よしなしことを、日々徒然に……
※ 2017年以前の記事は こちら になります ※



 領民0人スタートの辺境領主様 1巻 蒼角の乙女
2019年06月01日(Sat) 
読書記録:


あらすじについては、WEB版を読んだ時に書いているので割愛。
第二章のラスト、隣領の新領主エルダンと出会ったところまでが収録されています。

書き足しでまず目立ったのは、アースドラゴンとの戦闘がより緊迫感のあるものになっていた……っていうか、私はもともとコミカライズ版から入ったので、こちらのほうが馴染みのある感じなんですが。

■領民0人スタートの辺境領主様|コミック アース・スター
 https://www.comic-earthstar.jp/detail/zeronin/

WEB版ではひたすら甲羅殴るだけで、反撃一切されないまま倒しちゃったのが、書籍ではちゃんと戦闘になっています。コミカライズはそっちに準拠していたんですね。
アルナーが攻撃された時の、ディアスの豹変っぷりもちゃんと挿絵がありましたしvv
そうそう、挿絵もコミカライズとさほど違和感のない雰囲気です。
ディアスがちゃんと年相応で、かつ戦斧振り回すパワーファイターに相応しい、ゴツくて傷だらけで素朴なおっさんであることが非常に好感度高く。
気になるのはひとつ、セナイとアイハンが挿絵だとちょっと歳いってるかなあってところでしょうか。
本文を読む感じ3〜4歳。行ってても5〜6歳だと思うんですが、本文挿絵だともうちょっと上に見えるし、2巻の表紙に至っては十歳ぐらいっぽい……アルナーが15歳で母親役やるんだから、そこはやっぱりしっかり幼児であってほしいのですよ。
けっこう過酷な草原の暮らしで、我儘をある程度微笑ましく見守ってもらえるのも、幼児だからこそでしょうし。
でもそれ以外はすごく雰囲気出ている感じで満足至極。
書き足しに関しては、他にも巻末に35ページぐらいほど、ディアスとアルナーの賊退治(共同作業)と、あとディアスが知らない結婚式(ディアスの中では婚約式)の翌日のアルナー視点のお話がありました。さらに初版限定特典リーフレットに、アルナーが染め物をする日常SS。

後書きでも触れられていましたが、この作者さんは本当に遊牧民の生活について興味がおありで、いろいろ調べておられるんだなあとしみじみ思います。日々のなんてことない習慣とか、染色のやり方とかが、すごく地に足ついた「こういうのありそう」っていう描写で。
中世ヨーロッパ系が多く見られる異世界モノとしては、かなり珍しいテイストかと。
自覚のある馬鹿と言うか、学はないし記憶力なんかもアレだけれど、でも本当に大事なところはきちんと押さえている主人公が、過酷な世界情勢の中でも親しい人達には慕われながら、自分の手の届く範囲をほのぼのと幸せに形作り、日々堅実に過ごしていく優しい世界観に安心させられるのでした。
No.1270 (読書)


 幸せカナコの殺し屋生活 1巻
2019年05月28日(Tue) 
読書記録:


パワハラに心が折れてブラック企業を退職したOLが、病んでた勢いでどう見つけたのか自分でも記憶が無いまま面接に行ったのが、暗殺代行業の会社。
人殺しなんかできるわけない! と慌てる彼女だったが、人に笑われたくない一心で身につけた気配を消すスキルと、毎日終電後まで働かされて走って帰っていた体力、そして社長をして天才と言わしめるセンスによって、殺し屋としての才能を開花させて ――

全ページフルカラー四コマで語られる、ちょいブラックだけどなんだか心がスッキリするギャグ漫画。
……やってることは人殺しなんですけど、なんというかね、こう……うん。
これ読んで、世の中捨てたもんじゃないよねって思っちゃう人は多いんじゃないかなあ。カナコちゃん、新しい職場で上司にも先輩にも恵まれて良かったねえ ・゜・(ノД`)・゜・
ってか、桜井(先輩)さん、ツンデレーーーww
けっこういろいろ気遣って、なんだかんだと優しいこと言ってあげてるのに、自己評価最底辺のカナコちゃんに伝わってないのが気の毒面白くてww
12話でのデレっぷりと、そのひとつ前のページでスマホ確認してるシーン最っ高★
もうこれ16話が良い最終回だったと思うんですが、最後のOMAKEの引きっぷりがヒデえ。これじゃあ2巻買わずにはいられないじゃねえか! 踊らされてるよ!!
とりあえず、ドヤ顔が超うぜえ刑事さんは、桜井さんさっさとなんとかしてやって下さい。
読者は貴方を応援してるぞww
No.1261 (読書)


 天使たちの課外活動5 笑顔の代償
2019年05月27日(Mon) 
読書記録:


茅田さん読みたくなったタイミングを逃すまじと、もう何年も積みっぱなしだった課外活動5巻に着手。
ヴァンツァーの隠し子騒動とかいう煽りを以前見かけていて、いったいどんな事になっているのかとはらはらしていたら、まったく想像の斜め上を行く方向で、さすがは茅田さんと唸らせられました。
っていうか、ビアンカ親子、最初に登場した時はここまでメインに近いキャラになるとは思わなかったッス……むしろライジャよりよっぽど輝いてるんじゃww
内容的には、ヴァンツァーとレティに対して誹謗中傷と言うか、根も葉もない噂が広がっていて、出所の判らない噂が相手だからどう手を打てば……と困惑しつつ、レティはその解決をリィ達の課外活動に依頼。ヴァンツァーはビアンカと一芝居打って噂の元をあぶり出そうとしたら、今度は身の危険にまで発展していって……といったところ。
レティの方は本人あんまりダメージないので深刻にもならず、ストーリーの裏側であっさり解決しちゃってる感じで、メインはヴァンツァーの方。
恋愛不能性のヴァンツァーにも、ここしばらくジンジャーやらビアンカやらその母親やら、『個』として認識しうる相手ができ始めていて、それに周囲がびっくりさせられていた訳ですが。ついに本人もそれを自覚し、さんざん殺してきた自分が、特定の人物を死なせたくないと思うのは滑稽ではないのか……? などと考え始めたあたりに、数十冊を経てようやくの成長が……!? 的な。
……っていうかヴァンツァーさん、そこまで言うならビアンカの父親も勘定に入れてあげようよww いやたぶん、ちゃんと入ってるとは思うけどww
これがあっての、「ポーラの戴冠式」でナシアスの妹に届いた手紙にいろいろ籠められていたのかなあとか思うと、改めて感慨深く。
ともあれ、今回は挿絵はどれもが意外というか、いつもならまず見れないタイプのヴァンツァーがいっぱいで楽しゅうございました。
あと保育園児に遠巻きにされてるライジャさんがww
変人音楽教師フレッチャーさんも結構いい味を出していたので、彼にもぜひ再登場&挿絵を願いたいところです。ヴァンツァーが演技ではなく微笑んでみせた相手なんだもん、チャンスはあるよね!?
No.1258 (読書)


 欠陥品の文殊使いは最強の希少職でした 1巻
2019年05月26日(Sun) 
読書記録:


旧タイトル「欠陥品として貴族を追放された文殊使いは最強の希少職でした。」の書籍化版。
あらすじなどについてはWEB版を読んだ時に描いているので割愛。
49話、悪魔との戦いが終わって、王宮から王女の迎えが来たところまで収録されています。

んー、実はけっこうWEB版の内容うろ覚えなんですが(苦笑)<ほとんど読み上げアプリで聴いてた
それでも地理とか魔法の解説とかの細かい部分が判りやすくなっている気がしました。あとWEB版読んだ時に気になっていた、フィガロがお金(自分の生活費)についてまったく無頓着だったところが改善された……のかな?
そして改めてちゃんと読み直すと、国王がポッと出の正体不明の人間をいきなり王女の婚約者に任命した理由(不穏分子を炙り出すための囮)も納得できて、いろいろ腑に落ちました。
これフィガロを本当の意味で婚約者として認めたのは、最後の「褒美をやらねばならんなぁ!」時点だったんじゃないかな……

挿絵は……うーん。
表紙の若クライシスがかなり好みだったので買ったんですが。爺ちゃんバージョンや裏組織のボスや国王様も、なかなかいい感じなのですが……主役とヒロインがちょっと(苦笑)
かわいい系少年少女描くのが苦手な人なのかな……?
あ、ボンバイエさんの胸部装甲が超ボンバイエなのは、本文でもちゃんと触れられてるからおっけーww むしろそうじゃなきゃ彼女じゃないww
あとまだキーアイテム作成する前の挿絵で、既に身に着けちゃってるのはアウトだと思うんだ……ヒロインの髪が「肩口まで伸びている」って本文にあるのに、挿絵だと腰を越えてるのも正直微妙でした……
No.1257 (読書)


 ポーラの戴冠式 デルフィニア戦記外伝3
2019年05月25日(Sat) 
読書記録:


弁当箱こと「茅田砂胡 全仕事1993-2013」に書き下ろし収録されていた、デルフィニア戦記&クラッシュ・ブレイズのクロスオーバー「紅蓮の夢」。その終盤でさらっと流されていた「五日間」の間に起きていたあれこれを、群像劇のような形で語った短編集です。どちらかと言うと、リィの現役時代を知らない子ども達がメイン。
もうね、やっぱりデルフィニア戦記は別格ですね!
最近、購入した書籍をなかなか読まずに積みっぱなしになってしまう私が、一気読みしてしまいました。
本編から作中年月で10年が過ぎ、二十代後半だった主要メンツが軒並み三十半ばで十歳前後の子持ちになっている訳ですが……そして挿絵でもけっこう忠実に皆さんお年を召されているのですが。

だがそれが良い!

割とね、子供世代に話が移行すると、途端に残念展開になっちゃうシリーズって多いと思うのですよ。なんというか、子供世代を持ち上げるために大人を落とすというか、本編であんなに生き生きしていた素敵キャラたちが残念な老害になっていたり、すでにお亡くなりになっていたりとか、非常に悲しい思いをしたことも多いのですが。
しかしさすがはデルフィニアww
リィが変わらないのは、体感時間が一年ほどだから当然でしょうが、ウォルもポーラもイヴンもバルロもナシアスも、その他の面々がみんな当時のままというか、リィに出会った途端に一気に若返ったというか。
子供達の教育がちょっとうまく行ってなかったのはまあ、あれですが。それもリィがばっちり釘を差してくれたので、今後は大丈夫でしょう。
ああもう、ウォルの猛獣使いっぷりとポーラの小動物っぷりの健在さがほんと好き……あとイヴンの猛獣使いその2なところも(笑)
ああくそ、デルフィニアも1巻から読み返したくなってきた……積読山ほどあるのに……

そして挟み込みチラシに、以前イラスト集に収録されたという、怪獣夫婦の結婚式話に描き下ろし中編をプラスした書籍がこの夏刊行予定とあって、思わず舞い踊りそうになっております★
怪獣夫婦も好きなんだよなあ……
No.1256 (読書)


 察知されない最強職《ルール・ブレイカー》
2019年05月24日(Fri) 
読書記録:
■察知されない最強職《ルール・ブレイカー》 〜372コウの置き土産
 https://ncode.syosetu.com/n5475dz/

交通事故で死んだ中学生ヒカルは、死後の世界に来ていた。周囲にいるのは死後の裁きを待つ死者たちばかり。
知識欲の塊でもある彼は、あまり周囲と馴染むこともせず、さりとて法を犯すような危険な行動をすることもなく、ごく地味に過ごしてきていた。それがこんなにもあっさり死ぬとは思いもしなかった。
(人間なんて簡単に死ぬのだと、この身をもってわかったことだけが収穫だったな)
そんなことを考えていたヒカルに、ひとりの少年が話しかけてきた。周囲にいる死者はみな黒髪黒目の日本人ばかりだったが、ヒカルと同年代の彼は、金髪に青い目をしている。しかも服装が時代がかっており、まるで美術の教科書に載っている油絵の貴族のようだ。
何でも少年は、まだ死んではいないらしい。暗殺者によって腹を刺されて瀕死の重傷となり、この天界の入口、『魂の裁き』を受ける場所へと、異世界からやってきたのだという。
ある理由から、異世界へ渡る術を研究していた彼は、しかし『異世界の天界』までしか来ることができなかったのだと。
「詳しく話している時間はないんだ。僕の世界に来てくれ。そして、僕の願いをひとつだけ叶えてくれ。そうしたら君は生き返ることができる。正確には、転生できる」
少年はヒカルにそう告げる。
「生き返ったら好きに生きてくれて構わない。どうだ?」
「……わかった」
ヒカルはその取り引きを了承した。それまでに貯め込んだ知識も、考えていた様々な考察も、「魂の裁き」とやらでリセットされるのは耐えられなかったのだ。
そうしてヒカルは異世界へと転生し、少年、ローランド=ヌィ=ザラシャの肉体に入り込んだ。ヒカルという新たな魂が入ったことで、死にかけていた身体は急速に回復し、髪や目の色、顔立ちなどもじょじょに変化し始める。
そしてローランドの記憶をも得たヒカルは、彼の願いを知った。
それは奸計によってローランドの両親を死に追いやり、そして彼自身へも暗殺者を送り込んできた、モルグスタット伯爵への復讐。
ローランドの魂は、あと一時間ほどで完全に天へと召される。それまでの間にモルグスタット伯爵を殺せなければ、ヒカルは魂ごと消滅するのだと。
死後の世界などもとより信じてはいなかったが、それが存在すると理解してから奪われると言われれば、話は別だった。
あとたった一時間で、厳重に警戒されているだろう屋敷にいる、その当主を殺す。どうやればそんなことが可能だというのか。
思案を巡らせるヒカルの前に浮かび上がったのは、【ソウルボード】と書かれた薄緑に発光する石版のようなもので ――


異世界転生というか、乗っ取りでスキルポイント極振りで無双系。連載中で書籍化済、ダイジェスト化なし。書籍版は話の展開がまったく違うとのこと。
現時点ですでにテキスト3MB近くある作品で、読み上げアプリでちまちま聴いていたら、最新話に追いつくまでに一ヶ月ぐらい?かかりました。
自分と他人のステータスボードを確認、操作できる能力を持って転生して、最初にまず要人を殺さないと生き延びられないからと、スキルポイントを気配遮断方面と暗殺に極振り。MAXまで上げた状態でまんまと成功したは良いけれど、この世界のスキルMAXって実は限りなくチートに近かったという、無知故の突き抜けステータスに的展開。
で、そこから冒険者になって活動していたら、自分がやった暗殺の犯人として別の少女が前線送りにされそうになっていたので、それを助けて仲間になってみたり、せっかくだからほとぼりを冷ますついでに他の国を見て回っていたら、なんだかんだで次々と国家規模のトラブルに関わってみたりといった感じ。
なんというかまあ、割とお約束な展開ではあるんですが、ある意味突き抜けていて面白いです。主役の能力が隠密と暗殺にどんどん特化していっていて、どんな場所でも侵入して情報拾い放題だし、どんな強い敵でもなんだかんだでどうにかしちゃうあたり安心感があります。
でもたまに容赦ない人死にとか挟まるんで予断を許さないんですが(っていうか、ドゥインクラーの仇の銀竜はどうしたヒカル)……あと最初の頃に出てくるギルド受付嬢とか、たまたま助けてあげた新人パーティー(♀)が非常にうっとおしいタイプなので、そこを乗り越えられるかがネックかも?
回復役のサブヒロイン(主役はあくまでパーティーメンバーとしてしか見てない)も、感情移入できるようになったのがかなり最近で、それまではほんとにもう……だったし。

かなり長い上にあちこち移動しまくり、コネやら伝手やら作りまくる話の割に、読み上げアプリで聴いていても混乱が少ないと言うか、あれこれ誰だったっけ? どこだったっけ? ということがほとんどなかったのはありがたかったです。
No.1254 (読書)


 エルフもどきと血を吐く皇帝〜婚約破棄、追放の結果、最強帝国の要人になりました。
2019年05月22日(Wed) 
読書記録:
■エルフもどきと血を吐く皇帝〜婚約破棄、追放の結果、最強帝国の要人になりました。 〜終わりのあと。
 https://ncode.syosetu.com/n3177fb/

人族、魔族、獣人族、ドワーフ族、スライム族の五種族が種族間、そして同族同士で相争う血みどろの時代、彼らを傘下に収め大陸統一を成し遂げた少年がいた。彼の名はユーゼス。数年をかけ、ついに大リッシュ帝国の初代皇帝となった彼は、すべての種族は皇帝のもと全て平等であると布告した。
しかしそれに激怒した存在がいた。人族諸国で広く崇拝されていた人族神である。人族以外を劣等種とし、隷属するべき存在とみなしてきた人族神は、ユーゼスの布告を自身への反逆とみなして地上に顕現、ユーゼスと大リッシュ帝国を地上から消し去ろうとした。
その戦いにも勝利を収めたユーゼス王だったが、しかし人族神は最後に呪いという置き土産を残していった。
解呪方法は不明の、肺を蝕む致死性の呪詛。
ユーゼスという偉大なカリスマによって束ねられた帝国は、彼という存在を失えば、遠からず瓦解するだろう。懸命に呪いを解く研究を続ける部下たちの前で、ユーゼスは血を吐きながら、覚悟を決めたように呟いた。
「ここまでか」、と。
そうして彼は帝国を七つの人族国家、四つの非人族国家へと分割し、歴史からその姿を消したのだった。
それから百年余が過ぎた現在、大リッシュ帝国の流れをくむ人族七国のひとつ、ザルツ王国の寄宿学校に通う、ひとりの少女がいた。貴族階級の女子が通うその学院の学院長であり、叔母でもあるマーサレル侯爵夫人キルラに呼び出された彼女 ―― サラは、きっぱりと告げられた。
「あなたとコーリス子爵家のイルミカナン様との婚約を破棄することにしたわ」
五百年前に滅んだという幻の種族、エルフの血を引く先祖返りであるサラは、エルフもどきと呼ばれ忌み嫌われる存在であった。イルミカナンはいい意味での変わり者で、そんなサラに対しても嫌な顔をしない、彼女にとって数少ない付き合いやすい存在であったのだが。
しかし近年になって金鉱の開発に成功し、急速に力をつけてきたコーリス子爵家と、もっと強い結びつきを求めたマーサレル侯爵家は、両親を失ったからと渋々引き取った親戚の訳あり娘などよりも、自分達の実の娘を婚約者にすげ替えようと考えたのだ。
そして元婚約者であるサラが目の前にいれば、何かと目障りとなる。だから学院も辞めて実家に戻れと言い渡してくる。
もともとサラがマーサレル侯爵家に身を寄せ、ぞんざいな扱いにも耐えていたのは、ひとえに両親の屋敷で働いていた使用人達を、路頭に迷わせないためだった。しかしマーサレル家で働くようになった彼らは、あまりの待遇の悪さに耐えかね出て行ったり、解雇されたりして、既にひとりも残っていない。もはや未練など何もなかった。
エルフもどきの自分であれば、野に下ってもやっていけるだろう。
そう考えたサラは、数少ない友人である龍皇国の仙龍姫リンドウの手を借りて、ひとまずかつて両親が統治していた旧デイジェット男爵領へ向かった。その山中にある、サラの父親が遺した山荘へと足を踏み入れた彼女達は、そこで一人の男を発見する。
二十代半ばほどの、銀色の髪の端正な青年だった。上流階級の人間なのだろう。身につけた衣装は仕立ての良いものだったが ―― いまはおびただしい量の血に染まり、台無しになっている。喀血しているのだ。
床に倒れたその胸はかろうじて上下しているが、まともに呼吸ができていないようで、喉からゴボゴボと不気味な音がしている。どう見ても瀕死の状態だ。
その症状が呪詛によるものらしいと看破したサラは、ひとまず契約精霊の力を借りてさらなる呪いをかけ、呪い同士相殺することで症状を緩和させることに成功する。
そうして救った男は、目を覚ますとサラとリンドウに対してこう名乗った。
「おれの名はユーゼス。百十年前に存在した大リッシュ帝国の皇帝だ。胸の呪いを解くために、時間を移動して参った」と ――
寿命が長く、闘争心、攻撃性が高く、一度敵に回すと千年祟るとも言われる戦闘種族エルフの末裔サラと、呪いに侵された伝説のカリスマ皇帝の出会いは、あらゆる意味で世界を震撼させる、始まりで ――


あらすじ読んでいた時は、よくある婚約破棄追放モノかと思わせて、実際はけっこう殺伐とした世界観で、人死に出まくるバトルとかいろいろやらかす系でした(笑)
R15指定が、予防線ではなくちゃんと仕事してる感じ。
現在第二部の連載が終わり、めでたく(?)マーサレル家はザマァされたところです。
外見はいわゆる一般的なエルフなのに、その実情はバリバリの戦闘民族って設定がなかなかおもしろく。
あと皇帝陛下のキャラも楽しいww
ものすごく偉そうでものすごく大物ムーブなのに、でもめっちゃ律儀で勤勉で、「信じられぬならそれも良い。ただの死にかけの文無し男と思ってもらっても構わん」とか言って、自分が血で汚した床を自分で掃除しようとしたりするし。でも隠しきれないカリスマオーラvv
自分ができることを過不足なく理解していて、できることはできると言っちゃうその基準が半端なく高い結果、ものすごく自信過剰に見えちゃうけれど、サラに頼ってもらえないとちょっとしょんぼりしちゃうあたりが可愛かったりとか。
人族以外の種族の中には100年ぐらい平気で生きちゃう種族もたくさんいたので、ユーゼスが元帝国の中枢部と連絡をとってからは、そちらの濃い面々もどんどん登場してきます。
で、解呪の研究はまだ途中までしかできていなかったので、現状ユーゼスが延命できるかどうかはサラが握っている状態で、自動的に帝国の要人になっちゃったのがタイトル回収。
ユーゼスとサラの間に甘いものはまったくなく、非常にドライな関係ですが、逆にそれが似た者同士となって、この二人ならくっついてもいいかなあとも思います。
ただサラが先祖返りの長命種で、実年齢は16だけど外見年齢12ぐらいなのがネックか……
No.1251 (読書)


 婚約者が悪役で困ってます
2019年05月16日(Thr) 
読書記録:
■婚約者が悪役で困ってます 〜エミーリアの日記10
 https://ncode.syosetu.com/n1920df/

リートベルフ侯爵の娘リジーアは、十歳になったある日、ふと気がついてしまった。己には二人分の記憶があるのだと。
それまでは、誰も知らないことを唐突に口走るような、妄想癖のあるちょっと変わった子供だと自他ともに認識していた。しかしごちゃごちゃになっていた二人分の記憶が整理されたことで、ようやく自分がかつて現代日本で生きていた女子大生であったこと、そして今は中世ヨーロッパに似た世界へ、貴族令嬢として生まれ変わったリジーア・リートベルフなのだと自覚ができた。
しばらくはかつての両親や友人を思って悲しんだ彼女だったが、しかし今度の両親も親として愛してくれているし、使用人達もとても良くしてくれている。今世はせいぜい親孝行しよう! と前向きに生きていくことを決意する。
そんな矢先、今年十二歳になる第一王子の婚約者候補を探す、お茶会が開催されることとなった。一応侯爵家の令嬢であるリージアへも招待状は届くが、彼女の容姿は特筆すべきほどのものでもなく、また実家も侯爵とはいえさほどの権力も持たない、ほどほどの家柄であった。
べ、別に悲しくないし! 王妃とか興味ないし!
そんなことを思いながらとぼとぼとお茶会に参加した彼女は、しかしそこで驚くべきことに気付く。
第一王子エドウィン殿下、そしてその傍らで周囲を威嚇している銀髪の美少女、ブルンスマイヤー公爵家のカテリーナ様。この二人は前世でプレイした乙女ゲーム『ライラックの君』の登場人物 ―― 攻略対象と、その婚約者である悪役令嬢だったのだ。
そして、ショックで頭がぐらぐらしてきた彼女に手を貸してくれたのは、漆黒の髪に銀色の瞳をした美少年。
「僕はベルンハルト・ユース・ブルンスマイヤー。よろしく」
悪役令嬢カテリーナの兄である彼は、攻略対象ではない、いわゆるお助けキャラだった。様々な相談に乗ってくれ、時に進行を手伝い、祝福もしてくれる存在なのだが……実は密かにヒロインへ想いを寄せており、裏で攻略対象の殺害を企んだり、父親を隠れ蓑に王位簒奪を目論むという、完全に悪役で黒幕的な存在。うっかり選択肢を間違えると、ヒロインも殺害されて終わりという、バッドエンドになるのである。
しかもハッピーエンドになればなったで、彼の方は全てを暴かれ、一生孤島の監獄で幽閉されることとなる。
ゲームプレイ時には、攻略対象者達よりもむしろベルンハルトを気に入っていたリジーアなど、初回プレイ時に思わずコントローラーをぶん投げた記憶があった。
そんなややこしい存在達には、絶対に関わりたくない。幸い自分は、名前すら訊いたことないモブに転生したようだから、このままモブとしてゲームのシナリオに関わらず、傍観を楽しみながら親孝行し、高望みしない幸せを探せばいい。めんどくさいことは嫌ですからね?
そう思っていた彼女だったが、数日後に届いたのは、ブルンスマイヤー公爵からの、ベルンハルトとの婚約を申し込む書状で……


お約束の乙ゲー世界へのモブ転生モノ。書籍化・コミカライズ済、ダイジェスト化なし、本編完結済。現在は前日譚的な、ベルンハルトの母親視点の番外編を連載中。
ゲームにどハマりしていたわけでもないので、あんまりゲーム知識のない主人公が、いきなり将来の悪役令嬢の兄で黒幕キャラの婚約者に抜擢されて、なんだかんだでこの世界はゲームに似た、でも現実の世界なんだと認識して、自分と大切な人達が幸せになれるよう努力するお話。なお魔法はない世界観。
他にも転生者達が出てきたり、なんか平行世界? 的な存在もほのめかされたりして、彼女達の転生にはいろいろ秘密がありそうだなあと思わせつつ、そこらへんはぼんやり曖昧なままにされています。
とりあえず主役が、「悪いことなんてダメ!」とありきたりな正義を押し付けるのではなく、手を汚さなければ生きてこれなかった婚約者のことを理解して、抱きしめて共感して時には共同作業(?)までしつつ、それでもできるだけ平凡な幸せに近付こうとするあたりが好感度高かったです。
あとゲーム知識があんまり活用されてないのも良い感じ。全ルートやりこんだオタクとかではなく、婚約者が実は隠し攻略キャラだったことすら知らないぐらいなので、もう普通にその時その時で感じた通りの行動を取ってます。
最初はありがちな「この世界は私のためにあるのよ!」的行動をとっていた痛い系転生ヒロインにも、いろいろな事情があって、状況が二転三転するのも面白かったです。なんだかんだでルーカス先生もいい味出してるよなあ……現実にいたらめっちゃ怖くてはた迷惑な、刑事さんこっちです的ストーカーしかも後にロリですけどねww
とりあえずレオノーラちゃん逃げてーーーー
No.1240 (読書)


 Eランクの薬師 1巻
2019年04月29日(Mon) 
読書記録:
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Eランクの薬師 (レジーナブックス) [ 雪兎ざっく ]
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辺境の町コロンで父が残した薬屋を営んでいた16歳の少女キャルは、ある日店を訪れた冒険者パーティのリーダー、勇者のグランに心奪われてしまった。
彼の役に立ちたい、そばにいたい。一途にそう思い詰めた彼女は、店を閉めると彼のもとへ向かった。そんな彼女に困ったような笑顔を向けたグランは、「戦闘能力のないきみを連れて行ってあげるんだ。僕たちが望めば、望むだけ薬を用意するんだよ? それができなければ、きみは役に立たないんだから」と、そう言って受け入れてくれた。
それから二年。戦うことのできないキャルは、モンスターが現れれば即座に距離を取り、戦うメンバー達が消耗するのを見計らって自作の回復薬を渡すという生活を続けていた。彼らは事前に薬を配っておいても、疲れるとすぐに飲んでしまうので、いざ戦闘時には手持ちがないということが多かったのだ。
薬草を見つけて採集している間も足を止めてはくれず、手持ちが足りなければ怒鳴りつけられる。戦闘に参加していない彼女は依頼達成に貢献していないとして経験値も入らず、気がつけば他のメンバーはみなBやAランクに上がっていた。しかし彼女は最低ランクのEのまま。
それでも必死に追いつこうとしていた彼女だったが、ついに恐れていた日がやってきた。
Bランクの精霊使いで治癒魔法が得意だという、美しい女性を連れてきたグランは、困ったような表情でキャルに告げた。
「もういいよ、キャル。きみももう、このメンバーの実力について来れないって分かってるんだろう?」と。
新しい回復役はもういる。そしてこれから向かう隣国へ続く山は、足手まといを連れて越えられるような場所ではないのだから、と。はっきりと言葉にしないまでもそう促されて、キャルはパーティーを抜けることとなった。
こうなってはもう故郷へ帰りたいが、現在いる町からコロンまで、女性の足ではどう頑張っても数ヶ月から半年はかかる。戦闘能力のない彼女が、そんな長距離を一人で旅できるはずもなかった。しかし他の冒険者パーティへ入れてもらおうにも、登録から二年経っても最低ランクのままという落ちこぼれを、受け入れてくれる物好きなどどこにもいない。ならばと護衛依頼を出そうとするも、最低ランクのキャルがどれほど効果のある薬を作ったり希少な薬草を採集してみても、いつも安く買い叩かれてしまい、依頼料を貯めるどころか、日々の生活にすら事欠く有様だ。
途方に暮れかけていた彼女だったが、ふといつものように発動させていた探索(サーチ)スキルに引っかかるものを感じた。それは人間に寄生する、珍しい蟲の反応。症例が少なすぎるため生態もはっきりしないそれは、研究所に持ち込めば高値で買い取ってもらえるだろうレア素材であった。
大急ぎでそちらへと向かった彼女が見つけたのは、鍛えられた身体付きに厳しい顔立ちをした、普段ならば絶対に近づきたくないような剣士の姿で……

本当は27日に読み終わってましたが、パソコンがあんなことになってしまったので、記事を書くどころではありませんでした(^^;;ゞ
新しいマシンの動作確認も兼ねての読書記録です。
……うむ、なぜだろう? グーグル日本語入力で、今までは Shift+変換キーで確定後の文字列を再変換できていたのに、TeraPad ではその機能が使えなくなってる……こういう細かいところがストレスになるんですよねえ。

って、それはさておきww
WEBから書籍化、1巻でも一応区切りはついているけれど、現在3巻まで出ている恋愛主体の現地主人公モノ。
コミカライズがけっこう面白かったので、手を出してみました。

■Eランクの薬師 | アルファポリス - 電網浮遊都市 -
 https://www.alphapolis.co.jp/manga/official/266000241

……っていうか、マンガ版のほうが話が判りやすいし、主役にも好感が持てる気が(ぼそ)
内容はいわゆる追い出され系で、今まで散々仲間から罵倒されてきて自己評価最底辺な女性主人公を、スーパーなヒーローが褒め殺ししつつ、秘められていた才能が明らかになっていって、そんでもって両片思いですれ違う、まあお約束的な感じのアレです(笑)
主役がちょいイラッとするほど卑屈なのは、最初にパーティ組んだ連中が心底からのクズで、登録時にちゃんと試験受けてれば高ランクから始められただろうポテンシャルを持つ彼女に試験を受けさせず、その後も一見優しげな態度でモラハラしまくった挙げ句、しかもそもそもの最初から長期間にわたり、魅了の魔法で洗脳攻撃までしていたので、まあしょうがないかと。
そんな彼女に(寄生虫から)生命を救われたからと護衛することになった、凄腕冒険者なカイドの方はカイドの方で、主役視点だとめっちゃ格好いいけど、彼視点になると途端にヘタれるというか、脳筋っぷりが垣間見えるというか(苦笑)
ってか、文字通り死にかけてるような病状で、国上層部から依頼もされる=コネなんかもありまくるだろうSランク冒険者が、なんで原因不明の不治の病扱いで放置されてたんだろう……?
No.1197 (読書)


 JANE ーRepose− 1巻
2019年04月26日(Fri) 
読書記録:
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

JANE Repose (クロフネコミックス) [ 橘瑞樹 ]
価格:648円(税込、送料無料) (2019/4/27時点)



買ったは良いけど例によって積んでいたのを、ようやく読みました。
かつて別出版社から10巻まで刊行され、事件の真っ最中に掲載誌がなくなり、ぷつっと打ち切りになってしまった作品の、再スタートです!
……っていうかこれ、完全に続編ですね。
紹介文とか試し読み部分を確認してみた時には、キャプテンと副長があんまり打ち解けてないっぽかったので、てっきり時間を少し遡ってのリスタートかと思っていたら、途中でいきなり「ゼウスとレーダの式を執り行った記憶がまだ新しい」ってあって、おいおいおい!? って(苦笑)
……しかもですね、その時系列で休暇中のキャプテンの様子が語られるのですが、これがまたどっシリアスで、旧版との温度差がすごいというか。あのノリの裏側でこんな事実が……? 的な(汗) ってか、旧版読み返してみたら、キャプテン普通に休暇デートとかしてるし……(^^;;
いやまあ、話の深みも絵の綺麗さもずっとレベルアップしてるから良いんですけど……でもこれ、旧版未読の人は、人間関係もストーリーもさっぱり意味が判らないのではとも思ったり。
……なんというか、良い意味でも悪い意味でも、すごく出来の良い同人誌みたいな感じ?
で、いくつかの小ネタ的SSを散りばめつつ、そのキャプテン休暇ネタと、あとアンドロイドのマキシマムの過去と今的なお話が入って、150ページほどでした。
個人的に、一見もっさりな平凡さんのようでいて実はめっちゃ有能なゼウス=フォーマン中尉が大好きなので、ちらっと出てきた彼らの夫婦事情と、あと巻末四コマでの意外に男らしいレーダさんが、微笑ましくもどっひゃーーとなってみたりvv
さて、2巻はどうしようかなあ……
No.1192 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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