悪役の王女に転生したけど、隠しキャラが隠れてない。
2022年06月29日(Wed)
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読書記録: ■悪役の王女に転生したけど、隠しキャラが隠れてない。〜闇ギルドランキング(3) https://ncode.syosetu.com/n0551gv/
気がついたら異世界の後宮で、幼女の身体に入り込んでいた「わたし」。うっかり足を滑らせて階段を落ち、その後の記憶がないということは、その時に死んでしまったのだろう。 幼女の名はリュシエンヌ=ラ・ヴェリエ。女好きの国王が手を付けたメイドに産ませたは良いものの、母親は産褥で死亡。王族特有の琥珀の目を受け継ぎながら、王族ならば持っているはずの強い魔力をいっさい持たなかった彼女は、嫉妬に狂った王妃と母親を見習うその子供たちや侍女らによって、貧民街の子供のほうがまだマシな生活だろうという、手酷い虐待を受けている状態だった。 しかしリュシエンヌとして目覚めた彼女の記憶によれば、そこは前世でよく遊んでいた乙女ゲームと同じ世界で。5歳の頃にクーデターが起き、民を顧みず贅沢三昧をしていた王族たちは、全員処刑されるはずだった。そしてリュシエンヌだけが、その悲惨な境遇を憐れまれ、クーデターのリーダーであり新たな王として即位するファイエット元侯爵に引き取られ、第一王女として暮らすこととなるのだ。 しかしそれは、けして彼女に幸福をもたらす運命ではない。 旧王家の血を色濃く継ぐ彼女は、反クーデター派にとって利用しやすい旗印である。そんな彼女を悪用させないために、新国王は彼女を養女にしたのだ。それでも暴力を振るってこない新しい家族に対し、ゲームのリュシエンヌは依存してしまった。兄である王太子にもその側近であり婚約者、すなわち未来の家族である公爵子息にも、ひたすらにベッタリまとわりついた。さらには幼い頃の虐待の影響で心が成長しきっていなかったのだろう。些細なことでも癇癪を起こしては我が儘を言い、贅沢を求めて周囲を呆れさせていた。 それでいて当の義兄は、旧王家の圧政によって母である元侯爵夫人を亡くしており、同じ旧王家出身のリュシエンヌを疎ましく思っていた。婚約者もまた、表向きはリュシエンヌに優しく接していたが、内心では辟易とし、義務感だけで付き合っていたのである。 そんな状況で、ヒロインが現れるのだ。兄や婚約者を、せっかく得た心の拠り所を奪われそうになったリュシエンヌは、当然激しく抵抗し、様々な嫌がらせを ―― かつて己が受けていた仕打ちと同じものを、ヒロインへと向け ―― 結果として退学からの修道院送りののち『病死』、あるいは降嫁こそするものの実質的には軟禁され子を作ることも許されぬままフェードアウト、場合によっては兄の手で斬り殺されるというエンドまで存在した。 いやでもリュシエンヌ、悪くないよね? 改めて彼女は、そう思う。 原作のリュシエンヌが義兄と婚約者をヒロインに取られまいとするのは、孤独になりたくないという思いからだろう。そもそも婚約者は未来の家族だ。それを守ろうとするのは当たり前だろう。 今さらながら、なんであんな理不尽なゲームにのめり込んでいたのか。 そう思いながら彼女は、ひとまずクーデターが来る日を待ち、その後は目立たずできるだけ攻略対象者たちとも関わらず、ひっそり暮らしていこうと心に決めた。 そうしてその日も、裏庭の井戸で空腹を紛らわせるべく水を飲み、身体を拭いていた彼女 ――『リュシエンヌ』は、気がつけばすぐそこに見知らぬ少年が立っていることに驚いた。 ここは後宮で、男子禁制である。王族以外の男が存在してはいけない場所だ。 「君、オレのこと見えてる?」 問いかけられてうなずき、ひとまず人目のない場所へと連れてゆく。 「あのね、ここは後宮だから、男の子は入っちゃだめだよ」 そう言うと、十代後半と思しきその少年は笑ったようだった。 茶色の髪に灰色の瞳、口元は布で覆っている。顔を隠すように首にも布を巻いているその姿には、何故か見覚えのようなものがあって。 「逃してくれるの?」 「ちがう。わたしはなんにも見てないし、だれにも会ってないの。だからあなたのことも知らないし、だれにも言わない」 「……ふうん、頭は良いみたいだね」 そう口にした少年は、どうやら他の誰にも見えていないようだった。 その後すぐ王妃に見つかったリュシエンヌだったが、少年が見咎められなかったことに安堵し、暴力を振るわれながらも、ちょっと嬉しくて笑ってしまう。 そうして、痛みの中で唐突に思い出した。自分が死ぬ直前に、原作ゲームに追加された隠しキャラの存在を。 名はルフェーヴル=ニコルソン。闇属性の暗殺者で、隠密能力に長けた青年だ。あいにく広告を見ただけで、追加ディスクをプレイする前に死んでしまった彼女は、それだけの情報と十年以上後の外見しか知ることはなかったが。 ……隠しキャラなのに、全然隠れてないじゃん。 ぼんやりとそう思いながら、彼女は気を失ってしまって……
「寝取られ令嬢は英雄を愛でることにした」や「Jolly Rogerに杯を掲げよ」の早瀬黒絵さんの作品。 悪役令嬢転生系。書籍化・コミカライズ済。ダイジェスト化なし。本編完結済。 ……というか、完結作だと安心して読み始めたら、読了した頃には続編の連載が始まっていた罠ww 定期更新の予定だそうですし、ちゃんと話を完結させる作者さんっぽいので、こちらも終わってから読むことにしようと思います。 内容としては、なんかもう安心感しかないというか。ヤンデレ×ヤンデレ=ラブラブ馬鹿ップルよね、という展開に、周囲も早々に諦めて受け入れてしまっているという、予定調和的な世界です。 ヒドイン関係はむしろおまけに近く、ひたすら新生・リュシエンヌが溺愛されながら幸せに生きていく(そして人の心が判らない暗殺者が、ちょっと成長していく)お話です。あとヒドインじゃない『ヒロイン』がどうなるかは、地味に気になりました。 なお隠しキャラことルフェーヴルさんは、一見チャラ男的な軽い言動の、でも実際は冷酷かつ自分勝手で、たとえ気に入ったリュシエンヌや原作ヒロインであっても、「手に入らないなら殺しちゃお」「閉じ込めて誰にも見せず、オレがいないと何もできないようにしたいなあ」的ヤンデレ。原作乙ゲーでは一回でも選択肢を間違えると、殺されてバッドエンドという高難易度キャラです。 そんな彼が17歳、リュシエンヌ5歳からべったり互いに執着し続ける、12歳違いの年の差カップルものでもあり。 ルフェーヴルはけっこう早めに前世や乙ゲー云々について説明を聞いているし、原作では不仲の義兄とも早々に和解。しかも義兄は十歳で受ける洗礼の晩に、女神のお告げとして乙ゲーの各ルートを夢で見るという体験をした結果、父である国王や側近候補の公爵令息などと相談。そんな未来が実現しないよう、全力で義妹(義娘)を愛し、不審人物(ヒロイン)を排除するべく計画を練るという、なかなか異色の展開です。 とにかくヒロイン以外がほぼすべて味方なので、虐待シーン以外はおおむねノンストレスで読んでいけました。 転生の理由とか、元々の『リュシエンヌ』の魂がどうなったかもちゃんと語られているので、そう言う意味でも完成度は高いと思います。 ……まあ、ルフェーヴル(闇ギルド所属の暗殺者)のターンで、けっこうエグい描写もあったりしますが。ザマアも人を選ぶ感じの内容なので、そこらへんは要注意。あとだらだら長いと感じる人もいるかもしれませんね<テキストファイル200KBでざっくり文庫1冊として、本編だけで10冊分ぐらいある
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No.3180
(読書)
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我儘女に転生したよ
2022年06月08日(Wed)
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読書記録: ■我儘女に転生したよ 〜夢 https://www.alphapolis.co.jp/novel/59174274/565063472
高熱を出したことで、女子高生だった前世を思い出した公爵夫人。 癇癪持ちのわがまま放題、感情が高ぶれば魔力を爆発させ、婚約者持ちの相手との政略結婚で第二夫人となり、夫とも三歳になる子供ともろくに口をきかないという、皆から遠巻きにされている存在。でも記憶を取り戻してから過去を振り返ってみれば、どうも子供の愛し方や他者への接し方を知らないまま成長してしまっただけらしく。 改めて子供愛に目覚めた彼女は、膨大な魔力と前世知識を大盤振る舞いして、愛する息子を……ひいては周囲の人々を幸せにすることを目指す。
……と言った感じのお約束転生。連載中。 けっこう面白くはあるんですが、主役の過去(どうも母親に虐待されてたっぽい)とか、今後に向けて不穏な気配が……といったところで更新停止しちゃってました。 最終更新が2017年だと、先は望み薄かなあ。
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No.3140
(読書)
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家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。
2022年05月27日(Fri)
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読書記録: ■家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/833904614/875588829
虐待され、酷使されたあげくに身一つで追い出された実は有能な末娘と、貴族をかさにきて常識知らずだったがゆえに没落した実家。 現地主人公で12話完結済み。タイトル通りのお話でした。
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No.3117
(読書)
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捨てられ聖女の異世界ごはん旅 隠れスキルでキャンピングカーを召喚しました 4巻
2022年05月26日(Thr)
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読書記録:
ついに到達した、現時点での最新刊。 もうね……なんかもう、いろいろとびっくりさせられました(呆然) 内容的には、115話「物見遊山は楽しいな 知らない風景楽しいな」あたりから、なろうの更新が止まっている134話「ミステリィ イン ブルー」時点で、書籍の半分をちょっと越えたぐらい。 エピソード順の入れ替わりで、タルタル初登場とかは既刊ですでに語られたりしているんですが、そのぶん124話「ドキ☆ワク 感動再会物語♪ 〜ポロリはないよ☆〜」と125話「スクランブルは突然に」の間あたりに、大幅な改変・書き足しがあるのですよ。 そこで明らかにされた情報があまりにも膨大かつ重要すぎて、リンちゃんと一緒に処理落ちしそうになりました。 「は……? え……!? なん、だと……っ!」 って感じ(笑) webでは後回しにされていたっぽい、鬼ぃさんの異母兄さんについてや、そこからもたらされるあれやこれやで、かなり話の印象が変わりました。 っていうかこれ、ヴィルさんの異母兄さん視点での番外編とか読んでみてえ……むしろそっちが本編になっててもおかしくないストーリーですよ。いやまじで。 そしてそこからが怒涛の展開というか、3巻までは、話進まねえなあ……ほんとに食べ歩き万歳じゃん、と思わせられていたのに、この1冊でいっきに佳境ですよ。 この話は、ちゃんと完結に向かって収束し始めているのだなと思えました。 とはいえ、あとがきによれば、それでも彼らは焦らずのんびりご飯旅を続けてくれるとあるので、まだ先は続くし、雰囲気も変わらないのでしょうね。 ボスキャラ相手に「非常に美味」の鑑定結果が出た途端、勝ち負けを憂えるどころかいかに損傷を与えず倒すかに意識が行っちゃう、そんな食いしん坊パーティー達が微笑ましいです。 1〜2巻では削られ気味だった、メンバー達が食事の準備片付けを手伝ってくれる場面なども増えてきていて、なるほど少しずつ馴染んでいく感じを出すためだったのかあと、ここに来て納得できましたし。 ……ああもう、リンちゃんが召喚されて、ヴィルさんと出会ってくれて、本当に良かったぁぁぁあああっっっ ・゜・(ノД`)・゜・
相変わらず誤字とかちょこちょこあるし、最初のダンジョンのギミックについての述懐がweb版準拠なんじゃとか、さっきまでと立ってる位置が変わってないか? など、校正仕事してくれという部分もありましたが、読んでいて楽しいので、まあ良しとします。 5巻の刊行はいつになるのかな〜〜
あまり関係のない話ですが、Amazon でいろいろ商品チェックしていたら、うっかりチェックを外しそこねてボタンを押してしまったようで、気がついたら Amazon Prime の無料体験が始まってました(汗) 速攻で自動更新を解除したので、来月に引き落としが来ることはないと思うんですが……こぇぇぇええ (((( ;゜Д゜)))) ガクガクブルブル
まあせっかくだから、プライム会員なら無料で読める Kindle 書籍とか、いくつか覗いてみたりしていますが……月額500円も払い続けるほど、Amazon で買い物しないからなあ(´・ω・`)<注文履歴が過去三ヶ月で5件(うち4件はこの「捨てられ聖女〜」の1〜4巻) 気がついたら無料登録されてて、しかも気付かず放置してたら翌月から自動引き落としとか怖すぎる……
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No.3115
(読書)
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捨てられ聖女の異世界ごはん旅 隠れスキルでキャンピングカーを召喚しました 3巻
2022年05月20日(Fri)
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読書記録:
webから書籍化、三巻目はついにほとんど書き下ろし状態でした。 いやうん、始まりのレアル湖で化けカワウソとか、生もの消費フライ祭りとか、web版のエピソードもありはしたんですけどね。 メインはなろう版で「帰りに寄ろう」となっていた、メルノワ火山の温泉街にしっかり立ち寄った挙げ句、お約束どおり巻き込まれるトラブルになっています。 あと冒頭で、暴食の卓パーティーで最初に出た冒険で助けた面子と再会して、そこの孤児院でのあれやこれやにもけっこうページを割かれています。 ってか、なろうではドワーフだったはずのライアーさん(院長先生)が、インテリヤクザみたいなメガネイケメンになってたのは大人の事情なのか(苦笑) あと、潮溜まりで素潜りエピソードがざっくりカット。 旅程を組む際にパーティーメンバー達が、リンちゃんの移動速度見積もりに「無理は良くない!」と心配の声を上げる場面もカットされてるのは(以下略 なんか細々とした、追放モノとは真逆の、常日頃からごく自然にリンちゃんを大事にしてくれているちょっとした気配り部分が、ざくざく削られてる気がするんですよね……それに前巻で刷毛がなくてスプーンでタレ塗ってたのが、特に買い足した描写もなく今回は使ってたり、魔力のせいか不思議なほど軽いと評されていたごまみそが、ずしっとした重さだと書かれていたりと、なんかちまちまと引っかかる部分が…… 逆に、ついに! と思ったのは、リンちゃんがかんざしを使用していると、本文で触れられたこと。これまでは挿絵でしか察せられなかった部分ですからね……ただし、触れられたその段階でこれまでとデザインが変わっているのに、挿絵は以降もそのままという、これまた残念な(ry 誤字もねえ……まあこれぐらいの数ならしょうがないかというところでしょうか。 とにかくひたすら料理作って食べて、昼飯食べながら夕飯の献立考えて、その合間合間に下ごしらえしてるような話運びなので、空き時間に少しずつ読んでいると、あれ今どこで何やってたんだっけ? と、ストーリー展開を忘れていたりしちゃいます^^;; とまあ、そんなこんなで、今回は89話「大陸の険を超えていけ」〜114話「士気を上げるためには美味しいご飯は必要不可欠」らへんまで。まだ王都にはたどり着いていません。 4巻ではどのへんまで進むんだろう……(苦笑)
追記: ごまみそが重いのと、ないはずの刷毛でタレ塗ってたのは4巻冒頭の間違いでした^^;; 感想書き始める前に次の巻に手を着けるのはやめろって話ですな……
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No.3103
(読書)
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脇役令嬢に転生しましたがシナリオ通りにはいきません!
2022年05月16日(Mon)
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読書記録: ■脇役令嬢に転生しましたがシナリオ通りにはいきません!〜049 https://ncode.syosetu.com/n0270fk/
無体な使い走りの途中で階段から落ちたことにより、己が悪役令嬢(攻略対象の婚約者候補であり、別の攻略対象の妹)の取り巻き下級貴族に転生していることに気が付いた、元アラサー女子。 このままでは巻き添え没落エンドだと、悪役令嬢から距離を取ることを決め、卒業後に自活できるよう勉学に本腰を入れ始めるが、何故か巡り巡って生徒会へと出入りする羽目になって……
モブ転生系、コミカライズ・書籍化済、連載中。 ヒロインは話聞かない系、悪役令嬢とその兄(攻略対象)は、主役の影響で良い方向へと変化するタイプ。 【N-Star】の企画作品なのに、中途半端なところで連載が止まって一年経ってます。改めて確認したら他の作品も2年ぐらい前で止まってたりするし、この企画、停止されたんですかね……?
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No.3097
(読書)
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捨てられ聖女の異世界ごはん旅 隠れスキルでキャンピングカーを召喚しました 2巻
2022年05月13日(Fri)
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読書記録:
あらすじは以下略。 52話「外つ国も 暁来たれば 鳥が啼く」〜86話「まずは休もう! ご飯を食べよう!! 話はそれからだ!!!」あたりまで。 前巻ラストでの寝落ちがなくなった結果、冒頭からかなり改変・書き足しがあります。 朝からいきなり海釣りして、また「大物」を釣り上げてますしね(笑) ただ個人的には、リンちゃんの「洗い物〜」って寝言を聞いた他のメンバーが、洗浄魔法とか使って後片付けやってくれていたのが凄くツボだったので、そこが消えたのがちょっと悲しかったです。 まあ、半分ぐらい読み進んだところで、「例によって〜」ってエドさんが洗浄魔法かけてくれるシーンがあったので、パーティーメンバーが片付けちゃんと手伝ってくれてるという描写が残ったのは良かったです。 お初のダンジョン攻略についても、かなり改変あり。 まず表紙を見れば判ると思いますが、ごまみその登場が相当早いッス。そして可愛い。ぬこは正義ww なので存分に情が移ってからのあの展開は楽しかったです。神殿の謎解きも内容変わってましたし、中ボス(口絵のストームイール)戦などもあって、なかなかのボリュームアップでした。 料理の内容もかなり変わってますねえ。ラストはギルドの中庭で、ギルマスとシーラさん(受付コボルト)も巻き込んでのBBQとうなぎ料理(なろう版はパーティーメンバーだけでチャーシュー丼)作ったりしてるので、なろう版でここまでってのが「あたりまで」になっちゃいます。 3巻はいきなり火熊の時の孤児院パーティーが再登場してるみたいですし、こっちも改めて楽しめそうです★
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No.3094
(読書)
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異世界の沙汰も、金次第〜聖女召喚に巻き込まれた社畜〜
2022年05月10日(Tue)
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読書記録: ■異世界の沙汰も、金次第〜聖女召喚に巻き込まれた社畜〜 https://novel18.syosetu.com/n4862eq/
拉致召喚で魔法陣に引きずり込まれかけ、助けを求めている女子高生の腕をつかんだところで、一緒に引きずり込まれてしまった社畜サラリーマン(29歳男)。 瘴気を浄化できる聖女の存在に沸き立つ周囲をよそに、巻き込まれた一般人である彼は、仕事で疲れていたこともあって、ほとんど頭が回っていなかった。 巻き込んだ責任は国にあるため、衣食住の面倒は見る。何か希望はないかと訊かれた彼は、気がつけばこう答えていた。 「仕事をください」 早朝から終電まで働いて、休憩時間もひっきりなしに電話が掛かってきて食事もろくにできず、むしろカロリーメイト1本すらも食べきれない胃腸に無理やりエネルギーゼリーを詰め込んで、眠気をカフェインで飛ばしながら他部署の無茶ぶりに応えてきた彼にとって、もはや仕事は存在意義そのものだったのである。 そうして王城の経理課で働くこととなった彼だったが、経理課の実情と言えば、8時間勤務のうち2時間が昼休憩で、しかも全員が定刻出勤定刻退社。ホワイトを通り越して、誰もまともに仕事をしていない。ついたあだ名が「横流し課」。書類を右から左にベルトコンベアーで運ぶだけの部署、である。社畜な彼が、その現状を許せるはずもなく ――
おまけ召喚モノ。BLですがそっちの描写は朝チュンぐらい。書籍化・コミカライズ済・ダイジェスト化なし。完結済。 続編が2作(そちらも完結済)あるようですが、とりあえず一作目を読了しました。 おまけで召喚されたせいで、聖女様のように魔力もなく、異世界に漂う魔素とやらへの耐性もない主役は、回復薬を飲めば命に関わる中毒を起こし、それを治そうとして魔法をかけられれば、魔力酔いでやはり死にかねない。しかも魔素は空気にも食事にも含まれているので、ぶっちゃけ放置されていればすぐに死ぬという、非常にアレな状態です。 ……唯一の回避方法が、回復(に限らず)魔法をかけたあとに、その魔力を身体になじませるため術者と肌を合わせて……という、まあそういう方向での身体から始まるBL。お相手は、たまたま最初の中毒時に居合わせた、有能かつ地位が高い優良物件過ぎて、あまりものにも人にも興味を持てないでいたタイプの魔法騎士団長。最初は義務感で治療したのが、だんだん放っておけなくなってきて……的な。 もともと働きすぎで慢性体調不良だった主役は、それがすっきり治るうえに効率良く仕事できるなら、相手が迷惑に思わなければ別にそれでも……とか普通に考えちゃってる、完全に社畜です(汗) なんというか、すごく独特な考え方をする人で、有能クールでいくぶん俺様も入ってる団長さんが、それでもちょっと気の毒にもなってくるぐらい(苦笑) 女子高生の方は、世間知らずで悪気なくいろいろえぐってくる、善良かもしれないけどイラッと来るタイプで、聖女と祭り上げられてふわふわしていましたが、終盤はそれなりに現実を見て前を向いていたので良かったと思います。 っていうか主役の行動がもうね、そう言う方向に持っていくとは思わなかったよ……ww
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No.3092
(読書)
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幼な勇者と青年魔術師
2022年05月08日(Sun)
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読書記録: ■幼な勇者と青年魔術師 https://ncode.syosetu.com/n1751w
勇者召喚の魔法陣に現れたのは、ぽっちゃりとした小太りの女の子だった。10歳ほどの少女は怯えて泣きじゃくり、その様子を見た少年は、苛立ったようにそばにいた魔術師へ命じる。 「この失敗作を魔法陣から引きずり出せっ!」 魔術師の青年ジオは、深々とため息をついた。 「私はもう、宮廷魔術師ではないのですがね」 勇者召喚の儀を断った彼は、とっくに首となっていた。 「引きずり出して、どうするつもりですかな?」 「当然、本物の勇者を呼び直すに決まっているだろうっ」 「この子はどうするんですか?」 「知るか、勝手に出てきやがって。俺が求めるのは勇者だぞっ。あんな醜い餓鬼など、どこかに捨ててこいっ」 ……先代の国王はいい人だった。人間嫌いだった青年が、仕えてもいいと思うぐらいには。しかし若くして突然死してしまった先代は、息子の教育を充分に行えなかったようだ。 まったく関係の無い人間をさらって働かせようなんて、ただの誘拐で、他力本願極まれりだ。阿呆か。 そう思った彼は、召喚された『小学4年生』の女の子、吉田真理を連れて、国を出奔した。 それは、世界で最も強大な能力を持った魔術師と、幼い身で勇者として召喚されてしまった少女との、出会い。 そして数年後、この幼な勇者を幼な妻へとクラスチェンジさせた魔術師の物語である ――
拉致召喚で現地人主人公……だけど、実は ―― なお話。7話ほどで完結済。 「針子の乙女」のゼロキさん作品です。 ほぼほぼ第一話ですべてが語られているし予想もできているのですが、まあそれはそれ(笑) 魔術師の青年は、召喚から3年過ぎた時点で35歳。真里ちゃんは13歳。地球では完全に犯罪級の年の差なんですけど、この世界では12歳から婚姻可能かつ、男性は家族を養える甲斐性を持ってから結婚というのが一般的なことで、ちょっとすれ違いが生じたりとか。 それにしても、過去に召喚された静香さんの事情がひどすぎてひどすぎて……でも、拉致召喚ってそういう可能性も充分に考えられるんですよね。この発想はすごいって思いました。 詳しい事情を知らないのに、それをきっちり他の人に説明してくれるロマッドさんマジいい人。脳筋的な書かれ方をしているけれど、作中で一番の常識・良識人だと思いました(しみじみ)
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No.3090
(読書)
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婚約破棄された令嬢は心を決める。〜私、今まで頑張りましたから〜
2022年05月07日(Sat)
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読書記録: ■婚約破棄された令嬢は心を決める。〜私、今まで頑張りましたから〜 https://ncode.syosetu.com/n2760hp/
もふもふを知らなかったら〜のひつじのはねさんのお話。 全3話完結済。 テンプレを一度は書くべきと思ったら、どうしてこうなった? というお話。 淑女として努力してきたフラウちゃんの明後日っぷりと、年齢にしてはすごくしっかりした「男の子」の王子様にほっこりとさせられました。
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No.3089
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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