池松壮亮版 ドラマ金田一耕助その2
2020年08月09日(Sun)
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かなりシュールな作りだった、三十分で一作を終わらせるという、なかなか斬新でありながらもストーリーはけっこう原作に忠実だった、 池松壮亮版の金田一耕助。 半年も前に二作目が放送されていたとは、まったく知りませんでした。
■池松壮亮が「横溝正史短編集II」で再び金田一耕助に、「高尚な遊びができた」 - 映画ナタリー https://natalie.mu/eiga/news/358671
幸いにも昨夜、再放送されるというのに開始一時間前に気がついて、大慌てで予約しましたよ。 今回のラインナップは「貸しボート十三号」、「華やかな野獣」、そして驚きの「犬神家の一族」。 犬神家〜以外はまた渋いところを攻めてきましたね。
前回同様、朗読を主体においた作りで、一作目はそこまで奇をてらわずに、だんだん遊び心(?)が増していく趣向。 「貸しボート十三号」は、捜査会議の様子やみなの服装などが現代っぽくなっていたほかは、さほど違和感なく見ることができました。元が短編であることもあって、三十分でもそう無理がなかったと思います。 二作目「華やかな野獣」も短編、しかも舞台が現場から動かずに終わるタイプの話なので、そういう意味では違和感が(以下略) もともと金田一さんがボーイに変装しているという一点で、全てをふっとばされてしまう原作だけに、実は内容あまり覚えていなくって^^;; ただ、こちらはかなり遊びが入っていたと言うか……原作はかなり享楽的なお話なのですが、それを強調しつつも薄れさせるためか、男性もすべて女性が演じておられました。そしてマスクを着けた会員制仮装パーティー場面のマスクが、豚鼻とかアヒルのくちばしという、おふざけパーティーグッズww そして性的なあれこれの部分は、膨らませた風船で表現されていました。まさにシュール。 推理場面で、ボーイ姿の金田一さんがダンスしてるのもちょっと(苦笑) とはいえ、あまり画面を見ずに音だけ聞きながらチラ見している分には、悪くないんですよねえ、これが。 三作目「犬神家の一族」に至っては、いったいどうやってあれを30分で終わらせるのかと思ったら、まあサクサク進みました。ダイジェストと言うか、主要な場面だけをピックアップした感じです。最初に殺される若林弁護士に至っては、自白シーンまで触れられもしてませんしww そしてほとんどの場面が一室で語られていました。なんだか舞台を見ている印象? 殺されて飾り立てられた死体も、その状態でずっとその場に立っているのがこれまたシュール。 さすがにこれだけは、原作を知らない人だと内容理解できないだろうなあという印象でした。 原作知ってる人間としては、そこそこ面白かったですけどね。
前作もそうでしたが、総じて「原作を知っている人間が、パロディとして楽しむもの」と考えれば、それなりに面白い趣向だと思いました。 あと、「朗読と台詞主体なので、画面はあまり見ずに作業BGMとして使うと良いかも」と^^;; ぶっちゃけた話、犯人や動機や人間関係を変えまくられているあれとかこれよりは、よっぽど原作に忠実で、再視聴もしようと思えるものでした。
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No.2090
(映像)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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