2014年07月01日の読書
2014年07月01日(Tue)
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本日の初読図書: 香月さんの児童文学、コミカライズ三巻目。 エスパルスが龍神とノブを引きずって町へと繰り出し、大はしゃぎしたあげくに塔に住み着き、二人の高校へ転校してくるまでが入っています。 それは良いんですが……後書きとか亜円堂さんのコメントに「またいつか魔法の塔でお会いできますように」とか「またいつか、高校生になった龍神たちに会えますように」とか書いてあるんですが……え? もしかしてこの巻で終わりなんですか!? 最後の方もなんか最終話臭を漂わせてるし、後書きイラストもお気に入りキャラ大集合みたいになってるし。 ああいや、それはまあ確かにキリの良い所だから解らなくもないですが……だったら何で、一色先輩が思わせぶりにふたコマだけ登場してるのさ!? 通りすがりにたそがれていたあのキャラはいったい?? ってところで放り出されてるよ??
……なんかものすごい打ち切り感がするんですが……って、ああっ『コミック怪』が 2013 年秋号で休刊になってる Σ(゜ロ゜ノ)ノ
そうか、そうだったのか……単行本になっただけマシだったのね……道理でページ数も少ないと思ったんだよ(しょぼん)<157Pしかない
ええとまあともあれ。 今回は龍神たちよりも秀ジイの方に力が入っている感じがしました。いや龍神たちもいつも通り元気に眩しく、どこまでも前向きに生きてるんですが。今回は秀ジイが五感を取り戻すというエピソードがあったため、いつもは動じない彼がいろいろな表情を見せてくれて楽しいこと楽しいこと。 料理の香りにしみじみとし、龍神たちの体温や肌の感触を愛おしく思い、改めて思い出を心に噛みしめる。 あと脱ぐと案外すごいんです的コマなどは、完全に読者サービスでしょう(笑) 龍神たちがコーディネートしてくれた自室を見て「気に入った」と言う場面も、小説だともっと不敵にニヤリと笑いながらのイメージだったんですが、このコミックだとサプライズプレゼントに呆然としながら呟く感じ。 イメージが違うといえば、ギルバルスが人間に変身した時の格好もかなり予想外でした。 「黒服にサングラス」という文章での描写に、私はSPチックにかっちりダークスーツを着た、ちょっと危険な香りのする大人の男をイメージしていたんです。 そしたらまさかの革ジャンに銀アクセのちょい悪オヤジとは(笑) よくあれが保護者と名乗って、補導員が素直に(しかもちょっと頬を染めて)引き下がったな……
あとはうさぎのぬいぐるみ怖かったッス。うさぎ怖いうさぎ (((( ;゜Д゜)))) ガクガクブルブル
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No.5968
(読書)
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2014年07月02日の読書
2014年07月02日(Wed)
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本日の初読図書: 迷信深い中世ヨーロッパ。悪霊を祓い、病を癒やす妖(あやかし)ロイチェクスタは、しかしその醜い姿から人々に迫害され、殺されかけていた。火に放り込まれ焼き尽くされる寸前だった彼を救ったのは、創世から存在する火の神シウテクトリ。強く美しく傲慢な彼によって人間の姿を与えられて幾星霜。ロイはシウを主として仕え、現代日本で人気アイドルとその世話係として暮らしていた。シウに好意を寄せるロイは、しかし己の醜さを自覚しているがゆえに、その想いを罪だと押し殺そうとする。だが人間嫌いのシウに隠れて未だに人間を助け続けていたロイは、そのことによって不興を買ってしまい……「真夜中の彼方者(あっちもの)」「Love+Hate」「休日の意味」 幼い頃に両親を亡くし、身寄りのない青年 森宝は、その存在感のなさと平凡な容姿のせいか、ほとんど他人に認識してもらえなかった。無視されたり、声をかけても気付いてもらえないのはいつものこと。街角で配られるティッシュやチラシを差し出された経験さえない。そのせいか仕事も次々とクビになった。そんな宝にとって唯一の知人と呼べるのが、アパートの隣に住む中年の男 片喰だ。宝の境遇を知って何かと気にかけてくれる彼のことを、宝はとても頼りにしていた。今回も片喰に励まされたことを糧に次の仕事を探していた宝に、中学時代のクラスメートが声をかけてくる。初めてのことに喜びつつバイトを引き受ける宝だったが、片喰はなにやら不服そうで……「空(うつほ)の恋路」
今回は一冊まるごとFT。 二つのお話が入っていますが、これどっちももうちょっと膨らまして一冊ものにしてくれても良かったんじゃないかなあ。 背景にいろいろと設定が透けて見えるのに、さらっと流されて終わっているのがいささか物足りなかったです。 シウがその炎から生み出したというペリの過去とか今とか。 宝の前世でのバーサーカーぶりがどういうものだったのかとか。宝と魔剣の出会いとかとか、いろいろあるんじゃないかとか気になるんですよ〜〜《o(><)o》
ちなみに私は最初表紙画像と紹介あらすじを Amazon さんで見て、てっきり左の茶髪の子がロイなんだと思ってました。 いやー、表紙画像ちっちゃかったから、不敵なあの笑みが見えなかったんだよ(苦笑) しかもちっちゃい神様のほうが受けなんですよ。 超俺様ドSな襲い受けなんて、この方の話で今まであったっけ??<たいてい純情なおっさんやゴツイ方が受け
「空の〜」の方は、これまたBL系には珍しく濡れ場が控え目で、個人的にはありがたかったです。 この方のお話はキャラクター達のやりとりとか設定が好きなので、正直なところ濡れ場にページを割くよりそっちに力を入れて欲しいので。
そういえば今回は、主役のお相手キャラ、どっちも二つの姿をお持ちでしたね。美少年or美青年と美青年or美中年。 ……様々なニーズに応えてみました?
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No.5969
(読書)
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2014年07月03日の読書
2014年07月03日(Thr)
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本日の初読図書: 十年前、唐突に侵略者はやって来た。世界各地の十二個所に降り立ったのは、地球外知的生命体の乗った恒星間航行宇宙船。彼等は「アゾルト」と名乗り、これより地球の核に存在するエネルギー鉱石の採掘を行うと一方的に宣告してきた。これに反発した多くの国は武力で彼等を排除しようとしたが、その結果は惨敗。繰り出した軍はあっという間に全滅させられ、核兵器で辺り一帯を焦土と化しても、アゾルト星人の宇宙船には傷ひとつつけられなかった。 アゾルト星人は地球人に対して何ら接触を持とうとせず、着陸した場所でひたすら採掘を続けていた。多くの犠牲を払ってなんら成果を得られなかった地球側が出した結論は、不干渉。こちらから近づかなければ、相手も何もしてこない。人々は自らの星の一部を支配されたまま、暫定的な安寧と引き換えにそれを黙認し続けるしかできずにいた。 それから十年。日本の太平洋岸にある港町茜陽町は、十二の宇宙船の内ひとつが着陸した町だった。沖合にある通称「侵略島」に突き立った巨大な船の姿は、否応なく見慣れたものとなっている。幸いにも戦火に巻き込まれることは避けられたおかげで、そこは今でも鄙びた田舎の漁師町であった。 そんな茜陽町に住む女子高生 桜井舞依は、宇宙人が大嫌いだった。アゾルト星人は勿論のこと、映画や小説に出てくるそれさえ、反射的に拒絶反応を示してしまう筋金入りである。 ところが進級した彼女のクラスにやって来た新しい担任教師は、自称「宇宙人」だった。 ユーマ・森次という長身に長い銀髪を持ったその男は、自らを「真の侵略者」と名乗り、アゾルト星人を「三流侵略者」「自分達が侵略する星に勝手に穴を掘る馬鹿者」と呼んではばからなかった。 しかも彼と弟のソーマが引っ越してきたのは、よりにもよって桜井家の隣である。ストレスをこじらせた誇大妄想患者の言い分としか思えないその言動に、舞依は苛立ちを隠せなかった。 しかしユーマの授業はやたらとスケールがデカイ割にとても判りやすく、また生徒達に対して一本筋の通った態度で接してくれる。そんなこんなでユーマは、あっという間に人気者になっていって……
前半は青春学園もの、後半はウ●トラマン。 あまりにも突き抜けた荒唐無稽というかバカバカしさに、逆に清々しさを覚えてしまうお話です(笑) 表紙とあらすじの印象から、最初は「光路郎」とか「GTO」みたいに、生徒と同じ目線で馬鹿をやるハチャメチャ教師を想像しておりました。が、意外なことにこのユーマは、非常に生真面目で真摯な教師です。……たとえ第一印象が電波であったとしても(苦笑)
「わからない時はわかりませんと言え。俺はお前たちが理解するまで教える。教師として、生徒に理解させる努力は義務だからな。そのための努力を惜しむつもりはない。(中略)だからお前たちも理解しようとする努力を忘れるな。わからないものをわからないまま放置するのは、思考停止に等しい。それは知的生命体にとって尊厳の放棄に匹敵する愚行だ」
これを大真面目に言って、実行してくれる教師が現実にどれだけ存在するでしょう。 教師も同じ人間であり、そして他の生徒のことを考えるのであれば、必ずどこかで線引きが行われ、脱落してゆく生徒は存在します。しかしユーマはそれを良しとしない! なぜなら彼は人間ではなく宇宙人だからvv
↑の内容を暑苦しく、拳を握りしめて熱弁するなら、ただの時代錯誤なうざい野郎でしょう。 しかしユーマはひたすら淡々と、相手が理解できるように真摯に語りかける。通じなかった時は、後日また別の切り口から説得する。口調は尊大なのに、語る言葉は心から相手のことを思いやってるのが分かるんですね。 なにしろ彼の生徒に向ける愛は宇宙的スケールだからvv
もう一ヶ所心に残ったのは、部活に急ごうと廊下を走り、危うく他の生徒に怪我をさせそうになった陸上部員を諭す場面。ちょっと長くて引用しきれませんので、これはぜひ実際に読んでいただきたく。
……そんな訳でユーマの通り名が、『銀河最強のバカ』ってのは個人的に納得がいきません。 ユーマは馬鹿じゃないよぅ。そりゃ確かに、あまりにも馬鹿馬鹿しいことを大真面目にやったかもしれないけど! でも彼の行動はどこまでもまっすぐで潔くて、心に響きます。 この彼を馬鹿と呼べるヴァルトラ(バルタン+ウルトラ?)星人たちとやらは、いったいどれほどのもんじゃいな?? 自分の生まれ持った適性を遥か彼方にぶん投げて、愛する者のために全力投球で自分の選んだ我が道をつき進むユーマは、非常にかっこいいと思います。
ただまあ、ちょこちょこと突っ込みどころ(舞依の父親どうした。十年改造されてた地球は大丈夫なのか)とかミステイク(学年が2クラスだったり3クラスだったり)とか、ネタがコア過ぎ(ハリケーン・ミキサーなんて調べないと解らねえよ……ましてやウルトラマンのキャスティングなんてry)とかが散見されるあたりは気になりましたかね。 ここらへんは作者さんの力量うんぬんよりも、最近のライトノベルで出版社が校正をなおざりにしていると思える点ですな……
なんだかんだで最後は、個人的な贔屓の引き倒しの力技だし(苦笑)
「戦争をしたがる馬鹿者」を嫌悪しこき下ろす割に、いざ戦い始めると完膚なきまでに容赦のないユーマ。 最強の戦闘力を背景に持ったO・HA・NA・SHIって、タチ悪いですよねえ……
ともあれ、地球をこよなく愛するユーマのもたらす「侵略」が、果たしてどのような形になっていくのか。 それは今後の舞依達に委ねられている。そしてユーマはどこまでも教師として、彼女達を導いていくわけで。 読後感は非常に判りやすく爽快で、楽しかったです。
ユーマとソーマの擬態解除状態と「寝間着」「水着」姿、これはイラストで見てみたかったなあ……
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No.5984
(読書)
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更新情報(2014年07月04日)
2014年07月04日(Fri)
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閲覧室の「その他書架」で、著作権切れテキスト「凾中の密書(コナン・ドイル著、三津木春影 翻案)」の七章目をUPしました。
保村さん、内緒で開けた床の蓋を大急ぎで戻すのに、乱暴に蹴ってますよ。そしてすかさず須賀原さんが絨毯を敷き直す。その息の合い方がなんだか微笑ましいvv そしてマクファーソン巡査は幕原さんと、これまたナイスな日本名に。 夏秋警部の調子の良さは、原作通りのお約束とはいえ、なんかこうぬるい笑みが漏れてしまうなあ……(苦笑)
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No.5985
(更新)
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2014年07月04日の読書
2014年07月04日(Fri)
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本日の初読図書: 「VRMMOの基本(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n5095bx/
彼女に振られた事が原因で、いろいろと萎えてしまった男。 それでも人との関わりなしで生きていけるわけでもないので、何らかの形で他人と関わる趣味を、と言うことでVRMMOを始めてみた。 発売から数年が経つこのゲーム。実は敷居がけっこう高い。初期投資や月額会費などの金銭的な面でもそうだが、精神的な面でも問題がある。ログインしている間に過度な運動をすると、筐体カプセルの中で実際の体もかなり動くのだ。おまけに恐怖で漏らしたり脱糞したりもあるらしく、カプセルに入る時には全裸かつオムツ推奨。 成人用オムツをはいて全裸プレイ。ログアウトするたびになんともやるせない気持ちになるのだが、それでも最初にかなりの金額をかけてしまった以上、ついズルズルと続けてしまう。そんなゲームなのだった。 ところが彼がVRMMO開始してみると、いろいろと奇妙なことになってきた。 まずはチュートリアルをしっかりやりこんだ所、「初心者マスター」の称号を得てしまった。何でも彼の時間圧縮耐性は非常に高かったらしく、すべてのチュートリアルを最速で終えたのだという。しかもクリア条件満点で。 そんなわけで採取も調薬も料理も何もかも、一通り自分で出来てしまうようになった彼は、既にほとんど人がいなくなっていた始まりの町で、存在するクエストを片っ端からこなしていくことにしてみた。目指すは「始まりの町クエストコンプリート」。 ログアウトすると相当激しく身体が動いているのか、一応着ていたインナーはズタズタになっている始末。しかしそれだけ運動しているせいか、なんだかぽっこりしていたお腹がだんだん引き締まってきたようで……
キャラクターの固有名詞とかほとんど設定されていない、勢いで書かれたらしい読み切りもの。ただしけっこう長め。 『冒険とりっぱー「フー」 』とか『すーちゃんと薬草勇者』などを書かれている作者さんのお話です。 おむつプレイだの、ゲーム中にいろいろ出ちゃったりアレだったりとか、この方らしいシモ方向の描写はありますが、すーちゃんなどに比べればまだソフトめ。 後半にはダイエット効果だけでなく、時間圧縮状態で仕事に応用してみたり、事故による半身不随の治療とかも関わってきて、VRバンザイ、的なお話です。 彼女見返し要素とかモブ視点からの主役すげーとかもあって、個人的には楽しく読めました。
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No.5986
(読書)
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2014年07月05日の読書
2014年07月05日(Sat)
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本日の初読図書: 多くの裏切り者を出しながらも、どうにか教会長暗殺を未然に防いだカーマリー地方教会。事件の背後に潜むのは、教派統一改革を目論む強行派チャスチス枢機卿だと思われた。だが彼の関与を示す決定的な証拠は見つけられず、このままでは黒幕を逃してしまうことになりかねない。そこでオブザーらはチャスチルが結婚前の若い頃を過ごしたという、北の港町エリブへと調査に向かった。 エリブは宗教対立している隣国デーランドの、正統教会との繋がりが強く残っている土地である。キーセ教信徒が正統教会と関係を持つことは固く禁じられているが、しかし元々が聖教会派から分裂派生した宗教であるがゆえに、正統教会とキーセ神教聖統派は教義に近しいものを持っていた。ことにチャスチルが婿養子として迎えられたブレンダー家は、聖統派の中でも正統教会よりの信仰をしているという。ならばチャスチルが婿養子として選ばれたのは、あるいはエリブで正統教会と接触を持っていたからではないかと仮説が立ったのだ。その事実さえ証明できれば、たとえカーマリーで起きた事件への関与を証明できずとも、チャスチルを火刑台に送る充分な材料となる。 かくしてエリブで調査を開始したオブザー、ライツ、ジークフリートの三人だったが、どうにもオブザーの様子におかしな所があった。何かを隠している。というよりも、誰も知らない情報を一人で抱えており、それによって導かれる仮説に対し、複雑な『何か』を感じているようなのだ。 やがて判明した、チャスチルの過去。二十数年前に紡がれた絡みあう因縁の糸の織り成した図に、ライツやジークフリートは愕然とする。 そしてチャスチルと正統教会との関わり、そしてまた悪魔と契約を交わしているという確かな証拠が見つかったことで、ついに教会本部が動き始める ――
第一部完結。 イザベラ館の惨劇から始まった一連の事件が、ついに幕を下ろしました。 今回はこれまでに比べてシリアス配分が多めです。そしてオブザーやジーク以外からの目線も増えていたように思いました。 盗賊神父ライツに押掛け武装女神官マチルダ、そして全ての黒幕であるチャスチル枢機卿。 誰もが心に自分なりの信仰を持ち、彼らの『神』のために戦っていた。彼らにとっては自身の信仰こそが守るべきもので。けれど、それは誰が正しくて、誰が間違っているということには繋がらない。
「信仰は成否ではない。ただ、お前の行いが人の法で裁かれると言うだけのことだ」
神は誰を裁くこともしない。 だから人を裁くのはあくまで人なのだと。それ故に彼らは、自分の信じるもののために武器を取る。
ならば神とは何なのか。 その解釈はこの話の中でもそれぞれがそれぞれに持っていますが、私は「神とは許すもの」というのが一番しっくりときましたね。あくまで一神教における神の解釈ですが。
(主よ、許したまえ。導いてくれる必要などない。ただ許してくれ。それだけでええんや)
ジークの素朴な祈りが、なんだかすとんと納得できます。 そしてオブザーの信仰。 主はけして全知全能の完全なる存在ではない。そんな存在になど、怖ろしくて自身の罪を告白できない。時に残酷で、慈悲もなく、犠牲を強いる不完全な神であるからこそ、祈りを捧げ許しを請うことができる。罪を知る貴方に似て罪多き、過ちに汚れる身をどうか導き賜え、と。 これもまた心に沁みますね。
私はどうも一神教というやつが苦手でして。 全知全能の絶対者とか言われると、とたんに嘘っぽく胡散臭さを感じてしまいます。しかしオブザーのこの解釈だと、ああそういう考え方もあるんだなあと素直に感情移入できました。
それにしても今回は、ジークがちょっと怖かったッス。 3巻目にしてようやく表紙やカラー口絵で活躍した彼ですが、剣を持つと人が変わることがそろそろ明らかになってきました。普段はちょっと抜けた温厚な関西弁の兄ちゃんですが、一度『敵』だと見定めた相手には、まったく容赦がありません。それまで顔も知らなかった歳若い兵士を相手に、一撃でその頭を粉砕する。そこに迷いは微塵もない。なぜなら相手は倒すべき『敵』だから。 ……ある意味彼こそが一番、無自覚にタチの悪い『正義を掲げた殺戮者』になり得る素質を持っているのかもしれません。 オブザーはきっと、自分の歪みを自覚して、その上で自ら信仰と狂信の境界に立っていると思います。けれどジークはどこか危うい。一歩道を誤れば、それが自分の神にとって正しい道だと信じたなら、彼こそが人によって裁かれるような立場へと足を踏み入れてしまうかもしれない。そんなふうに思えてならないのです。 だからこそジークがカーマリーへやってきて、はちゃめちゃな仲間達に揉まれつつ様々な価値観を目にし、完全な正義や唯一絶対などないのだと叩き込まれたことは、良い経験だったのではないでしょうか。 2巻目でオブザーがジークに言い聞かせていた言葉。
「信仰のため、正義のためと信じて疑わない者こそ、もっとも残虐な殺戮者になる。神のためにと誓って剣を取るのなら、忘れずに覚えておけ、聖騎士」
この言葉を、彼にはいつまでも忘れないでいてほしいものです。
……ストーリー的なところで行くと、今回はとにかくアッシュがフラグを立てまくってましたね…… あざといほどに立ちまくるフラグ。そしてこのシリーズは時に恐ろしいほど容赦なく人が退場してゆくので、初めて読んだ時には本当にもう、最後までドキドキハラハラしていました。 フラグどころか、カラー口絵からしてアレですからねえ……ふふふふふ……(遠い目)
イラストと言えば、今回はライツがいっぱいでちょっと嬉しかったですvv 個人的には目を開けてるシリアス顔も見たかったですが。あとこの巻ではオブザーが黒眼鏡を外しっぱなしなのも、これはこれで格好良く。特にチャスチルに引導を渡すシーンの凄みは、第一部のトリを飾るにふさわしい一枚かと。
難点は、ちょっと校正の甘さ的なものが幾つか目につきました。 間違いではない……かもしれないけれど、どうも首を傾げてしまうような微妙な「てにをは」の使い方とか。 私服を着ているはずの場面で、イラストが僧服になってるとか。 同じく私服なのに、何故かタバコを取り出すのが僧服のポケットだったりとか。 やはりイラストで、本文では紙袋と書かれている手荷物が籠になってたりとか。 一個を肩に担ぎ、一個を腰で支えているはずの洗濯カゴを、二つとも肩に載せてたりとか。
ライトノベルではこの程度などよくある齟齬なのですが、この作品では今までほとんど目につく部分がなかっただけに、今回はやけに引っかかってしまいました。 作品自体のレベルが高いからこそ、細かいところまでしっかりチェックして欲しいものです。
あとこれはWEB版読んだ時から気になっていたんですが。 チャスチルはなんでリリスを身請けしたんでしょうね。莫大な金額を払ってまで。 そのまま愛人として囲うなら判るんですが、すぐに置いてけぼりにして二度と会うこともなく。しかもお腹の子供も殺せと命じてるし。これってチャスチルに何のメリットがあったんでしょう。 それでもリリスに多少の情があり、自由の身にしてやろうとしたんでしょうか? それとも……戒律を破ったことをばらされないように、売れっ子高級娼婦から一介の女という、後ろ盾も発言力もない立場に追いやろうとしたのか。 女悪魔がリリスの姿を写していたことを考えると、チャスチルなりにリリスへのこだわりはあったんでしょうが……そこは理詰めでは計り知れない、人間の心の複雑さなのか……
……そしてどうでも良いっちゃあ良いことなんですが、ちょっと気付いて笑った点。 ジークがカーマリーに飛ばされるきっかけとなったアミダクジ。 あれ正式には『阿弥陀籤』って書くんですってね。なんでも昔は放射状に書かれたそうで、その形が阿弥陀如来の仏像の後光に似てるから、アミダクジと名付けられたのだとか。 一神教世界なのに、めちゃめちゃ仏教用語やんvv
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No.5987
(読書)
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2014年07月06日の読書
2014年07月06日(Sun)
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本日の初読図書: 陰湿ないじめのせいで、江戸城で刃傷沙汰を起こした書院番 松平外記を扱った「残月」。 女好きの徳川家斉。子供が生まれすぎて困り果てた幕僚たちが、女の代わりにとあてがったのは子供のできない美貌のお小姓だったが、これがとんだ野心家のようで……「色小姓」 先代将軍の嫡男で本来なら将軍になるはずだった家基の急死には、当時幼かった家斉の何気ない一言が関わっていた? 五十年を経てそのことで、老女忍が家斉をゆすりに来る……「毒蜘蛛」 江戸には夜鷹から最高級の花魁まで、さまざまな形で春を売る女達がいた。そんなすべての遊女達の上前をはねている黒幕がいると耳にした梛は、なんとか調べ出そうとするが、京弥は何故か歯切れが悪く……「女地獄」
今回も4篇収録。 ううむ……相変わらず、微妙に後味の悪い話が多い(−ー;) 一番気軽に読めたのは「色小姓」でした。結局、家斉さんが一番得してるんですよね(笑) 「女地獄」では前巻で登場して死んだと思われた敵の女忍 蓮華が再登場。この感じだとまだ出てきそうですね。 どうやら次の巻で最終巻らしいですが、あらすじ読む感じさらに暗そうな……買おうかどうしようか……
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No.5989
(読書)
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2014年07月07日の読書
2014年07月07日(Mon)
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本日の初読図書: 「少女とおっさんとVRMMO(小説家になろう)」〜第五話 http://ncode.syosetu.com/n0178bn/
ひきこもりのリハビリとしてVRを始めた女子中学生三人と、彼女達と知り合って休息場所としてギルドホームを提供してみた中年男のプレイ日記。 「すーちゃんと薬草勇者」とかの神代ふみあきさんの作品。なんか引きを残したまま一年近く更新停止。むう。 とりあえず読了メモ。
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No.5991
(読書)
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2014年07月08日の読書
2014年07月08日(Tue)
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本日の初読図書: 「神様?チート異世界転移で薬師旅(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n1611bg/
宇宙外生命体に、このままでは百三十年ほどで宇宙が崩壊するから、ワクチンに加工するため魂をくれないかと依頼された高校生、沢辺裕次郎。別に今すぐという訳ではなく、これからたっぷり八十年はかけて魂を調整していくので、むしろ長生きしてもらわないと困るのだという。なお、魂を調整するのに地球では具合が悪いので、以前その宇宙外生命体の一人が作成した、いわゆる剣と魔法の世界に移動する必要があるらしい。 迫る受験が煩わしく、平凡な日々よりも好奇心が刺激される日々に心惹かれた裕次郎は、一週間ほど考えたのち依頼を承知する。 本来ならこの先三千年ほどはある魂の寿命を八十年に圧縮することで、肉体強化と不死と老化減速の効果があるという。もっとも寿命まで死なないというだけで、体のどこかを破損しても自己再生するわけではない。 その他の特典として、いろいろ提示された中から薬作りの腕と、その世界に過去存在したすべての薬関連の知識と、携帯できる道具を選んだ裕次郎は、かくして人工の異世界へと降り立つことになった。 他大陸から渡ってきた旅の薬師と称し、最初に立ち寄った小さな村で薬作りをしつつのんびり過ごし始めた裕次郎は、薬草採りに出かけた先で魔物に襲われ倒れている女戦士を見付ける。平原の民いわゆる人間と、森の民いわゆるエルフとのハーフだったその女性セリアは、双方から迫害を受けていることで酷い人間不信になっていた。しかしひと目で彼女に心奪われた裕次郎は、半ば押しかけるようにして彼女の旅に同行することとなる。その出会いが、二人にとっても、また世界全体にとっても運命の分かれ道だった……
「竜殺し〜」の赤雪トナさんの長編。完結済。 ……最初の頃に主役に感情移入できるかどうかが、読み進めていく上でかなり重要になってくると思います。 受験が面倒だからとかいう理由で、あっさり家族や今までの生活を捨ててしまえたり、死後のことなんて信じていないからと三千年ある魂の寿命をホイホイ無効にしてしまえる軽さが、よくも悪くも刹那的な今どきの若者っぽく。途中や終りに何らかのフォローが入るのかと思ったら、そこらへんはさらっとスルーされてました。 言動も、なんというか……近いイメージだとGS美神の横島を多少控え目にした感じ? 惚れた相手に一直線といえば聞えはいいですが、セクハラ言動しまくりです(苦笑) 身内に受け入れた相手はハーフだろうが魔物だろうがお構いなしに助けまくりますが、それ以外に対してはいっそ冷淡。人間もガンガン殺しますし、数度トラブルに巻き込まれた挙句に冤罪で指名手配されてからは、人間国家にほとんど失望してしまい、特に王侯貴族に対しては軽蔑しまくってる勢い。 それでもまあ、最終的には世界を救ってますし、仲間たちに囲まれて彼的には幸せな暮らしを続けていけるので、ハッピーエンドではあるのかな?
あと難点といえば、キャラクターや地名の見分けがつきにくかったこと。 久しぶりに出る人や地名には「○○で**だった△△」みたいに、ちょっとした説明をつけてくれるとありがたいと思いました。
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No.5992
(読書)
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2014年07月09日の読書
2014年07月09日(Wed)
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本日の初読図書: 「異世界落とし物お預かりセンターの日常(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n8254bi/
未来、さまざまな世界の行き来が自由にできるようになった世界で、落とし物を預かる施設での悲喜こもごも。 完結済とありますが、なんというか……打ち切り? ほのぼの過ぎて、ちょっと物足りない感も。
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No.5993
(読書)
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2014年07月10日の読書
2014年07月10日(Thr)
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本日の初読図書: 「転生したんだけど俺なんか勘違いされてない?(小説家になろう)」〜帝都陥落 http://ncode.syosetu.com/n4824bz/
前世の記憶というか、知識だけを持って生まれ変わったのは、知っているのとわずかに異なる歴史をたどった少し未来の日本。 新量子学の母と呼ばれる天才女性科学者の息子として生を受けた荒川功樹少年だったが、本人はごく凡庸な子供として育っていた……と思っているのは自分だけで。 3歳の頃に書いたイタズラ書きを見た母親が、自分の名で世界に発表した量子学の数式により、異世界の存在が証明されたのを皮切りに、本人は落書きのつもりで新型の核融合炉やパワースーツを設計。特殊部隊所属の父親がうまく飛ばないとこぼした花火(実はミサイル)を改良して、巡航ミサイルを作成したり、除草剤を作ろうとホームセンターで買える材料を使って枯葉剤を調合。庭に散布して大騒ぎになったりしている。しかし本人はまったく自覚していない。 全世界の科学レベルをたった一人で50年は進行させ、そして気軽にミサイルを打ち上げたりバイオハザードを引き起こす彼を、世界の国々は悪魔の天才と呼び、その扱いに苦慮していた。 かくして十五歳になった功樹は、世界でも指折りの高等教育機関『国際科学技術学院』に通うことになった。何故か試験も受けていないし、進路希望すら訊かれなかった本人にしてみれば、まったくの寝耳に水の話である。その裏には、とりあえず少しでも倫理観を学ばせようという、国家間の苦しい選択があった。 もしも彼に何かがあれば、天才科学者である母親も、国連で特殊部隊を率いる父親も世界の敵に回るだろう。 そんな周囲の思惑も知らぬまま、功樹は初めての友達など作りつつ、周囲と自身を勘違いさせながら青春の日々を過ごし始める ――
半異世界転生で勘違い系。連載中 途中で異世界にトリップして帰ってきたり、このままでは息子が国家間で政略の道具になると危惧した両親が、いざとなったらすぐに逃げられるように逃走準備計画を発動。息子の作成した理論で異世界へのゲートを開いて亜人種国家と交流を持ちつつ戦闘援助を行ったりしております。 現在夏休み編なのでほとんど異世界で過ごしており、学園での友達は出てきてません。 友人たちは友人たちで、功樹に巻き込まれて学校の授業で世界的な伝染病のワクチンを作っちゃったり、一気に2世代かっとばしたパワースーツを開発したりしちゃってます。でも功樹は相変わらず無自覚。
……難点は、功樹の行動があくまで無自覚かつ偶然の産物にすぎないのか、それとも無自覚なだけで本当に天才なのかが、微妙にはっきりしないところですかね。 あと功樹の前世が何者だったのか、今後はっきりするのかな? ある程度の高等数学あたりまでは知っているけれど英語は判らない。でもロシア語と日本語は話せるるって……どんな人物だったのやら??
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No.5994
(読書)
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更新情報(2014年07月11日)
2014年07月11日(Fri)
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「閲覧室」の「オリジナル小説書架」に「楽園の守護者」番外編「契約」の中編をUPしました。 今回は前編よりもさらに長めです(苦笑) ほんとは二話に分けたかったぐらいなんですが……どうにもちょうどいい区切りどころがなくって、いっぺんに上げちゃいました。まあ前回に比べるとまだ会話とか動きが多いので、ご勘弁ください。
ちなみにロッドが必要もない傷薬を持ち歩いているのは、昔アーティルトを怪我させた件で懲りたからと、ちょっとした負傷であれば「自分で手当する」と誤魔化すためです。
……そして他人にはやたらと『自覚』を求める彼ですが、実は自分が一番、己の内心を理解していないのかもしれなかったり(笑)
ところでこの中編と後編の間あたりに位置する補足的拍手SSを書いたのですが、それをUPするのは後編より前がいいでしょうか。後がいいでしょうか。 ……最初から本編に入れとければ一番良かったんでしょうが、その伎倆がない己が恨めしい……(−ー;)
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No.5995
(更新)
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2014年07月11日の読書
2014年07月11日(Fri)
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本日の初読図書: 基本、小説ではなく海堂ワールドの解説ガイドブックですが、中に一作「ジェネラル・ルージュの凱旋」で伝説になっている、速水が将軍と呼ばれるきっかけになったデパート火災を描いた短編が含まれています。文庫版は他に二作収録されているそうですが、あいにく図書館には単行本版しかありませんでした(しょぼん) あの火災には天空の迦陵頻伽 冴子さんと、まだ別バンドに所属していた城崎さんも巻き込まれていたとか、改めて読むとなかなか世界観が深まります。 他にインタビューとか作者の半生とか制作の裏側とかありましたが、私はその辺りあんまり興味ないので、適当に流し読み。 登場人物相関図とかは、コピー取って置いておくと、のちのち便利かも。
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No.5998
(読書)
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2014年07月12日の読書
2014年07月12日(Sat)
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本日の初読図書: 駅ビル六階にある中堅書店成風堂には、さまざまな客が訪れる。たとえば本を探しているのだが、タイトルも出版社も作者も判らないなどという相手もしょっちゅうである。その日やってきたのは、最近ちょっと痴呆症が始まったと思しき病床の老人から、本を買ってきてほしいと頼まれた友人男性だった。しかしメモに書かれた文字は「あのじゅうさにーち」「いいよんさんわん」といった、まったく意味の判らないもので……『パンダは囁く』 旅雑誌などをいくつも定期購読している老婦人、沢村の娘が成風堂を訪ねてきた。母と連絡が取れなくなったので実家を見に行くと、何日分もの新聞が溜まった状態でいなくなっていたのだという。沢村は早くに夫を亡くし、娘と息子を女手ひとつで育てていた。だが息子は二十年ほど前、高校時代にひき逃げで死亡。今では母一人娘一人らしい。失踪前に沢村は成風堂で何故か普段は買わない少女マンガを購入し、そして娘に「その中に、とても重要な事があったの」と電話していた。いわく息子の死について見落としていたことがあったから、調べてくると言い残していたそうで……『標野にて君が袖振る』 ある美容院で事件が起きて、騒ぎになっているという噂が流れてきていた。少々癖のあるうるさ型の常連客がいたのだが、その女性が店内で雑誌を読もうとした所、中に彼女の盗撮写真が挟まっており、侮辱するメッセージまで書かれていたのだという。常連女性は激怒しており、警察沙汰にすることも辞さない状態。このままでは店長が責任をとって辞める羽目になるかもしれなかった。当の雑誌は成風堂が配達したものであることなどから、書店員の杏子は事件の行く末を案じていた。そんなある日のこと、注文先へ雑誌の配達に回っていたバイトの博美が、駅の階段から転落する。幸い怪我は軽くすみ、ただ足を滑らせただけの事故だと思われた。だがそこへ、若い男が突き落としていったのだという目撃証言が出てきて……『配達赤ずきん』 その日成風堂にやってきたのは、キャリアウーマン然とした女性だった。つい先日まで病気で入院していた彼女は、母親から差し入れられた本で読書の楽しさを知ったのだという。そしてその本はすべて成風堂で同じ男性店員に勧められたのだと聞いて、お礼を言いに来たのだと話す。ところが五冊のラインナップを聞いてみると、ジャンルも傾向も幅広く、成風堂の店員でそれらを網羅できる人物は思い当たらなかった。案の定、誰も心当りがない。しかし彼女の母親は、確かにこの店で同じ人に勧められたと言っており……『六冊目のメッセージ』 出版社が販促活動として、人気マンガ「トロピカル」のディスプレイコンテストを企画した。新人バイトの角倉夕紀が興味を示し、彼女は友人たちに協力を募ってパネルなどを作成し、特設コーナーを作り上げる。見事な出来栄えのそれに訪れた客達も感心し、色紙や人形などの差し入れが加わった。ところが一夜が明けた翌日、開店準備に訪れた店員が見付けたのは、黒いスプレーで滅茶苦茶にされたディスプレイの姿だった。呆然とする彼らだったが、どうやらその事件の裏には、ネット上で持ち上がっている「トロピカル」の盗作疑惑が絡んでいるようで……『ディスプレイ・リプレイ』
しっかりものの書店員 木下杏子と、手先がかなり不器用でもたつくこともあるけれど、頭の回転は早く機転も利くバイトの女子大生 西巻多絵のコンビをメインに据えた、書店が舞台の日常の謎解き系短篇集。 シリーズ一巻目にして、後に出た「平台がおまちかね」、「背表紙は歌う」と同一世界観のお話です。 平台〜の方はミステリというより出版業界よもやま話に近い感じがしましたけど、こちらは比較的謎解き要素が高めでした。事件の質も、5話中2話は明確に警察沙汰になりましたし、残りのうち一話は過去にひき逃げによる死者が出ているし、もう一話も不法侵入&器物損壊と場合によっては刑事事件になりかねない展開。そういう意味では、思ったよりもビターだったかな? とはいえ殺人事件までは行かないし、やっぱりミステリよりも人間ドラマがメインっぽく。 しかしこれ、本好きにとっては、確かにおもしろいですわ。 登場する実在の作品のほとんどを、あいにく私は読んでいませんでしたが、それでも伝わってくる「この本は面白いんだぞ〜〜!」というオススメ感。 とりあえず「夏への扉」はいずれ読んでみようと思います(笑)
あと本屋あるあるvv タイトルも出版社も作者も判らないのに買いに来る人、レジ横で聞いていて店員さんが気の毒になることがよくありました(うんうん) 良い子のみんなは、せめてタイトルと作者はメモしていこうね★ 出版社と文庫か単行本かなども判ると、なお店員さんに親切さっ(きゅぴーん)
……そしてごめんなさい。むか〜しの話ですが、本屋さんで気になった情報を、本買わずにメモしたことがあるのは私です……(懺悔) 若気の至りだったんや……後に携帯で撮影するのが電子万引きと呼ばれるようになって、初めて常識外だと知りました(−ー;) いやうん、さすがに店員に紙とペン貸せとか、店内のコピー機使うところまでは行きませんでしたけどね。ううう、穴があったら入りたい……
ともあれ。 一作目の謎解きなどは、読んでいても読者には絶対に解けないだろう、本屋あるあるでしょうな。リアル書店員でもさすがにこれは無理かろう。しかし謎が明かされた時の「ああ!」という目から鱗が落ちるあの感覚。本好きなら、本棚に並ぶ背表紙を眺めて楽しい気持ちになる人なら、きっとみな手を打つのではないでしょうか。 二作目に登場する源氏物語のコミカライズ「あさきゆめみし」も、自分は読んではいませんでしたが、周囲ではけっこう話題になっていたので実に懐かしく。少なくとも絵柄は脳裏に浮かびました。確かに細かいところまでぎっちり描き込まれてたっけなあ…… 三作目は本屋さんの意外なお仕事に、これまた目から鱗が落ちたというか。なるほど銀行とかお医者さんの待合室とか喫茶店とかに置いてある雑誌のたぐいは、こういうふうに購入されていたのかあと。普段なにげなく見過している一冊の本も、様々な人の手を経てその場所にやってくるんだとしみじみ思いました。 四作目は一番安心して読める、ほのぼのしたお話。はいはいお幸せにっていうかお前らばくは(ry 五作目は、自分も好きな作品についてネット上でいろいろ情報をやりとりしているだけに、考えさせられる部分もあるなあというか。でも極端はいかんよ極端は。 ……ところでこの話に出てくる『トロピカル』ってマンガはフィクションの作中作だと思うんですが、これってモデルはワ●ピだろうなあと感じるのは私だけでしょうか??
ともあれ、本当におもしろかったです! ふふふふふ、これは続きも読まなければvv
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No.6001
(読書)
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またしても _| ̄|○
2014年07月13日(Sun)
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雪華さんにご指摘いただき、楽園シリーズ外伝「手管」で、セクヴァールがカイザールになっていたのを修正いたしました。しかも今度は二箇所も _| ̄|○
……もうフォルダに一括検索かけて、総チェックしたほうがいいんやろうか<無理
雪華さん、ありがとうございました <( _ _ )>
話は変わりまして。 先日ふとサムライ・レンズマンを読み返したのですよ。 なんでもアメリカの版権者とちゃんと契約を交わした、正統な「レンズマン外伝」だそうで。 本編に劣らないスケールのデカさといい荒唐無稽さといい、ちょっとハズしたいかにも欧米で勘違いされてそうなサムライ像といい、すっごい面白くてオススメな一冊なんですが。 ともあれ、数回目の再読をして今回も非常に楽しかったので、この気持ちのままなら行けるかも、と今まで未読だった本伝五作目「ファースト・レンズマン」に手を出してみたのですけれど。 ……駄目だ、さっぱり話が頭に入らない……(しくしくしく) もともと本編は文章がかなり硬くてとっつきにくく、特にアリシア人が出てくると話が哲学的になって特に難解になるところを、キムやウォーゼルなどのハチャメチャな冒険が楽しくて読めていたのに、ファースト・レンズマンは時代が過去にさかのぼってるから、おなじみのキャラが全然出てこないからなあ…… 2日掛けてようやく150Pぐらい読んだんですが、現在ヴァージル・サムスが公的にどういった役職に付いてるのかすら、さっぱり把握できません(−ー;) いっそ青い鳥文庫あたりから出てる、子供向けジュヴナイル版から読んでみるべきか……?
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No.6004
(日常)
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2014年07月15日の読書
2014年07月15日(Tue)
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本日の初読図書: レンズマンシリーズの5巻目にして、銀河パトロール隊の発足を描く前日譚。小西宏さんの旧訳版です。 これまで本編では名前や説明だけが出てきた、最初のレンズマンにして太陽系評議員バージル・サムスや、彼を補佐する公安委員ロデリック・キニスン、そしてその息子や友人達などの、第一世代レンズマンが活躍する時代。 本編では既に絶対的な組織として確立していた、銀河パトロール隊がまだ存在せず、火星・木星・金星の三惑星連合軍や太陽系パトロールが最大規模の軍事組織です。物語のメインは、アリシアからレンズを入手したサムス達が、レンズの着用者を宇宙のあらゆる場所から発掘しつつ、その有効性を世間に周知させるために奔走し、そのために地球 ―― すなわち太陽系組織の中 ―― でもっとも権力を持つ北アメリカ選挙区で、エッドールに支援されているギャングや悪徳政治家を相手に大統領選を争うという、今までに比べると割とスケールが小さめな流れでした。 しかし最初の頃などは、アリシア人とエッドール人とが直接対話していたり、同じくアリシア人がサムス達へレンズを授けたりする中で、ずいぶん哲学的な描写が多く、かなり読み進めるのに難儀いたしました(−ー;) あと登場人物や惑星がやたら多かったり、しかもそれぞれが愛称やら偽名やらで呼ばれるため、どれが何で誰やら、こんがらがりがちだったのが参りました。 三つの計画が同時進行し、それぞれに同じようなレンズマンや悪役幹部が関わっていて、ほんとにもう、なにがなにやら……(苦笑)
とはいえシリーズお約束の、大船団による宇宙戦闘もばっちりありますし、レンズマンが荒くれ者に身をやつし、敵対サイドにスパイとして潜入し成り上がる展開も 胸・熱★
あと読んでいてワクワクしたのは、これまで慣用表現として多用されてきた「ザブリスカのフォンテマ」が、ついにどんなものか判明した場面ですねvv 他にも地球人(サムス)がリゲル星とパレイン星を訪問した時の模様とか。 特にリゲル人は視覚も聴覚も備えていない = 騒音対策や見た目の調和をまったく考えない街作りをしているなんて、よくもまあ半世紀以上も前に書かれた作品で、そんなところまで作り込まれているものです(嘆息)
そしてサムスが床屋でヒゲを剃られている最中、頬に傷をつけられるというメンターの予言は、TVアニメからレンズマンに入った私としては、読んでいて思わず「おお!」となったりとか。そうか、ここからなのか!!
今回の巻はサムスだけでなく、ロッド・キニスンやその息子、さらにその友人達やサムスの娘ジルなど、様々な人物に焦点が当たっていて、もっぱらキム一人の英雄譚だった本編とは少々趣が違いましたかね。そういう意味でも、今回は外伝的な要素が強かったと思います。
ちなみに私が今まで読んだシリーズ中で一番好きなのは、二作目の「グレー・レンズマン」です。 1930年代に発表された作品で、アメリカ至上主義なところとか、今から考えると笑えるような『未来的』小道具、わかりやすい善と悪の二元論など突っ込みどころは多々ありますが、それでもレンズマンシリーズの素晴らしさは今でもなお色褪せない! 今なら新訳版や Kindle 版も出ているので、未読の方はぜひ、まず「銀河パトロール隊」を手にとって欲しいです。 鉱山紳士ワイルド・ビル・ウィリアムのくだりとか、読んでるだけでわくわくと心が躍るんだぜ? クリア・エーテル!
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No.6011
(読書)
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水温が上がり過ぎないといいが
2014年07月15日(Tue)
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次兄が裏庭のバケツで金魚用の水草を養殖しています。これが水槽に入れると、端からすぐに食い散らかされてしまうんですよね。いちいち買ってくるとキリがないし、切れ端をバケツに突っ込んで日当たりのいいところに置いておけば、いくらでも増えるらしく(笑) しかしそのバケツ、野外に置いてあるからボウフラが湧いてたまらんそうで。 そこでついに昨日、ボウフラ退治用のメダカを買ってきたとのこと。肉食魚の餌用のやつで、一匹18円×10匹です。 でもって。 私は昨日までの状態を見ていないので比較検討できないのですが。今日そのバケツを覗きこんでみたところ、ボウフラ的なものは影も形も見当たりませんでした。 メダカすげえな……そういえばうちで金魚を飼い始めた理由も、元はと言えば庭の睡蓮鉢にボウフラが湧くといかんからと、数匹投入したのが始まりでしたっけ。 そして睡蓮はあっという間に枯れてしまい、しかたなく残った金魚は室内に水槽をしつらえて移して……既に当時のものは全滅。今いるのは後から入れ足したのばかりなんですけど(苦笑) ……動物性蛋白質は、やっぱり市販の餌より栄養価高いんだろうなあ。
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No.6012
(日常)
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2014年07月16日の読書
2014年07月16日(Wed)
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本日の初読図書: 「僕の同居人は殺人鬼(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n6725be/
善悪の区別がない殺人鬼の幼女と、そんな彼女に懐かれた情報屋の青年の、ちょっと歪んだ同居生活。短編です。 歳の差とか擬似親子とか、壊れた誰かの唯一絶対の相手とか、そんなキーワードに萌える方むけ。 なおけっこう血まみれ描写があるので、苦手な人は要注意。
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No.6013
(読書)
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2014年07月17日の読書
2014年07月17日(Thr)
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本日の初読図書: 川崎宿で生まれ育った旅籠屋の娘おちかは、17歳になって間もなく、訳あって江戸に住む叔父の元へと身を寄せることになった。叔父の伊兵衛は振り売りから一代で袋物屋三島屋を構えた、なかなかの傑物である。二人の息子も育ち上がり、跡取りの心配はなくなった。そんな折りに姪を預かってほしいと頼まれた伊兵衛とお民の夫婦は、女中奉公というより娘同然の行儀見習いとして喜んでおちかを受け入れたのである。 しかしおちかはお嬢様扱いを拒み、女中としてひたすら働くことを望んでいた。なぜならそうしている間だけ、心の内に巣食う深い悲しみや苦しみを忘れることができるからだった。 せっせと働くおちかを伊兵衛夫婦も女中頭のおしまも、ありがたく思いながら心配していたが、心を閉ざした彼女にとっては、それすらもが重荷になっている。 そんなある日のこと、急な用事で伊兵衛夫婦が外出することになり、約束していた客人をおちかが相手しなければならなくなった。他人と接することを好まないおちかもしかたなく、話し相手として客人と相対する。 そしてそこで聞かされたのは、初老に達した建具問屋松田屋籐吉の、過去を懺悔する不可思議な物語で。 長年胸につかえていた罪をすべて吐き出していった藤吉は、その数日後、眠るように安らかな顔で息を引き取ったということだった。 以来、伊兵衛は数日ごとに客を招くようになった。不思議な話を心に秘めた客達を。おちかはそんな客達の相手をし、彼らの物語を聞いてゆくうちに、己の過去を改めて見つめなおし始めて ――
引き続き宮部さんの江戸物を読もう月間。 「曼珠沙華」「凶宅」「邪恋」「魔鏡」「家鳴り」の五編が収録されています。 ……ううむ、比較的人情系が多い宮部さんの江戸ものにしては、今回は暗かったというかオチてないというか(−ー;) おちかちゃんの過去が救われないものなのも辛いですが、松太郎さんの心情を考えるとさらに辛く。そこへ持ってきて、「あなたは人でなしの味方ばかりしている」「松太郎を許さんと、あんたは自分で自分を許せない。全部、あんたの都合です」とか言われると、読んでいて痛い痛い痛い(><) まったくもって人の心の暗部、深層心理をえぐりまわしまくってくれます。 まあそれだけ、宮部さんの描写力が素晴らしいとも言えるんですが。 ただ最後にいきなりファンタジー要素が強くなった点や、あれこの人たち普通に許されちゃうの?? とか、良助さんだけほったらかし? とか、家守りの番頭は結局何者だったのかとか、番頭との間にいまいち決着がつかなかったところとかが、何だかモヤモヤの残る読後感になってしまいました。 いろんな人達の話を聞いていく中で培っていった様々な『縁』が、おちか達を守ってくれるというのは、まあ救いがあったんですけどね。 このシリーズはまだ続きが出ているようですが、そちらにはこの番頭が関わっているんでしょうか。そしてこの先もこの消化不良な雰囲気のままなのか。
ところで、いまタイトルで検索してみたら、これ来月ドラマ放送されるらしく。
■宮部みゆき原作 『おそろし〜三島屋変調百物語』 制作開始! | 時代劇シリーズ http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/7000/190020.html
2014年8月30日(土)スタート BSプレミアム 毎週土曜 午後8時〜8時58分 [連続5回]
ううむ、この時間帯だとリアルタイムはもちろん、録画もできなさそうだなあ(しょぼん) しかし個人的贔屓俳優佐野史郎さんは、はたしていったい誰の役をやるんだろう? あれか、家守りの番頭かな?? 宮崎美子さんも、クイズ番組で活躍されてるので好きな人です。叔母さんかなー、女中頭かなー、どっちだろう??
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No.6015
(読書)
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更新情報(2014年07月18日)
2014年07月18日(Fri)
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閲覧室の「その他書架」で、著作権切れテキスト「凾中の密書(コナン・ドイル著、三津木春影 翻案)」の八章目をUPしました。
ついに寺根夫人が陥落。 そして今回のやりとりは、完全に露口音声&ジェレミーのお姿で脳内再生される私(笑) ……もはや「〜ぢゃ」は脳内スルーする方向で(苦笑)
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No.6017
(更新)
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こういうのは大好きだ(笑)
2014年07月18日(Fri)
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録画しておいた「ST 赤と白の捜査ファイル」を見たのです。 ……あれ? こんなんでしたっけ、これ??
もとい。 昨年2時間SPでドラマ化された、今野敏さんのSTシリーズが、連続ドラマになって帰ってきました。 変人揃いの警視庁科学特捜班、略してSTチームと、彼らを率いる気弱で苦労性のキャリア警部が事件に挑むドタバタものです。 原作よりもメンバーの変人度が高く、あと原作ではもうちょっとは頼りがいのあった百合根さんが、なんというか、かなり『もやし』っぽい(苦笑) どうやらドラマではチームリーダーの赤城さんとキャップ(司令官)の百合根さんを対比して描くようで、それでサブタイトルが「赤と白の〜」なんでしょうね。
……しかし見ていて思ったのは。 おもしろいけど、思わず随所で吹き出すぐらいおもしろいけど……でもなんつうかこれ、すげえSHERLOCKのパクリ影響受けまくってるんじゃとか、ついつい考えてしまいまして。 立て板に水の推理、自分のポケットにあるものをわざわざ「取ってくれ」発言、画面を飛び回るテロップの文字に、犯人を追いかける際に Google Maps 表示で脳内俯瞰図、挙句の果てには周囲の人間の心情を考えないでブラフをかまして相方に殴られる探偵役、と。 おお、箇条書きマジック? ちなみに百合根さんは、どうやら銃の名手のようです。さすがにそこは日本の警察官なので、人間は撃てませんでしたが(苦笑)
まあ、おもしろかったことは確かなので、全話見るついでに録画保存は決定なんですがねvv
しかし原作から入った人には、いろいろと不満が残りそうだなあ。 赤城さんは本人が一匹狼を気取ってるだけで、実際には鑑識さんに好かれる求心力と大人の色気を持ったちょい悪親父じゃないと! とか、黒崎さんはこんな変質者のチンピラっぽい人じゃなくて、どっしり重厚感のある現代のサムライなんだよ〜〜、とか。 青山さんが美少年(と見まごう美青年)から、ボーイッシュな女性に変わっちゃったのは、まあドラマとしてはしかたないんでしょうがね。
ちなみにご覧になりそこねた方は、公式サイトで「放送終了後七日間無料配信」とかいう企画をやってますよん。
■ST 赤と白の捜査ファイル|日本テレビ http://www.ntv.co.jp/st/
画質もけっこう綺麗で、ちゃんとテロップが読めます。良きかな良きかな。
なお昨年の2時間SPはこちら。
私は確か録画保存しておいたはずなのに、なぜかディスクが見つからない……(しょぼん)
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No.6019
(映像)
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2014年07月19日の読書
2014年07月19日(Sat)
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本日の初読図書: 「小さな奇跡と光り輝く闇の世界(小説家になろう)」〜51話 続・シーフード祭り http://ncode.syosetu.com/n6357bb/
19歳の青年が交通事故で死亡して、異世界に生まれ変わり。捨て子なのか赤子状態で森の中で泣いていたところを、夫と子供を亡くしたばかりの白龍に拾われて、無自覚なままに英才教育。三歳で高レベルの魔物を倒し始め、食生活改善を目指していろいろやっていく内に、どんどん規格外に。十五歳で成人を迎えてギルドに登録。一年でSクラス冒険者兼2Sクラスの商人になって、各国の迷宮を踏破しつつ、盗賊を退治したりスラムを改築したり様々な店(主に食堂とか)を立ち上げて成り上がってゆくお話。 ちなみに母親な白龍は後に妻へランクアップ。あと迷宮探査中に倒した元リッチィな精霊とか、ラスボスの光の精霊にも押掛けられて、現在三人の妻とハーレム中。 なんというか、挫折とか失敗とかやりすぎて痛い目にあうとかいう展開がまったくなく、とにかく「巨大な力ですべてを蹂躙」「莫大な資本投下で内政チート」「出てくる魔獣はすべからく美味しい」が続くので、読む人をいささか選ぶかも。あと妻以外の女性もほとんどが主役を狙ってますので、ハーレム系苦手な方は要注意。 かなりのハイペースで更新されていたのが、いきなりパタッと止まっているのも気になるところです。
「幼馴染をNTRれたら幸せになった件について。(小説家になろう)」 http://ncode.syosetu.com/n5476bt/
実は福の神体質だった女子高生が、貧乏神体質だった幼馴染兼彼氏に浮気されて捨てられた結果、それまでの不幸が一気に解消されて人生バラ色に。捨てた彼氏は一気に真っ逆さまというお話。 全三話+番外SS二本で完結済。
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No.6021
(読書)
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まあ涼しくなるんだから良いんだけど
2014年07月19日(Sat)
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数年前から、微妙に調子がおかしい自室の窓エアコン。 「時刻が来たら切れる」「時刻が来たら入る」機能に加えて、もしかしたら温度調整機能も効かなくなったの……かも? いえ、温度設定を30度にしてあるのに、いつまでもいつまでもずーっっと動き続けたまま、部屋の温度がどんどん下がっていくんですよ(苦笑) 壊れて効かなくなるって話は良く聞きますが、壊れて涼しくなりすぎるってのは、それどうなんだ??
うっかり付けたまま眠って、気がついたら首まで布団に潜り込んでおりました。 うーん、電気代とか身体のことを考えると、こまめにつけたり消したりを心がけたほうが良いのかしら……
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No.6022
(日常)
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2014年07月20日の読書
2014年07月20日(Sun)
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本日の初読図書: 「異世界で生活することになりました(小説家になろう)」〜68話 http://ncode.syosetu.com/n6133r/
深い森の中、祭壇に捧げられているような姿勢で眼を覚ました神崎悠人。確かにパジャマ姿でベッドに入ったはずなのに、何故かアウトドア風の服装をしており、携帯食料や懐中電灯、GPSなどが入ったバッグもそばにある。 首を傾げる彼に話しかけてきたのは、エルシディアと名乗る少女の姿をした精霊だった。彼女の話を聞いてみると、どうやらここは異世界らしい。そしてエルシディアは悠人の魔力で目覚め実体化したので、彼と契約を結びたいのだという。 幸いエルはこの世界についての知識があるようだし、悠人が異世界から来たということもすんなりと理解し受け入れてくれた。そしてユートが帰還するためには歴史や古代遺跡について調べる必要がありそうだから、それらについても彼女の力は非常に役立ちそうだ。 かくしてエルとユートは契約を交わし、まずは最寄りの街へと向かった。そして冒険者ギルドに登録し、日々の生活費を稼ぎながら、様々な情報を集めるべくあちらこちらへと旅を始める。 ……その旅の優先順位が、いつの間にか『いかにして美味しいものを食べるか』に変わりつつあるのは、気のせいかも、しれない?
異世界トリップFT。連載中。 ありあまる魔力を、ひたすらおいしい食事を作るために無駄遣いする、14〜5歳と間違われがちな21歳成人男子と、食いしん坊な精霊の珍道中。 木漏れ日を「乾麺のような」と表現するって、どんだけ脳内が食事に占められてるんだvv そして古代遺跡からコルト社やS&Wの刻印付き魔術師用杖が発掘されていたり、過去の読み物に明らかに日本人とおぼしき謎の来訪者の記述が残っていたりと、何やら思わせぶりな謎がいっぱいですが、まだ全然そのあたりは明かされていません。 謎といえばユートの過去もかなり謎。 現役大学生なのは確定ですが、やけに経験豊かというか、どうも海外へのバックパック旅行とかをけっこうしていたみたいです。あとサバイバルゲームもやっていたのか、銃器についての知識がやけにあり、氷柱を飛ばす魔法を改良して、遠距離狙撃とかやってます。普通の大学生が、あそこまで狙撃とかに詳しいものかな……? あと横文字とか専門用語とかがけっこう出てくるので、ところどころ意味がよくわからない部分があるのが、ちょっとマイナスポイントかな。 更新ペースもかなりゆっくりめなので、次の更新時には内容を忘れてるかも……(苦笑)
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No.6023
(読書)
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2014年07月21日の読書
2014年07月21日(Mon)
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本日の初読図書: 時代は西暦1970年。ロサンジェルスに住む技術者ダニエル・ブーン・デイヴィスは、六週間戦争をかろうじて生き延びたのちに軍を退役し、画期的な自動床掃除器文化女中器を発明した。そして親友の元弁護士マイルズと株式会社を起業して業績を伸ばす。さらに窓ふきや風呂掃除をやってくれる万能ウィリイの開発に着手したダンは、より高品質なものを送り出すべくもっと時間をかけたがったが、早く会社を成長させたいマイルズとの間で意見の衝突が起きた。株式はダンが51%を持っていたので決定権はダンにあるはずだったが、ここで彼は予想外の裏切りを受ける。ダンは秘書であり婚約者であったベルに株式の一部をプレゼントしていたのだが、そのベルがマイルズの味方をしたのだ。さらにいつの間にか様々な書類が偽造されており、ダンはすべての特許や開発中の資料を奪われ、会社から追放されてしまう。 失意から酒浸りとなり自棄を起こした彼は、保険会社へ行き自分と愛猫ピートの冷凍睡眠を申し込んだ。これは眠っている間に保険会社へ財産を信託しておけば、数十年後に目覚めた時にはそれなりにまとまったものが手に入る制度で、未来に行きたい人間や、あるいは不治の病に侵された者が治療法が見つかる事に希望を託して眠りにつく事が多い。ダンは三十年後に年老いた二人を、若々しい姿であざ笑ってやろうと考えたのだった。 しかし事前健康診断でアルコールを抜いて素面に戻ると、やはり裁判でとことん戦おうと考えを改める。そうして結婚したベルとダンのもとを訪れると、二人はダンを殺そうとし、ピートはその騒ぎの中で行方不明に。ダンの荷物から冷凍睡眠保険の契約書を見付けた二人は、死体を始末せずにすむという理由から、書類を改ざんし別の保険会社へと変更。ダンを麻薬で人事不省にした状態で冷凍睡眠に送り込んでしまう。 三十年後、西暦2000年に目覚めたダンは、保険会社の倒産により無一文になっていた。知り合いも身よりもなく愛猫ピートもおらず、優秀な技術者として培ってきた知識ももはや時代遅れのものに成り下がっている。それでもどうにか働きながら、失った30年の間の歴史と進んだ技術を学んでいった彼は、じょじょに不可解な事実を知ることとなる。 たとえば自分が構想していた新型の製図器と同じものが、すでに社会に普及している。しかもその特許は1970年にD・B・デイヴィス名義で登録されているのだ。自分は頭の中で考えていただけで、開発など一切していないのに。 さらにマイルズの義理の子であり、ダンにとっては姪にも等しかった少女リッキイに遺しておいたはずの株券は、見知らぬハイニックなる人物に渡ったのち、十年後に保険会社へ信託されていた。 成功しさぞ良い気になっているだろうと思われたマイルズは、1971年に死亡。文化女中器会社は万能ウィリイを売り出せぬまま倒産し、ベルは落ちぶれ果てている。そして肝心のリッキイの行方はどうしてもつかめない。 自分が眠ってから、いったい何が起きたというのか。調べる手立ても尽きて悩みぬいたダンは、軍事機密とされているタイムマシンの存在を知り、三十年前の過去に戻ることを計画する。 しかしそれは二分の一の確率で失敗する、危険な賭けで……
1956年に発表された、古典SF不朽の名作。 先日読んだ「配達あかずきん」の中で読みやすいと紹介されており、しかも最近はけっこう古典ものを読む楽しさにも目覚めてきたところ。おまけにあらすじを調べてみたら、巌窟王的復讐譚のテイストもあると知って、これは読むしかない! と遅ればせながら手にとってみました。 そして最近出たというとっつきやすい新訳で行くか、古くから評価が高く味わい深い旧訳にするかでさんざん迷ったあげく、表紙の可愛さに負けて旧訳を選択してみたり。
やー、猫好きにとってこの表紙は販促もとい反則やろうvv
中身の文章も、ハインラインはどうやら半端ない猫好き。そしてきっと実際に猫を飼ったことがあるに違いないとニヤつかずにはいられない出来でした。
猫にはユーモアのセンスがない。あるのは極端に驕慢なエゴと過敏な神経だけなのだ。それではいったい、なぜそんな面倒な動物をチヤホヤするのだと訊かれたら、ぼくには、なんとも答えようがない(中略)にもかかわらずぼくは、眠りこんでいる小猫をおこさないために、高価な袖を切り捨てたという昔の中国の官吏の話に、心の底から同感するのである。
どうです、ダンのこの猫馬鹿ぶり(笑) 猫とは高慢で自分勝手で自分の都合を最優先すると評しながら、しかしそれらをすべて受け入れることで飼い猫ピートと固い友情を築き、冷凍睡眠に入る際も一緒に連れてゆくことを迷わないダンの揺るぎなさに、共感できるかどうかがこの話を面白く思えるか否かの、ひとつの別れ道かもしれません。 冬になると家中の扉の前で鳴いては開けろと訴える猫に対し、一つ一つ順番に開けてやって、どの扉の外も間違いなく冬なのだと確認させてやるとか、猫好きなら本当にやってそうvv でもピートは単にダンを都合の良い奴隷のように考えているのではなく、その危機に際しては持てる爪と牙のすべてでもって敵に立ち向かうし、移動するときには車の助手席やボストンバッグの中でいい子にしている、実に素敵な信頼関係を築いているあたりが、またたまらなくって。 あと鳴き声のバリエーション(笑) これは訳者さんにグッジョブ! と言うべきか。
……って、猫談義だけでどれだけvv
物語は冷凍睡眠とタイムマシンを効果的に活用して、三十年の時間を行き来して進みます。信じていた友人と婚約者に騙され、三十年後へ島流しにされたダンは、ほぼ無一文で見知らぬ世界へ放り出されます。 その未来の描写がまた、おもしろいのですよ。これぞ古典SFを読む醍醐味というか。
現在となってはもう、とっくに過ぎ去ってしまった西暦2000年。二十一世紀の先駆けが、夢と希望の未来都市として描写され、さまざまな『大発明』が世間を賑わしています。
たとえば車などはとうに時代遅れ。人々は滑走道路で街中を行き来し、車の制作はあくまで労働者を失業させないための雇用制度のひとつであり、できあがったものは余剰製品。二年もすればもう売れないので、スクラップにして鋼鉄工業会社へリサイクルされてしまうといった具合。 製図器ダンもおもしろいですよ。感じとしては旧来の製図台にキーボードを付けたような感じで、ボタンを押すことで簡単に平行線や斜め線などが書ける訳なんですが、これって今で言うCADですよね? でもあくまで製図台なんですよ。機械内で図面を仕上げてから一気にプリントするのではなく、一本一本線を引いていくところは手書き用のと変わらないのが、いかにも『昔に考えられた未来図』で。 そうそう、電動タイプライターも出てきますよん。電動だけどカーボン・リボン。そして書体は一台につき一種類vv そこでダンが構想するのは、口述筆記をしてくれる自動秘書機なのですよ。これにはなんと同音異義語に対応するための『候補選択』キーと、個々に合わせてカスタマイズできる単語登録機能まで考えられているのだから、ハインラインの先見の明は本当にすごいとしか言いようがなく。 他にも一見すると一枚に見えて、実は端をタッチすると記事がめくれていく新聞なんて、さながら iPad といったところでしょうか。 そもそも一番のメイン発明である文化女中器なんて、説明文読んでるとマニピュレーター付のルンバとしか思えないしvv
そしてこの作品世界での二十一世紀では、黄金はすでに貴金属的価値をなくし工業用の針金として商店で売られおり、お金は紙幣が廃止されてプラスチック製の貨幣になっています。
でも発電は原子力だし(笑) 人の消息を捜すのに電話帳を手でめくる必要があるし(笑) 過去の事件を調べるのには図書館で縮尺版を読んでるし(笑)
やー、原作の発表されたのが60年近く前で、物語の中で『現在』とされる1970年でさえもが近未来。 21世紀に至っては、まだまだはるかな彼方だと思われていた時代の、この古典的未来観がおもしろいったらありません。
ストーリーもよく練りこまれています。 私は最初にネットで最後までネタバレ込みのあらすじを知ってから読んでいたのですが、そうでなかったら読了後、即座にもう一度読み返しただろうことは疑いありません。 随所に散りばめられた細かい伏線が、ラストにどんどんと紐解かれていく様など、展開が判っていてもページをめくる手が止まらない。 勧善懲悪、予定調和、未来への希望に満ちているハッピーエンドで、読後感も爽やか。 そして読み終えた後、このタイトルと表紙の妙に、唸らせられるのです。
いやもうほんとに、この作品が名作と呼ばれるのも納得でした(しみじみ)
ひとつ惜しむらくは、復讐譚の要素が微妙に薄かった点ですかね。 結局のところダンが積極的にやったのは、自らと愛猫と姪っ子に等しい大切な子供を守ること、奪われた発明を取り戻すことの二点であり、裏切った友人と婚約者が幸せにならなかったのは、あくまで金のガチョウの腹を割くような真似をした二人の自業自得っぽく。 特にベルなんかは、あんまり罰も受けてない感じですし。まあある意味では、憎まれるよりも価値の無いものとして忘れ去られる方が、よっぽど残酷な罰なのかもしれませんがね。マイルズの末路も、どういうものだったのか具体的なことは明らかにならないままだったしなあ……
ともあれ、繰り返しますが、おもしろかったです。 最終的に、ダンの行動はすべてが予定調和であったのか。一度目の1970年の段階で、既に彼がやるべきことは決定していたのか。それともタイムパラドックスによるパラレルワールド的観念によって、どこかの次元宇宙にはダンもピートもリッキイも救われなかった世界も存在するのか。 問題提起はしながらも、ハインラインはそれを否定しています。 そこまでちゃんと考えているあたりも、さすがだなあと思うのでした。
ああしかし、猫好きには本当にオススメですぜ……ふふふふふ……
2014/08/05 追記: 新訳版も読んじゃいました(笑)
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No.6027
(読書)
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食べてはいけません
2014年07月21日(Mon)
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このあたりの梅雨明け宣言も出て、だいぶ世間も暑くなってきました。 しかしまだまだ湿度は高く。 そんな我が家の庭に、気が付くとこんなものが生えていたりとか。
……キノコ、ですよねえ? なんだかマッシュルームあたりを思わせる、ふっくりぽっこりしたフォルム。 見た目はけっこう可愛らしいです。 しかしいったいどこから菌がやってきたものやら。胞子とかで飛んできたんですかね?? 思わずつんつんしてみたい気持ちはありますが、うっかり毒キノコだったりすると困るので、見て愛でるだけに留めておきます(笑)
昨夜ベッドの中で読み始めた、ハインラインの「夏への扉」が予想以上におもしろく、いっきに読了いたしました。 古典SFというやつはたいてい文章が硬く、内容も難解でなかなか読み進められないものですが、これは比較的ライトでさらっと読み進めることができ。 さすが長く読み継がれる作品は違いますなあ……(しみじみ)
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No.6028
(日常)
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2014年07月22日の読書
2014年07月22日(Tue)
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本日の初読図書:
パルス歴三二〇年 秋 西北方 ルシタニア王国軍 マルヤム王国を滅亡せしめ パルス王国に侵入 アンドラゴラス三世 自ら軍をひきいてアトロパテネの野に 侵略軍を迎え撃つ 王太子アルスラーン初陣す ときに十四歳
御存知、田中芳樹の中世ペルシャ風戦記のコミカライズです。 ……原作小説の方はあまりに刊行ペースが遅く、また第二部の展開がいささか微妙なこともあって、もう追いかけるのはやめてしまったのですけれど。 しかし第一部を読んでワクワクしていた、あの頃の気持ちを否定したくはありません。 アルスラーン戦記の第一部は、今でも紛れもなく名作だと思うのです。
そんな訳で買ってしまいました。 メディアミックスとしては、かつて5巻「征馬孤影」までが映画とOAVでアニメ化され、また第一部終了までを中村地里の作画でマンガ化されたこともあります。ちなみにカセットブック版は、CD−BOXで持っています(笑) 映画はわざわざ隣の市まで、電車に乗って見に行ったっけなあ……(懐) どれにもそれぞれにそれなりの良さがありましたが、この荒川版も、なかなかどうして、悪くありません。
作画の荒川弘さんは、あの「鋼の錬金術師」の作者さんです。いまなら「銀の匙」の原作者といったほうが通りがいいのでしょうか? 多少癖のある絵柄ではありますけれど、頑張る少年少女を描かせたらピカイチの人だと私は思っています。 実際、表紙のアズライールを肩に載せたアルスラーンを見て、私は購入を決めました。 ダリューンが長髪(サムソンスタイル?)だったり、キシュワードのヒゲ成分が足りない(笑)といった微妙な不満点はありますが、そこらへんは枝葉末節。 貧困なイメージ力では曖昧にしか想像できなかった古代ペルシャ風の服装や建物などが、とてもそれらしく描かれています。
そして第一話は、アトロパテネの三年前を舞台に、エクバターナの繁栄やアルスラーンと両親との確執、奴隷制度について初めて疑問を抱くといった部分を描いたオリジナルエピソード(どうもこのアルスラーンは下町育ちではない模様)から始まり、初見の読者にも物語を判りやすくしてくれています。
しかし何よりもまずは、冒頭第1ページでしょう。 アンドラゴラス王の「突撃!!」に心が震えました。 ああ、この世界に再び還って来たんだ……と。
戦闘シーンの迫力、そして凄惨さは圧巻です。 返り血を浴びて血まみれになったアルスラーンが、次のページでほとんどキレイになっているなんて御都合主義はありません。河で洗うまでずっと血だらけです。 何万もの人間が戦闘で命を落とし、そしてイアルダボート神の名のもとに行われる異教徒への虐殺もきっちりと描かれています。
一巻目はほとんどアトロパテネの会戦に費やされているので、荒川さんらしいギャグ要素は薄めでした。巻末予告を読む感じ、ナルサスを味方に引き入れる二巻目などは、コメディタッチな表現も出てくるようですが。
ラストは隠遁しているナルサスの元へ、エラムによって案内される所で終わっています。 このペースだと、第一部完まで何冊かかることやら心配になってきますが……しかしこのクォリティのまま行ってくれるのであれば、追いかけていけるかもしれません。 ギーヴやファランギースはもちろんのこと、ジャスワントやラジェンドラ王子がどんなふうに描かれるのかも楽しみだなあvv
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No.6031
(読書)
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レッドクリフのラストもこんな感じだったな……
2014年07月23日(Wed)
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いつかやるだろうやるだろうと思い続けて、ケーブルテレビの番組表をチェックすること一年以上。 このたびついに、ポチッとしてしまいました。
「タイタンの戦い」に並ぶ、ハリーハウゼンのストップモーション・アニメの傑作です。音声は英語で、日本語は字幕のみ。
いやあ、懐かしい! 巨像テイロスの足首から赤い液体が噴出するシーンとか、七首のハイドラの気持ち悪さ、そして七体の骸骨戦士とのチャンバラなど、幼いころワクワクしながらテレビにかじりついて見ていたものでした。 今になって改めて視聴してみても、特撮部分の見事さはまったく衰えていません。 あのどこかぎこちない動きが、いかにも人間の理解が及ばないクリーチャーっぽくて、見ていて怖さを掻き立てられるのですよ。特に骸骨戦士の恐ろしさなど、素晴らしいの一言につきます。
しかし驚いたのは、ストーリーが意外なほどギリシャ神話そのままなことです。 これは幼いころに戦争で父親を殺され王座を奪われた青年ジェーソンが、王位を取り戻そうと奮闘するお話なのですが。 まず魅力的なキャラであるヘラクレスや、彼と仲が良くいい感じに知性派っぽい雰囲気を出していたハイラスが、実にあっさりと途中退場してびっくり。しかし見終わったあとに調べてみたら、ギリシャ神話の「アルゴナウタイの冒険」でも、ほぼ同じ展開なんですね。まあハイラスの退場理由はちょっと違いましたが。 さらにはそもそも主役のジェーソンの傲慢さと脳ミソ筋肉加減。血筋だけを根拠に堂々と「王座を奪い返しに来た!」と、相手の素性も知らないで言い放ち、結果的に親の仇の後援を受けつつ監視された状態で冒険へ出発する下りとか、あまりの阿呆さに思わずポカーン( ;゜Д゜) しかも正統なる王位を主張する権威付けのために、当たり前のように他国の信仰の象徴(黄金の羊の毛皮)を盗みに行くとか、ちょおま、自分がされたこと忘れたのか?? と。 あげく仲間をぼろぼろ失っていったのにもかかわらず、その地の美人女神官をさらってきて、船上でキスシーンでハッピーエンドとかww 王座奪還はどうしたwww
……でもそれがギリシャ神話クォリティなんですよねえ(笑)
自分のことだけ考えて、好き勝手に行動し、時に成功しときに破滅してゆく。 それがギリシャ神話の持つ味だと思うのです。
調べてみると、この物語は神話でその後、悲惨な展開を迎えるようです。 女神官メデイアとジェーソンは一度は結婚するものの、呪術を駆使するメデイアがいろいろとやり過ぎたおかげで、結局ジェーソンは王位を取り戻せずじまい。 しかもジェーソンが他の女性に心を移したため、相手の女性も自分達の子供も皆殺しにしたあげくメデイア出奔。ジェーソンは放浪の後に哀れな死を遂げるとか知ってみると、ラストシーンを見守っているゼウスとヘラのやりとりや微妙な表情が、なんだか思わせぶりに見えてきます。
子供の頃は、ただ特撮に胸踊らせていただけですが、大人になってから見てみると、なかなかどうして奥が深いお話だったんだなあとしみじみと思ってみたり。
■イアーソーン - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%B3
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No.6033
(映像)
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2014年07月25日の読書
2014年07月25日(Fri)
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本日の初読図書: 封印されていた祟り神お旱様に取り憑かれ、周囲の水すべてが逃げてゆくようになってしまった山村の少年 平太。彼は村から追い出されるようにして江戸へと丁稚奉公へ来たものの、そこでも水甕や花瓶、井戸の水まで消えてしまい、厄介者扱いされていた。しかし彼に取り憑いたお旱さまにも、それなりの過去と事情があるようで……「逃げ水」 三島屋のお隣の針問屋、住吉屋の一人娘お梅が嫁入りすることになった。もう二十代も後半とずいぶんな嫁き遅れだが、そこには住吉屋のしきたりが大きく関わっていたらしい。それでもようやく無事に娘の嫁入りを終えたのち、住吉屋のお内儀は変わり百物語の客として、三島屋を訪れる……「藪から千本」 三島屋の丁稚 新太が手習いに通うようになって、同じ年頃の遊び友達ができた。その内の一人で、八百濃の跡取りとして養子に入ったという直太郎は、どうも落ち着きがなく何かきっかけがあると暴れだすという問題児だった。なんでも直太郎の実の父親は火事で死んだのだが、その父親に付け火と横領の嫌疑がかかっているのだという。養父母や周囲から父親を悪し様に言われ、子供ながら飲み込みきれないものが心に溜まり、ときおり爆発してしまうということだった。それらの事情をおちかへ話してくれたのは、直太郎が養子に入る以前に通っていた本所の手習所の若先生、青山利一郎。彼は直太郎の父親がおそらくは無実であると確信しているのだが、しかしその根拠になっているのはなんとも不可思議な、紫陽花屋敷に住まう黒いあやかしにまつわる物語で……「暗獣」 青山利一郎の知り人だという偽坊主 行然坊に興味を持ったおちかは、彼の話を聞きたいと百物語の客として三島屋へ招いた。やってきた行然坊は、三島屋を見て「妙な暈がかかってござる」「なにかおかしな出来事はないか」と言い出す。どうやらそれがこの行然坊のやり方で、彼はそうやって金持ちの家に入り込んでは適当な経を上げたりそれらしい説法をほどこして、礼物をもらっているのだという。しかし実は自分には、本当にそういった、怪しい気配を見る力があるのだと行然坊は告げる。そうして彼が語り始めたのは、まだ諸国を旅して回っていた若かりし頃に目の当たりにした、隠れ里のような山村が滅びていった経緯だった……「吼える仏」
シリーズ二冊目は四話収録。 一冊目に比べると、雰囲気がだいぶ明るくなったように思います。相変わらず人の悪意とか切ない展開はたっぷり出てくるんですが、それでも各話の終わりには、それなりに救いが見えています。 これはやはり、おちかの心の持ちようがだんだん変わってきたからなのでしょうか。 お勝さんや青山の若先生、行然坊といった魅力的なキャラクターも増えてきました。 個人的にはこういう雰囲気のほうが、なんというか心が安らぎます。一巻目の暗さにあきらめてしまわず、二巻目も手にとって良かったなあ…… 〈くろすけ〉の切なくも温かいエピソードはほんと泣ける( T _ T )
変わったといえば、一巻目のようにラストにいきなりスペクタクルな展開が入ることもありませんでしたね(苦笑) いやまあ、盛り上がりはそれなりにありましたけれど、あくまでそれは『人間』のやることでした。 結局は人の悪意が一番怖いんだという点で、こちらの方がお話として収まりがいいと思います。 今回はおちかの過去もあんまり関わってはこず。 むしろ青山の若先生とおちかちゃんの今後が気になってくる所です。個人的には清太郎さんはおたかさんと幸せになって、おちかちゃんは青山さんとくっつけばいいと思うよvv
なお青山さんと行然坊および悪戯小僧三人組は、「ばんば憑き」に収録されている「討債鬼」で詳しい背景や出会い話が書かれています。
そして文庫版ではどうなっているか判りませんが、ハードカバー版では各見開きごとにカットが入っているのがなんとも豪華。 宮部さんだからこそ許される、贅沢なデザインだなあとつくづく思いました。
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No.6037
(読書)
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2014年07月26日の読書
2014年07月26日(Sat)
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本日の初読図書: 「VRMMO エルフと鬼が旅する仮想世界(小説家になろう)」〜26. 浜辺の街道で http://ncode.syosetu.com/n5693bv/
旦那が鬼のタンカーで、嫁がエルフの格闘家。 βテストで知り合って結婚した二人が、正式サービスであらためてプレイを開始。βテスターでも特典はなく、人よりある程度慣れがあるというだけの状態なるも、βテストで二つ名持ちのトッププレイヤーだったプレイヤースキルを遺憾なく発揮しつつ、社会人の余暇としてのんびりマイペースにゲームを楽しんでゆくお話。 デスゲームにはならないし、チートもありません。 NPCと積極的に交流するなど、系統としては「とあるおっさん〜」を思わせる傾向ですかね。ただしこちらは生産はすべて人任せ。剣道や空手や合気道などのリアルスキルを武器に、とにかく戦いまくってます。特に嫁は一見大和撫子風なのにバトルジャンキー気味と、ギャップ好きにはなかなかなキャラクターvv 二人とも三十近いので、それなりに落ち着いたプレイスタイルなのも安心して読める所です。
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No.6067
(読書)
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夕食時にいきなり携帯が立て続けに鳴り始めたので、驚いて確認したら、またもブログにスパム書き込み×4件が。 慌てて自室に駆け上がって、PCを起動している間にさらに書き込みは続き、最終的に二分間で27件の迷惑コメントが付きました。 ……なんかもう、削除する気力も失せてくるよ(しくしくしく)
広告業者っていう輩は、世のブログをみんな閉鎖に追い込みたいんですかね……??
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No.6068
(日常)
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2014年07月27日の読書
2014年07月27日(Sun)
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本日の初読図書: チーム・バチスタこと田口・白鳥シリーズの……ええと、何作目だっけ? このシリーズは医療ミステリから始まったと思うんですが、じょじょにそのカテゴリから逸脱していっており、今回はもう完全にこれ推理小説じゃなかったですね……
厚生労働省で行われる「診察関連死死因究明等の在り方に関する検討会」、略称「医療事故調査委員会創設検討会」とかいう会議に無理やり招かれた田口先生と、その周囲を取り巻く濃ゆいキャラクター達。 そのそれぞれが田口先生に一目置くというか、彼をキーパーソンとみなして利用する形で、医療と司法のありかたについて激しく問題提起し議論を戦わせつつ、最終的には田口の大学時代の後輩で病理医の彦根が、ものすごい大風呂敷を広げたハッタリを隠れ蓑にしながら白鳥と結託、うやむやのうちに医療事故調査委員会へのエーアイ導入を認めさせるお話、とでもまとめればいいのか。 今回はほとんどが会議や、それぞれが巡らせる策略や駆け引きに費やされていて、正直私では脳ミソが追いつきませんでした(−ー;) 物語の中での時間は(おそらく)「螺鈿迷宮」よりちょっと後の8月に始まって、翌年の10月までの長丁場にわたります。会議が数ヶ月に一度のスパンで行われるため時間の飛び具合も激しく、ほとんど分単位で刻まれていたこれまでの作品とはずいぶん雰囲気が異なりました。
田口先生は、ある意味中心人物でありながら、誰よりも部外者であり、ただ一人すべてを俯瞰しているような立場です。要するにすべてが他人事(笑) 出世欲がまったくなく、失うものも持っていないから「それぐらいなら良いか」と納得ずくで利用されてやる懐の広さが田口先生。 あと事前準備とかまるでなしに、会議の開始寸前でいきなり「講演してくれるそうで」とか言われて、焦りもせずに即興でプレゼンかませる隠れ有能なところもさすがです。
しかし周囲(主に病院関係者)からの、田口先生への勘違いぶりがだんだん激しくなってきているのが楽しいですなあ(笑) 白鳥さんもそれを知っていて、「その大事件(バチスタ・スキャンダル)の最中、バッシングの嵐が吹き荒れる中、ただひとり出世し、リスクマネジメント委員会委員長の座を手にした猛者さ。上昇志向の強いイヤなヤツ。見かけは人が好さそうだけど、実はとんでもないヤツだから気をつけてね」とか敵対する官僚に大ボラ吹いてるしvv
あとこの巻は「ナイチンゲール〜」と「ジェネラル・ルージュ〜」がリンクしていたように、背後で他の作品とかなり繋がっているように感じました。たった一言でさらっと終わってしまった、「田口先生が通りすがりに死体を見付けた」事件は、おそらく「玉村警部補の災難」で詳しく語られているみたいですし、新聞記事のみで触れられ重要な要素のひとつとなる「産婦人科医が医療事故で逮捕された」という事件は、おそらく「極北クレイマー」のことだと思います。 ……そしてこの極北っていうのは、たぶんジェネラル・ルージュ速水先生が、三年間の期限付きで島流しにあった、極北救命救急センターと関係があるんじゃないかとか。
ああもう、キャラクターやら時系列やらが絡みあいすぎて何が何だか! くそう、この前に借りてきたムック本の、人物相関図をコピーし忘れたのは不覚だった!!
そんなこんなで、この巻だけでは解き明かされない謎とか、放りっぱなしになっているエピソードとかがけっこうあるので、なんだかちょっぴり消化不良な部分もあったりとか。
あと医療現場と官僚の世界が、ちょっと狭すぎるというか、田口・白鳥の友人知人が重要ポストにつき過ぎだろうという点も気にかかったり。
まあ、グイグイと読ませるその勢いは、確かに見事だと言えました。 さて次は「玉村警部補〜」あたりを読むべきかな……?
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No.6075
(読書)
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2014年07月28日の読書
2014年07月28日(Mon)
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本日の初読図書: 駅ビル六階にある成風堂書店に務める書店員 杏子と、バイトの女子大生 多絵。 しっかりものの杏子と、手先が不器用だけれど頭の回転は良い多絵のコンビは、これまで本屋に関わるちょっとした謎をいくつも解いて来た。と、そんな杏子の元へとかつての同僚であり、今は長野の老舗書店に勤める美保から手紙が届く。なんでもその書店「まるう堂」こと宇都木堂書店で、幽霊騒ぎが起きているというのだ。現れるのは二十数年前に殺人事件を起こした、小松秋郎という男だと噂されているらしい。地元の名士で作家としても名の売れていた嘉多山成治のもと、住み込みで書生をしていた男たちの一人で、嘉多山が殺された日に死体の傍に血まみれで立ち尽くしているのを見つかり、そのまま逮捕されたのだという。犯行を肯定するでもなく否定するでもなく、ただ沈黙を貫いた彼は、情況証拠から投獄され、その二年後に獄中で死んだそうだ。 まるう堂の店主は生前から嘉多山成治と懇意にしており、秋郎とも家族ぐるみで親しく付き合いがあった。それだけに事件のことは衝撃的で、今でも割り切れないものを感じているのだという。 そんな秋郎の幽霊が現れた上に、最近になって当時の事件関係者のまわりで泥棒が入ったりボヤ騒ぎが起きたりといった物騒なことも起きているとのことで。 美保は手紙で杏子と多絵に対し、なんとか謎を解いて欲しいと助けを求めてくるのだが……
成風堂シリーズ、二冊目はいきなり番外的な出張長編です。 ……んー、なんというかこの話はもうちょっと後、せめて4〜5巻目ぐらいに持ってきたほうが良かったんじゃないかなあと思いました。 今まで本屋さんの中で日常の謎を解いていた素人二人組が、いきなり長野まで足を運んで、過去のものとはいえ殺人事件の調査をするというのは、ちょっと違和感を感じてしまったり。 多絵ちゃんの意外な背景もチラ見されたりしたんですが、それも二人がもう少し実績を重ねてキャラが安定してきてからのほうが良かったような……
本屋さんは、店員とお客と出版社だけのものではない。作家さんもまたそこに大きく関わってきているのだ、という観点はおもしろかったんですけどね。 あと「まるう堂」さんのありかたが、ちょうどうちの地元にある某老舗書店を彷彿とさせる感じで、非常に親しみやすかったのも、個人的にはニヤリとできたんですが。
あと最後に、六本ほど4コマ漫画が収録されています。 これはマンガ版を描かれている方の手になるオマケでして、これがなかなかにおもしろく。 ……っていうかこのノリと、作画の久世番子さんとやらの自画像になんか覚えがある……と思ったら、 あの書店勤務に関するエッセイコミック「暴れん坊本屋さん」とか、本に対する愛をおもしろおかしく描き綴った「番線」の作者さんか!! と。 これらは雑誌で連載していた当時に、本屋さんで立ち読みしながら思わずくすくす笑っちゃった作品でした(懐) ああ、この人が作画担当しているのなら、原作の持つ「書店の意外な裏側、楽しく見せます」的テイストを、ちゃんと削らずに表現してくれているだろうと、なんだか安心しちゃいました。
ううう、マンガ版も読んでみたいなあ……でも置き場が……置き場がぁぁああ(苦悩)
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No.6078
(読書)
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2014年07月29日の読書
2014年07月29日(Tue)
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本日の初読図書: 「彼は素材屋(オンライン小説)」〜トニとの出会い 後編 http://verbum.web.fc2.com/004sozaiya/sz-000.html
「彼は優しいご主人様」と同作者さんの、異世界トリップもの。読切連作。 神様の手違いで世界からつまみ出され、お詫びとして桁外れに膨大な魔力をつめ込まれ、着の身着のまま平成日本からファンタスティックな異世界へと送り出された日本人恭一が、趣味と実益を兼ねた「素材屋」を経営するお話。 素材屋とは魔法、錬金術、料理、工芸など多岐にわたる分野の素材を調達する仕事。観光と珍品コレクションが趣味の恭一は、有り余る魔力を無駄遣いして世界を行き来し、見付けた素材をストックしては、必要な人間に売りつける、と。品揃えの豊富さと、依頼されればどんなものでも納期を守って納品することから、その分野ではかなりの有名人となっているのだけれど、そもそもその分野の人間には変人が多く、必然的に交友関係は特殊なものに偏り気味で……といった感じ。 細かい所はさらりと流されて、個性的なキャラクターの軽妙なやりとりを楽しむタイプかと。
「家事手伝いシリーズ(オンライン小説)」〜その3−3 http://verbum.web.fc2.com/005kaji/kaji-000.html
上に同じく、異世界召喚もの。現在三作目を連載停滞中。 家事手伝いをしているちょっと料理の得意な女性が、勇者や魔王や宇宙船内に召喚されて、料理をするお話。主役がけっこうちゃっかり者で、三話目頃にはいい加減に召喚慣れしているあたりがなんともはや(笑) テンポの早さが面白みのひとつだけに、三話目がいいところでぶっちぎれているのが惜しまれます。
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No.6079
(読書)
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2014年07月30日の読書
2014年07月30日(Wed)
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本日の初読図書: 「旅行から娘が連れ帰ってきたのはどうやら異世界の勇者様らしい(小説家になろう)」〜勇者と聖女2 http://ncode.syosetu.com/n2256bj/
二十三歳になった娘と旅行に出かけようとした直前、階段を踏み外して足を痛めた母親は、娘一人を旅行へ送り出し ―― そして帰ってきた娘は、旅行前よりいくらか髪が伸びており、そしてハリウッド俳優のような金髪に紫がかった青い瞳の美青年を連れていた。 「お母さん、私この人と結婚したから。で、この人、異世界では勇者なんて言われてたけど、この世界じゃ新居なんて用意できないし、お母さん一人だと心配だし、一緒に住む事に決めたけど問題無いよね」 ちなみに娘は超現実主義で、昔からアニメにも漫画にも興味はなかったが、母にはいくらかなりとそういったものの知識があった。 「これ、選ばれた勇者にしか持てない『せいけん』」 ……ああ、『せいけん』って『聖剣』の事ね。 なんでも娘は旅行中に異世界へ飛んでしまい、三泊四日の間に一年をかけて、勇者とともに異世界を救ってきたのだという。 そして勇者は娘と結婚することを選び、彼女とともに日本へ渡ってきたと。 うん、想像以上にファンタジー。 ともあれ。戸籍もなにもないがゆえにニートとならざるを得ないけれど、順応性だけは高く主夫と化しつつある勇者と、異世界で聖女と呼ばれていた現実主義の娘と、なんだかんだで懐の広いお義母さんは、かくして共同生活を営むことになったのだった。
タイトルが全てを表しております(笑) 語り手は、女手ひとつで娘を育て上げた五十代になろうかという『お母さん』。 毎朝五時に起きて近所を散歩し、子どもたちと仲良く戯れるアグレッシブなニートの勇者と、嫁姑ならぬ婿姑のほのぼのした会話を繰り広げております。 異世界サイドではけっこう厳しい事もあったようですが、そのあたりは軽く触れる程度で。 長らく更新停止中なのが惜しまれます。
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No.6089
(読書)
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2014年07月31日の読書
2014年07月31日(Thr)
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本日の初読図書: 「配達あかずきん」のコミカライズについて調べていて、うっかり単行本化されていることを知り、ポチッとしてしまいました。 とにかく『本』についての『愛』をこれでもかと詰め込んだエッセイコミックです。 アマゾンさんの「なか見!検索」で、一話目をほぼ読めるのでご覧になってみていただけると、その独特のノリとあふれる愛が判ってもらえるんじゃないかと(笑) もうね、この一話目で出てくる本居宣長の、本の貸し借りについてのエピソードが本好きにはすっげえ笑えるんだvv 今も昔も、読書家の考えることって変わらないんだなあ、と。 他にも気がつくと本棚が一杯になってるので、いかにして内部配置に試行錯誤するかとか、『本好きあるある』が目白押し。 後半は写植とか校正とか国会図書館の内部レポートといった、一般人には馴染みがないけれど、本好きなら興味津々な内容もあって、一冊で二度美味しいみたいな?
ただ掲載誌がBL系の雑誌だったため、ところどころにBL的な文例やたとえ話が入っているのが、ちょっと読む人を選ぶかもしれません。
ああ、国会図書館、私も一度は行ってみたいなあ……そして朝日ソノラマの廃刊雑誌『チャキチャキ』を出してもらって、単行本化されてない、氷室奈美さんの「砂塵の王国」を全ページコピーしてやるんだ……
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No.6091
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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