悪魔の設計図 由利麟太郎シリーズ
2020年07月14日(Tue)
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読書記録:
由利麟太郎シリーズの一冊です。吉川晃司版ドラマに触発されて手を伸ばしちゃいました。 さすがにブックカバーつけないと厳しい表紙ww 「悪魔の設計図」以下、「石膏美人」「獣人」の3作品が収録されています。 表題作は、休暇に出かけた先で新聞記者の三津木俊助が事件に巻き込まれ、その背景には奇怪な遺言状による遺産相続や入れ墨の三人娘うんぬんと、まあ横溝作品としてはスタンダード? な感じ。 しかし2作目「石膏美人」は、由利先生の登場作らしく、ちらっとその過去が語られつつ、しばらく疎遠になっていた三津木青年との再会や、さらには三津木青年の恋も絡められていたりとか。事件の二転三転ぶりも激しく、二十数年にわたる懊悩とか痴情のもつれとか悲劇的な最期などなど、なかなかにボリュームたっぷりでした。この話のおかげで、2〜3冊目ぐらいに読むのは、この巻が良いんじゃないかと思えましたね。 3作目「獣人」に至っては、由利先生がまだ若かりし学生時分というサービスっぷりですしvv これはやっぱりヒロイン(?)が後に由利先生と……って深読みしても良いのかしら(ニヤニヤ) ……まあドラマ版では、由利先生の奥様まわりにまた別の展開があるみたいですけど<最終話はまだ見ていない なお全体的にシャーロック・ホームズといった、他作品の影響が大きく感じられるのは、この時代の作品としてはお約束。巨大な時計塔とか、一体いくつ存在してるんだ、この時代(笑) 「獣人」なんて、内容的にはもろホームズの「這う男」ですし。 あとやはりこの時代だからでしょうか。別にジュヴナイルとは冠されていない巻なのにも関わらず、どの話でも1回は、唐突なぐらい子供や少年少女が活躍する場面が入っていました。 謎解きもトリックよりも勢い重視というか、冒険活劇的要素が強い感じで、金田一シリーズのような「推理小説」を期待していると、いささか肩透かし感はあるかもです。
そしてふと、積読置き場の片隅から覗いているものを見つけて、「ああ!」となったりとかww
そういえば一年ぐらい(?)前に仕事場の人から「こういうの好きでしょ?」と渡されて、「あー、これ金田一じゃないですねえ」とか言いつつ、それでもお気持ちだからといただいた中の一冊にありましたっけ。 この巻は地元図書館にもなかったし、ありがたいッス。いやはや、何がどう巡り巡るか判んないですねえ(笑)
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No.2050
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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