弟が『姫騎士になる』と言い出したら私が王太子になる事になりました。【連載版】
2020年04月02日(Thr)
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読書記録: ■弟が『姫騎士になる』と言い出したら私が王太子になる事になりました。【連載版】 https://ncode.syosetu.com/n5078fg/
翌年十三歳になる、第一王子セイドリック・スカーレット・ロンディニア。そのへんの貴族令嬢などと比べても文句なく愛らしいと言える容姿をした彼は、ある日のこと力強く宣言した。 「私、姫騎士になります!」「は?」 十六歳の姉、セシル・スカーレット・ロンディニアは、思わず素で聞き返す。 「…………なぜ姫騎士になりたいと思ったのですか?」 「姉様を守りたいからです! 私は昔、姉様に着せてもらった可愛いドレスなどが大好きです! それにかっこよくて強くて姉様を守れるものといったら騎士です! だから姫騎士になるのが、姉様をお守りするのに一番良いと思いました!」 その清々しいまでの純粋な笑顔に、セシルは突っ込みの言葉がすべて封印されてしまった。 仕方なく父王に相談したところ、父もまた同じようになってしまう。そして父は思案した挙げ句にこう提案してきた。 「隣国ザグレに留学の話があっただろう? ちょうどいい、お前たち一緒にザグレに行って来なさい」と。 大陸一の強国であるサグレには、各国の王侯貴族がこぞって留学する学校があった。身分も年齢も関係なく、能力で下級、中級、上級とクラス分けされ、卒業までの二年間を過ごすのである。二年間上級クラスに在籍し続けるのは相当に難しいと聞くが、今年はちょうどザグレの王太子殿下も入学するとあって、大国の次期国王とお近づきになれる機会を求めて、周辺諸国から多数の人間が送り込まれるらしい。 そこへ、セイドリックは女装して姉姫として、セシルは男装して王太子として、通えと言うのである。 「二年間は、自由に楽しい思い出を作りなさい」 父はセシルへとそう告げる。 身分の高い母を持つ異母姉達の陰謀により、セシルは意に染まぬ婚約を強いられていた。会ったこともない、しかし悪い噂しか聞かぬシャゴイン国の王太子へと、嫁がなければならないのだ。しかしザグレへ留学が決まったとなれば、向こうも婚姻を急かしたりはできないだろう。 だから二年の間だけ自由に過ごし、そのあとはあの国の王妃としてしっかりと立派に務めを果たせ、と。 かくして姉と弟は入れ替わり、信頼できる少ない使用人達とともに、期限付きの夢を見るべく旅立った。 しかし各国の王族貴族が集まった学園での生活は、入学式の前から波乱に富んでいて ――
現地主人公で女装&男装の入れ替わりな学園モノ。ちょっと長めの中編で完結済。 元は最初の一話のみのネタ短編だったものを連載版にしたものらしく、入れ替わりの動機とかが「良いのかそれ」的な部分はありますが、まあそこはそれ。なんかファンタジーな「とりかへばや物語」っぽかったです。 そして女装と男装に入れ替わり、さらには同性愛嗜好者まで登場してきて、なんかもういろいろとカオスなことに(笑) 名前の似ているキャラが多数登場するのも、けっこう混乱の元だったんですが。 とりあえずシルヴァーン殿下……どんまい。あなただけは心底から純粋に被害者だよね……あとランドルフ公爵家子息殿もたいがい気の毒ッス(遠い目) あ、学園に通う生徒は別に寮生活とかじゃなく、普通に屋敷を借りてそれぞれに暮しているので、異性と同室で生活してドキッ★ 的な展開はありません。貴族学園だからか、着替えるような授業もないみたいですし。 セシルの婚約者であるシャゴイン国の王太子が、清々しいまでの阿呆な馬鹿様なので、そういう意味ではすっきりできました。
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No.1904
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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