よしなしことを、日々徒然に……
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 ドラグーンズ・メイル
2018年09月05日(Wed) 
読書記録:
■ドラグーンズ・メイル
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かつての大英雄アレイド・アークやその弟子達も通っていたという、由緒正しい戦力育成機関、ユミル学院。そこへ入学するため父の反対を押し切って子爵家を飛び出したカインド・アスベル・ソーベルズは、入学式へ向かう旅の途中で、盗賊に捕まりアジトまで連れて行かれるという、最高に素敵なクライマックスを迎えていた。
父親は身代金など絶対に出してくれないだろう。ならば待っている未来は作業的な奴隷か、性的な奴隷か、あっさり死亡か。どれも歓迎できるものではない。しかし武器を取り上げられ、両手も縛られている状態では逃げることもままならなかった。そもそもまだ入学前 ―― つまり戦闘訓練など全く受けていない彼は、たとえ自由の身であろうとも、大勢の盗賊を相手になどできるはずもなかった。
宴会に興じている盗賊達が、酔いつぶれてくれればあるいは……と。そんなヘタレたことを考えていた彼の前で、いきなり耳が馬鹿になるほどの轟音が響き渡る。
盗賊のアジトへと単身乗り込んできたのは、いかにも使い慣れた様子の鎧と、身長と同じほどもある巨大な剣を装備した細身の若者であった。まるで絵画から抜け出たかのような整った顔立ちをしたその人物は、凄まじい剣技と魔法を駆使し、またたくまに盗賊達を制圧してゆく。
その立ち回りの最中、カインドは盗品の山の中から子供の頭ほどもある黒い球体を見つけた。何かのアイテムだろうかと顔を近づけた途端、それはぱきりと音を立てて割れる。中から現れたのは、トカゲのようなモノ。体色は黒で、背中に蝙蝠のような小さな翼、頭にはやはり小さな二本の角が ―― って、これどう見てもドラゴンじゃねぇか!
愕然とするカインドの前で、その可愛らしい子ドラゴンは、小さくくしゃみをする。
次の瞬間、彼の耳元を赤い光の筋が通り過ぎ ―― 残っていた盗賊共を巻き込んで、あたり一帯が爆発炎上した。
それが、とてつもなく強いのに世間知らずな魔法剣士ルースと、謎のドラゴンとの出会い。
そして彼ら二人と一匹が、魔獣騎兵を主戦力とするルークセント王国の、上層部を揺るがす巨大な陰謀へ巻き込まれることとなる、最初のきっかけだった ――


2014年あたりに書籍化の話は出たけれど、なんだかんだでその後は音沙汰がないらしい作品。完結済・ダイジェスト化なし。
全60話+おまけと一見少ない話数に見えるものの、一話一話が長めなので、全体で文庫3冊分ぐらいはありました。
腕っぷしはからっきしだけど、ちょこちょこと機転が利いて頭の回る主人公と、一人で軍隊ぐらい軽く相手しそうなチートレベルの魔法剣士(ただしちょい天然かつ肉体言語系)の凸凹コンビが織りなす珍道中……と言うには移動距離も経過日数も少なめでしょうか。あと何故か主人公に懐いちゃったちびドラゴンも、そこらにいるワイバーンなどとはレベルが違う、世界の成り立ちから存在する真龍らしく。
終盤の方は国家の存亡クラスのゴタゴタに巻き込まれていくのですが……そこでの主人公の立ち回りっぷりは、なんだか某GSの横島を思い出すというかww
いやカインドはそこそこ誠実で生真面目で、場の空気を読むしド助平でもないんですが……なんか口八丁手八丁で、その場にあるもの全部利用しつつ、少々汚い手でもしれっと使って……それでもなお、譲っちゃいけないところでは、恐怖に震えながらも譲らない。そんなところがすごく私好み。
っていうかカインド、きみどう考えても平凡じゃないからね?
あと完璧超人に見せかけてぽややんな魔剣士(作者談)ルースに関しては、最初の秘密こそ割と早いうちに予測できたものの、その後はけっこう意外な話運びでした。
もっとルースの過去とか追いついてきたしがらみについても語られるのかなあというか、最終的にはそれもカインド『で』解決するのかなって思ってたんですけど、そこらについてはご想像におまかせします的な感じでした。
続編を期待したい雰囲気の終わり方で、活動報告などでも前向きな姿勢を見せているようなのですが……前述通りで望み薄なのが残念です。
No.664 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
最近は小物作り(主にタティングレース)などにも没頭しています。

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