よしなしことを、日々徒然に……



 2015年02月01日の読書
2015年02月01日(Sun) 
本日の初読図書:
4047280690おこぼれ姫と円卓の騎士 女王の条件 (ビーズログ文庫)
石田リンネ 起家一子
エンターブレイン 2012-05-14

by G-Tools
デュークを第一の騎士として円卓の騎士ナイツオブラウンドに任命して数ヶ月。
レティは兄二人とともに、武術会を観戦していた。特定の主に忠誠を誓った名誉騎士達が競うその会場で、デュークはレティが予想していた以上の強さを発揮する。ところが王族達が集まる特別席で、絨毯の下に血で描かれた魔法陣と鳥の死体が発見されて、武術会は中止になった。
魔法陣に添えられていたのは、“お前の正体を知っている”という血文字。
歴史に詳しい第三王子レオンによれば、この魔方陣は対象者の死と、生まれ変わりの阻止を願う呪いだという。
レティが騎士王の生まれ変わりだと知っているのであれば、相手は只者ではない。
そして魔法陣にはIという数字が振られており、今後も同様の呪いが続くだろうことが示唆されていた。
予想通り二番目の魔法陣が発見されたのは、先日病でこの世を去ったばかりの、第二王妃ソフィアが大切にしていた花壇。続く三番目は同じく第二王妃の娘で、第二王子グイードの同腹の妹である第二王女コルネリアの誕生パーティー会場だった。
あるいは呪われているのは、レティ個人にとどまらず、王族全体なのかもしれない。生贄も鳥から猫、犬とじょじょに大きなものになっており、最終的には人間に達するだろうことが予測された。
特定の主人を持たない王立騎士団の力を借りて事件の調査を進めてゆくと、第二王子グイードの不審な行動が浮かび上がってくる。グイードは感情を理性で抑えこむタイプで、こういった呪いなどに興味を示すようには思えないのに、調査状況にしきりと探りを入れてきたり、夜中に一人で魔法陣のあった場所をうろついていたりするのだ。
さらに彼は、婚約者であるアウフレヒト侯爵家の娘エリノアに対し、縁談を白紙に戻したいと言い出したという。それどころか、レティと二人きりになった際に、彼女を長椅子へ押し倒してきて ――

シリーズ二作目。
長らく積みっぱなしだったくせに、一巻に引き続きさくさくっと読んだ挙句、続きもポッチりしてしまいました(苦笑)
予想通り、今回は第二王子との関係緩和? がメインとなっていました。
うーん、緩和っていうか……この三兄妹は、母方の貴族達の対立によって、どうしても表立って仲良くしあえないけれど、根っこのところは本当にお互いのことを大事に想い合ってるんですよね、最初から。
第一王子も第二王子も、母方の貴族達がかつては公爵だった自分達の血筋を王家に戻したいがために、それぞれの王子を担ぎあげてしのぎを削っている。そこに王子本人の意志は関わりなく、彼らはそれぞれの王子たちの『味方』ではあっても、『その命令を聞く』存在ではない。
故にレティは次期女王として、兄達二人に『自分のいないところで仲良くするな』と命じざるを得ない。
兄二人が手を組んだと周囲にみなされれば、背後の貴族たちはまず目の上のたんこぶであるレティを排除してから、次に後継者争いの内乱で国を荒廃させる。
また兄のどちらかとレティが組めば、もう一方を排した上で、今度は残された方の兄とレティが決定的に対立する構図となる。
だからこそ彼らは、内心を押し隠して三すくみの均衡を取るしかない。少なくとも、レティが誰からも認められる、揺るぎない女王としての地位を確立するまでは。
う〜ん、切ないです。
第一王子は一巻目で、レティを助けるために自分の腕一本切り落とそうとするし、第二王子は今回デュークの胸ぐら掴んで「レティを守れ! できなければ私がお前の首を切る!」とか言っちゃうし。
ああもう、早く三人ともいろんなしがらみから開放されて、仲良く力を合わせて国を治めていけるようになって欲しいものです。

なお一巻でいろいろ感動の見せ場を作ってくれた獅子王さんは、何事もなかったように『王達の会議の間』へご登場(笑)
いやまあ、別の時間の別の彼、なんですけどね。己の末路を知った上で、絶望の中を笑いながら生きていける獅子王は、本当にすごいよなあ……(しみじみ)
そして隻腕王は、この人の性格の一体どこがいいんだろう……? と、未だその魅力を理解できない私がいます(苦笑)
とりあえず失恋王は相当後期の人物みたいですから、国は今後もずっと続いていくようなのはほっとできますね。あと今回失恋王が漏らした言葉により、レティの治世はなんだかんだあっても最後にはうまくいくだろうことが保証されたのも。
しかし後世に伝えられるレティーの諡(おくりな)って、正式なのは何なんだろうなあ。気になる……

あ、二巻目ですが、二人目の騎士は確定しませんでした。一冊一人任命していくかと思ってたんですが。
……まあ、一冊で二人以上任命することも考えられますが、単純に考えるとこれ、完結まで12冊以上かかる計算なんだなあ……(遠い目)
No.6560 (読書)


 ようやく情報が
2015年02月01日(Sun) 
書籍化されるという話を小耳に挟みつつも、出版社とかペンネームとか具体的な情報が一切出てこなかった、「異世界食堂」。ようやくそれらしいものを発見しました。

■異世界食堂/犬塚惇平【文庫】 まんが王倶楽部 MangaohClub
 https://www.mangaoh.co.jp/catalog/380065/

> 作者 犬塚惇平
> イラスト エナミカツミ
> ジャンル 文庫
> JAN/ISBN 9784074113293
> 出版社 主婦の友社
> レーベル ヒーロー文庫
> 発売日 未定
> 予価 626円(本体580円)


あー……まだ発売日とかは未定なのね。
でもヒーロー文庫なら、出版後にもWEB版消さなくていいみたいだから、ちょっと安心かも。あと作者名が判ったのは大きいです。さっそく新刊チェックアンテナに登録しておくとしましょう。

2015/02/13 追記:
Amazon で予約が開始されましたvv
4074113295異世界食堂 1 (ヒーロー文庫)
犬塚 惇平 エナミ カツミ
主婦の友社 2015-02-28

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No.6561 (読書)


 2015年02月02日の読書
2015年02月02日(Mon) 
本日の初読図書:
4907203160恋愛タイムトラブル~5分間のミステリー~ (LGAコミックス)
山内 規子
青泉社 2014-07-19

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何かにおどろいた瞬間、五分間だけ時間を巻き戻してしまう女子大生と、その秘密の共有者である彼女の不倫相手の義弟との、ドタバタコメディでありつつ、ちょっぴりシリアスな成長物語。
その時に触れていた相手だけ、やり直した五分間の記憶を失くさないのがミソです。
主役がいきなり不倫してるとか、倫理的にちょっと微妙なところはありますが、最後はちゃんとめでたしめでたしな終わりかと。
あと、以前コミック文庫に収録されていた双児のシンクロを扱った切ないお話、「大きな木の下で」も入っています。
No.6564 (読書)


 2015年02月03日の読書
2015年02月03日(Tue) 
本日の初読図書:
4125012180裏切りの杯を干して 上 - バンダル・アード=ケナード (C・NOVELSファンタジア)
駒崎 優 ひたき
中央公論新社 2012-09-24

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エンレイズとガルヴォの国境で、両軍は互いを間近にしながらも、もう三週間もの間、膠着状態に陥っていた。その原因は、先の戦闘で偶然捕らえた一人のガルヴォ人捕虜にあるという。その捕虜は高貴な身分であり、総司令官は彼を盾に交渉することで兵の損失を出さずに敵を撤退させるべく、画策しているらしい。
そして総司令は手柄を独り占めにするため、捕虜の身元を味方にすら明らかにせず、ガルヴォ軍との交渉も一手に握っている。だが肝心の交渉は難航しているようで、兵士たちは寒さと敵軍を間近にした緊張とで、士気を下げきっているのが現状である。
シャリース率いる傭兵隊バンダル・アード=ケナードは、司令官の一人フレイヴンに雇われて、この戦場へとやって来た。フレイヴンは堅物だが、平民から叩き上げで司令官に上り詰めただけあって、そう悪い雇い主ではない。しかし他の貴族の司令官たちからは何かと疎まれているようで、副官のデイプレイという貴族の若造なども、あからさまにフレイヴンを軽視しているのが判る。
一方で、国境からエンレイズ側に入った兵站拠点の都市ストリーに、しばらく前から腕の良い医者が住み着いていた。黒髪で腕も人当たりも良い彼 ―― ヴァルベイドは、国王の命令により、二ヶ月ほど前に貴族が殺された事件を調べに潜入していたのである。戦場への兵站を一手に任されていたミラスティンというその貴族は、夜の自室で何者かと対談中に、酌み交わしていたワインに毒を盛られたのだという。
情報を集めるためにストリーで活動していたヴァルベイドは、そこで意外な人物に出会う。平服を身にまとい商家の使用人として働いていたのは、アランデイル ―― バンダル・アード=ケナードの一員で、シャリースの片腕と言っていい男だった。
詳しく話を聞くと、アランデイルは中立国モルダーの少女と間違いを起こしてしまい、バンダルから追放されたのだという。事情が事情だけに、シャリースも庇いきれなかったのだと。
ヴァルベイドはそんなアランデイルに、事件捜査に協力することを持ちかけて……

積読を消化しよう月間突入中。
これまた買ったっきり、二年ちょい放置してました。
こんなことなら、新刊購入せずに、値が下がるまで待っとけば良かった……(遠い目)

表紙の平服着た金髪のイケメンは、誰かと思ったらアランデイルだったんですね。
表紙裏あらすじとか帯では一切触れられていなかったので、本文読むまでは全然判っていませんでした。
アランデイルがバンダルを追放……って、これ絶対シャリースの策略によるヤラセだよなあという気持ちがどうしても消えない私は、果たして下巻で「ああやっぱり」となるのか「ええッマジだったの!?」となるか、どっちなんでしょう……
とりあえずヴァルベイド先生が出てきてくれたのは嬉しかったです。
第一部を読了した時は、もうこの先生との関係はここで終わりかと、非常に残念に思っていたのが嘘のように、さながら第二の主役のごとくシャリースたちとは別の場所で頑張ってますよね、このお人。
今回も一生懸命、間諜として殺人事件の捜査をしつつつ、前線のバンダル・アード=ケナード達の心配もしたりアランデイルの傷心を気遣ったりと、大忙しです。
思い返せば第一巻で、ヴァルベイド先生とシャリースが並んで立っている表紙に、「おおっ、アラゴルンとボロミアのようだ!!」とテンションが上ったのが懐かしいです……あの頃ちょうど、映画ロード・オブ・ザリングに燃えてたからなあ。

物語は前線でのバンダルと依頼主(この依頼には、裏でスターグ青年が何か絡んでるのかな?)、補給都市スドリーで殺人事件の捜査をするヴァルベイドとアランデイル、そしてガルヴォ陣営で暗殺に怯えつつ人質を取り返そうと奮闘する政治家ビジュとその護衛の傭兵隊達、おおまかに三つの舞台が交差して動いています。
この巻のラストでは、それに何やらシャリースにそそのかされたと思しき、バンダル・ルアインの行動が加わってきてます。これはルアインがガルヴォ人捕虜に雇われるのかな……?

ともあれ下巻も既に手元にあって、いっしょに積んであるので、こちらには早いうちに手を付けられそうですvv
No.6567 (読書)


 2015年02月04日の読書
2015年02月04日(Wed) 
本日の初読図書:
4125012318裏切りの杯を干して 下 - バンダル・アード=ケナード (C・NOVELSファンタジア)
駒崎 優 ひたき
中央公論新社 2012-12-18

by G-Tools
これまで睨み合うだけだったガルヴォの兵達が、濃い朝霧の向こうから不意を打って攻めてきた。とっさに対応できたのは、三つの傭兵隊とフレイヴン指揮下の兵達のみ。しかしガルヴォ軍の統率は全く取れておらず、霧が晴れたあとに残されていたのは、逃げ遅れたガルヴォ兵の死体と、そして放棄された野営地ばかりだった。
そしてガルヴォ軍が敗走したのは良かったが、戦闘のどさくさに紛れて肝心の人質までもが消えてしまった。
本国にすら隠していた手柄への切り札を失った総司令官は、司令官達の満場一致で任を解かれ、病になったとして前線から外される。そうしてこの戦場はエンレイズ軍の勝利とみなされ、砦を築くべく後方の兵站の町ストリーへと、物資の補給を要求することが決まった。
解任された元総司令官の護送と物資の手配には、フレイヴンの部隊とバンダル・アード=ケナードが当たることとなる。が、シャリースは会議の場で爆弾発言をした。
行方不明になったガルヴォ人の高貴な捕虜は、現在バンダル・アード=ケナードが確保していると言い放ったのだ。かの捕虜が存在していたからこそ、戦場は無駄な膠着を続けていた。だからその捕虜をいなかったことにしたのだと。
そう告げることでシャリースは、あの捕虜をひそかに暗殺しようとした、ガルヴォに通じている裏切り者を炙り出そうとしたのである。
一方で、ガルヴォ軍側でなんとか捕虜を救出しようと画策していた政治家ビジュもまた、味方のはずのガルヴォ兵から暗殺されそうになり、傭兵隊を雇って九死に一生を得ていた。その傭兵隊は暗殺の黒幕を探るべく、仲間をモルダー首都に潜む暗殺指示の手紙を仲介していた男の元へ送り込む。その男はエンレイズ人だったが、中立国であるモルダーに拠点を置くことで、エンレイズの軍需物資をガルヴォへ横流ししていたのである。
また兵站の町ストリーでは、ヴァルベイドがアランデイルの手を借りて、殺人事件の謎を追い続けていた。
怪しい人物は幾人も存在したが、中でも殺されたミラスティンの片腕と目されていた男ランブは、主の突然の死によってその権力に陰りが見えているらしく、焦りを募らせているのがうかがえた。
そして戦争が終わったことで、驚きの事実が明らかになる。バンダル・アード=ケナードの本当の雇い主は、フレイヴンではなくそのランブであったのだという。
彼はつい最近その存在を知った、自分の隠し子である一兵卒スターグを、秘密裏に護衛して無事戦場から連れ帰って欲しいと依頼していたそうで……

下巻読了。
相変わらず、あっちこっちで錯綜していた情報が、終わりに向けて一気に収束していくのが気持ち良いですね。
なるほど、それがそこに収まって、こう来るからあそこがああだったのね、と疑問に思っていたところがどんどん片付いていくのが下巻の醍醐味です。
そしてアランデイルは「やっぱり」だった(笑)
スターグも案の定、キーキャラでしたね。いやうん、やっぱり不自然だと思ったんですよ。バンダル・アード=ケナードが、ずっと部外者の一兵卒を構いっぱなしというのが。

タイトルの「裏切りの杯を干して」という意味は、最後まで読むとズンと心に響きます。
ああ、だからこそ今回の表紙は、この二人がチョイスされたのか……と。
いやもう、表紙左の黒髪を後ろで束ねた彼とかね、もうね、びっくりな展開で。読んでいて「えええ、なんでこの人が!?」って思ったんですよ。いやはや、最後の傭兵隊二つの対峙はさすがの迫力でした。
戦場で仲間を失うのと、そうでない時というのは、やっぱり重みが違うんでしょうね。今回はアランデイルの件もあって、バンダルはひとつの大きな家族のようなものだと、繰り返し強調されてましたし。

そしてシャリースを嫌いながらもエルディルを良い感じに扱っていた、平民出身の叩き上げ司令官フレイヴンさんには、できればまた再登場を願いたいところです。なんだかんだで頭の回転も良いですし、これぐらい実力もあって気が強い方が、シャリースたちとはうまくやっていけると思うんだvv
……っていうか、そもそものヴァルベイド先生がうまく付き合え過ぎなのか(苦笑)
ああ、なんかシリーズの頭からもう一度読み返したくなってきたなあ……

……とか思って、この記事を書いたあとで第一部三冊を改めてめくり返してみたのですが。
え、あれ……? 「表紙左の黒髪を後ろで束ねた彼」と、正面の灰色頭のガルヴォ傭兵隊長って、第一部でさんざんやりあった、あの傭兵隊だったの!? 全っ然気付かずに読んでましたよ(汗)
道理で表紙やら挿絵で、やけにしっかりしたキャラデザで描かれてると思ったはずです。
……前々回のゼーリックの時もそうでしたが、本当に展開が容赦ねえな、駒崎先生……
No.6570 (読書)


 2015年02月06日の読書
2015年02月06日(Fri) 
本日の初読図書:
4150115729ティンカー (ハヤカワ文庫SF)
ウェン スペンサー Wen Spencer
早川書房 2006-07

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21世紀末、ピッツバーグの町は異世界と地球を行き来する、不思議な土地になっていた。二十年ほど前、中国が宇宙開発のため衛星軌道上に打ち上げたハイパースペース・ゲートの作用で、町ごと異世界に転移してしまい、以来一ヶ月に一日だけ地球に戻るということを繰り返しているのである。
異世界ではエルフ達が暮らしていたが、幸いにもピッツバーグが転移したあたりは辺境に近く、エルフと人間は協定を結んで互いに距離を取りつつ共存していた。ピッツバーグには化学と魔法が混在し、地球とも異世界 ―― エルフホームとも異なる、独特の文化技術を形成している。
ティンカーは、そのピッツバーグでスクラップ場を経営する、18歳の少女である。科学者だった亡き祖父から英才教育を受け、量子力学や魔法を組み合わせた、様々な発明品を作るのが趣味だった。
あるシャットダウン・ディ ―― ピッツバーグが地球に戻る日の夜、彼女のスクラップ場に一人のエルフが戦いながら現れた。彼は巨大な魔獣 ―― 狛犬に襲われており、今にも食い殺されそうだった。ティンカーはとっさの機転でクレーンの電磁石を作動させ、狛犬から魔法を吸い取ることで彼を救う。しかしエルフ ―― ウィンドウルフは瀕死の大怪我を負っており、すぐにでも治療が必要な状態だった。けれど地球に戻ったピッツバーグでは、エルフを治療することができないのだ。
再びエルフホームへ転移する24時間後まで、なんとかウィンドウルフを生き延びさせなければならない。とりあえず自作の魔法シンクを利して治療魔術をかけたものの、溜めた魔力では量が心許ない。仕方なくティンカーは、従兄弟のオイルカンと共にウィンドウルフを手当てできる場所へ移動させようとしたが、そこを境界警備隊に変装した謎の男達に襲われる。
それらの出来事は、この先彼女が巻き込まれる、世界を股に掛けた大陰謀の、ほんの始まりにすぎなくて ――

年単位で積んでた六冊目読了。
……うーーーん(−ー;)
現在三冊出ているスペンサーさんの作品は、全部購入しています。他の二つはすげえ面白く、続きも書かれている「エイリアン・テイスト」などは、続編もぜひ日本語に翻訳されて欲しいとずーっと待ち望んでいるのですが。
正直今回のは、ちょっと肌に合いませんでした。
以下辛口なので、記事を畳みます。
No.6573 (読書)


 あなたの亡骸から咲く花ったー
2015年02月06日(Fri) 
某所で紹介されていたので、どんなんが出るかと、いろいろな持ちキャラで試してみました。

■あなたの亡骸から咲く花ったー
 http://shindanmaker.com/491983

結果は様々でしたが、なかなか面白いものもいくつか。
たとえば……

> ロッド=ラグレーの亡骸から咲くのは深い海の底の色の花弁を持つ花。花言葉は「一生の愛」です。

> フェシリア=ミレニアナの亡骸から咲くのは夕闇色の花弁を持つ花。花言葉は「わたしに触れる資格はあなたにはない」です。

この二人は、かなりキャラクターのイメージ通り(笑)
色なんてそれぞれの髪や目の色がほぼそのままですし、花言葉も申し分なし。
フェシリアには「貴様ごとき、私に触れる資格などない」とかきっぱり言い切って欲しいですね。ロッド以外に対して。

他には、

> 安倍晴明の亡骸から咲くのは心臓を流れる血の色の花弁を持つ花。花言葉は「月のような人」です。

これはなんか、一枚絵で見てみたい。
すっごく映えそうな感じがします。
ちなみに兄弟二人が揃うと……

> 安倍晴明と安倍清明の亡骸から咲くのは深い海の底の色の花弁を持つ花。花言葉は「あなたとわたしは鏡」です。

これはこれでイメージがかきたてられます。

……しかし一番ツボだったのは、こいつらかもしれないvv

> 河原直人の亡骸から咲くのは滲んだ橙色の花弁を持つ花。花言葉は「愛の消失」です。

> 次郎丸と太郎丸の亡骸から咲くのは太陽のようなオレンジの花弁を持つ花。花言葉は「あなたを忘れない」です。

どっちも見事にきつね色系(笑)
そして花言葉がvv
まるで狙ったような結果に、笑ってしまいました。

いやはや、世の中、面白いものを作る人がいらっしゃるものです。
No.6574 (バトン)


 2015年02月07日の読書
2015年02月07日(Sat) 
本日の初読図書:
「蜂蜜を追う者(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n3500ck/
「蜂蜜を追う者 冬バージョン(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n1528cl/

ヒマラヤで蜂蜜取りに命をかけてきたベテランハニーハンターの老人が、崖から落ちて異世界トリップしつつ青年に若返り。
その世界では巨大な魔物のハチが存在していて、ハニーハンターの彼はひたすら、蜂蜜を採ることに邁進し続けるというコメディ短編。
残念ながら元ネタは判りませんでした。冬バージョンの名前を口にしてはいけないヤツは、おそらく●ーさんだと思うんですが……


「ふざけたチートにさようなら 〜これが私の生きる道〜(小説家になろう)」〜月夜を歩く2人。…のようなもの
 http://ncode.syosetu.com/n8972cm/

1クラスまとめて勇者として異世界召喚。行った先は、いい加減な女神が管理していたせいでパワーバランスや倫理観がしっちゃかめっちゃか。おまけに主人公は酷い虐めにあっており、その日も教室にいなかったせいで、女神から与えられたスキルのうち残っていたのは、他のクラスメート達が奪い合った後のクズスキルばかり。
……しかし主人公には秘密があった。そう、彼女は16歳とは思えないほどの経験を過去に積み重ね、リアルのスキルを磨いてきていたのである。
上位神によって、バランスの崩れた世界の補正を依頼された主人公は、たった一人自分を気にかけてくれていた委員長を救うため、ふざけた世界で生きていくことを選択する。チートとは対極にある、「自身を含めたすべてのスキルを無効にする」というスキルと、己自身が持つ技術を武器にして……

異世界召喚でチートで俺TUEEEEに真っ向から逆らった、頑張って血の滲むような思いをして身につけた、リアルな技術を武器にしていくお話。
今のところ、勇者として召喚された面々のうち、委員長以外のクラスメートと教師は、人間的にクズばかり。
召喚された先でも、いきなり二組の盗賊に立て続けに襲われたりと、R15なハードモード。
主人公の過去がどういったものなのかは、おいおい明らかになっていきそうです。子供の頃から特殊教育を受けた、使い捨ての暗殺部隊出身とかかな……?
No.6577 (読書)


 2015年02月08日の読書
2015年02月08日(Sun) 
本日の再読図書:
4061819011すべてがFになる (講談社ノベルス)
森 博嗣
講談社 1996-04-03

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先シーズンに綾野剛と武井咲でドラマ化された作品の原作です。ドラマでは5〜6話だったかな?
ずーーーっと昔、まだインターネットもやってなければ、携帯メールすら使ったことのなかった頃に一度読んだことがあったのですが、内容はほぼ完全に記憶の彼方でした。今回ドラマで大体の内容とか、建物内部の映像イメージが頭に入ったので、ようやく内容を理解できた感じです。
そうだよ、当時はスクリプトとかコンパイラとかチャットとかOSとかUNIXとかif式の変数とか、そういった用語をまったく知らなかったから、本当に内容がさっぱりだったんですよね(苦笑)
16進法だとFが15とか、サイト作るために色指定をタグ打ちでやるようになって、ようやく肌で理解できたことだしなあ……

しかしこれ、公開されたのが1996年。ひょっとしたら原稿が書かれたのは、Windows95 が公開される前だったのかな?
それだけにいま読んでみると、パソコンにうとい母ですら、ところどころあれ? って思ったそうです(笑)
たとえば世界最高峰の頭脳を持つ博士の研究所のパソコンが、積んでるハードディスク1ギガバイトだとか。
大学でパソコンをウィルス感染させた生徒に対し、「出所のはっきりしないフロッピーディスクは入れないように」って注意してるとか。
「メールを読むだけでファイルを破壊するコンピューターウィルスなんて、できるとは思えない」って専門家が話してたりとか。
携帯電話なんて影も形も出てこないし。
なのに電子会議システムとかバーチャルリアリティ技術なんかは、ほぼ実用化されてるんですよvv

そういう、ちょっと昔に書かれた近未来小説ってテイストが、逆に面白かったです。

内容っていうか、トリックについては……なんというか、陰惨ですよねえ。
ドラマでは娘が寸前に自殺したことになってましたが、原作では博士がその手で殺したっぽいです。
それ以外は比較的ドラマとの違和感も少なく、むしろあのドラマ、けっこう頑張って作ってたんだなあって思いました。
犀川先生の中にもいくつもの人格があって、それらが均衡をとっているからこそ、普段の先生は回転が遅い。でも一度脳内で他人格が動き出すと……というあたりを、ドラマではああいうふうに表現したんですね。
あと西之園くんのウザっぷりは、やっぱり原作通りだった(笑)
そこだけはなんとなく覚えてたんですよねvv

……ただまあなんというか、諸手を上げて他人様にオススメするタイプのお話ではないなあとは思いました。
特にパソコンのシステム関係にまったく興味がない人には、読んでてかなり辛いと思います。
主役カップルを含めたキャラクター達も、かなり特殊な精神構造をしているので、感情移入しにくそうですし。
おぼろな記憶でも、この一作目がシリーズでも一番とっつきにくかった気がするので、これから読む方は二作目「冷たい密室と博士たち」あたりから入ったほうが良いかもしれません。
No.6579 (読書)


 2015年02月09日の読書
2015年02月09日(Mon) 
本日の初読図書:
4047283681おこぼれ姫と円卓の騎士 将軍の憂鬱 (ビーズログ文庫)
石田リンネ 起家一子
エンターブレイン 2012-09-15

by G-Tools
王位を継ぐ者としてのレティは、これまで兄達が行っていた外交業務もこなす必要が出てきた。今回は隣国イルストラの第三王子と、従姉のシャルロッテ公女の結婚式に参列することとなる。正直なところ、笑顔で微笑んでいればいい、王宮の陰湿な勢力争いの渦中にいるよりもずっと楽な仕事だった。
しかし隣国へと向かう旅の途中、護衛の王立騎士や侍女達が急な病でみな倒れてしまう。残ったのはレティ個人の騎士デュークただ一人のみ。やむなく最寄りの営所から応援の騎士を呼んだレティだったが、その中には予想外の大物が混じっていた。国境将軍と名高い、王立騎士団副団長クレイグ・バーデである。彼はかつて即位前であったレティの父に忠誠を誓っていたのだが、20年ほど前の戦争の際に仲違いし、以来ずっと王に戻ることなく前線の国境警備を続けているという曰く付きの存在であった。
人格も実力も指折りの副団長だけに、周囲は国王との確執に気を遣い、クレイグに対して王族の話をすることすらタブーとなっている。ところがレティはイルストラ行きのメンバーに、わざわざクレイグを指名した。
そうしてどうにか隣国へ到着した一行だったが、そこでもまた予想外の事件が待ち受けている。なんと結婚式を間近に控えたシャルロッテ公女が男と駆け落ちし、それを追って第三王子サヴェリオも姿を消したというのだ。これが招待客ら周辺諸国へ知られれば、重大な外交問題に発展してしまう。なんとか身代わりを立てて隠蔽工作をしつつ、シャルロッテの行方を探すイルストラ王家とレティ達だったが、何故かその秘密を野心家で名を知られるノーザルツ公国公主アウグスト・カルゼンが嗅ぎつけたようで……

シリーズ三冊目は舞台を国外に移しての新展開。
おかげで今回は兄弟王子達や、見習い騎士アストリッドといったこれまでの面々は、ほぼ出番がありません。
その代わり、前回ちらっとだけ会話に上った「二人目」のナイツオブラウンドがご登場ですよvv
なんとここで意表をついての、オッサン枠!!
いきなり二人目(アストリッドを入れると三人目)でそう来るか。判ってるな作者さん(笑)
年齢は四十代半ば。レティとは三十近く離れてる計算ですね。親子ほど違うという表現がありますが、実際もともとは父親の騎士だったんだから、まさにそれほどの年齢差です。
オッサンスキーとしては、挿絵もうちょっと老けてても良かったんですけどね。この時代の四十半ばなら、もっと顔の皺とか、あと白髪ぐらい混じってても良かったんじゃ?
やー、でもレティを守るべく剣に手をかけてる一枚イラストとか、ほれぼれしますね。この格好良さは、デュークやアストリッドのような若造には出せませんvv
そして愛人王へと自ら一歩を踏み出してしまった、レティーとのツーショットカットも素晴らしかったです。
そうだ、諡といえば、失恋王ルートガーの正式な諡も判明しました。予想外の方向の名前でびっくり。
ってかソルヴェール王家って、いったいどの時代まで続いてて、王達の会議の間には、どれだけの人数が出入りしてるんだろう……?
No.6583 (読書)


 2015年02月10日の読書
2015年02月10日(Tue) 
本日の初読図書:
「[連載版] 王子がそれやっちゃマズイでしょ!(小説家になろう)」〜神様は割りとミーハーだった件
 http://ncode.syosetu.com/n0303cb/

仕事にかまけていたら恋人を親友に寝取られた准男爵令嬢が、酒に酔った勢いで、気がつけば見知らぬ男性と一夜を共に。ところがその男性は、とんでもなくハイスペックなイケメンで……という見返し系。
西洋風異世界FTなるも、平安時代ぐらいっぽい日本がモデルの、ネホンという国が大きく関わってきてます。
ただかなり中途半端なところで半年更新停止中。……これ、エタらずにちゃんと続いてくれるのかなあ……
中途半端なのは読みたくないと言う方は、同タイトルで[連載版]がついていない読み切りバージョンも存在しています。

「王子がそれやっちゃマズイでしょ!(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n7809bw/
No.6586 (読書)


 2015年02月11日の読書
2015年02月11日(Wed) 
本日の初読図書:
4047284238おこぼれ姫と円卓の騎士 少年の選択 (ビーズログ文庫)
石田リンネ 起家一子
エンターブレイン 2012-10-15

by G-Tools
どうにか結婚式の参列を終え、イルストラ国からの帰途についたレティ達一行。ところがその途中、ノーザルツ公国の主、銀狼公アウグストが追いかけてくる。イルストラ国ではさんざん手を焼かせてくれたアウグストだったが、その表情は真剣なものだった。
なんでも数十年ごとに起こる熱波災害がついに発生し、さらにグラン山を中心として山火事まで広がりつつあるという。
グラン山はソルヴェール国とノーザルツ公国、そしてさらに北にあるキルフ帝国の三国がそれぞれ自国のものだと主張し、領土争いを繰り広げている土地であった。しかし山火事の対処はスピードが命。政治的駆け引きなどを現場に持ち込んでいる時間はない。一瞬で合意に達したレティとアウグストは、即座にグラン山へと向かい、キルフ帝国から派遣されてきたワレリー・キリヤコフ将軍と共に救助活動に入る。
実質的に火事の被害が一番大きいのは、穀倉地帯を焼かれたノーザルツ公国だった。ただでさえ土地面積の少ないノーザルツ公国は、このままでは冬を越すことすら難しい。そこでレティはいったん現場をデュークとクレイグに任せ、自分はソルヴェール王へ戻り、ノーザルツ公国への大規模な支援計画を実現させるべく、反対派貴族を相手に奔走する。
ところが第一次支援部隊を率いてグラン山へと戻る途中、何者かによって仕掛けられていた罠によって、レティとアストリッドの二人は深い渓谷へと転落してしまい……

シリーズ四冊目の表紙は、アストリッドと、そして何故か銀狼公です(笑)<イケメン枠
3巻の彼はとにかく強引で嫌味ったらしい敵役でしたが、利害が一致すればこの上ない味方になりました。むしろどちらも「一国を背負って立つ、孤高の王者」という共通点を持つ分、ある意味ではデュークやクレイグよりも、互いを理解し合っているという楽しさがあるんですよね。
そしてようやくのアストリッドのターンですよ!!
ストーリーの展開上、一巻目で即レティの騎士になっていてもおかしくなかったアストリッドでしたが、ここまで引っ張られた甲斐は充分ありました。
「自分が望んで、主にも望まれて騎士になりたい」と繰り返していたアストリッドは、もし一巻の段階でナイツオブラウンドに迎えられていたら、それはただ捨てられた犬が拾われたかのような同情からのおまけっ子に過ぎず、今後レティを支えていく一人にはなり得なかったでしょう。
しかし今回の事件でアストリッドは、自分の理想と現実をまっすぐに見つめ、自分ができることでもやれることでもなく「やりたいこと」を「やり通す」ために頑張りました。その姿勢こそが、時に揺らぎそうになるレティの支えとなると、自覚することもなく。
彼は自分の力で見事レティに対し、「この騎士が欲しい」と思わせた。
ほんとに良くやったよアストリッド!!
彼の過去とか生い立ちを考えると、おそらく洗脳教育に近いものを施されてたんだと思うんですよね。でも彼は自分の意志でそれを断ち切り、騎士になりたいと望んで、そして自分の意志で主人を定めて、懸命に理想の存在たろうと努力しています。
けして生まれや育ちに関わりなく、自分がやろうと望んだ理想の道を、なんとしてでもやりとげる。
それがこのシリーズに一本通った、テーマのひとつなのかなあ、と思いました。

さらに今回は、1〜2巻の頃に比べると、だいぶ兄王子二人との関係も良好になってきていて、読んでいてニヤニヤが止まりません。
ほんっとこの兄妹は、誰をとっても有能だよなあ。

あとは前回、正式な諡(おくりな)が明らかとなった、失恋王改め銃声王ルートガーのイラストがまた格好良いこと。服装の雰囲気が、世界大戦あたりのドイツ軍とかっぽいあたりが、ああなるほどなあ……と。

ちょっと複雑なのは、ついにデュークとの間に恋愛模様的なものが混じり始めたところですね。個人的には、全く恋愛感情の絡まない、男女間の純粋な主従関係ってのにも非常に萌えるんですが。アストリッドも参戦表明してるし……そのあたりはクレイグに期待するしかないのか。まあ対外的には、彼こそが愛人一号のポジにいるんですけどね(笑)
No.6589 (読書)


 2015年02月12日の読書
2015年02月12日(Thr) 
本日の初読図書:
「秋山さんちの一般人(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n2973cn/

「乱世を往く!」「403 シングル・ルーム」の新月乙夜さんの読切短編。
母は邪神を封じた巫女で、父は宇宙人。兄は“神”で姉は聖女、妹は勇者というとんでもない家族に囲まれた、ただ一人普通(なんだろうか?)の少年の日常です。


「振られ騎士シリーズ(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/s5889b/

「〜たぶん、転生者〜むしゃくしゃして、ざまぁ系の小説を書いてすっきりしたかった。反省はしていない。(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n4231cb/

どちらも身勝手な恋人に振り回された主役が、最後に相手を見返すタイプのお話。


短編三つ、とりあえずメモ。
No.6590 (読書)


 更新情報(2015年02月13日)
2015年02月13日(Fri) 
「閲覧室」の「オリジナル小説書架」で、「骨董品店 日月堂」第十六話、「雨月露宿あめのつきつゆのやどり」の第四章をUP。

今回は和馬さんにお説教の巻です。
彼が何を思って何をやらかしたかの種明かしと、それが周囲にどう波及したかをひとくさり。
和馬さんだって、晴明の保護者をしているばかりではなく、成長中の一個人としていろいろ理想に向かって模索しているのです。
No.6591 (更新)


 2015年02月13日の読書
2015年02月13日(Fri) 
本日の初読図書:
4047286427おこぼれ姫と円卓の騎士 皇子の決意 (ビーズログ文庫)
石田 リンネ ビーズログ文庫編集部
エンターブレイン 2013-01-15

by G-Tools
グラン山での復興支援が一段落ついて、レティはようやく王都へと戻ってくることができた。これで一息つけるかと思ったのもつかの間、遠く海を越えた東大陸にある凌皇国から突然の訪問者がやってくる。
本来なら事前にあるはずの手続きをすべて省略して現れたのは、旅先とはとても思えない豪奢な衣装をまとい、たった一人の護衛だけを供にした14才の皇女シェラン。どうやら彼女の目的は『次期国王の押し掛け花嫁』らしかった。豪華な装いは花嫁衣装であり、侍女を連れていないのは「あなたに従います」という意志を示す凌皇国の風習なのだという。
ただ彼女にはひとつ計算違いがあった。海に隔てられ一年に一度しか使者や情報をやりとりできない凌皇国には、次期王位継承者が姫であるレティに変わったことが、伝わっていなかったのである。
次代が女王と知って愕然とするシェランをひとまず宥めて王宮に迎え入れたレティだったが、彼女から目を離す訳にはいかない。二人の兄達に接近されるのも困るし、あるいは開き直って、再び継承権を兄の方へ戻そうとレティを害する方向へ向かうかもしれないのだ。
ところが注意してシェランを遇するうちに、少しずつ違和感が見えてくる。どうやら彼女達の目的は、ただ次代の王妃になるだけではないようで。
案の定、シェランはとんでもない秘密を隠しており、レティ達はまたも表沙汰にできない厄介な事情に巻き込まれることとなる。
さらにくだらない噂に踊らされ、レティに王位継承権を放棄させようと画策した自称『国を憂える』馬鹿どもによって、レオン王子が誘拐されてしまい ――

サクサク読み進んでますよ。シリーズ5作目です。
前巻で「以下続く」となっていた、キルフ帝国第四皇子亡命の話がまったく出てこないので、最初はあれ一冊飛ばしたか? と不安になりながら読んでましたが、ちゃんと順番はあってました。
今回はいきなり押し掛けてきた王妃志願のお話ってことで、もっとお色気ムンムンなイケイケのオネーサマかと思っていたら、なんというか、純真かつ清楚可憐な『お姫様』で意表をつかれました。
しかしなーー、なんとなく最初から『そう』なんじゃないかなあとは薄々思ったんですが、いくら何でもこれは計画に無茶がないか(苦笑)>シェラン&護衛のヘイツァオ
秘密はあっという間にレティ達にバレてしまい、外交問題に発展させたくないレティ側はやむなく隠蔽工作に手を貸しつつ、さっさと諦めて出て行ってもらおうと、形だけその目的に手を貸してやる展開に。
……しかしその目的の結末にはびっくりしましたね。まさかあの巻のあのエピソードが、ここに繋がってくるとは……(しみじみ)
このシリーズは毎回、次の巻へと少しずつ伏線を残して刊行されて行ってるんですが、伏線をちゃんと回収できる作者さんってすごいと思います。

そして今回の会議の間では、獅子王アレクサンデル以外はほぼ出番なし。
その代わり、幼い頃のレティが、いかにして王になる覚悟を決めていったのかが語られます。
5巻目のテーマは「王としての覚悟」ですかね。
「裏切られるためには、まず信頼されなければならない」
12歳にしてそう断言してしまうほどに、周囲からまったく期待されてこなかったレティーの、ゼロ以下、マイナスからのスタートが切ないです。

ところで新キャラの真性ロリコン騎士ウィラードは、今後も活躍するんでしょうか。
個人的にはけっこう好きなタイプなんですが(笑)
彼は彼で、ナイツオブラウンドの一人に入っても面白いと思うんだけどなあ。


「雨の神様 風の神様(小説家になろう)」
 http://novel18.syosetu.com/n0898bw/

名前も付けられず、商品として育てられ身体を売らされていた少年は、ある日の地震をきっかけに異世界へと飛ばされた。その島国では千年前に雨の神と風の神が封印されてしまったため、土地が砂漠と化し荒廃しているという。少年が落ちたのは、その神々が封じられた森の中だった。魔物の姿に変えられた二体の神々は、少年に封印を解くのに力を貸して欲しいと乞うてくる。その方法は、少年にとってはごくごく簡単なもので……

えー……洗脳教育状態だった少年の一人称なおかげでなんだかほんわかした雰囲気の文章になってますが、実質はかなりエグいBLものです(−ー;)
自分が不幸であることにすら気づいていない少年が、神様達や異世界の人々の愛情を受けて、最終的には泣いたり怒ったり、もちろん笑ったりすることも覚えていけて、めでたしめでたしな読後感なのは良かったです。
No.6592 (読書)


 2015年02月14日の読書
2015年02月14日(Sat) 
本日の初読図書:
「魔界で結婚しました(小説家になろう)」〜竜の構成員
 http://novel18.syosetu.com/n8822cm/

魔王を倒す勇者として、異世界に召喚された気弱な女子高生。
召喚国は、彼女を何とか目覚めさせようとあの手この手で圧力をかけるが、彼らが求めている異能とやらは一向に目覚める兆しを見せない。そのうち第一王子に一方的に言い寄られたのに嫉妬して、後宮の女達が彼女を排除しにかかった。魔界へ通じるという川へ突き落とされた彼女は瀕死の状態で川岸に打ち上げられたところを、魔界の自警組織の幹部であり魔界でも五本指に入る程の力を持った、炎を操る能力者ヴィルベル・ウイントに拾われて……

異世界召喚もの、連載中。いちおうR18指定がついてますが、今のところは微笑ましいカップル。
異世界召喚 = 拉致、勇者 = 国にとって都合のいい道具、というスタンスで、人間に虐げられ魔界で幸せになるパターンっぽいです。とは言えまだようやく未来の旦那(推定)に拾われたばかりのところですがね。
今のところ毎日連載しているので、先が楽しみです。
No.6595 (読書)


 2015年02月15日の読書
2015年02月15日(Sun) 
本日の初読図書:
4047289213おこぼれ姫と円卓の騎士 君主の責任 (ビーズログ文庫)
石田リンネ 起家一子
エンターブレイン 2013-05-15

by G-Tools
ソルヴェール国次期女王レティーツィアとノーザルツ公国君主アウグストの元へ、キルフ帝国から建国祭への招待状が届いた。差出人はグラン山で共に救助活動にあたったワレリー・キリヤコフ将軍。だが二人は招待状に書かれたサインが、ワレリーのものではないと見抜いていた。
そもそもワレリーはグラン山での活動の際、レティへとひそかに接触し、己の主である第四王子アルトールの亡命を依頼してきている。キエフ帝国は現在内乱の火種を内部に孕んでおり、ひどく不安定な情勢にあった。そんな中での亡命の要請と、届けられた偽のサイン。
果たして北の帝国で、いったい何が起きているのか。
不審なものを覚えつつもキルフ帝国を訪れたレティは、デュークらに情報収集を命じつつ、自分は王族達に近づいて状況を探ろうとする。次期皇帝の可能性が最も高いという、第一王子ミハイル。そして数ヶ月前従姉妹が駆け落ち騒ぎを起こした際、協力しあったイルストラ国の第一王子ヴィクトルの婚約者である、第一王女アナスタシア。
アナスタシアは第四王子アルトールとは同母の姉弟だったが、母親の身分の低さから二人とも事実上、王族とは見なされていない状態だった。それでも血の繋がった異母兄弟達に対し、憎しみではなく家族としての情愛を求めるアナスタシアの姿に、レティは自分と兄達の姿を重ねてしまう。
やがて各所から集めた情報を総合すると、どうやらこの国の皇帝は既に三月も前に崩御しており、建国祭の際にそれを発表し、そのまま戴冠式を行うという計画になっているとのことだった。
ところが次期皇帝の座が確定しきっていないと考えたミハエルが、己の立場を固めるためノーザルツ公に対しとんでもない陰謀を仕掛けてきて ――

シリーズ第六段。
……個人的に、この手のシリーズ物には通し番号を振っておいてほしいと、切に思います(−ー;)
四巻目から引っ張られていた、第四王子の亡命についてがようやく話に関わってきました。
しかし第四王子本人は今回も登場せず、もっぱら姉姫アナスタシアとレティの友情にスポットがあたっております。
……いやあ、最初はまさかよもやの女性ナイツオブラウンド!? とかちょっと勘ぐっちゃいましたよ(苦笑)
さすがにそれはありませんでしたが、アナスタシアは今後も何らかの形で登場してきそうですね。ただなあ、かなり素直で可愛らしく、言いかえれば頼りない文字通りの『お姫様』なので、変なふうに利用されなければ良いと切に思います。
特に今回は、これまで好青年ポジションにいたヴィクトル王子が、なんかエピローグで怪しげな言動を取っちゃってるのが微妙で……もし彼が敵対するフラグだというのなら、婚約者であるアナスタシアには頑張ってレティとの間を取り持って欲しいところなんですが。

そしてなかなか顔を出さない第四王子も、なんだか不穏ですね……最初は第一王子に利用されてるだけかと思ったら、むしろ黒幕は第四王子の方なのか? しかももしかしたら、一巻のアストリッドみたいに、なにか騎士王関係のヤバげなものに取り憑かれてるとか、そんな感じもしなくもなく。

あ、五人目のナイツオブラウンドは、やっぱりあの人だったんですね(笑)
いやあ、多分いつかはそうなるんじゃないかとは思ってましたが、意外に早かったな……ふふふvv
今回はレティが『世間知らずのお姫様ぶりっ子』を演じてみせたり、同年代の女性と友情を育んでみたり、そうかと思えば同じ『王』としての立場にあるアウグストに対し、自分がどんな王になるのかを宣言してみたりと、これまでとはまた一味違った見どころがたくさんありました。

しかしキルフ帝国の問題はまだ片付いていないし、ヴィクトル王子もなんだか怪しげだし、騎士王の秘密に気付いてる何者かがいそうだしで、物語はどんどん佳境に入っていっている模様。
ああもう、また続きを買わないと(><)

そして最近ちょっぴり影が薄い兄王子たちの活躍も、そろそろ期待いたしたく……
No.6596 (読書)


 2015年02月16日の読書
2015年02月16日(Mon) 
本日の初読図書:
「神殺しの英雄と七つの誓約(小説家になろう)」〜第四章第八話 彼の剣
 http://ncode.syosetu.com/n2027ci/

三年前、世界を破壊しようと目論む魔神を討伐するために、異世界から十三人の英雄が召喚された。
女神の祝福という名のチートを授けられた彼らは、その世界の住人には持ち得ない様々な能力を持ち合わせていた。
『勇者』と呼ばれた少年は、意思さえ折れなければ絶対に負けないという力を。
『大魔導師』の名を冠された少女は、神にも匹敵する膨大な魔力を。
『聖女』と崇められる少女は、生きてさえいればどんな傷でも治せる治癒魔法を。
あらゆる力を与えられた、年齢も性別も様々な十三人は、二年をかけて見事魔神を倒し、世界を救った。
その英雄達の中でも最年長だったのは、当時二十五歳の山田蓮司。ごく普通の会社員だった彼が与えられたチートは、制約だらけの上に魔物と戦うことに関しては、ほとんど役に立たないものであった。
故に彼は魔神討伐を終えた後、ひとり姿を消す。英雄と呼ばれるなど自分には相応しくない。自分は異世界補正でほんのちょっと普通の冒険者より強いだけの、ただの人間にすぎないのだから、と。
しかし残された十二人は口を揃えて語る。
彼こそが英雄なのだと。常に自分達の先頭に立ち、そうして魔神を討ち果たした、神殺しの英雄なのだと。
そうして物語は始まる。
時は魔神討伐から一年後。辺境の貧しい村で、明日の食事代にも事欠くうらぶれた一人の冒険者が、ゴブリンに殺されかけている新人冒険者を助けたところから ――

魔神討伐後から始まる異世界召喚FT。連載中。近いうちに書籍化されるらしいです。
二十八の無精髭のおっさんが、しゃべるコインとのんびり二人旅を楽しんでいたら、なんだかきな臭いことに巻き込まれて……という感じです。
主人公が良い年した大人っていうのはいい感じですね。
一緒に召喚されたのはほとんどが十代の少年少女達で、しかも自分よりずっと強いチート持ちばかり。それでも子供に情けない姿は見せられないと、何度も間違え血と泥にまみれ這いずりながら、それでも大人として仲間達を守っていたその背中が格好良いです。
ただなんというか……まだ謎が解明されきっていないというか、魔神討伐時にいったい何が起きたのか、主役が何故にあそこまで自己評価が低すぎるのか、なかなか明らかにされないのがモヤモヤします。
エルメンヒルデと『エル』はどう違うのか、そしてエルとレンジさんの関係とか、七つの制約の残り三つは何なのかとか、早くもっとちゃんと説明が欲しい〜〜(><)

そして最初は単なるモブだと思っていたエルフのフェイロナが、レゴラスばりに男前でかっこいい件について(笑)
No.6599 (読書)


 2015年02月17日の読書
2015年02月17日(Tue) 
「うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。(小説家になろう)」〜青年、幼き少女の前で動揺する。
 http://ncode.syosetu.com/n5530cf/

十八というその年齢とは裏腹に、筆頭公爵家から直接依頼を受けるほどの凄腕冒険者デイル・レキ。
彼は依頼で魔物の群れの殲滅を行った帰りに、幼い子供を拾う。子供は魔獣の棲む森の中でたった一人、親と思しき男の死体とともに、かろうじて生き延びていたようだった。
死体と子供の側頭部には、魔人族の証である、くるりと巻いた形状の黒い角があった。閉鎖的で、獣人や妖精を含めた他の人族と敵対しがちな魔人族。最初は厄介なものを見つけたと思ったデイルだったが、子供があまりに幼くやせ細っていることと、その角が片方折れているのを見て放っておけなくなる。
なんでも魔人族にとって、角は神聖なものであり種族としての象徴でもあるのだという。そして罪を犯した者は、角を片方折られた状態で追放されるのだと。しかし罪人と認定されるにしては、目の前の子供はあまりにも幼すぎる。せいぜい五歳か六歳か。そんな子供が己の意思で、罪と呼べるほどの罪を犯せるものなのか。
子供は人族の言葉を知らなかったが、幸い魔人族が日常使う言葉は、人間が魔法を行使する際の呪文と同じ言語である。なんとか単語をつなげて意思疎通を図り、デイルは死体を埋葬してから、子供を拠点とする街クロイツへと連れ帰ることにした。子供も聞き分けよくデイルに従い、素直に彼の腕に身を委ねる。
宿で風呂に入れてみたところ、子供は女の子だった。ほとんど骨と皮といった状態だが、顔立ちは非常に整っており、泥と脂に汚れていた髪の毛も、美しい白金色を取り戻した。はっきり言って、下手な相手に見つかれば、即座に良からぬ魔の手の餌食になってしまうだろう。それは言葉も通じない、他人種の子どもを万年予算不足の孤児院に預けても、同じ結果になることが目に見えていた。
これも縁だ、しかたがないと、デイルはその子 ―― ラティナの保護者になることを決断する。
そうして。
戦いの中で感情をすり減らし、守るものを見失いつつあった青年は、己の支えとなるものを手に入れるのだった。
「 ―― やべぇ、うちの娘超可愛い」「大丈夫だ。依頼人は見捨てても、ラティナは守りきる」
今日も顔面を笑みで崩壊させながら、親馬鹿な保護者は訳ありの少女を、ひたすら溺愛し倒すのである。

異世界年の差擬似親子FT。連載中かつもうすぐ書籍化されるそうです。

4798609668うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 (HJ NOVELS)
CHIROLU トリュフ
ホビージャパン 2015-02-20

by G-Tools

もはやタイトルがすべてを語っているというか(笑)
デイルはもともとかなり冷淡で気難しく、王都の正規兵達とかからは恐れられているらしいのですが……かなり初期のうちにラティナに対してデレデレになってしまうので、まだそのあたりはあんまり描写されておらず、正直ピンときてません。
そしてラティナにもかなり事情がありそうなんですが、デイルの方にも秘密があるらしく。本来、ひとつの神から加護を得た人間が神官になれる世界で、彼は複数の神から加護を得ている稀有な存在で、それ故のしがらみとかで色々あるらしいです。でもそこらへんもまだ詳しく語られておらず。
なんかもう、ただひたすら親馬鹿とそれに流されずしっかり自分を成長させていく大人びた養い子の、ラブラブな日々が綴られております(苦笑)
あらすじ紹介によれば、今後恋愛的な方向にも進んでいくっぽいんですが、66話目にしてまだ10歳と20歳ですからねえ……先は長そうだ……


「素直になれない彼女と、戦斧を包丁に持ち変えた彼。(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n3050ch/

↑「うちの娘〜」のスピンオフ。
デイルが拠点にしている宿屋『踊る虎猫亭』の、主人夫婦の馴れ初めです。
まだ駆け出しの頃のデイルも、冒頭にちょこっと登場。
No.6602 (読書)


 2015年02月18日の読書
2015年02月18日(Wed) 
本日の初読図書:
4047291544おこぼれ姫と円卓の騎士 皇帝の誕生 (ビーズログ文庫)
石田リンネ 起家一子
エンターブレイン 2013-09-14

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反則とも言える手段で、どうにかミハイル王子の陰謀を打ち砕き、戦争勃発を回避したレティ達。ノーザルツ公主アウグストやクレイグらはその後始末のため一足先にキエフ帝国を発ったが、レティは式典に出席する必要があるため、デュークとアストリッドの二人とともに王宮へ滞在し続ける。
と、行方が判らなくなっていた第四王子アルトールが、堂々と王宮へ戻ってきた。芝居めいた演出とともに次期皇帝候補として名乗りを上げた彼は、姉姫アナスタシアや腹心の部下ワレリー・キリヤコフ将軍が知る、争いを好まぬ穏やかで心優しい少年ではなくなっていた。
違和感を感じつつ接触したレティへと、アルトールは傲慢な笑みと蔑みの目を向ける。
そうして彼は、遥か過去に失われたはずの魔術『神殺しの魔法陣』を発動させ、レティを城の地下へと囚えてしまった。そこはかつての騎士王がひそかに作り上げた、祭壇の間。アルトール ―― を操る何者かは、その祭壇を利用して、レティから騎士王の魔力を吸い上げてゆく。
一方で主君を奪われ、間諜の濡れ衣を着せられたデュークとアストリッドは、レティを助けつつアルトール王子を乗っ取っている何者かから開放し、なおかつその黒幕が目的としている計画を阻止するという三つを行う必要に迫られていた。三つの要素は複雑に絡み合っているため、どれかひとつを優先して行うわけにはいかない。
敵国の中でソルヴェールの人間はたった二人。決定的に手が足りないところを、二人は得られる限りの助力をつのりながら、目的に向かって力を尽くしてゆき ――

6巻目とはほぼ前後編と言っても良いだろう、第7巻。
キエフ帝国でのごたごたがようやく一段落つきました。
心配していたヴィクトル王子の悪堕ちはなく、結果としては隣接する四国のトップ(未来含む)がそれぞれに、レティを中心とした複雑な友情関係を築き上げる結果になったのではないでしょうか。
……しかし皇帝の座につくのが誰かは、もしかして……という予測はしてましたけど、でも第二〜三王子とかその他の王族は候補に入らなかったのか? という疑問がちと浮かびました。だって王族だけで演奏会開けるほどに人数いるんじゃないの?? と。そこが気になりましたかね。

そして今回の黒幕(の中の人)は、なかなか意外な人物&性格。おかげで代々の騎士王の生まれ変わり達が、ほぼ別人といえるほど、それぞれの個性が豊かな理由も説明される結果にはなりましたが。
しかし彼はどうせなら、獅子王の時代あたりに目覚めておけば、改めて軍師として認めて受け入れられたか、逆にあっさり捻り潰されたかのどっちかだったんじゃないでしょうか。いやそれを言うなら、最初からフォルカー王の時代なら、何の問題もなかったのか(苦笑)
歴代の王といえば、失恋王に引き続き、今回は内政王カールハインツのイラストが素晴しかったvv
長髪ストレートに片眼鏡の優しげな知性派系イケメンですよ! この人が嫁さんに逃げられたのか。なんっっってもったいないことを!!>嫁さん

ストーリー的にはなんとびっくり、あのレティが今回は囚われのお姫様とは。そして動けないレティの意を推し量って、デュークが大活躍ですよ。最近ちょっと影が薄かったのを、思い切り挽回してます。お互いまったく連絡を取り合えていないのに、互いの計画と行動がぴたりとハマる阿吽の主従っぷりがたまりませんね。
ってかレティはレティで、捕まりながらも他の王達と会話して計画立案情報収集できるんだから、つくづく王達の会議の間ってズルいですよねえ……

あとはフォルカー王に念を押されたし、いい加減騎士王の生まれ変わりということをきちんと信じて欲しいとかレティが言い出したから、ついにデュークに約束の剣を授与するのか!? とワクワクしていたら、まさかのデュークのポカミスにより、鈍感レティがついに恋愛感情を意識し始めちゃって、ああそっちに行っちゃうのか……と。
恋愛もの好きなかたには、ようやくか! と待ち望んでいた展開なのでしょうが、主従愛も大好物な私としては、他でいくらでも読める恋愛モノより、ここは忌憚なく言い合える男女の主従関係をもっと読みたいのになあと思ったりして。

さて、次回はようやくソルヴェールに戻って、再び兄達といろいろあるのでしょうか。
表紙絵を見る感じ、ロリコン騎士ウィラードの再登場と、いよいよ女性騎士枠を期待してもいいのかな(わっくわっく)
No.6605 (読書)


 2015年02月19日の読書
2015年02月19日(Thr) 
本日の初読図書:
「異世界でも鍵屋さん(小説家になろう)」〜一夜明けて
 http://ncode.syosetu.com/n1629ch/

ロックこと紀伊甚六は、現代日本でフリーの鍵屋をやっていた。
ところがある日やって来た変な爺さんと狐耳の美少女に、不思議な宝箱の解錠を頼まれたことで、その生活が一変する。
なんでもその二人は盗賊ギルドを営んでいる異世界の人間で、ダンジョンで宝箱や鍵のかかった扉を開けられる、腕の良い鍵師をスカウトしに来たのだという。しかもよくよく話を聞けば、つい先日までそのギルドに所属していて、病気で亡くなった凄腕鍵師というのが、七年前に姿を消したロックの師匠である水無月源だというのだ。
師匠が骨を埋めると決心した世界で、まだ見ぬ鍵を相手にする。それはひどく魅力的に感じられた。しかもこの世界とは比較的気軽に行き来できるというのだから、ますます気持ちは高揚した。
むこうで師匠の弟子だったという狐耳の少女 ―― アイラも、中途半端な状態で放置しておくことなど兄弟子としてのプライドが許せない。
かくしてロックは剣と魔法とダンジョンの異世界で、鍵師として働くことになった。
勇者や魔王もどこかには存在するらしいが、そんなものと係る気などはさらさらない。彼はただひたすら己の技術を武器に、鍵開けへと邁進していく。だが、それでもトラブルは引き寄せられてくるもので……

異世界と日本とを行き来しながら、磨き上げた職人技で異世界人を唸らせていく大人の男のお話。連載中。
孤児であるロックには、どうも出生の秘密があるっぽかったり、どこぞの国が召喚した厨二病の勇者が好き勝手やらかしているようだったりと、まだ伏線が張られ始めている段階で、回収にはしばらくかかりそうです。
難点は似たような名前のキャラクターがどんどん出てきて外見描写とかがあまりないので、えっとこれ誰だっけ? となることが多いところですかね……
No.6608 (読書)


 2015年02月20日の読書
2015年02月20日(Fri) 
本日の初読図書:
4047293849おこぼれ姫と円卓の騎士 伯爵の切札 (ビーズログ文庫)
石田リンネ 起家一子
エンターブレイン 2014-01-14

by G-Tools
立て続けに起きた事件がようやく一段落ついて、手が空いた時間をレティは新たなナイツオブラウンドの獲得に当てることにした。
第六席と七席にと目をつけているのは、広い人脈と高い処理能力で政治的な実務を任せることができる人材。一人はグイード派の貴族で、レティとは以前から慈善事業で交流のある女伯爵マリアンネ・バッセル。もう一人はフリートヘルム派の有能な王立騎士だが、年齢が一桁の幼女にしか興味を持てないという特殊嗜好の持ち主ウィラード・オルランディ。どちらもこれまでに比較的良い関係を築いてきており、勧誘はスムーズに行くと予測していた。
ところが実際に話を切り出してみると、マリアンネは「個人的な事情で」ときっぱり断り、ウィラードに至っては「忙しいから」と面会すらできない始末。
しかし改めて二人の身辺を調査し直し始めた矢先、それぞれから別々に申し出があった。ある願いを叶えてくれたなら、自分達はあなたの騎士になると言う。そしてその内容はどちらも同じだった。
いわく、現在国家を上げて進めている大規模な人身売買組織の摘発計画において、囮として組織に捕らえられオークションに掛けられる少女を、確実に競り落として欲しいのだ、と。
彼女 ―― アイリーチェは、平民出身の孤児だったが、現在はマリアンネの紹介で王立騎士学校に入学しており、有事の際には騎士に準ずる行動を求められる身分である。そしてその珍しい容貌と美しさから、確実にオークションの目玉商品になると判断され、囮役を命じられたのだった。しかしウィラードは彼女を愛しているという。『あの』ウィラードが九歳差とはいえ年齢二桁の少女に恋をするなど、二度とないことだろう。
もしも組織の摘発に失敗したならば、誰ともしれぬ相手に買われる彼女に未来はない。二人はアイリーチェの安全を確保するために、なんとしても彼女を買い取って欲しいというのである。
しかしオークションに参加できるのは、何年もかけて組織に食い込み、顧客としての信頼を得たマリアンネだけであった。彼女の協力があればレティだけは何とか潜り込めるかもしれないが、護衛の騎士は一人も連れていけない。
さらにマリアンネの方は、ただかつて世話した可哀想な少女を救うというだけでなく、他に何らかの目的を隠しているようで。
たった一人の騎士見習いを救うために、次期女王が危険に身を晒す訳にはいかなかった。それに王女が人身売買行為の顧客だなどという噂でも流れた日には、レティは王位継承権自体を返上する羽目になるだろう。彼女が独立して動くことで、摘発計画そのものを阻害してしまうことも考えられた。
危険とデメリットばかりの願いであったが、しかし騎士として手に入れたい二人に対し、この上なく高く恩を売りつけるチャンスでもある。
銀狼公を除く四人のナイツオブラウンド達とレティは、それぞれの視点と考え方から、どうするべきかを検討していって ――

シリーズ8作目はようやく舞台を国内に戻したと思ったら、今度は国を股にかけた人身売買組織を相手に南のナパニア国まで足を運ぶ展開となります。
……地図が三巻目にしかついてないのが惜しまれますね……そんなにページ数がギリギリなのか!?

そして表紙を見て期待していた通り、今回は女性騎士とウィラード獲得回でした。
ウィラードはねえ、初登場時から良い味出していると思っていたのですよ★
っていうか、フリートヘルム派なのに肝心の兄王子と仲が良くないのって、もしかしてレティが8歳の時に「姫の騎士になりたい」って言ったのを、可愛い妹をロリコン趣味の餌食にしてたまるかとか思われて、そんで毛嫌いされたんじゃないのか(笑)
兄馬鹿といえば、グイードもなんだかんだで着々と過保護さを育てているようで。万一アウグストがレティに良からぬことを仕掛けた時には……と、架空かつ超実践的なノーザルツ公国侵攻計画を練り上げちゃうあたりにニヤニヤが止まりませんvv

デューク達ナイツオブラウンドも、だんだんそれぞれの役割分担ができてきましたね。
レティと同じ王族として、上に立つ者の視点で意見を言うシェラン。
絶対的な信頼を持って、全力でレティを支援するアストリッド。
時に迷いがちな若人を、大人の経験で後押しするクレイグ。
そして遠慮会釈なく問題点を洗い出し、計画の最終チェックを担うデューク。
四人が見事に噛み合って、レティを支えていく様子が気持ち良いです。

そして前巻から前面に出てきた恋愛パートについては……ううむ(苦笑)
今のところレティにまったくその気がないというか、ああ、そう考えた挙句にそっちに行っちゃうんだ、と。恋愛展開はあまり歓迎していない私から見ても、さすがにデュークが気の毒な気がしなくもなく(^ー^;;)
とは言え現在の彼女は結婚すら政略のカードとしか考えておらず、そこに恋愛を差し挟む気は全くないのに、デュークのためであればその切り札すら切ることを辞さないというのは、やはり彼のことを特別に思っているからだと言うのは確かなんですよねえ。
ただその切る方向が、ああレティだなあと言うしかないというか。
どうも次の巻では、そのあたりがメインになってくるっぽいので、そちらも早く読んでみたく。
No.6609 (読書)


 2015年02月23日の読書
2015年02月23日(Mon) 
本日の初読図書:
「Clump,Clump(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n7466bd/

かつて無色透明だったという海は、いつの頃からか赤錆や乾いた血を融かしたような色に染まっていた。
大地には鉄と銅しか存在せず、人びとはやせて錆びた土地を、努力と根性とあやしい〈錬土術〉で畑に変えた。とは言え金属粉から有機質培地を生み出す術は、現在では失われてしまい、農地として使える土は今あるだけしか残っていない。
ヴォード大陸の〈第五ワンダーランド〉は、世界に5つしかないクイーン・アリスの治める街のひとつだ。
クイーン・アリスは魔法使いの子孫の子孫。金属を操り、機械をペットのように手懐け、電気を生み出すことさえできるという。無人トラム、電動アシスト銃、グリフォン。文明の利器のほとんどは、クイーン・アリスの一族によって作られた。おかげで〈ワンダーランド〉は他の都市よりもいくぶん豊かで、そして少しだけ安全だ。
世界には〈スナッチ〉と呼ばれる、なんでも食ってしまう化け物がいる。犬も猫も鳥も豚も、もちろん人間も、ときには石や鉄まで喰らっては、己の内に取り込んで進化してゆく、あらゆる生物の天敵。そんな百害あって一利なしの存在から、〈ワンダーランド〉は張り巡らされた塀とそこに設置された重火器によって守られているのだ。
不思議なことに、〈スナッチ〉は一度でも奴らを殺した人間を敏感に見分ける。一度でも〈スナッチ〉を殺した人間は、生涯〈スナッチ〉に狙われ続けるのだ。故に彼らはひとところに留まることなく、ヴォード大陸を放浪し、〈スナッチ〉を駆除し続けることとなる。そんな男たちを、いつしか人々は〈ヴォーパル〉と呼んだ。
ソロはそんな〈ヴォーパル〉の一人だった。年齢は三十前後だと思うが、自分でもはっきりしたところは覚えていない。二十八か九かもしれないし、三十一か二かもしれない。長い放浪の末に、余計なことは忘れてしまうのが得意になった。
それでもここ数年のことは、比較的よく覚えている。第二ウェンガンという都市で5年ほど暮らし、その後流れ着いた第五ワンダーランドでもう2年暮らしている。どちらもヴォーパルには寛容な都市で、届けさえ出せば、彼らが定住することを認めてくれていた。
ソロはこの街で、まっとうな生活を営んでいる。ガンショップ〈ネコのタルト〉の店番として、パートで働いているのだ。給料は安いが〈スナッチ〉と戦わずにすむ、平穏な暮らし ――
最近はその生活に、ちょっとした変化が現れた。男たちに絡まれているのを助けたのがきっかけで、店に少女が出入りするようになったのだ。ネイダと名乗る14歳の彼女は、金髪をツインテールに結っており、まるで人形のように愛らしかった。ソロのことを気に入ったらしく、やたらとつきまとってきては過去のことなどを詮索してくる。
その日も同じように顔を出したネイダだったが、ソロが以前第二ウェンガンにいたと聞いて、急に顔色を変えた。
「――その町。『なくなった』って、言ってた」
「なくなったんだって、滅びたんだって。〈スナッチ〉にやられたの!」
それは誰も知らないはずの、規制された機密情報で ――

商業作家 諸口正巳さんの以下略。無料で読めます。もともとは投稿作品で書籍化の話も出てたらしく、クォリティはかなり高いです。完結済。
えー……このところだいぶこの方の作品にも慣れてきたよなあ、とか調子こいてました。ごめんなさい _| ̄|○
作品紹介にまったく誇張がありません。開幕五分でスプラッタ。大人も子供も、カッコ良いと思った人間も、次の瞬間ゴミのように死んでゆきます。
血と肉と臓物と金属で出来たクリーチャーが縦横無尽に暴れまくり、銃火器で武装したオヤジ達が対抗しては返り討ちに合いまくり。
……でもまあ、ソロとネイダは無事だったし、読後感は悪くなかったかな(笑)
ソロの女王たらしっぷりがまたvv

ただ作品の根底に「不思議の国のアリス」がモチーフとして使われているのですが、実は私ちゃんと読んでないんですよね。過去何度か挑戦したものの、どうもあれ苦手で……それもあってかいろんな所が、正直良く判らなかったです。まあそこらへんはフィーリングで(苦笑)

個人的には、最終章でサウンドが見せた愛妻家な面にギャップ萌えvv
そしてブラッドとソロの関係ってどういうことだったのか、謎が一部残ってるのがちょっと残念。
No.6612 (読書)


 2015年02月24日の読書
2015年02月24日(Tue) 
本日の初読図書:
4048691899ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)
三上 延
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-12-25

by G-Tools
かつて太宰治の『晩年』を手に入れるため、栞子に重傷を負わせた田中敏雄が仮保釈された。判決が出るまでのわずかな間とはいえ、あの男が野放しになっているかと思うと大輔は気が気でない。しかも店には田中敏雄の名で「晩年をすり替えた猿芝居を知っている」という手紙が届く。
しかし手紙が投げ込まれた日には、田中はまだ拘置所の中でアリバイがあった。いったい何者が、どういった目的で手紙を送りつけてきたのか。
情報を得ようと接触した大輔に、田中は意外なことを依頼してくる。
彼が執拗に狙った栞子のアンカット本は、田中の祖父が所持していたものではなかったのだという。何者かから送られてきた匿名のメールによると、田中嘉雄が持っていた『晩年』は一部のページが既に切り開かれており、太宰の署名もないとのことだった。しかし見返しにはより希少な直筆の書き込みがなされているらしい。田中はビブリア古書堂の正式な仕事として、その本を探しだして欲しいと言った。見つけてくれたなら、きちんと代価を支払って売ってもらえるよう交渉するから、と。
栞子には申し訳ないことをしたなどと、殊勝な事を言われてもとうてい信頼できるはずがなかったが、大輔はひとまず依頼の内容を栞子に伝えた。すると彼女はその『希少な書き込み』の内容に興味を覚えたようで。それにこのまま放置しておけば、田中は自力でその本の持ち主を見つけ出すかもしれない。そうすれば再び以前のような強行手段をとることも予想できた。ならば自分達の手で先に所在を確認し、そして持ち主に気をつけるよう警告するしかないだろうと結論する。
そうして二人は四十七年前の、『晩年』を手放した頃の田中嘉男について調べ始めた。すると様々な事件が浮かび上がってくる。
太宰治の研究家の家で起きた、古書の盗難。田中嘉男が関わっていると思しきその事件で、盗まれた本を取り戻したのはビブリア古書堂の初代店主 ―― 栞子の祖父だった。しかし彼は犯人や詳細を明らかにしなかったため、事件に関わった人々はそれぞれ今でも心に傷を残している。栞子の祖父はどうして、そんな中途半端な真似をしたのか。
多くの人達に当時の様子を訊き、やがてたどり着いた真相は、田中敏雄や大輔、栞子らの祖父母が複雑に関わりあっていて ――

シリーズ六冊目は「走れメロス」、「駆込み訴へ」、「晩年」の太宰尽くし。
大輔さんと栞子さんのじれじれな恋愛模様が一歩進展したと思ったら、今度は話が一番最初に戻って来ました。
一巻のメイン軸だった、田中敏雄と太宰治の『晩年』アンカット本を巡る第二弾。
……一巻目では「もう証明しようもない」と、二人だけの秘密として葬られたはずの大輔の出生の秘密が、もはや確定事項として関係各所に語られております(苦笑)
そして男爵改め田中敏雄は、相変わらずどう転ぶか判らない危うさを秘めていて、話を引っ掻き回してくれるし。
何しろプロローグからしていきなり、事件が終わって大輔さんが入院してるところから始まってますからね……大輔、いったいいつ誰に何をされたの!? とハラハラドキドキしながらページをめくる羽目になりました。
って言うか、スタンガンで殴られまくっても気を失えない大輔さんの丈夫さは、良かったのか悪かったのかヽ(´〜`)/

ああそれにしても、260ページ目あたりからの展開は楽しかったですねえ。
詳しくはネタバレになるので伏せますが、田中敏雄ももうちょっと違う形で栞子達と出会えていたら、いい仲間内になれていたんじゃないかと、運命の巡り合わせが惜しまれました。

そして最後の最後に大輔が気がついた、新たな『疑惑』がまた重たく。
そもそも大輔さんって、けっこう頭良いんですよね。けっして情報収集と肉体労働だけの筋肉馬鹿ではなく、ある程度の謎は自力で解いちゃうし、栞子さんの本のウンチクとかもきちんと記憶しておける頭脳を持ってます。
そして栞子さんにも言えない秘密をまたひとつ胸の奥にしまい込んだ彼は、彼女をきっちり支える甲斐性のある、良い男になっているとしみじみ思いました。
後書きによれば、シリーズはもう1〜2冊で終了とのこと。
栞子さんと大輔さんの未来が、どうか幸せな形で終わって欲しいと心から願います。


「駈込み訴え(青空文庫)」太宰治
 http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/card277.html

ビブリア〜6巻目で大輔さんが「面白そうだと素直に思った」とか言っていたので、試しに読んでみました。
役人のもとに駆け込んで、己の師を金で売る。そんな弟子の訴えが延々と綴られた、のたうち回るような告白文。
それは憎しみゆえだったのか、愛ゆえだったのか。弟子自身にももう判らない。けれども彼は、師を売ることを選んだ。選ばざるを得なかった。そんな彼の名は……という短編です。
最後のオチをビブリア〜で知ってしまっていたのは、良かったのか悪かったのか。まあ、ある程度の知識さえあれば、他の弟子たちの名前が出た段階ですぐに気付くんでしょうけどね。
……そしてこんな昔から、BLはあったのかとか思ってしまったり(苦笑)
No.6615 (読書)


 2015年02月25日の読書
2015年02月25日(Wed) 
本日の初読図書:
「兎偽姫の憂鬱(小説家になろう)」〜感情の爆発
 http://ncode.syosetu.com/n2745cb/

兎人族の国から狼人族の国へ輿入れすることになった姫は、その婚姻を厭うあまり自害して果てた。
残った王族たちは妹の死体に異世界から召喚した魂を無理やり押し込み、逆らえぬよう声と足の自由を奪って偽の姫を仕立てあげた。相手は野蛮な狼族。さっさと殺されてしまえば、ケダモノの王に貸しが作れるからと、そう言って。
そうして兎偽(うさぎ)となり、生贄のように輿という名の箱に詰められ狼族に送りつけられた元OL ―― 葛方或架(くずかたありか)を迎えたのは、精悍という言葉も足りないほど迫力に満ちた、目付きの鋭い皇帝だった。
しかし彼は或架の状態を見ると、息を呑みすぐに医者の手配をしてくれた。柔らかなベッドに寝かされて、鼠族の侍女に世話される待遇は、兎族の国で受けたものとは雲泥の差で。
或架はその扱いに感謝し、どうにか自分が本物の姫ではないのだと伝えようとするのだが、姫の記憶がうまく馴染んでいないため、言葉はなんとか理解できるものの読み書きはおぼつかない。そのため皇帝とのやりとりには、どうしてもすれ違いが生じてしまい ――

異世界に拉致され踏んだり蹴ったりな目にあった挙句の強制結婚から始まる、ほのぼのラブコメ。連載中。
一話目にけっこうな残虐描写があるので、そこのところ注意です。狼族の国に輿入れしてからは、むしろ溺愛系に行くんですけど。
ってか、見た目はすげえ怖いのに、「私は貴方の花嫁ではありません」って手紙をもらって、リアル orz になってる皇帝が(笑)

そしてものすごく重要なところで、一年近く更新が止まっていることに気が付いて、私が _| ̄|○
読み始める前に気づこうよ自分……


「異世界転生して「ようこそ○○の町へ!」という町人Aになれたけど、ラストダンジョンがすぐ目の前にあった件(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n3581ck/

生まれ変わる際に神様から願いを三つ叶えてやると言われ、大好きだったゲームの世界で『高いコミュ力』を持ち『町を案内する仕事』をしたいと答えた彼。
願いは叶い、町の入口で「ようこそ○○の町へ!」と旅人に声をかける町人Aになれたのだが……そこには重大な問題があった。
彼が生まれ変わった町は、ラストダンジョンがすぐ目の前にある、いわゆる勇者様御一行が訪れる「最後の町」であった。つまり旅人などまったくやってこない。
今日も暇を持て余し、町の入口で立ち尽くす彼に話しかけてきたのは……

タイトルが全てを語るネタ短編(笑)
ラストの牧歌的微笑ましさが、いい感じの読後感です。
No.6619 (読書)


 2015年02月26日の読書
2015年02月26日(Thr) 
本日の初読図書:
B00L4XSMCKおこぼれ姫と円卓の騎士9 提督の商談
石田 リンネ 起家 一子
KADOKAWA / エンターブレイン 2014-07-13

by G-Tools
デュークの『未練』を断ち切るためにも、早々に結婚というカードを切ることに決めたレティーツィア。
考慮した結果、夫候補に上げたのは南国ナパニア国の第六王子ソレス・デ・ラ・イグレシオだった。彼は庶出で十二歳までを王宮の外で育ち、現在は臣下としてナパニア海軍に務めているという。つい先日、若干二十歳にして、他国にも名高い勇敢なる大艦隊バリエンテの総司令官に就任したというから、そのネームバリューは申し分ない。血筋の低さなどはどうでも良い。むしろナパニア国への忠誠心など持っていられては困る。女王の夫としては、生家への情など持たず、他国のであれ王の配偶者としての名誉に満足してくれる程度の男がちょうど良い。
そんな次期女王としての公の部分ばかり条件にあげるレティに、デュークら周囲の騎士達はそれぞれ複雑な反応を見せる。
ともあれまずは、見合い ―― の、前段階となるお互いの顔合わせをしなければならない。
レティはデューク、アストリッド、クレイグの三人を連れて『公のお忍び』でナパニア国へ向かう。ナパニア王家と交わした計画では、ナパニア王室御用達の商家“野うさぎ商会”の商船に乗って、海上で『偶然』バリエンテ艦隊と遭遇し、総司令官であるソレス王子と『意気投合』した結果、ナパニア港まで送ってもらうという手はずになっている。
ところが濃霧のせいで、レティ達の乗る船とバリエンテの三番艦が衝突事故を起こしてしまう。
野うさぎ商会の副船長ザイーツと三番艦の艦長がもめているところへ颯爽と現れたのは、夕焼け色の髪に琥珀色の瞳を持つ青年だった。
純白の軍服に身を包んだ奔放で人懐っこい彼 ―― ソレス王子は、どこか騎士王の生まれ変わりの一人、失恋王ルートガーを思わせて、レティに強烈な印象を残す。
無邪気で好き勝手に動いているようでいて、部下達にしっかりと目を配り、厚い信頼を寄せられている。自分がお飾りの提督だという自覚を持っていて、きちんとその役割を果たしている。
いつも相手にしている人間とは異なるその言動に振り回されながらも、レティは相手の有能さとその心のうちに隠した寂しさを見つけてゆく。
ところがナパニア港に到着する寸前、ソレスの船室から麻薬が見つかるという事件が起きた。即座に見合いは中止となったが、しかしレティはソレスの今後については楽観していた。彼が麻薬など使う人間ではないと、周囲の者は口を揃えて証言するだろうし、いくら後ろ盾がないとはいえ王族は王族。内々に事件はもみ消され、なかったことになるだろうと。
ところがソレスはろくな弁護士もつけられないまま、公開軍法会議にかけられることとなって……

シリーズ9巻目は、レティの縁談というかなり重要な展開だったんですが。
……なんか本編と関係ないところで交わされる、ちょっとした会話の方が個人的にツボにはまりました(笑)
アストリッドがデュークに、嫉妬ってどういう感情なのかと質問して説明されたあとで、ソレス王子の行動を見て「……これが嫉妬」「新しい体験おめでとう、良かったな」ってやりとりしてるとか。
レティに誕生プレゼントを贈られた艦長さんをうらやましがるアストリッドに、「お前の誕生日っていつなんだ」ってデュークが訊いて、「騎士学校の入学申込のときに慌ててねつ造したので、覚えてないんです」「虚偽申請を堂々と暴露するな」って淡々と話しつつ、後で書類を調べてやると約束してるとか。
最初の頃はアストリッドの才能に複雑なものを抱いていたデュークなのに、いつの間にやらすっかり仲良くなっちゃってvv
そしてそれを(生)暖かい目で見守っているクレイグがまたグッジョブ! というか。

心配していた恋愛方面については……レティが徹頭徹尾朴念仁だし、デュークが鋼の理性の持ち主なので、すれ違いのドロドロ展開には拍子抜けなほどならなかったのが、良かったのか悪かったのか(苦笑)
とりあえず夫候補のソレス王子が、ルートガー似のやんちゃかつ魅力的な存在だったので、これはこれでレティと並び立っても悪くないなと思わせるところが、作者様の憎いところ。
この作者様は、いったい何パターンの「イケメン」引き出しをお持ちなのか。

前巻で、ある意味ことの発端でありながら、結局は出てこないままに終わってしまった「人身売買で売られて行方不明になった、美しい声で歌う白髪紅眼の少年」についても、きっちり伏線として回収してくるし……本当にさすがですねえ、このシリーズは。

実は私、正直言うと裁判モノが苦手です。テレビドラマとかで法廷の場面が出てくると早送りで飛ばしたり、事前にそう言うシーンがあると判ってたら、あえて見なかったりするタイプです。
なので今回は公開軍法会議になった時点で「あ、これヤバイ展開かも」と思ったんですが。そこはさすがのレティですね。負ける勝負はしないというか、負ける要素があるうちは勝負しないというか。見事に懸念事項を潰しまくってくれたので、心安らかに読むことができました。

結局、今回は「夫」についての問題は解決しなかったものの、「多少の減点は怖くなくなった」という新たな強さを身につけたレティ。
……そう言えば、王の間の面々に助力を求めることもなかったですし、着々と成長して行くさまが本当に格好良いですね。
ナイツオブラウンドも、残すところあと四人。もう一人ぐらい女性枠があっても良いと思いつつ、次はどんなタイプのイケメンが引き抜かれるのか、まだまだ楽しみでなりません。
……ってか、まさか最後の二人は兄上達だったり……しないよね……?
No.6622 (読書)


 更新情報(2015年02月27日)
2015年02月27日(Fri) 
閲覧室の「その他書架」で、著作権切れテキスト「不思議の鈴(コナン・ドイル著、三津木春影 翻案)」八章目をUP。

いよいよこの話一番の見せ場です(笑)
No.6623 (更新)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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