踏会に参加した子爵家令嬢、アイリス＝コスタ。
そんな彼女は突然、婚約者から婚約の解消をつきつけられていた。
「アイリスは俺のこと、好きじゃないだろう？ いつも弟にかかりっきりだし」
ふてくされたように言う婚約者の後ろには、小動物を思わせるおどおどした様子の少女がいた。しかもその両手は、腹部をかばうように当てられている。
つまりは、そういうことだ。
「何が『支える自信がない』よ！ 不貞を働いただけじゃない！ しかも正式な結婚前に子供を作るなんて！」
こんな男、こっちから願い下げだとばかりに拳を繰り出した彼女の前で、婚約者だった男は数メートルはふっとばされた。
「なんて女だ」だとか「とんでもない乱暴者ですわ」とか聞こえてくるが、意に介さずテラスから会場へ戻ろうとすると、そこには一人の男が立っていた。
女としては長身のアイリスでも見上げる程に背が高く、茶色の瞳は猛禽類を思わせる鋭さがある。
「言いふらすの？」「何をだ？」「今見たことよ。私がとんでもない乱暴者だって」「言わないな。言う必要もないし、そもそもお前が誰か知らん」
そうして男は笑みを漏らす。
「なかなかよい拳だったな」と。
その場はそれで終わったが、しかしことは急を要していた。
アイリスが暴力を振るったことで、婚約解消の違約金はなくなり、アイリスには婚約を破棄された令嬢という汚名だけが残った。しかも結婚の予定がなくなったことで、期待していた相手の家からの援助もなくなってしまう。
コスタ家は騎士爵から手柄を立て、こつこつと地位を上げていった名門である。しかしアイリスが十一歳の時に起きたクーデターで近衛騎士団長だった父は命を落とし、母もまた十四の時に馬車の事故で亡くなってしまった。遺されたのは双子の弟と、維持する費用にも事欠く屋敷と、わずかな使用人のみ。
しかもそんなところへやってきたのが、父方の叔父シレックである。後見人を名乗ったその男は、残り少ないコスタ家の資産を搾取していくばかりで。
さらに次期当主となるべき弟が、社交界デビューを目前にして病に倒れた。ベッドから起き上がることもままならない。このままでは叔父に家を乗っ取られてしまう。
コスタ家を守るため、アイリスは決意した。騎士爵の名門の子息は、無試験で騎士団に入ることができる。ならば弟の病気が治るまでの間、自分が彼として ―― ディーン＝コスタとして騎士になろう、と。
そうして家へ給金や皇都のよく効く薬を仕送りしながら、コスタ家の子息として実績を上げ、弟が快癒した際には領地への転任を願い出る。誰も偽のディーンを知らない場所で、再び入れ替われば良い。
自慢だった琥珀色の髪をばっさりと切り落とし、アイリスは男装して皇都騎士団の入団式へ向かった。
そうして再会したのは、あの時、舞踏会の会場で出会った男。アイリスの拳を褒めてくれた彼は、皇都騎士団の団長かつハイランダ帝国軍の副将軍レオナルドで ――
転生・乙ゲー要素なしの現地主人公もの。書籍化済で完結済。
感じとしては、古典の「とりかえばや（ざ・ちぇんじ）」的な？ あと「詐騎士」とか……「銀河の果てでつかまえて！」なんてのもあったなあ（歳がバレるｗｗ）
事情があって、兄弟の代わりに性別を偽って生活。なんやかんやでお相手見つけて、すったもんだはあるものの、最後はめでたしめでたしといったところ。
職務上の相方には、かなり早いうちに性別がバレるものの、これがまたすっごく良いやつで、某宰相中将のようなことは一切ありません。もともと恋人持ちですし。
で、ヒーローたる騎士団長さんは、ちゃんと調査してアイリスの事情を全部突き止めた上で、いろいろと手配してくれてます。まあ私情もけっこう入っていて、良いのかそれはと思う気持ちもなくはないんですが。需要と供給と本人の努力と資質と実績が釣り合った結果の、情状酌量込み的な采配ってことで。
職務上の事件はいろいろ起きるものの、恋愛面でのすれ違いはほぼありません。
書籍版タイトルには「溺愛」の文字が入ってますけど、少なくともこのＷＥＢ版ではそこまででもなく、破れ鍋（騎士団で男に混じって、平均より上の評価をもらえるご令嬢）に綴じ蓋（堅物朴念仁すぎて女性への気遣いが壊滅的）のお似合いカップルという感じでした。
ザマアに関しては、元婚約者はほぼ空気。主役と関係ないところで勝手に報いを受けてます（笑）
騎士団内でいろいろ因縁つけてきてやらかした同僚については、同情の余地皆無ですね。嫉妬したり気に入らなかったりというのは仕方なくても、やらかす内容が己の職務というか騎士の騎士たる所以を全否定してる感じで。そもそも情報を手に入れたのなら、それそのまま上司に報告すれば済むだけなのに、なんであんな面倒かつ周囲を巻き込む厄介な行動に出たのやら。
……もう死刑にならなかっただけ、ものすごい酌量というか。ひとえにお家（立場的にはコスタ家と似た感じの騎士爵名家）の人達に感謝しろよ！ というレベルでした。まあしないんでしょうけどね。
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No.3253
(読書)
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異世界に救世主として喚ばれましたが、アラサーには無理なので、ひっそりブックカフェ始めました
2022年08月13日（Sat）
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読書記録：
■異世界に救世主として喚ばれましたが、アラサーには無理なので、ひっそりブックカフェ始めました
https://www.pixiv.net/novel/series/1035507
書籍化・コミカライズ・完結済・ダイジェスト化なし。
ピクシブ掲載の作品です。メインは、朴念仁アラサー同士のもだもだ系恋愛。
お約束の神様召喚で、神様的には異世界の人間を送り込むことで世界のバランスを取っているので、行ってさえくれれば別にそこまで活躍してくれなくていいけれど、みんな喜んで行ってくれるよ？ まあ拒否権はないけどね。そして欲しい能力もつけてあげるけど、何故かみんなひとつだけと思いこんでるみたい、という感じ。
しかし現地の方では、時おり異世界よりやってくる強大な魔力を持つ存在を、救世主様と呼んで大切に受け入れ、その力で国を守ってもらう……のが当たり前になってまして。
それなりに現代地球で生活基盤を築き、既にアラサー女子となっている主人公は、チートでヒャッハーとか魔王討伐でオレＴＵＥＥＥＥをやる気はさらさらなく。神様へ冷静にいろいろ質問しまくって、強制転移なら搾り取れるだけ搾り取ってから行ってやる！ と、あれもこれもつけてもらって、争いだらけの世界の中でも比較的平和な国を選択。町から離れた人気のない場所に、老後にやれたら良いなあと密かに思っていたブックカフェを開店させて、まったり引きこもり生活を満喫してます。
なにしろ神様から、その世界にあるものなら何でも対価・制限なしでお取り寄せできる能力までもらっちゃってるので、完全に自給自足が成り立ってまして。開店から三ヶ月、お客様一人も来なくても何ら困らないというね（笑）
そして自分は、絶版本含めて高級家具やら食材やら、あれもこれも取り寄せまくっての読書三昧。何その夢の生活ｗｗ
まあ本人が平穏に暮らしていたくても、他に送り込まれた『救世主様』のおかげでトラブルが発生する訳ですが。
でもまあ……こちらの『救世主様』も、被害者っちゃー被害者ではあるんですよね……完全ランダムで選ばれて、拒否権なしで送り込まれた未成年な訳ですし……そちらの方のフォローが、ちょっと欲しかったかなあと思わなくもなく。
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No.3239
(読書)
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| プロフィール |
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神崎 真（かんざき まこと）
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り（主にタティングレース）などにも没頭しています。
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