食事処の付加魔法師
2019年02月25日(Mon)
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読書記録: ■食事処の付加魔法師 https://ncode.syosetu.com/n1310em/
前世の知識をうっすら思い出してしまったが故に、いまいち貴族生活に馴染むことができなかった公爵令嬢エレン。 そんな彼女は学園の後輩である勇者の妹を虐めたという、いわれのない罪を着せられ、王太子から婚約破棄を言い渡される。エレンは思わず目を見開き、わなわなと震える右手を握りしめた。 「マジかよ、やったぜ!」 高らかに叫んだ彼女は、嬉々として王都追放を受け入れ、一平民として市井へと降り立った。そうして二年が過ぎた現在、食事処「金獅子亭」で生き生きと働いている。 趣味は筋トレ、ウエイトレスから薪割りまで幅広くこなす彼女は、店の看板娘として評判になっていた。 ちなみに店の客には、『勇者一行』と呼ばれる人達もいる。彼女が王都を追放される原因となった件に関わる少女の兄と、その相棒である凄腕の冒険者の二人組である。 十年ほど前に現れた、一夜にして一国を滅ぼしたという邪竜を討伐した彼らは、金獅子亭の常連であり、そして常連しか注文することができないとある特別メニューのお得意様でもあった。 その特別メニューとは、「付加魔法(エンチャント)」。 武器防具に属性を付加したり、人間の身体強化に使えるエンチャントは、本来であればそこまで使い勝手の良い魔法ではない。同レベルの使い手なら簡単に解除できてしまうし、そもそも時間経過で効果を失うというデメリットもあるものだ。 しかしエレンが施すそれは、一味違っていたのだ。 うっすら残る前世の知識を元に、対象へ魔法文字を刻み込むという方法を編み出した彼女の施すそれは、半永久的な効力を持ち、かつエレン以外の魔法師では解除できないほど高度なものになっていたのだ。 故に彼女は、こう呼ばれている。「食事処の付加魔法師」と。 これはそんな元公爵令嬢が、お得意様である冒険者たちの武器にエンチャントしてみたり、『勇者一行』と評判のパーティの一人に恋したりするお話である……
悪役令嬢追放系。完結済。 あんまり前世の知識とか関係ないし、エンチャント自体もあらすじ読んで期待したほどには出てきていませんでした。 もっぱらちょっとズレた元令嬢(十八歳)と、いい年(三十代前半)なのに奥手すぎる男(勇者の相棒)の両片思いな初々しいジレジレ恋愛がメインです。 男の正体は、かなり早いうちから読者にはバレバレ。 そして貴族の義務を早々に放棄しちゃった、ある意味無責任な元令嬢が、持つべき覚悟に気がつくお話でもあり、やはり無責任に権力を行使しちゃった王太子様が、単純にザマアされるのではなくちゃんと反省して更生するところなどは、ちょっと好感度上がりました。 ただ一番ことの元凶である、濡れ衣着せた犯人が、特に悔恨するほどもないまま幸せになっちゃったっぽいのが、少々引っかかるかなあ……
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No.1060
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。
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