よしなしことを、日々徒然に……
※ 2017年以前の記事は こちら になります ※



 最強の鑑定士って誰のこと?〜満腹ごはんで異世界生活〜
2018年05月25日(Fri) 
読書記録:
■最強の鑑定士って誰のこと?〜満腹ごはんで異世界生活〜 129.ご飯が進む、照り焼き肉をどうぞ。
 https://ncode.syosetu.com/n7216dr/

学校帰りに異世界トリップした男子高校生 釘宮悠利は、気がつくとダンジョンの中にいた。もしかして……と思って確認すると、自分のステータスを見ることができる。

 名前:ユーリ・クギミヤ
 職業:探求者
 〜中略〜
 運:∞
 技能:【神の瞳】レベル∞
 装備:学生服(神の加護付与∞)

あ、これ人に知られちゃ駄目なヤツだ……
鑑定系最上級スキルがカンストどころか∞なうえ、着ているものや持ち物も明らかに明らかにおかしなことになっている。普通にチートというやつだった。
しかし悠利が求めるのは、平穏と平和と趣味を堪能できる世界だ。面倒くさいことには巻き込まれたくない。
誰かに訊かれたら、駆け出しの鑑定士とでも答えておこう。そう決めた彼は、ダンジョン内で運良く出会えた冒険者クラン《真紅の山猫スカーレット・リンクス》の面々に連れられて、ひとまず彼らのアジトへ迎えられることとなる。幸いにと言うか、迷宮内には転移トラップが存在することもあり、異なるダンジョンへ飛ばされることも珍しくはないのだそうで。彼もまたそういった事故によって、遠い異国からやってきたのだと判断してもらえたのだ。
そして《真紅の山猫》は20名ほどの小規模クランらしい。ノリと勢いで突っ走りがちな若手冒険者の将来を憂えた先代が、新人達の教育を行うために立ち上げたクランで、一人前になった者達は次々と卒業していく、養成所のような場所なのだという。
ダンジョンで悠利を見つけた男アリーは、そこの二代目リーダーであった。職業は真贋士、スキルは魔眼。現状、実在が確認されていない【神の瞳】の下位互換であり、事実上は鑑定系最上位とされているものだ。それもMAXレベル(ただし片目を失ったことにより半減している)。
そんなアリーは悠利の異常性を即座に見抜き……そして頭を抱えていた。スキンヘッドに眼帯、前衛もガッツリこなす充分チートクラスな彼は、しかしどこまでも常識人で苦労人ポジションな、オトン属性の持ち主だったのである。
コレを放置していたら大変なことになると早々に悟った彼により、帰る方法が見つけられるまで悠利は《真紅の山猫》のアジトに住まうこととなった。とはいえ悠利は別段冒険者を目指している訳ではない。なのでできることと言えば、食事係や掃除、洗濯といった雑務ばかりだ。
不満? とんでもない!
何故なら悠利は、綺麗なものと可愛いものが大好きで、家庭科の授業も大好物。料理も裁縫もお掃除も洗濯もどんとこいな、乙男(オトメン)だったのである。
チートで無双なダンジョン攻略? なにそれ美味しいの?? そんなものより男のくせに気持ち悪いとか言われない状況で、心ゆくまで趣味の家事に勤しみ、ハンドメイドに耽溺したいじゃないか。
そうしてここに、異世界転移してチートも貰ったのに、全然気にせずオトメン街道を突き進み、主夫っぽい生活を満喫する少年のお話が始まるのであった……


「ヒトを勝手に参謀にするんじゃない、この覇王〜」の作者さんの別話。連載中。書籍化・コミカライズ済、ダイジェスト化なし。
なんで異世界トリップしたのかとか、元の世界に未練はないのかとか、そういうところはほとんど語られることなく、のんびり無自覚マイペースにスローライフをやってるオトメンの話です。なおクランの面々はほぼ全員(一部部外者も)胃袋を掴まれてます。
クランメンバーには、固定面子である【指導係】と、その指導を受けている【訓練生】と、まだそこにすら到達できていない【見習い】の三種類がいて、なんだかんだで【指導係】の面々はほぼチートクラスです。特にアリーさんと、外見騎士の雰囲気侍的な前衛ブルックさんは反則。
あ、100話以上過ぎてから語られるような相当なネタバレも普通に載っているので、キャラ紹介に目を通す場合は要注意です。 ……ブルックさんの設定とかすんごい好みなのに、それを先にキャラ紹介で知ってしまったのが _| ̄|○
あと欠損回復薬が普通に存在する世界で、なんでアリーさんが隻眼のままでいるのかとかもちゃんと理由があるんですが。それさえも回復薬の存在が語られるのが69話で、目を治さない理由が出てくるのが126話目と果てしなく間があいているので、細かいところが気になる短気な方にはあんまり向いていないかもです(苦笑)
No.381 (読書)


 私は隣の田中です
2018年05月21日(Mon) 
読書記録:
■私は隣の田中です 〜花火と浴衣、時々退魔 (第二話 杉野&柳田)
 https://ncode.syosetu.com/n4782cr/

天涯孤独のOL鈴木麻衣の魂が異世界トリップした先は、彼女がつい先程最終巻を買ったばかりの、現代サイキックホラー小説『闇の慟哭』……に、非常によく似た世界だった。
主人公の退魔師 如月悟はとにかくイケメンで、毎巻異なるヒロイン達と関係を持つ、どちらかと言うと男性向けの濡れ場の多い小説で。
意識を取り戻した時、彼女はエレベーターの中でそんな如月に抱き起こされていた。
どうやら彼女は、如月が住むマンションの隣人 ―― 一作につきワンシーン登場すれば良い方である、名前があるだけマシなモブ女性 ―― 田中舞の身体に憑依してしまったらしい。いや、厳密に言えば憑依したのではなく、よく似た過去や感性を持っていたその田中と、魂が溶け合い融合してしまったようなのだ。
高校生の頃から憧れだった小説のヒーローの、隣人となってしまった。しかもよく思い返してみれば、田中がエレベーターの中で抱き起こされるというのは、第一巻冒頭のエピソードではなかったか。
それではこれから、一巻目の事件が起きるのだろうか。
そんな事を考えていた田中舞=鈴木麻衣=マイの前に、和服姿の少女が現れる。それは普通の人間には見えないはずの、如月が使っている式神で……

現代世界から現代FT世界への憑依トリップもの。本編は数年前に完結済ですが、外伝や小噺が時々投稿されているようで、最新小噺は3ヶ月ほど前にUPされてます。
異能力者達が、公にはなっていない影の組織 防魔調査室として国家公務員をやっている世界へ、原作知識ありでトリップ。二人分の魂が融合した結果、霊能力&霊的魅力が振り切れるほどUPして、見た目は平凡でも霊能力のある人や妖の類には絶世の美女に見えるようになっちゃったという総愛され系。
ただし原作知識と実際に起きる事件は、ほんのりテイストやキーワードが似通っているだけ。さらに基本オカルトありきの世界なので、魂が重なってることとか早々に他キャラ達に見抜かれて、秘密とかほとんどなく最初から洗いざらい全部事情を話して協力しあってます。
そして如月からは溺愛と言うか、むしろそれ完全にストーカー……的な嫉妬まみれのアプローチをひたすら受けまくっているんですが、なにしろ融合した二人共が生まれてからずっと凡庸だったという人生経験を持ち、さらに憑依した麻衣の方が自分はモブキャラという認識で凝り固まっていて、ちょっとイラッとするぐらいに難聴鈍感系を地で行ってます。
……まあ、本編終盤あたりで、そのあたりがらっとひっくり返されると言うか、彼女が読む前にトリップしちゃった最終巻には記されていた、いろいろな事情がある訳なんですが。
トリップした先が何故小説に酷似していたのかとか、きちんと説明がなされているのは、この手の作品として好感が持てるところでした。
No.371 (読書)


 辺境の老騎士 バルド・ローエン 3巻
2018年05月19日(Sat) 
読書記録:

なろう発、引退した老騎士の死出の旅から始まる壮大なるエピックファンタジー(ただし普段は食べ歩き珍道中)、コミカライズの3巻目。
行動範囲内の本屋さんで掲載誌が扱われなくなり、立ち読みできていた部分まで追いついてしまいました(しょぼん)
原作小説では第一部が終わって、第二部が始まったあたり。コエンデラ家の一件が片付いて新たに旅立ったバルドが、愛馬との別れを経て新たなる道連れ鉈剣と出会うところまでです。
巻末書き下ろしSSはバルド29歳、アイドラ姫15歳のみぎり。鈍感バルドと年頃でお料理修業をしているアイドラ姫との初々しすぎる交流でした。
微笑ましい気持ちになりながらも、ああもうカルドスさえ余計なことをしなければ、この二人は……っって切なくなってしまいます。でもそうするとジュールランは生まれないし、その後の世界の命運は……とか考えると複雑なんですけど!
っていうか、アイドラ様の気持ちが本当に判らない……あの世界のどうしようもない柵(しがらみ)の中で、自分に可能な精一杯を生ききった彼女は素晴らしい人だと思うのだけれど。それでも彼女自身に選択の自由があったのならば、本当の本当のところは誰を選びたかったのか。そして最後までその心の奥底にいたのは、果たして誰だったのだろうと、そう思ってしまいます。

そしてバルドがカルドスの城に乗り込んで、すべての真相を明らかにするべく静かに話を続けた、その最後の最後。
憤怒を爆発させる場面は実にお見事でした。
その回は、バルドの表情がまったく出てこないんですよ。常に逆光になっていたり、目元や口元が隠れている。でも、だからこそ伝わってくる感情の強さがたまらんです。
それとは逆に、そんなバルドに対して喜色満面で向かってゆくジョグ=ウォード。こちらも期待を裏切らない対決シーンでした。
他にも王子の髪の長さで時間の経過を表してるところとか、ワインを飲む金属製のゴブレットの彫り模様の質感とか、細かいところまで実に行き届いてますし。
いやあ、このコミカライズは本当に、相性の合う絵師さんに担当してもらえたなあとしみじみと。
No.367 (読書)


 人狼への転生、魔王の副官9 〜魔王の花嫁〜
2018年05月17日(Thr) 
読書記録:


296話「黒狼卿の不在、魔人公の憂鬱」〜320話「未来への投資(下)魔王養成コース」までが収録されていました。
相当前に伏線が張られていた、何故追放された元老院の面々が一つの方向を目指していたのか……が回収されつつ、シリアスさんが大仕事? と思いきや、あっという間に片付いて元老院涙目ww
そして残された最終兵器がアイリアを乗っ取って、すわ!? かーらーーの、鈍感主人公ようやく気持ちを自覚してフィニッシュですよ。
ほぼ一冊、まさにヴァイトが幸せになるためだけのお話みたいな感じでした(笑)

巻末書き下ろしはヴァイトとアイリアの新婚旅行。その他パーカーやウォーロイの過去が伺える語りなどちまちま増えていましたが……事ここに至ってもやっぱりフォルネ視点がない(´・ω・`)

1巻と表紙のデザインが揃えてあるのも面白いはからいですvv



1巻ではお互いに武装状態だし視線も合っていないのが、9巻ではどう見てもラブラブ状態なのがまた★
「魔王『の』花嫁」という、ダブルミーニング的なサブタイトルも非常に好みでした。

さて次回からはクォール編ですね。
どうやら脇役艦長〜の書籍化と〜クイーンメーカーの続刊も決まったそうですし、今後が楽しみです。
人狼〜読者で脇役艦長〜未読の方は、いろいろと損しておりますぜ?
脇役艦長〜には、あの人についての情報がいろいろと小出しにされているのですよ、ふふふふふ。
No.364 (読書)


 航宙軍士官、冒険者になる
2018年05月13日(Sun) 
読書記録:
■航宙軍士官、冒険者になる 〜061.クラン始動
 https://ncode.syosetu.com/n3490ee/

300近い惑星と、2000に及ぶその植民星が加盟する人類銀河帝国。彼らは謎の生命体バグスとの長き戦争を続けていた。
人類の肉を好む昆虫型生命体バグスとの間に、和平などありえない。
帝国暦二千二百五十八年、航宙軍艦イーリス・コンラートは、長い探査任務についていた。その目的は、人類の悲願であるバグスの母星発見だ。一定間隔でワープアウトしては探索を行ないマッピングしていくという、地味で果てしない任務を続けてもう二年になる。
そんな航宙艦イーリスは、超空間内部を航行中に何の前触れもなくありえない攻撃を受けた。強制ワープアウトさせられた船は激しい衝撃を受け大破。艦内にいた人間もみな壁や天井に叩きつけられ、全員がほぼ即死した。
唯一生き残ったのは、たまたまメンテナンスで狭い通路内にいた、アラン・コリント中尉ただ一人。しかも運の悪いことにワープアウトしたすぐ側に惑星が存在しており、船体は今にも墜落しようとしている。
イーリスに搭載されたAIは、船体を分解し修復不可能なセクションを廃棄するための直接命令が必要だと判断した。そのためには『艦長』による第一級非常事態の宣言がいる。
かくしてその場に生存する最上級士官であるアラン・コリント中尉は、急遽艦長 アラン・コリント准将へと昇格することになったのだった。
彼の命令により船体の立て直しを開始したイーリスだったが、それでも再構築が成功する可能性は、五四パーセントしかない。なによりアランがいる場所は生命維持セクションとの接続が断たれ、酸素が尽きようとしている。
幸いにも眼下の惑星には、人類が呼吸できる大気が存在していた。一時的に脱出ポッドで艦を離れ、再構築が終了した段階で再び回収するより他に、彼が助かる方法はない。
そんな訳でアランは、最低限の装備だけを持ってイーリスから出た。
しかしその脱出ポッドは不良品で、彼は不時着とすら呼べない状態でかろうじて九死に一生を得る。そして見上げた空には流星雨のように降り注ぐ船体の破片。
「あぁ…ダメだったのか」
そこはイレギュラーでワープアウトした先にある、どことも知れぬ惑星だった。救助が来る可能性は無きに等しい。もはや死ぬまでこの惑星で過ごすしかない。
そう判断した彼は、持ち出せたわずかな物資と、体内で共生・培養している軍用ナノマシン ―― 一種のマルチシステム ―― を頼りに生きていくことを決意する。
そうして移動を開始し始めたアランだったが、発見した道らしきものを進むうちに、巨大な狼に似た生き物に襲われている、人類にしか見えない一団と遭遇して……


SF世界から剣と魔法の中世FT世界への転移……じゃなくて漂着してからの、技術と料理チートで無双的な? 連載中。
人類銀河帝国は、何故か同じ遺伝子構造を持ちながら、個々の惑星で独自に文明を発達させていった人類種族の集合体。最初は「同盟」でしかなかったのが、いろいろあって「帝国」として統一されてます。『地球』もその中のひとつに属していますが、別に主流という訳ではなく、むしろ最近発見されたばかりの辺境で保護領扱い。その文化が物珍しいということで、一部でもてはやされているという程度に過ぎません。……単に主役が作る料理の類を、読者の馴染み深いものにするための設定だろうなぐらいです。
で、まあなんというか……御都合主義かつチートの無双でハーレム気味鈍感難聴主人公の勘違い要素ありと、地雷な人にはとことん地雷な系統なので要注意。
特にナノマシンはもう反則技。栄養さえ取っていれば欠損した手足も生えてくるし、身体能力UPもお手の物。情報の収集や記憶分析、シミュレートによる発展研究まで全部丸投げして、結果だけ受け取れるわで、主役の努力? なにそれ美味しいの?? 状態です(苦笑)
ただまあ主役が鈍感なのは、士官訓練を受けた先進国の軍人として当然の行動を取ったのが、治安がアレで女性の扱いもアレな世界においては超紳士的で、結果あちこちで秋波を向けられても、本人の意識上「任務中」でスルーしちゃうのも無理ないかなとか。
多数の惑星国家だの植民惑星だのが存在している世界で生きてきた人間の価値観なら、いくら相手が一国の元王女とは言え、「ゆくゆくは共同統治で」という発案がイコール求婚になっていると気付かないのも当然かなあとか。
そもそもベテラン軍人にとって、未開惑星の16〜7歳なんて、子供も良いとこでしょうし。ましてや実年齢が1年どころか下手すりゃ一ヶ月にも満たないような存在達なんて、恋愛対象には見ないでしょう。
そういう意味では、現代日本からのトリップ系鈍感主人公よりは納得がいくかと。
あとまあ、もしこれで主役の倫理観がアレだとほんとにやりたい放題になるんでしょうけど、そういう意味では主役、かなり意識が高いんですよね。本人は平凡な中尉だとか言ってますし、お調子者の行き当たりばったりな部分はありますけれど、その倫理観はかなりのもの。しかも軍人ですから盗賊とかには一切容赦しないので、安易に助命してやれば……とかの甘ちゃんな判断をしないのが良い感じ。
偶然助けた相手助けた相手、みんながそれなりの有力者なのと、あと食材関係の都合が良すぎるのは……まあスルーってことで。
ただ川魚とか野生動物のレバーの生食は、いくらナノマシンのOKが出てたとしても、止めといた方が良いと思うんだ……
No.357 (読書)


 最強パーティーの雑用係〜おっさんは、無理やり休暇を取らされたようです〜
2018年05月05日(Sat) 
読書記録:
■最強パーティーの雑用係〜おっさんは、無理やり休暇を取らされたようです〜 62おっさんは、少女を奮い立たせる。
 https://ncode.syosetu.com/n8910em/

依頼達成率は100%。最強と名高い大規模パーティー【ドラゴンズ・レイド】は、その功績の大きさから、世界規模で一目置かれた存在であった。リーダーであるリュウなどは創造神の祝福を受け魔王を倒し、世界に平和をもたらしたという、文字通りの最強パーティーである。
クトーはそんなパーティーで雑用係をしている、三十代のおっさんだった。リュウとは田舎の村で共に育ち、一緒に冒険者になった幼馴染だ。
しかし彼が普段している仕事と言えば、メンバーのスケジュール管理や対外折衝と言った雑用ばかり。ギルドに顔を出せば、他の冒険者からは『インテリメガネ』『最強パーティーの雑用係』などと揶揄される状態である。クトー自身はそれを気にしていない。まったくもって事実だと思っているし、適材適所や効率重視というのがクトーの好きな言葉だ。
自分が出来る事務処理ばかりをやらせてもらい、最前線に立つのは常にリュウや他のメンバー。とても楽をさせてもらっていると思っていたのだ。
そんなクトーに、ある日リュウが告げた。
「お前に、休暇を命じる」
「……それは、解雇という意味か?」
淡々と問い返したクトーに対し、幼馴染の男は眉をひそめる。
「いやちげーよ。なんでそうなるんだよ」
「他にどういう意味に取れるんだ?」
「どういう意味もクソも、俺はお前にそのまんまの意味で『休暇を取れ』って言ってんだよ」
その言葉とともに、他のパーティーメンバー達も必死で休んでくれと言い募ってくる。
どうも、あまりにも休みをとらないクトーを見かねて、皆が心配しているらしい。無理をして倒れられでもしては大変だ、と。
しかしクトー自身は、まったく無理をしているつもりなどない。いつもモンスターと戦っている仲間達と異なり、自分は普通に街で暮らしているだけだ。仲間達の稼いだ金によって、冒険食よりははるかに質の良い食事と、毎日ベッドで寝る生活を甘受している。楽をしているのだから、他の面々より休みが少ないのは当然だ。疲労が溜まっている感覚もないのだから、別段休暇を取る必要を覚えない。
そう断言したクトーだったが……数日後、パーティーハウスへ向かうと、内部はもぬけの殻になっていた。残されていた手紙には、全員が一ヶ月の休暇を取るので、その間クトーはクサッツの温泉旅館でのんびりする任務を与える、と書かれている。
【ドラゴンズ・レイド】の任務達成率は100%だ。メンバー達の努力で保たれているその数字を、クトーが下げる訳にはいかない。
かくして彼は、温泉旅館でのんびりするという【任務】を達成するべく、休暇の旅に出発する。
たとえ、歩くついでに討伐や採集を片付けてみたり、途中で拾った見どころのある少女に冒険者としての心得を叩き込んでみたり、潰れかけている旅館の経営を立て直しつつ、営業妨害をしてくる組織を片手間で叩き潰したりしていたとしても。
ゆっくり湯に浸かって美味いものを食べ、可愛いものを愛でているのだ。これで休んでいなければ、もうどう休めば良いのか判らない。
そんな無自覚チートなワーカーホリックの彼を、事情を知る者達は『人材育成のエキスパート』『経営管理・兵站確保のプロフェッショナル』『単騎でパーティーの前線を支える、勝利と策謀の鬼神』と呼んでいるのであった……


魔王を倒した勇者パーティーのその後を描いた、無自覚チートなおっさん(とは言っても、クールな細身のイケメンで、銀髪インテリ眼鏡な三十代)と愉快な仲間達。第一章の温泉街休暇編は終了して、第二章の連載が始まっています。書籍化決定済な模様。
最初はよくある勇者パーティー追放モノかと思わせて、実は逆ww
事務処理どころか戦闘面でもNo.2あるいは影の黒幕と認められている自覚なきワーカーホリックを、なんとか休ませようとする周囲の面々は、みんなクトーさんのこと好き過ぎだと思います(笑)
話が進むにつれて明らかになっていくその過去(特に魔王討伐のあたり)は、けっこうシリアスと言うか、いろいろヘヴィなこともあったようで……そして今後に向けて不穏な気配も匂わせつつ、でもクトーとリュウならどうにか片付けちゃうんだろうなあという安心感があります。
クールなイケメンキャラなのに、可愛い物大好きで着ぐるみを部屋着にしちゃうギャップも良い感じ。って言うかクトーさん、実はめっちゃ天然ww
メインキャラ達の多くが、ドラゴンにちなんだ名前になっている遊び心も面白いですね。
でもクトーさんの場合、名前(九頭竜)も見た目も考え方も、どちらかと言うと魔王よりって気がするんだよな……いつか悪堕ちしそうな怖さもありつつ、きっとリュウやレヴィやその他これまで絆を築いてきた面々が、ちゃんと引き戻してくれるんだと信じられます。
……っていかん、なんか「これ(可愛いもの)着てあげるから!」ってレヴィが叫んだ途端、しれっと「言質は取ったぞ」ってダークサイド回避するクトーさんの姿が幻視されるww
No.333 (読書)


 《死に狂い》の侍が勇者のパーティーをクビになったので魔王をサクッと倒して自由に生きようかと思います
2018年05月02日(Wed) 
読書記録:
■《死に狂い》の侍が勇者のパーティーをクビになったので魔王をサクッと倒して自由に生きようかと思います〜 第68話 お約束すら人がやる
 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885098239

異世界を海兵隊と〜と同じ作者さんの作品。連載中。
やはりタイトルですべてが語られている通り、西洋ヨーロッパ的世界観で、東方の蛮族とみなされている江戸時代に入ったばかりの日本っぽい国「八州」の侍が、価値観の違いから勇者パーティーから追い出しをくらい、なら義理を果たしてしまえば自由の身になれるだろうと、さっさと単身魔王を討伐しちゃってからの冒険者ぶらり旅的な感じ。
魔王軍は統率を失いはしたけれどまだ残っているし、国としては魔物ごときの相手で国力を減らしたくないから、軍は温存して勇者パーティーに押し付けちゃえ的な思惑もあったり。そして八州側は八州側で、大陸が自分達を蛮族と侮るなら、国内に置いておくと火種になる厄介者一人を差し出すことで、密かに国内で力を蓄えようと考えていたりと、いろいろ入り乱れています。
が、戦国時代が終わっても戦うことを止められない《死に狂い》のバトルジャンキーさんは、それら全てを余所に、強者と戦うことが楽しくて仕方なく、ひたすら「面白そうだから」という理由で死合いに突っ込んでいくというww
けして脳筋ではなく、ちゃんと頭が回って理性の働く、超凄腕の戦闘狂ってタチ悪いよね……という。
しかも成り行きで一国あげての壮大な陰謀に巻き込まれたあげく、なんだかんだでほだされたっぽく。気ままな冒険ぶらり旅から、また新たな局面が? と言ったところで四章目が始まってます。
……勇者パーティー……いや、勇者へのザマアっぽいものが、三章目ラストの幕間でようやく出てきましたが……これどちらかと言うとフラグが立ってる『彼女』のほうがアレで、勇者は精神的に……的な流れっぽいですよね……あんなののおつきに選ばれたパーティーメンバーが気の毒過ぎる……
No.328 (読書)


 料理は、魔法!?
2018年04月18日(Wed) 
読書記録:
■料理は、魔法!? 〜私は央の支配者
 https://ncode.syosetu.com/n9818be/

唐突に異界の森へと放り出された女性が、ひたすら森に引きこもって、そこに育つ「食物(誤字にあらず)」を、日本人的感性で調理して食べているお話。
なおその成果物は、現地の人達の感覚では食べ物とも思えない、恐ろしい代物な模様。
異界ゆえの認識のズレがあることを悟りつつも、詳しく知ってしまうと生きていけそうにないからと、主人公はひたすらマイペースに己を貫いてます。
割と残虐描写ありの綱渡り生活。一歩間違えば一瞬で死ねる世界。
本編完結済。番外編がポツポツと。
No.297 (読書)


 スキルトレーダー【技能交換】 〜辺境でわらしべ長者やってます〜 他2作
2018年04月06日(Fri) 
読書記録:

ここ一ヶ月ぐらい、読み上げアプリで作業BGMにしていたやつ、取り合えずメモ。

■スキルトレーダー【技能交換】 〜辺境でわらしべ長者やってます〜 129その後 → 報告
 https://ncode.syosetu.com/n3671de/

テンプレトラック転生を経て、異世界で10歳の子供に憑依転生……しかけた中2病の高校生。
しかし転生先の子供は【早熟】の才覚を持ち、固有技能【鑑定】と【技能交換】を駆使して強くなろうと修行していた結果、抵抗に成功。中2な高校生は彼が飼っていたスライムへと転生。
他者との間でスキルを同レベルなら確実に、レベル差があってもそれなりの確率で交換できる技能を持つ少年が、すぐに取得できる採取2や料理1などを剣術2だの回復魔法1だのと交換しつつ、冒険者目指して成り上がっていくお話。
一度間に自分を挟めば、他者←→他者とか魔法品←→他者とかとも交換できるので、いろいろパズルみたいになっていってます。
幼馴染の猫耳少女やエルフ奴隷、中2の魂入りスライムらと共にようやく冒険者になって、ひとつの大きな戦いを終えたあたり。
残虐描写有り、幼馴染とか奴隷その他女性の登場率高し、ステータス表記が頻繁など、いろいろ地雷となりそうな要素がありそうなので要注意(苦笑)
連載中で、更新頻度は月1〜2回ぐらいな模様。

■物語の裏側で
 https://ncode.syosetu.com/n6735cw/

冤罪により着の身着のまま王都を追放され行き倒れていた公爵令嬢を拾ったのは、小さな街で本屋を営む青年。彼は前世の記憶を残したまま転生した異世界人だった。
なおこの世界に魔法はない。
身に覚えのない罪で、王子から一方的に婚約破棄されたという事情を聞いた青年は、大体の事情を察する。そうして彼女を保護して一緒に暮らし始めるが、悪役令嬢の追放が終わった王都では、いろいろとおかしなことが起こり始めていて……

ヤンデレヒロインを拾ったのは、ヤンデレごちそうさまです的な感性を持つ転生ヒーロー。
一見普通人のようでいて立派なチートバグキャラですが、作者様いわく「ヤンデレ同士をぶつけると唯のあまあまカップルになる」とのことで、なんだかんだでほんわかした話運びになってます。よく考えるといろいろエグい部分もあるんですけどね。
ザマア要素は少なめ。ある意味では非常に残酷かつ、一生を針のむしろの中で贖罪に捧げろとも取れる決着なんですが、本編終了後の次世代ストーリー(エタり気味)を見る感じ、王子とヒロインもそれなりに幸せになっている模様。


■フロンティアダイアリー 〜元貴族の異世界辺境生活日記 〜291コロックとティレの商業都市ホープ訪問 その3
 https://ncode.syosetu.com/n7622cy/

人種至上主義がまかり通る異世界で、領民に重税を科しまくっている悪徳貴族の父親に諫言した結果、勘当された青年。
魔法学校の教職も奪われ、領地や近隣の都市全てに立入禁止措置を取られてしまった彼は、慕ってついてきてくれたエルフ女性の元同僚や猫人メイドらと共に、辺境で廃村になっていた村跡地にひとまず居を定める。元々亜人種に対して偏見のなかった彼が、近くの村に住む亜人達や遺跡に残っていた過去の思念体、眠っていたところを質の悪い兵士に叩き起こされ暴れていたサラマンダーらと交流してゆくうちに、廃村だった土地は少しずつ発展していって……

連載中、書籍化済、ダイジェスト化なし。
……超長い、女性比率が異様に高い、しかも高確率で主人公にアプローチしまくり、でも主人公が難聴系鈍感タイプ、誤字脱字表現被り多数、ってかあの時の設定どうなった? いったい誰がどの情報把握してるんだよ、そもそも偽名と変装使って二重生活してるはずなのに、その情報隠す気ねえでしょ。それに時系列、一年そこそこでこれだけいろいろ環境変わるってさすがに無理だろう!?
……などなど、ツッコミどころははありまくりなのですが。
なんかふわーーーっとした緩い雰囲気と、大量に出てくるキャラがちゃんと区別がつくと言うか、再登場時にいろいろこれまでのことを説明してくれることもあり、それこそ作業BGMとして聴き続けてしまいました(苦笑)

世界観を同じくする話が他にもたくさんあって、たまにそれぞれが行き来しているようなので、そちらの方にも手を出してみようと思います。
No.274 (読書)


 休暇だと思って〜書籍化決定
2018年04月01日(Sun) 
超読み返していると言うか、読み上げアプリで作業BGMヘビロテ中の「休暇だと思って楽しみます。」が、書籍化決定だそうです〜〜 ワ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━イ!!

■【6/9発売】穏やか貴族の休暇のすすめ。 - TOブックス オンラインストア
 https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=129683448

まだイラストとか公開されてませんけど、どんな絵柄になるのかなあ……私は読書時に脳内フルカラー展開させるタイプなので、どんなに好きな話でもイラストがアレだと購入に踏み切れないんですよね……あ、絵師さんの名前で検索してみたら、けっこう好みな感じかも……

■310box sando​ works
 https://310pit.wixsite.com/mysite

ありがちなお名前なので、本当にこの方なのかは未確定ですが。
この方の絵柄で、「ぼくのかんがえたさいきょうのまもの」コスしたシャドウ伯爵とか、すごく楽しいかもしれないww
要チェックですね!


2018/06/03 追記:

書影が出ましたね!!

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

穏やか貴族の休暇のすすめ。 [ 岬 ]
価格:1399円(税込、送料無料) (2018/6/3時点)



おおお、ジルがちゃんとジルだ!!
個人的にはリゼルさんもうちょい背が高いほうが好み……というか、バルロとナシアス的に同じぐらいの背丈の方が対等っぽくて萌えたんですが、これはこれでvv
この表紙は休暇な冒険者バージョンとして、仕事モードのお貴族様バージョンの挿絵はあるのかなあ。
あとイレヴンは、1巻目ではまだ登場しないらしいので残念です。
これは続刊も出るよう、お布施しなければ……
No.263 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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