よしなしことを、日々徒然に……
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 更新情報(2011年07月01日)
2011年07月01日(Fri) 
閲覧室の「その他書架」に、黒岩涙香の著作権切れテキスト「白髪鬼」四四話目をUP。
No.3225 (更新)


 ポチッとしちまった
2011年07月02日(Sat) 
珍しく、今回は本とかDVDではありませぬ。

■ウレタンチップ枕(カバー付)
 http://www.nissen.co.jp/sho_item/regular/6417/6417_99351.asp?book=6417&Favourite_Flg=3&color=W

ちょっと大きめ、 43×63cm 。
現在使っている羽枕がちょうどそのサイズなので、枕カバーが流用できる大きさにしました。両腕で抱え込めるのも良い感じですし。
個人的に枕は、蕎麦殻やプラパイプなどのように、頭を置いたときに音が鳴るものは却下です。そして固め高めかつ弾力のあるタイプが希望。そしたらこの商品が目に付きまして。
ちょうど現在、ニッセンのポイント 500 円分を数ヶ月ほっておいたら 1000 円に水増ししてくれたのを持っていたので、それを利用しようかと探していて見つけました。送料その他で差し引き 870 円。
なにせ現在の羽枕は、寝心地はそう悪くないんですけど、高校時代から使っていてかなりへたっている&カバー下が汚れている。そしてなにより中の羽毛が、針のように布を突き抜けて出てきちゃうんですよ……鴨かなにかの羽根なのか、茶色いのが床に落ちていると、一瞬ゴキかと思って肝が冷えます。
ふふふ、早く届かないかな〜。使い心地が良いと良いなあ。
No.3227 (日常)


 2011年07月03日の読書
2011年07月03日(Sun) 
本日の初読図書:
4344821971Wizard―Passion Fruit (幻狼ファンタジアノベルス)
小竹 清彦 緋原 コウ
幻冬舎 2011-03-31

by G-Tools
シリーズ下巻。
上巻は短編集で、通しで読むと繋がっているという構成でしたが、下巻は一冊丸々ひとつの話でした。上巻第一話からの通しキーワード、「巨大企業モア」との全面対決です。
軽妙な語り口は相変わらずで、途中吹き出してしまうこともしばしば。
ってか大介! 何故にそこで石臼(爆笑) ウェイク、何故に乙女回路(大爆笑)
ワイズマンは相変わらず素敵に良い味を出してましたねえ。
ハッキングシーンのピンチにワイズマン登場、そしてウィザードが「四人に」分裂したシーンではゾクゾクしました。そしてたたみかかる怒濤のクライマックス。泣けました。そりゃあ桜も嬉し泣きするさ!
EBISU も、ここで登場するかーーーっと、作者の伏線はりぶりに感嘆。
いやあ、これは上下巻間をおかずに読むべきお話です。
雪華さん、素敵なお話を紹介ありがとうございました。面白かったです!
No.3229 (読書)


 2011年07月04日の読書
2011年07月04日(Mon) 
本日の初読図書:
403744660X幽霊派遣会社
エヴァ イボットソン Eva Ibbotson
偕成社 2006-06

by G-Tools
ウィルキンソンさん一家は、第二次世界大戦のさなか家に爆弾が落ち、そろって幽霊になってしまった。それでも何十年かは変わらず愛しい我が家で暮らしていたが、やがて次の住人達がやってきて、泣く泣く出て行かざるを得なくなった。
大都市ならば幽霊が暮らせる空き家もあるだろうとロンドンへ出てきてみたものの、そこでは行くあてのない幽霊達がひしめき合っていた。しかたなく下着屋へ取り憑いてみたけれど、あられもない下着や水着に取り囲まれる環境は、子供達にとってたいへんよろしくない。困り果てていたところに、幽霊になってから引き取った義理の娘アディが、素晴らしい看板を見つけてきた。
「幽霊あずかる方募集中」
それは魔女のミス・プリングルとミセス・マナリングが経営する、幽霊派遣会社の広告だった。彼女達は家がなくて困っている幽霊と、幽霊を引き取りたいという人間を仲介しているのである。
さっそく事務所に登録してもらった一家は、やがて人の良い尼僧達の住まう修道院を紹介される。
一方、同じく事務所に登録していた元貴族の幽霊夫妻。彼らはひどく恐ろしい外見をしていて、しかも礼儀知らずのやかまし屋。子供を見つけたら殺そうとせずにはいられない残忍な幽霊だった。そんな彼らにも相応しい物件が見つかった。古い城をお化け屋敷として公開し観光客を呼ぶため、できるだけ恐ろしい霊をというのである。しかしそれは実のところ、古い城を遺産相続した幼い少年を殺さんとする親戚達の、恐ろしい悪巧みであった。
ところが、ここで手違いが起こる。事務所で書類を取り違えたことから、人の良いウィルキンソンさん一家が古い城へ、恐ろしい貴族夫婦がのどかな修道院へ派遣されてしまったのだ ――

いっぷう変わった設定の児童文学。
割と普通に幽霊を見られる人が出てきたり、魔女になるための夜間学校が存在していたりします。ほとんどの登場人物が当たり前のように幽霊を信じているし、その幽霊も飼っていたセキセイインコや溺れたときポーチに入った魚、動物園のカモノハシまで種々雑多。
かといって純粋にほのぼのあたたかいお話かというと、元貴族の幽霊夫婦はかなり怖い。怖いというか描写がグロい(−ー;) 内臓とか肉汁とか勘弁して欲しいッス。
突然遺産を相続して狙われる羽目になるオリヴァー少年も、最初は気の弱いおどおどした子供だったのですが、ここぞと言うところでは、親戚達にも負けない気の強さというか、手段を選ばないところを見せます。
最終的にはめでたしめでたしなんですけど、けっこう容赦のないところもあるかな? という感じでした。
No.3231 (読書)


 陰干し中
2011年07月05日(Tue) 
先日ニッセンで注文したウレタンチップ枕が届きましたvv
うむ、3〜5日で届くとの広告に偽りなし。そして熱帯雨林と違い、ぴったりなサイズの段ボールにみっちり詰まってました(笑)
触ってみた感じ、ちょっと思っていたよりも柔らかいかなあとも思うのですが、説明書によれば「寒いと固くなる」との事だったので、逆に言えば「温かいと柔らかくなる」訳ですよね? つまり今の気温が年で一番柔らかいと。ならまだ期待は持てます。ファスナーで取り外しできるパイル地カバーの手触りも良い感じ。
そしてユーザーレビューにあったとおり、やはり臭いが少々気になったので、現在絶賛陰干し中です。ふふふふふ、早く使えるようにならないかな〜♪
No.3233 (日常)


 2011年07月06日の読書
2011年07月06日(Wed) 
本日の初読図書:
4592186567花よりも花の如く 9 (花とゆめCOMICS)
成田 美名子
白泉社 2011-07-05

by G-Tools
一年ぶりの新刊。
TVドラマがまだ引っぱられています。収録は終わったけれど、まだ放送はされていない、みたいな。人間関係もそちらから続いていて、毎度書いていますが最近楽くんの出番が少なくてさびしいです。好きなんだけどなー、意地っ張りで有能で、主役には懐いているちょっと不思議キャラの楽くん。
このところ、ちょっと内容が能から離れ気味な感じがします。久々に以前買った面の話が出てきたのは嬉しかったですけど。これはまだまだ落ちが見えなさそうですし。二年半後にやるという、道成寺で使うのかな?
あと憲人さんの恋愛が絡んできてるのがちょっと苦しいです。まあ、すでに二十七才の主役ですから、いい加減そういう話が出ないと困ったことでもあるんでしょうけど。
考えてみれば憲人さん、成田キャラの主役の中では、群を抜いた年上なのかも……?
No.3235 (読書)


 追悼
2011年07月07日(Thr) 
もっと早くから情報が流れていたのかもしれませんが、私は今朝の新聞で初めて知りました。
和田慎二さんがお亡くなりに……(泣)
ううう、享年61才だなんて早すぎます! そりゃ最近は原作者の仕事が多かったですけれど、それでも和田さんのお名前が関わる話は、読む読まないに関わらずチェックだけは無条件でしていたのに……ッッ( T _ T )
もう「忍者飛翔」の続きは見られないのか……ゆっくりでも終わりが見えたとおっしゃられていたから、希望だけは繋いでいたのに(しくしくしく)

……思いかえせば中学生になったばかりの頃、当時月300円だった小遣いをして「スケバン刑事スペシャル愛蔵版」全6冊(単行本にして22冊分)を買わしめたのを皮切りとして、「我が友フランケンシュタイン」「大逃亡」「銀色の髪の亜里沙」と買いながら、いまはなきEPOで読んだ「忍者飛翔」の単行本未収録作品を未だに記憶している我ながらの執念深さ。 ああ、もうあれが収録される新刊は発売されないのか……
「ピグマリオ」はさすがに小遣いが追いつかず、まだビニールカバーがついていなかった本屋さんで、少しずつ立ち読みするしかできませんでしたっけ。
友人に貸してついに帰ってこなかった「少女鮫」、同じく帰ってこなかったのを、書籍電子化に合わせ、古本とはいえ買い直してしまった「怪盗アマリリス」。
タイトルがバラバラなため、どの順番で読んで良いのか判らずに、とうとう買いそびれた「超少女明日香」……(遠い目)
私が生まれる前にデビューされた方であり、また多作な方でとても全部は追い切れませんでしたが、本当に大好きでした。原作者として携わった作品も多かったですよね。そのほとんどが、和田さん一流かつ私の大好きな復讐譚だったんじゃないでしょうか。島崎譲さんが作画をされた「リオン」など、立ち読みしたとき「なんか和田さんっぽくて好みvv」とか思って購入してみたら、原作がそうでびっくりしたというぐらい、その作風は確立されていたと思います。
ああ、「神に背を向けた男」「白龍パイロン」「ブラック・マスク」や「CROWN」に「ブレイズ」、「Kiyoshirou伝奇ファイル」などの原作も素晴らしかったし、「スケバン刑事if」に至っては、あの名作を見事に再構築させたその手腕。
ううう、本当に惜しい方を……(涙)

これを機に、昔の読み切り作品などを再版してくれないものかと切に思います。
ちょっと横溝っぽい雰囲気とかある作品もあって、そのあたりもおもしろかったんですよね。
……すっごく昔の話で、旧家の子供達がそれぞれ孤島の洞窟に隔離されて暗殺者として育てられていた話、どこで読んだんだったっけ……? 遭難かなんかしてたまたま泊まった主役と相棒(男二人)が連続殺人に巻き込まれて、結局相棒は殺されてしまい、犯人はすごく意外な人物だったんですけど……子供達は洞窟で育ったので目が弱く、みんな明るいところでは特殊な色眼鏡をかけていたりとか、そういう細かいところは覚えているのにタイトル出てこない……(−ー;)

今日は追悼として、持っている和田さん関連の本をあれこれ読み返しておりました。
素晴らしい作品を数多く生みだしてくださった先生のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
No.3237 (日常)


 更新情報(2011年07月08日)
2011年07月08日(Fri) 
閲覧室の「その他書架」に、黒岩涙香の著作権切れテキスト「白髪鬼」四五話目をUP。
No.3239 (更新)


 ふかふか
2011年07月08日(Fri) 
ウレタン枕の臭いがようやく我慢できるレベルに落ち着いたので、さっそく使用してみました。
うふふー、ふかふかーーvv
今までの枕より気持ち柔らかいですが、羽根が出てくる心配がないのは大きいです。
ちなみに厚さを比べてみるとこんな。



青のストライプが今までの、黄色い方が新しいのです。やっぱり古いのは明らかにへたってますね。
ところでこの枕、ユーザーレビューで「きな粉みたいな臭いがする」というのがあったんですが、まさにそんな感じでして。色や質感とあいまって、もうきな粉餅かキビ団子にしか見えません(笑) 先入観って恐ろしい……

昨日、タイトルが思い出せなくて悩んでいた和田さんの作品は、立ち読みしたことのある単行本の収録作品を絨毯爆撃検索した結果、「朱雀の紋章」だと思われることが判明しました。……現在絶版中_| ̄|○
でもけっこう人気があって、雑誌の付録についたこともあるようですし、ほんと再版されないかなあ……
あと、深海で調査潜水艦に巨大ヤツメウナギみたいな生き物がおそってくるパニックものを書いていらした気もするんですが、これもタイトル思い出せない……巻きつかれたまま急速浮上することで、水圧を減圧させて倒したという話だったんですけど……ううむ、気になる……

以下はヒトコトお返事です。
No.3241 (日常)


 2011年07月08日の読書
2011年07月08日(Fri) 
本日の初読図書:
4829128631蒼い瞳の刀使い(ソード・ダンサー)―ザ・サード (富士見ファンタジア文庫)
星野 亮 後藤 なお
富士見書房 1999-01

by G-Tools
数百年前に起きた『大戦』により、多くの技術と文明が失われた惑星。
砂塵に覆われたその地では、ザ・サードと呼ばれる亜人種達によって、人間達は管理され生きていた。失われたとされる技術の多くはザ・サード達が独占し、人間達は大戦前とは雲泥の差の、生きることに必要なだけの技術しか持つことを許されないでいる。
そんな世界で、黒髪黒目の十七才の少女 火乃香は、相棒である機械知性体のボギーと共に「なんでも屋」を営んでいた。その仕事は砂漠を越えての人物のエスコートや学術調査、ボディーガードなどである。刀を手に神速の抜刀術を駆使する彼女を、人は「刀使いソードダンサー」と呼んだ。
ある夜のこと野営をしていた火乃香は、危険な砂漠の夜を一人歩く謎の青年イクスと出会った。危険な機甲アリの群から彼を救った火乃香だったが、腕にひどい捻挫を負ってしまう。ところがイクスは、不思議なヒーリング能力によってその傷の痛みをやわらげてくれた。
街に着き何も訊かないまま別れてしまった二人だったが、やがてザ・サードの査察軍に追われるイクスと再び行き合った火乃香は、自分でもよく判らない衝動のままに彼を助けてしまう。そしてイクスの求めに応じ、なんでも屋として彼をエスコートすることとなった。
目的地は「鋼の谷」。先の大戦でできたと言われ、人が踏み込むことを拒む禁断の地である ――

けっこう長く続いているシリーズのようですが、作者さんのデビュー作なので、一応一巻目は一区切りついています。
ただほぼ全編においてネタバレした状態で読み始めてしまったので、うーん、という感じだったでしょうか(苦笑)
文明崩壊後の砂漠地帯で、イモムシ型装甲車とか機動歩兵とかが戦いまくっているのは、なんかお約束な感じですね。そんな中で主役の火乃香は、日本刀を駆使した居合い術でばっさばっさと敵を倒す。格好いいです。
火乃香に執着を保っている感じのザ・サード、浄眼機なんかもなかなか美味しい役どころvv もちろん穏やかな微笑みで火乃香を見つめるイクスが大本命ですけれど。

ただ個人的に言わせてもらうと、挿し絵がちょっと……特にイクスが(汗)
文章を読む感じ、感情の起伏が少ない穏やかな優男系に思えるのに、挿し絵だと頭身はちっちゃいわ、表情はギャグ調に崩れてるわで、なあんかイメージがピンときません。他にも意識があり立って震えているはずの人間が、挿し絵では倒れて気絶してたりとか……イラストって難しいですね(−ー;)

アニメ化もされているようなので、ちょっとそのあたりの動画もチェックしてみようかとか思いつつ、続きは保留と言うところですかね。
No.3242 (読書)


 (いろんな意味で)凹んだ
2011年07月09日(Sat) 
先日、図書館の休館日を間違えて出かけてしまい、本日改めて行ってきたのですよ。
カウンターで予約本を受け取るのにちょっと手間取ったり、別の本を予約しようとしてやっぱりやめたり、あるいは駐車場から出た先で、右折するとき車が一台譲ってくれたりとか細かいことが色々あったのですが。

……自宅まであと角曲がって百数十メートルと言うところで、道路脇の駐車場から車が突っ込んできました(遠い目)

慌ててハンドル切ったものの間に合わず、助手席側の車体後部に凹みと擦過傷が_| ̄|○

不幸中の幸いで、お互い怪我はなかったんですが……警察も呼んで、保険屋にも連絡して、特にもめることもなく、あとは保険会社を通じて手続きしようと言うことでひとまず収まったんですが。
ああ、あの日図書館の休館日を間違えなければ……そして今日のカウンターでのやりとりや、車が先を譲ってくれたこと、アクセルの踏み具合ひとつ違っていれば、こんな事にはならなかったのにと思うと凹みます。
せめてもの救いは、両親も次兄も口を揃えて「相手が悪い」と言ってくれること。これでお前の責任だとか言われてたら立ち直れんよ……
ううう、鬱だ……(泣)
No.3243 (日常)


 2011年07月09日の読書
2011年07月09日(Sat) 
本日の初読図書:
「雪之丞後日(資料庫)」三上於菟吉
 http://www.geocities.jp/kmkr_01/top.html

うぉぉぉおおおおお!!!!
ずっと前からどこかで読めないかとフリーテキストや古本を探していた、「雪之丞変化」の後日談が!!
うわあ、管理者様、ありがとうございます、ありがとうございます〜〜〜!!(平身低頭)

もとい(ごほん)
当サイトで配布している著作権切れテキスト「雪之丞変化」の続編です。長さは文庫ぐらいの版形で四十ページちょい。PDF形式で公開されています。
昭和 14 年に「オール讀物」に掲載され、おそらく単行本には未収録だった幻の作品。なんでも 1989 年の臨時増刊号に収録されたものをもとに入力されたそうで。ずっとずっと読みたかった幻の作品に出会えて感無量です。
内容は、前作終了から五年後。上方で暮らしていた闇太郎が、かつて敗れた親の敵に出会うところから始まります。
……っていうかこれ、本当はもっと長くいろいろと書かれる予定だったのではないでしょうか? 冒頭で闇の親分が預かった謎の品物とか、消化されていない伏線がちらりほらり見受けられます。結末も、前作で判っていたこととはいえ切ないです。
しかし雪之丞ファンとしてはどうしても押さえておきたかった、この一作。読むことができて本当に良かったです。


2016/06/26:追記

カミコロ様にご許可を頂き、当サイトでもテキストファイル形式で公開させていただきました

■その他書架 著作権切れフリーテキスト他
 http://plant.mints.ne.jp/sonota_top.htm#txt

許可して下さったばかりが、データーの提供までしてくださったカミコロ様には本当に感謝感謝です。
No.3244 (読書)


 2011年07月10日の読書
2011年07月10日(Sun) 
本日の初読図書:
4336044724ガブガブの本―『ドリトル先生』番外篇
ヒュー ロフティング Hugh Lofting
国書刊行会 2002-11

by G-Tools
あの「ドリトル先生」シリーズに登場する、ブタのガブガブが本を書いた。
ドリトル式ブタ・アルファベットで書かれた膨大なその著作の中から、人間がおもしろく感じるであろうエピソードをスタビンズ少年が抜粋し、英訳したのがこの本だ。さらに読みやすくするためスタビンズ少年は、ガブガブが炉端で動物仲間達に内容を語っていたときのことを思い出し、その折りのやりとりをもまじえて、十夜分の物語として構成しなおした。
これは食物と食事をこよなく愛するブタ、ガブガブ・サラダ・ドレッシング博士が記した、食に関する物語集。

ドリトル先生シリーズの番外編。
wiki でドリトル先生のことを調べていて存在を知り、図書館で即行探しました。
主役はおなじみブタのガブガブ。本編では無邪気なトラブルメーカーの彼が語り手となって、食にまつわる様々な物語を聞かせてくれます。オウムのポリネシアやアヒルのダブダブ、フクロウのトートーや犬のジップ、白ネズミに雀のチープサイド、サルのチーチーといった、いつものキャラ達が聞き手となりますが、ドリトル先生はご登場なさいません。先生が書斎でお仕事をなさっている間、それを邪魔しないよう動物たちとスタビンズ少年の間でだけ語られるお話なのです。
内容はなかなか荒唐無稽、イギリス人でないと判りづらい言い回しや引用パロディもたくさんありますが、それでもおもしろかったです。
ただやはり、井伏鱒二さんの訳でないのは悲しいですね……近づけようと努力なさっているのは判るのですけれど、時おり違和感が。
挿し絵はロフティングなので、そのあたりはすんなり受け入れられます。本編にある炉端の語りで、ガブガブのお話が嫌いでなかった方にはオススメだと思います。

4592884132超少女明日香 (第1巻) (白泉社文庫)
和田 慎二
白泉社 1998-12

by G-Tools
大会社田添建設の社長宅に、一人のお手伝いがやってきた。彼女の名前は砂姫明日香。ちんくしゃな見た目とは裏腹にとても有能で、子供達が面白半分にいびり出そうとしても、まるでびくともしない。
実は彼女には隠された目的があった。故郷の砂神村を、実用性のないダム工事のため水没させ、村人達を皆殺しにした相手に復讐することだ。その工事は田添建設の名で行われており、彼女は動かぬ証拠を掴んだうえで、田添家の家庭を崩壊させるつもりだったのである。
だが、その田添家は明日香が手を出すまでもなく、既にバラバラに近かった。ただ母親を中心に意地っ張りな三人の子供達と、仕事人間の父親がいるだけである。
なお、その田添建設にはライバル会社 芙蓉産業があった。汚い手で乗っ取りをかけようとしてくるライバル社長 芙蓉夫人と、参謀集団四重奏カルテット。彼らは株券を手に入れるために田添家の娘をさらい、脅迫をかけてきた。長男 一也と共に彼女を救出した明日香は、ダム工事を行った本当の相手が芙蓉産業だったことを知る。
二人の活躍で、田添家の人々は絆を取り戻した。
だが自然と共に生き、自然の力を借りることで超能力を発揮する砂神一族、その最後の生き残りである明日香は、復讐のため、そして自然を破壊することで富と権力を蓄え経済界を牛耳ろうと考える芙蓉夫人を止めるため、超能力を駆使して戦いを始める。
見守るしかできない一也は、彼女が怒りのままに手を汚すことを止めようとするのだが……

収録作は「超少女明日香」、「明日香ふたたび」、「ふたりの明日香」の三作。
マーガレットコミックスで出ていた三冊分ですね。
上記で紹介したのは、とりあえず一作目。二作目以降も一也が登場し、明日香とじょじょに愛を育んでゆきます。
このシリーズのすごいのは、絵柄とか超能力とかいった細かい要素は置いておくとして、自然破壊による環境問題について既に警鐘を鳴らしていることだと思います。だってこれ、四十年近く前に書かれたお話ですよ? バブルもまだ始まったばかりの頃じゃないですか? その時代にこれだけ未来を見すえたお話を書かれたところが、和田先生のすごいところだと思います。

……とかなんとか言いつつ、いま読み返すと、怪盗アマリリスで映画化していた部分のお遊びとか、「ふたりの明日香」で「スケバン刑事」のドラマを取っているシーンがあるところとかにクスリと笑ってしまうのですが。
いやほんと、現在読んでもまったく遜色なくおもしろいです。
No.3245 (読書)


 ものは考えよう
2011年07月10日(Sun) 
夕べ風呂に入りながら、鬱々と事故のことを考えていたのですが。
それでももし、もう少しタイミングがずれていたら、逆に正面衝突をしていたかもしれない。あるいは相手の車に気が付いたとき、反射的にハンドルを思い切り右に切っていたんですけど、すぐに左に切り直したおかげで、ギリギリ反対の歩道にも乗り上げず、またコンクリ壁に激突もせずにすんだ。歩行者はいなかったし、対向車に突っ込むというような二次的惨事も免れた。
……それを思えば、車体に傷がついたぐらいは最小限の被害であっただろうと。

それぐらいプラス思考に考えないと、やってられないと言うことでもあるんですが(半泣)

まあそれはさておいて。
注文しておいた本が昨日届いたのですよ。白泉社文庫版、超少女明日香全5巻。
和田さん追悼の結果、ポチッとしちまいました。



同じことを考えた方が多かったのか、文庫版もメディアファクトリーで出直したという大判コミックス全七巻もなかなか見つからず。見つけたと思ったら売り切れだったり、オークションが即決終了されていたり、あるいは新刊よりも高かったり(文庫版3巻、熱帯雨林で 9,999 円とかすごすぎる/汗)。
さんざん探した結果、ようやくそれなりの値段のものを、古本屋と言うより古書店のリンクで発見しました。
パッケージに値札貼ってあった部分だけ、背表紙が見事に日焼けし残していて、そのまだらっぷりがちょっとみっともなかったです(しょぼん)



……まあ、白泉社の和田さんの本は、もう版権を引き上げていて絶版なそうなので、買えたのだけでもありがたいことなんですが。
……均等に焼けていたのなら、まだそういうものだと思えたんですけどねえ。
No.3246 (日常)


 2011年07月11日の読書
2011年07月11日(Mon) 
本日の初読図書:
4265072143アンティークFUGA〈3〉キマイラの王 (YA!フロンティア)
あんびる やすこ 十々夜
岩崎書店 2008-10

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新たに兄として増えた屋久杉の精霊ユイマールは、行方不明になった風雅の両親について、情報をもたらしてくれた。彼ら二人は封じようとした妖魔の返り討ちにあい、逆に封印されてしまったのだという。そしてその品物はおそらく、ラリックのガラスのペンダントヘッド(ニセモノ)だと思われた。
さっそくラリックの作品(ニセモノ)を探し始めた一同だったが、そんな彼らの耳につくも神が起こしていると思われる騒動が届く。常連客のひとり加奈がつとめる宝飾会社で、倉庫にしまわれているジュエリーが、何者かに壊される事件が連続しているらしい。そして現場に残されているのは、風雅の両親が失踪したときに残っていたのに似た、黒っぽい羽のみ。
なおその宝飾会社の社長は、ラリックが前半生に作成した、一点物の高価なジュエリーを蒐集するコレクターだった。ならば事件を起こしているのは、ラリックの作品に宿るつくも神なのか。
あるいはラリック繋がりでなんらかの情報が得られるかもしれないと、一同はジュエリーのつくも神に会いにいく。しかしそこで情報と引き替えに求められたのは……

今回は十九世紀の宝飾家ルネ・ラリックにまつわるお話。
この方、前半生は一点物の豪華な宝飾品を、後半生にはガラスを使った大量生産可能な器や比較的廉価なアクセサリーを作成しておられるのだそうで。方向は真逆なようですが、デザインはどちらもとても綺麗で素敵です。
そのあたりはこの本の中でガッツリ語られているので割愛しますが、端くれとはいえ骨董ネタを手がけている人間としては、非常に興味深く読ませていただきました。
ちなみに実際の作品は、ネットで画像検索してみるといくつか見ることができます。
しかしルネ・ラリックのガラス細工って、先日読んだCMBの17巻にも出てきてましたっけ。偶然っておもしろいなあ。

あ、これからこの本を読まれる方には、ひとつご忠告。
読む前に本を開く際、表紙をめくった見開き部分は注視しないことをオススメします。そこの部分にちょっとしたネタバレが、文字ではなしに描かれておりますので……
No.3251 (読書)


 2011年07月12日の読書
2011年07月12日(Tue) 
本日の初読図書:
4592884140超少女明日香 (第2巻) (白泉社文庫)
和田 慎二
白泉社 1998-12

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収録作は「明日香子守歌」「ビーナス翔ぶ!」「明日香・妖精狩り」の三本。
〜子守歌は、花ゆめコミックス版を買った記憶があるのですが、手元にも蔵書リストにもありません。これもまた、蔵書リストを作成する前に人に貸して戻ってこなかった一冊なのか……(寂)
このあたりから、一也と明日香の不自然なほど頻繁な邂逅が見えてきます。普通のマンガだと(たとえば金田一少年で事件遭遇率が異様なほど高いとか)どうしても不自然になってくるその偶然を、「自然によって後押しされる、運命の二人」と理由づけることで、必然にするあたりはさすがです。
それにしても和田さんのマンガは、ときどきほんとに容赦がないです。スケバン刑事よりはほのぼのしていると評されるこのシリーズでも、人質はガンガン殺されるわ、実はちょっと良い人?的描写のあった敵方もあっさり片付けちゃうわ……やはりそのあたりが女性作家と男性作家の違いなんでしょうか。
実はシリーズ一話目の四重奏の扱いが、ちょっと不公平だなあとか思わなくもないんですよね。四人のうち二人は駆け落ちさせて幸せにしちゃうのに、一人は結果的に雇い主を裏切ったから自業自得とはいえ、もう一人も気絶した明日香のために会社に遅れていくような気遣いを見せながら、あっさりと殺されちゃうし……二話目の紅輪忍軍も、行き倒れた明日香を拾ってくれた相手に対して、なんだかんだで内部崩壊を画策して全滅とまではいかずとも何人も死なせちゃう。かなりそのあたりシビアです。
っていうか、良く考えるとシリーズ一話目など特に、やっぱり私の好きな「直接手を下さず自滅に追い込む復讐譚」なんだなあと思ったり。
No.3252 (読書)


 骨折
2011年07月12日(Tue) 
今日も今日とて、家庭内手工業で自販機用のタオルを家族で畳んでいたのですよ。
でもって、父と次兄が仕事のことで真面目な打ち合わせをしているところで、ふと母があまり重要でないことを横から話しかけたのです。
そこで私が一言。

「そういうのを『腰の骨を折る』って言うんだよ」

と。
しばしの沈黙ののち、母と二人で吹き出しました。
話の腰骨ってなんだよ! 骨折するんかよ!?
……正確には「話の腰を折る」でした。
なんか知らんがツボにはまってしまって、そのあと何回も思い出しては、一人で笑っておりましたさ。
話に腰骨……(くくく)

相変わらず気温は高く、今日も二階が暑いです。部屋にストックしてあるカップ麺、あまりの暑さに中の空気が膨張し、蓋が膨れて持ち上がってるんですが……だ、大丈夫かしら。食べてもお腹壊さない?(汗)

以下はヒトコトお返事です。
No.3253 (日常)


 2011年07月13日の読書
2011年07月13日(Wed) 
本日の初読図書:
4592884159超少女明日香 (第3巻) (白泉社文庫)
和田 慎二
白泉社 1999-03

by G-Tools
「眠る蛇」で行方不明になった明日香が「雨の封印」で生還して、「水底の騎士」で田添家とひととき幸せに暮らしながらも、最後はまた別れの予感に身を任せるという流れ。
このあたりは明日香と一也のラブストーリーが盛り上がって、実に読んでいて微笑ましいですvv
一也にもついに自然の友としての自覚が出てきたし★
そして変身後のセクシー明日香が最新水着を着ているのも美しいですが、変身前の明日香がスクール水着を着ているのも可愛らしくて素敵です。そのあたりの魅力をわかっている一也だからこそ、明日香を任せても良いと思えるのさ。
……しかし相変わらず話に容赦はなく、時に手が飛ぶ首が飛ぶ(汗)

それにしてもこれらの作品、発表されたのは平成が始まる前後なんですが、このあたりで既に和田さんの絵柄は完成されているように感じます。もうすっかり、いま読んでも違和感がありません。明日香の姿は相変わらず、膝丈スカートに三つ折りソックスなんですけどね。
さすがにまだ携帯は出てきてないなあ……
No.3254 (読書)


 2011年07月14日の読書
2011年07月14日(Thr) 
本日の初読図書:
4886534864天使の心臓 (ダイトコミックス)
篠原 烏童
大都社 2010-12-10

by G-Tools
一見すると愛らしい小型犬のラグは、実は機械でできたロボット犬。ロボットであることは内緒にして、病院で患者さん相手に慰問を行っている。
メモリーにプログラムされたことしかできないから、検索に時間がかかる分、どうにもこうにもとろくさい。それでもそれなりに、みんなからは愛される人気者だ。
ひとたび患者さんに問題が起きると、不思議と様々な行動で彼らの心身を救ってくれる。それは奇跡か偶然か。
生身でも機械でも、ラグは確かに生きている。そんな風に信じさせてくれる、心温まる物語 ――

大判だけれどページ数は140ページちょい。それで900円超とちょっとお高めなので買わずにいたのですけれど、古本で安くなっていたので購入しました。
やー、篠原さんの動物が関わるハートフルストーリーは、本当に心が癒されますねvv
収録作は六作七本。うち三本は書き下ろしだそうで。ちゃんと一冊でお話に決着がついています。
心優しい青年と小型犬のコンビが周囲を癒す。クォート×ハーフのシリーズがお好きな方にはオススメです。
No.3255 (読書)


 更新情報(2011年07月15日)
2011年07月15日(Fri) 
今回は「白髪鬼」をちょっとお休みしまして。
閲覧室の「その他書架」に、三上於菟吉の著作権切れテキスト「雪之丞後日」をUPしました。
以前から公開している「雪之丞変化」の、後日談となる中編です。

先日ここでも紹介しました通り、「資料庫」様でPDFとして公開しておられるのを偶然発見したのですよ。前々から読みたかった、念願の作品。しかもおそらく雑誌に掲載されただけで、単行本には未収録の、このままでは消えていくのが必至だったであろうお話。
そこで厚かましいとは思いつつ、それでもつい管理者様へ「テキスト化してうちでも公開させていただけないか」とのメールを送ってしまったところ、快く御許可いただいたばかりか、PDF変換前の生テキストや校正に必要なデータまで送って下さいました。カミコロ様には本当に感謝感謝です。
そういうわけで、貴重な資料をまたひとつネット上に増やすことができました。
こうして個人的にでも少しずつでも、様々な資料を公開して行けたならば、ネットの意義もいや増すのではないかなあと、そんなふうに思う私なのでした。
No.3258 (更新)


 2011年07月15日の読書
2011年07月15日(Fri) 
本日の初読図書:
「 異世界混沌平凡譚(Arcdia)」〜リニューアル 第三話
 http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=6872&n=0

ある日のこと、普通のサラリーマンだった岩崎雅樹は、逆恨みを抱く同僚に後ろから刺され死んだ……はずだった。
気がつけば見知らぬ草原におり、通りがかった村人によって、中世のような田舎の村へと連れてゆかれる。そこの村人達はみな優しく、こころよく食事や住むところを与えてくれた。そうして一ヶ月ほどもかけてようやく言語を習得した頃、彼は気がついた。
ここは……もしかしてゲームの中の世界ではないのか、と。
村人達はみな「ステータス」というものを表示させることができ、それぞれにレベルや職業、各種パラメーターなどが描かれているのだ。だが雅樹はそれができないと知ると、村人達はギルドに登録していないからではないかと教えてくれた。稀に……そう、稀に生まれてすぐに親から捨てられた子供などが、ギルド登録されていないということもありえるらしい。向けられる同情の視線のなか、さっそくギルドに登録してみると、たしかに雅樹にもステータスを表示させることができた。
その数値は、誰もが驚愕するもので……

ゲーム世界に生まれ変わったら、チート能力保持がお約束★
……の逆を行く作品。主役のステータスは、成人男子なのに生まれたての赤子以下。しかも職業「無職」。さらに言うなら修行しても戦っても、異様にステータスの上がりが遅い。同時に戦い始めた村人が、レベル88、職業:精霊弓使いにまで上がっても、未だにレベル1、無職。
そんな彼だけれど、村人達からの信頼はあつく、気がつけば自警団の長として村を守る第一人者に。時おり挟まる脇キャラからの視点が楽しいのです。
Arcdia で「主人公が周囲の人に劣等感を抱いていて、周囲の人は主人公をしたっていたり尊敬したりしている作品」というスレで紹介されていたあたり、雰囲気は察して下さい。全体的にほのぼのとしていて、心温まることは請け合いです。
全十七話でいちおう完結済。現在リニューアル版を三話まで掲載されています。
No.3260 (読書)


 2011年07月16日の読書
2011年07月16日(Sat) 
本日の初読図書:
4048735136村田エフェンディ滞土録
梨木 香歩
角川書店 2004-04-27

by G-Tools
一八九九年。土耳古スタンブールで考古学を学ぶ村田青年と、彼を取りまく下宿や博物館の人々との交流。そして時に起きる、ちょっとした不思議を淡々と語る短編集。
土耳古に留学している村田さんは、同作者の「家守奇譚」に、話でだけ出てくるキャラクターです。
話の雰囲気も家守奇譚によく似ていて、時に不思議を交えた日常が穏やかに淡々と語られていきます。最後の方には日本の綿貫さんや高塔さん、老犬のゴローまで登場するので、家守〜を読んだ方には合わせて読まれることをお勧めします。
ただどこか浮世離れした、世情とは関わりのなかったような家守〜とは違い、こちらは明治当時の世界情勢と無縁ではありません。
話の終わりにはいささか切ないものがあるので、ちょっと要注意かと。
No.3262 (読書)


 2011年07月17日の読書
2011年07月17日(Sun) 
本日の初読図書:
4265072208アンティークFUGA 4 宝探しは眠りの森で (YA!フロンティア 20)
あんびる やすこ 十々夜
岩崎書店 2009-03-20

by G-Tools
両親が閉じこめられているというアンティークのペンダントを求めて、風雅たちは英国へと旅立った。そこで出会ったのは、以前関わりがあった学芸員から紹介を受けたという、アンティーク・ディーラー間宮。彼はとある屋敷に置かれている骨董品を鑑定し、リストを作成している途中で、一人ではとても手がまわりきらないので力を貸して欲しいという。だが何やら胡散臭いものを感じた三人は、目的のある旅だからと一度は依頼を断った。
ところが翌朝向かった先、目的のペンダントは一足違いで別の骨董商に買われてしまっていた。その相手は東洋人で、ライという町に店を持つらしい。さっそくライを訪れた一同だったが、ライにただ一軒だという東洋人の営む骨董店は、期間未定の長期休業中となっていた。
少しでも長く帰りを待とうとした三人は、ライに宿を置いて仕事をしているという間宮の依頼を改めて受け、幽霊屋敷と呼ばれる古い館へと通うことになる。そこにはいくつものアンティークがあるのだが、なぜかつくも神たちは気配ばかりで姿を見せようとせず……

今回はスリーパーと呼ばれる、作者不明となって埋もれてしまった、実は著名な作者が描いた「眠れる名画」を巡るお話。
胡散臭さ爆発な間宮さんは、なかなか良い味を出しております。
普段は優しく見える唯兄さんの、実はけっこう冷徹なところもかいま見えます。
両親が見つかったら、紗那や唯とは別れなければならないのか……と気がついた風雅の葛藤も始まったりと、話が終わりにむかって動き始めたというところでしょうか。
残るはあと二冊。どういう結末を見せてくれるのか、楽しみです。
No.3263 (読書)


 深く踏み込む操作は怖い
2011年07月17日(Sun) 
私のパソコンではなく、母のマシンの話なんですが。
最近、動きが遅い遅いと騒ぐので、ちょっと使用状況を確認してみたのですよ。
そうしたらば、

Cドライブ:容量 20GB 残容量 13 %
Dドライブ:容量 50GB 残容量 90 %

とかいう、阿呆のような使用割合になっておりまして。
残量2ギガちょいのCドライブは、容量が少なすぎて最適化すらできませんでした(汗)
っていうか、なんでCとDがこんなにアンバランスな分け方になってるんでしょう?
昨今は動画保存とかする関係上か、Cの方が多いのが一般的でしょうに……
っていうか、動画も見なけりゃマイドキュメントもほぼ使わない。作ったデータは全部Dに保存しろと厳命してある母のパソコンで、何がこんなにCの容量喰ってるんだ??

まあ、唸っていてもしょうがないので、とりあえず移動できそうないくつかのソフトをアンインストールしてDドライブに入れ直ししたり、使っていないソフトを削除してみました。おかげでどうにか残容量 24 %、4ギガぐらいにまで持っていけましたけど……なんか焼け石に水っぽいというか(−ー;)

あれですよね、パーティションの変更って、基本的に再セットアップと同じ手順が必要なんですよね? つまり各種データのバックアップ後、一度まっさらにして変更してからデータを戻し、さらに各種ソフトのインストールや周辺機器の設定を全部し直し。
めんどくさい……はてしなくめんどくさすぎる。
いくら母のマシンは私のに比べてカスタマイズ度合いが少ないとはいえ、それでもめんどくさい。母では絶対自力でできないが故に、私にその作業がまわってくるのは確実。しかし自分のマシンではないだけに勝手も判らない。

……ちょっと調べた感じ、既存のデータを保持したままパーティション変更可と謳われているソフトもあるようですけれど……やっぱり怖いしなあ……ふみゅう、やはり騙し騙しいくしかないのか。

話は変わりまして。
本日はカンカン照りだったのをこれ幸いと、ベッドの敷パッドを天日干しいたしました。
何度もここに書いてますが、私のベッドは1m以上高さのあるハイベッド(しかも手摺りつき)を狭い部屋に置いているおかげで、マットレスを持ちあげてシーツを取り替えるだけでも大仕事。今回もシーツひっぺがして敷パッドを取り外すのだから、まあ大変。汗だくになっての作業でございました。
数時間後、日なたの匂いがする敷パッドをセットし直し、シーツは先日ニッセンで購入した新しいものに取り替えて、枕もまだ新しいものですっきりと。
……シーツが薄紫で、枕が薄黄色って取り合わせはいかがなものかと思わなくもないんですが(安いシーツは派手な柄物しかなかったのよ)
まあ、目を閉じてしまえば、何色でも大差はないと言うことで★

以下はヒトコトお返事です。
No.3264 (日常)


 2011年07月18日の読書
2011年07月18日(Mon) 
本日の初読図書:
486263866X廻る世界の君と僕 (ビーボーイコミックス)
直野 儚羅
リブレ出版 2010-11-10

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4812476070サークル (バンブーコミックス 麗人セレクション)
直野 儚羅
竹書房 2011-06-27

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とりあえず直野さんの本は無条件で購入しているんですが、最近ちょっと……ですかね。
個人的に直野さんのお話は、ファンタジーとか時代物のが好みです。初期作品は現代物でもおもしろいと思ってたんですけどね……
まあ今回は、どちらも後半に妖怪ネタとか悪魔ネタが入っていたので、それなりに楽しめました。
あと廻る〜の方には「指先の恋」に登場の、接触テレパスな探偵と仲間達がゲスト登場するお話があったので、そちらも嬉しかったです。
No.3265 (読書)


 台風接近中
2011年07月19日(Tue) 
四国に上陸したのち、ほぼ九十度曲がって関東へ向かうという変則的な台風六号が、ただいま絶賛接近中。
慣れない代車を運転するのが怖いので、今日の病院は自転車で行こうかと思っていたのですが、雨風がもっと怖かったためあきらめて車で行って来ました。
幸いここのところ、予約時間からさほど待たずにすむことが続いていて、今回も一時間ほどで帰ってこられたのですが……それからの風の強さがハンパねえ(汗)
午前中の段階でも世間にはかなり千切れた枝葉が落ちてましたけど、多分いまはもっとすごいことになっているでしょう。風の音が恐ろしいほど鳴っています。裏山の木がしなるわ、前庭でグリーンカーテンにしているキュウリや塀際の向日葵は持っていかれそうだわ。
……おかげさまで気温は低く、風も通るからと母が1階の窓を開けていたところ、部屋の中が砂埃でジャリジャリになったとかなんとか。文句言いながら掃除機かけてはりましたが(苦笑)
窓を開けるなと厳命されたので、現在閉め切った部屋でエアコン設定三十度。おお、なんて過ごしやすい。雨風の恐怖さえなければ、いつもこれぐらいの気温だと良いのに(まあそれだと、農家の皆さまがお困りでしょうが)

それはさておき。
先日、お気に入り登録した数日後、サイトデータを半分吹っ飛ばされたと言って縮小された某サイトさん。どうせなら作品保存しておけば良かった……と涙を呑んでいたら、このほど無事復活なされました。なんでも吹っ飛ばしたのは更新予定だった未発表作品で、サイト縮小は単なるデータ整理のためだったとか。確かにレイアウトが微妙に変わっています。
よよよ、良かった……いや、読めなくなった幻の作品は惜しいし、非常にお気の毒ですけれど!
一読者としては、データ整理のついでに出てきたという一度下ろされていた続編小話やらも再UPされていて、むしろありがたいぐらいの出来事でした。
……日記でデータ吹っ飛ばした経緯を拝見するだに、気軽に「削除」作業はするものじゃないなと、しみじみそう思ったり(いらないものを削除しようとして、必要なものまで削除されたそうです/怖)。
No.3266 (日常)


 2011年07月20日の読書
2011年07月20日(Wed) 
本日の初読図書:
4592884167超少女明日香 (第4巻) (白泉社文庫)
和田 慎二
白泉社 1999-03

by G-Tools
4592884175超少女明日香 (第5巻) (白泉社文庫)
和田 慎二
白泉社 1999-06

by G-Tools
明日香と救世主の敵対、のち共闘を描いた生霊編。これにて白泉社で発表されていた旧シリーズはすべてです。
生霊編はとにかく明日香が可哀想で可哀想で……前の巻が一也と幸せだっただけに、そのギャップが切なくて(泣)
救世主も、最初は単なる嫌な奴だったのが、だんだん人間味が出てきて……そして最期はごっつー気の毒なことになるんですが……
また生霊編は、厳密に相手を倒していないと言うか、むしろ明日香達側が敗北して終わっているところが厳しいんですよね。ううむ。
こうして読むと、やはりMF版も目を通したくなってしまいます。買いたいと言うほどではないんですが。どこかマンガ喫茶にでも行くべきか……
No.3268 (読書)


 種類がよく判らない
2011年07月20日(Wed) 
朝方六時前、目が覚めたのでトイレに行ったのですよ。
そしたら母が縁側で、庭を見ながら凍りついておりました。どうしたのかと思ったら、ぽつりと一言。

「……ヘビ」

はい? と思って見に行ったところ、掃き出し窓のガラス越しに、1m以上あろうかという黒っぽい蛇がうねくっておりました(汗)
「マムシ?」
「いやでも頭とがってないし」
「あれは攻撃態勢に入らないと、三角形にならないみたいだよ」
などと会話するうちに、そやつはゆっくりと庭を横切り、ツツジの茂みへと消えていきました。
……窓ガラス閉まってて本当に良かった……さもなきゃ母がパニック起こしてたよ(汗)
しかし何ヘビだったんでしょう? カラスヘビにしては黒さがいまひとつ足りなかったように思うし、マムシにしては模様がなかったし、アオダイショウでもなかったし。
……やっぱりカラスヘビかなあ。シマヘビの変種で、黒さにも個体差があるみたいだし、大きさもでかいもので1m半あるっていうし。
まあ、毒がないなら良いんですけどね(あっさり)
実は脊椎動物は割と平気なんです。こないだ脱衣場で遭遇した巨大アシダカグモの方がよほど怖かった……
No.3269 (日常)


 めでぃあみっくすは難しい
2011年07月21日(Thr) 
ずいぶん昔に録画して置きっぱなしだった、映画「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」を見てみました。
うーん……実は前にノベライズを読んだことあったんですよ。中身ほとんど忘れていたんですが。でも終盤の展開がだいぶ違う気がする……小説では確かヒロイン死ななかった気がする。いやでも感想で「儚く消え去った初恋」とか書いてるから、やっぱり死んだのかな?
最後のチャンパラもあんなに長く引っぱらなかったような。
少なくとも悪役がラストで「モリアーティ」になったというオチは、確かになかった気がします。まあ全体的に、エンターテイメント爆発でした。それなりにおもしろくはあったかと。やっぱりノベライズがオリジナルを越えることは少ないなあと、しみじみ思ったり。
No.3273 (映像)


 更新情報(2011年07月22日)
2011年07月22日(Fri) 
閲覧室の「その他書架」に、黒岩涙香の著作権切れテキスト「白髪鬼」四六話目をUPしました。

……公開を始めて、気がつけば早一年あまり。まだ半分にも達していませんが……果たして需要があるのか、だんだん自信がなくなってきたり(汗)
いや、個人的にテキストファイルで欲しいから、電子化するのはやぶさかではないんですが、毎度HTMLファイルにルビ振りするのがかなり面倒だったりして……
いっそ入力終わってからテキストのみ一度に更新した方が良かったか……でもそれだと更新一回で終わっちゃう上に、何年お待たせするかも判らないしなあ……まあ、待たせる人がいらっしゃればの話ですが……
No.3275 (更新)


 2011年07月22日の読書
2011年07月22日(Fri) 
本日の初読図書:
412501129X祝もものき事務所 (C・NOVELSファンタジア)
茅田 砂胡 睦月 ムンク
中央公論新社 2010-11

by G-Tools
もものき事務所は探偵社ではない。探偵のライセンスはとっていない、あくまで「調査会社」である。所長の百之喜 太朗もものき たろうと秘書の凰華の二人だけの事務所だ。
百之喜にはまったく商売気がない。やる気もなければ根性も能力もない。
だが彼にはたったひとつの才能があった。それはまったく意図せず偶然に、事件の真相に繋がる事柄に引き寄せられるという、やっかいな代物で……

茅田さんの珍しい現代物。長らく積んじゃってましたが、読んでみたらやっぱり面白かったです。ただなんていうか……微妙?

とりあえず主役が「もものき たろう」で、周囲を固める友人たちのうち、弁護士が「雉名」、格闘家が「犬槇」、売れない役者が「芳猿」、公務員でハッカーが「鬼光」。
……これで桃太郎だと、半分以上読むまで気付かなかった私はかなり鈍いでしょうか(汗)
話は茅田さん一流の「道理の判っていない井の中の蛙な敵方」を、これでもかというほどけなしまくるお話です。今回は味方側の格好良さは薄目でしたかね。むしろゲストキャラの方がよっぽど存在感がありました。ハッカーな鬼光さんなど、出番ほとんどなかったし。
これは続編に期待したいところでしょうか。……って、出るのかな、続編(汗)
No.3277 (読書)


 まずは一本
2011年07月23日(Sat) 
台風の影響で涼しかったのも束の間。
四日ぶりにエアコンを入れる羽目になった、そんな本日。
ご縁がありました方からの御厚意で、このたび「雪之丞変化」関連の映像版を幾つか入手することが叶いました(喜)
ここはまず、念願の林長二郎版から鑑賞です。

これは 1935 〜 36 年にかけて発表された三本の映画を、のちに1時間半にまとめたという、いわばダイジェスト版だそうで。
主演は以前に見た 1963 年版主演の長谷川一夫さんが、まだ林長二郎と名乗っていた若かりし頃。雪之丞・母親・闇太郎の三役を務めていらっしゃいます。この頃はまだ二十代だっただけあって、さすがにお美しいこと。
白黒版で画質も当然粗いのですけれど、それはまったく気になりません。カメラワークも引きが多いのが、かえって所作の綺麗さを際だたせているように思います。雪さんが遠目で座っている姿など、「はんなり」とした感じで、実に女性らしく。
あと侍に斬りかかられたのを、すらりとかわして駕籠から降りるシーンは本当に素晴らしかった! まさに原作の文章そのまんまという感じです!

舞台のシーンが多かったのも、やはりそれが「見せ場」だからでしょうか。舞台で踊りを見せながら、桟敷で状況が進んでいくという流れが多かったです。またこの舞台シーンが実に江戸時代の芝居小屋らしくてですね……舞台のへりに火のついた蝋燭を並べるのはもちろん、踊っている人物の周囲に黒子が柄付きの燭台をさしかけるなんていう演出は、現代の映像化では到底なされないでしょう。鬘や衣装の先に火がつくんじゃないかと、見ていてちょっとハラハラしました(苦笑)
舞台裏の奈落の様子なども細かく描かれていて、とても当時らしく感じられたり。

さて、肝心の内容の方ですが……くぅぅぅうううっっっ《o(><)o》
なんで、なんでダイジェスト版なんだぁぁぁあああ(号泣)
……と、のたうち回りたくなるぐらいに、場面場面は素晴らしゅうございました。話の流れもおおむね原作に添っていて、違っていたのは浪路に殺されるのが浜川ではなく門倉平馬になっていたことと、浜川・横山が芝居座で闇の親分に殺されて、その場でお初が捕まったことぐらいでしょうか。あと土部が心臓発作ではなく、敵と判明した雪さん殺そうとして自滅したことと。
雪之丞変化のキモは「自分が手を下さず、正体もばれないまま仇が自滅」だと思っているので、そのあたりはちょっと残念だったんですけれど、まあ許容範囲内です。
ああそれにしても……削られ方が大胆すぎて(涙)です。そりゃあ三本の映画を一本にしちゃうんだから仕方がないことではありますけれど。あれでは原作を知らない人にはストーリーがよく判らないのではないでしょうか??
まず、雪さんと浪路の絡みが全削除。それはもう潔いほどにフルカット。ナレーションでの説明のみです。まあ、某バージョンのように、一線越えられちゃったりすると大ショックなので、個人的にはいいのですけれど。
次に削られて残念だったのは、闇太郎親分との出会いと交流。どうやって知り合って、どうやって協力するようになったのかがまったく語られていません。それどころか闇太郎が盗賊だってことすら、出てきていなかったような……
一人二役なので、同じ画面に入れるのが難しいのは判りますけれど、二人の関係は大事なところだと思うんです。二人の関係といえば、闇太郎と土部がなんで知り合いなのかもカットされてましたね。ますます謎は深まる(苦笑)
あともうひとつ残念だったのは、雪さんが廣海屋に米相場を下げることを示唆するシーン。下げたあとの会話はあったのですけれど、復讐の本格的な始まりとなるあの芝居は、やっぱり欲しかったんです。

はたしてカットされた中に、そのあたりがあったのかどうかは判りません。
でももしあったのなら、是非是非見てみたかったです…… ああ、そういえばお初がさらっていった廣海屋の子供がどうなったのかも謎のままだっけ(遠い目)

そうそう、台詞回しが原作通りなのも嬉しかったのですよ!
三上於菟吉さんの文章は、もともと口に出して読むのに向いていると思うのです。雪さんがすらすらと「この雪之丞、自分の手で履き物をそろえたことは……」とか演って下さると、もう悶えてしまいますvv

ふふふふふ、一番見たかったバージョンを見れて、まずは満足♪
他にもいくつもの作品を送っていただけたので、ゆっくりじっくり、ひとつずつ楽しんでいこうと思っています。美輪明宏版TVシリーズ全13話とか、あまりに想像がつかなくて、怖いもの見たさすら……(笑)
No.3280 (映像)


 2011年07月24日の読書
2011年07月24日(Sun) 
本日の初読図書:
4766335481霊感動物探偵社 3 (LGAコミックス)
山内 規子
Bbmfマガジン 2011-07-20

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女子大生の水町立夏は、霊が見えたり動物に異常に好かれるなどの特異体質により、幼い頃から孤立していた。地元を離れ一人暮らしになった今でも、人間不信は変わらない。そんな彼女を支えてくれるのは、犬のシキと猫のルリ、カラスのクロハの三匹。彼らは立夏が子供の頃から共に暮らしているのだが、何故かこの三匹には言葉までが通じてしまうのだ。おかげで「動物に話しかける頭のおかしい娘」というレッテルをも貼られてしまうものの、その存在はかけがえがない。
そうやって一人と三匹で暮らしていた立夏達だったが、ある日バイト先の雇い主が強盗に襲われ、雇い主は意識不明の重態、ペットの犬は殺されてしまうという事件が起きる。やがて殺された犬の霊を見つけてしまった立夏は、それがきっかけで探偵の高倉と知り合う。彼は人や霊のオーラを見られるという特殊能力を持っており……そしてなんと、立夏以外で初めて、三匹の言葉を聞き取ることができる人物だったのだ。
以後も立夏は何度も霊関係の事件に巻き込まれ、三匹や高倉と共にそれを解決してゆく。そんな中で、彼女は高倉を意識し始め……

読み切り連作のオカルトミステリー。
山内さん独特の、「可愛い絵でほのぼのだけど、ときどきゾッとするほど怖い」お話たちです。以前文庫で二冊ほど出ていたのを、今回大判コミックスで再版されました。1〜2巻の収録作は変わらないそうなので、3巻だけを購入。3巻の収録は「愛がたりない」、「翼をください」、「君に出会う運命」、「ハムスターを愛する男」、「夢見の森」の五作。ハムスタ〜以外は雑誌で見た記憶がありました。もっともどれも結末は頭からすっぽ抜けていたり。一粒で二度美味しい?
立夏と高倉さんは、三巻一話目でようやく両思いの恋人同士になりましたが、そこから先もぜんぜん進展がなくてじれったいったら。大学生の立夏はともかく、高倉! お前どう考えても三十前後やろ? もうちょっとこう、リードしてやれよ! と言いたくなります。
あと私、勝手にこれが最終巻だと思っていたんですけど、どうやら違ったみたいです。フリートークで某ゲストキャラを「また描いてみたい」とか書かれてますし。続いてくれるのは素直に嬉しいので、楽しみにしておきたいです♪
No.3284 (読書)


 2011年07月25日の読書
2011年07月25日(Mon) 
本日の初読図書:
4840139784ゴーストハント5 鮮血の迷宮 (幽BOOKS)
小野不由美 いなだ詩穂
メディアファクトリー 2011-07-13

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元首相からもたらされた大がかりな依頼。
それは山奥の洋館で起きる、不思議な失踪事件を解明することだった。
増改築を繰り返され、迷路のようになった巨大な屋敷の中で、人が消えるというのである。消えた人物を捜しに入った捜索の人間まで行方不明になるに至り、洋館の持ち主である元首相は多数の霊能者達を集め、失踪の原因といなくなった人物の行方を探すことにしたのだった。
集められた霊能者達は、一癖も二癖もある者達ばかり。そんな中で、今回ばかりは最初から協力体制を取った渋谷サイキックリサーチの面々とぼーさん達いつものメンバー、そして何故か所長代理として雇われ同行した安原少年。
例の如く機材をセッティングし、複雑な屋敷内の平面図を作成し始めた彼らをよそに、他の霊能者達もそれぞれの方法で除霊をすすめていっていた。
しかしその霊能者達の間からも、行方不明者が出るに及び ――

個人的に、シリーズ中で一番好きなお話。
怖さも倍率ドンで、夜に読んだりすると暗い廊下が歩けなくなるほどの代物なんですが。
……う〜〜〜〜ん(悩)
今回は辛口評価なので、記事をたたんでおきます。
No.3285 (読書)


 ぐーるぐーる
2011年07月25日(Mon) 
雪之丞変化の映像版を見た(そしてこの先も見る)のがきっかけで、うちで配布しているテキストファイルを読み返し始めてみたのですが。
【上】を20%ほど読んだ段階で、既に明らかに誤字ってのがそこここに_| ̄|○
あともしかして誤字? も何ヶ所かあったりなかったり。しかもこのファイル校正したのって、まだ青空形式も外字表記もよく判っていなかった頃だから、字下げや傍点の処理とかろくにしてないし、外字なんて適当な字に置き換えちゃったりしてたりして(汗)
でも今さら直そうにも、底本は納戸の奥底に埋もれちゃってるしな……いっそ図書館から借りてきても、二週間やそこらでなんとかできるとは思えないし。
ああでもいくら著作権が切れてるとはいえ、外字置き換えちゃったのはまずかったかなあ……注記表記に直すべきなんだろうか(ぐるぐる)
いざやろうとすると、ものすごい手間かかりそうだけど。
No.3286 (日常)


 なんでだろう×2
2011年07月26日(Tue) 
23日から、ゼロさんの天気予報ソフト UKTenki が情報を取得しなくなっていたのですよ。また気象庁のサイトが仕様を変えたかな? ならソフトが対応してバージョンアップしてくれるかな? とか思いついて、昨日になってようやく配布サイトに確認に行くも、特にそういうこともないようで。
今朝になって改めて設定を確認してみたら、「起動時巡回」のチェックも外れていれば、居住区域の設定も真っ白になってました。なんで??
……思いかえしてみれば、以前にもこんなことがあったんですが……たまに自動終了しないうちに手動で終了させているのが原因でしょうか。
ともあれ、設定しなおしたら無事また取得されるようになりました。良かった良かった。

結局、図書館へ「雪之丞変化」の底本を借りに行きつつ、帰りに古本屋へ。
うっかり雪華さんのコメントに触発されて、「修羅の刻」を立ち読みしてきてしまいました(笑)
源義経編は最初と最後だけ読み、信長編はごっそりありませんでしたが、他はぶっ続けで読み通しました。やあ、まとめて読むと、八雲と出海が複数作品にまたがって登場してるのが判るんですね。
そして沖田や土方、雷とか雷電の最期に、立ち読みなのになーみーだーがーーー(泣)
フィクションを読んで(見て)泣いてしまう私のことを、母などは馬鹿にしますが、しょうがないじゃないか、出てきちゃうものは……( T _ T )

帰宅後は借りてきた底本を元に、改めて「雪之丞変化」の校正作業を始めてみたりしたんですが……なんか……あれ??(汗)
一行目の一単語目から振り仮名(しかも当て字)が抜けていることに、激しく冷や汗が。その後も出てくる出てくる。あるはずの振り仮名がなく、そしてないはずの振り仮名がある。なんで!?
……もともとあのデータは、特に公開するつもりもないまま、初めて手がけた著作権切れテキストで……よく思いかえすと「どうせ自分が読むだけなんだから、目さえ引っかからなければいいや」ぐらいの気持ちで、かなり乱暴に外字を置き換えたりとかしてた気がします。そもそもはWEB上で「ご自由に再利用・再配布してください」と公開されていた、OCRそのままの生テキスト。誤字も改行も振り仮名もしっちゃかめっちゃかで、しかも半ば旧仮名だったのを、手持ちの新字新仮名の底本と照らし合わせながら、ストレスなく読める程度に手直ししただけだったんですよね……
おかげでまあ、振り仮名と外字関係だけではなく、本文の送り仮名とか句読点にまで気を配る必要が出てきちゃって、もうざくざくと直しまくりです。手間がかかるだろうとは思っていたけれど、よもやここまでとは。以前に見落としていたOCR認識ミス(筮→笠とか、啖→淡とか)もざかざか出てくるし。
この調子だと、二度目の校正を終えてもまだ大量に合ってないところが残りそうです。それでもまあ、今よりはましな Ver.2 を作成するためにも、多少なりと努力はしてみましょうかね。
……問題は、とても二週間では片が付きそうにないことなんですが。図書館の返却期限が……(汗)
No.3287 (日常)


 2011年07月27日の読書
2011年07月27日(Wed) 
本日の初読図書:
4265072224アンティークFUGA 5 バビロニアの紅き瞳 (YA! フロンティア) (YA!フロンティア)
あんびる やすこ 十々夜
岩崎書店 2009-11-28

by G-Tools
前回のロンドン旅行で、両親が封じられたペンダントヘッドを取り戻した風雅たち。しかし封印を施した魔物の力が増しているためか、以前はつくも神のように姿を現し話すこともできたという両親は、わずかにその気配を感じさせるのみだった。
一同は落胆しつつも、次は当の魔物を探しだし、封印するか消滅させることに目的を変更する。
魔物を封印するには、高価な呪具、たとえばジービーズのような物が必要になった。その資金を稼ぐために紗那が考えたのは、曰く付きのアンティークを安く買いたたき、異変を起こしているつくも神を説得するか消滅させて、正規の値段で売り飛ばすという方法。
そうして彼らは「呪われている」と噂の鏡を購入した。十七世紀ロココ調のアンティーク・ミラーは、夜になると幽霊が現れて、家中の戸棚や抽斗を全部ひっくり返すポルターガイストを起こすのだという。夜になり姿を現したつくも神は、しかしうっすらと透けた状態で、正気も保っておらず言葉がほとんど通じなかった。
また一方で、店にはルビーを求める不思議な客が訪れていた。風雅が出した品物を「違う」と断じ、他にあるだろうと、母の婚約指輪まで見せろと要求してくる。一度は帰ったその男は、夜になって今度は自宅にまで不法侵入してきた。その男の正体は……

ついにことの元凶となった魔物「バビロニアの薔薇」登場。シリーズ最強の敵です。なんとあのユイマールをも手玉に取りながら、その力は未だ完全ではなく……倒すなら今のうちと風雅達は準備を整えようと頑張ります。
その一方で、いつものようにつくも神に関わるやっかいごとも解決するのだから、勤勉なもので。
さて次回最終巻で、果たしてどのような決着が付くのか。予測がつかなくて楽しみです。
ちなみに今回のうんちく、巨大なルビーについては、以前拙作を書くときに調べたこととかぶっていて、なんだかちょっと懐かしかったです。「黒太子のルビー」って、本当は「ブラック・プリンス」って言うんですね。そうだよなあ、英語だもんなあ、とか(笑)
No.3288 (読書)


 2011年07月28日の読書
2011年07月28日(Thr) 
本日の初読図書:
「理想のヒモ生活(小説家になろう)」〜第三章3
 http://ncode.syosetu.com/n3406u/

残業月150時間というハードな生活を送っていたサラリーマン、山井善治郎は、ある日唐突に異世界に召喚された。彼を召喚したのは、善治郎の好みドストライクなゴージャス美人。彼女はその国の女王だと名乗り、善治郎に結婚を申し込んできた。しかも嫌ならばすぐに元の世界に戻すことができる。受け入れてくれれば、善治郎は政治向きのことなどといった、王族の義務となる面倒なことは、何もしなくて良いという。
ちょっと待て、いくらなんでも話がうますぎやしないか?
そう思って詳しく話を聞いてみるだに、見えてくる内情。どうやら女王は「何もしなくて良い」のではなく、むしろ「何もして欲しくない」ようなのだ。
彼女が求めているのは、あくまで強い魔力を持つ血筋。そして男性優位のこの国で、政治に余計な口出しなどして、女王の権力基盤を危うくするような相手は望ましくないのだと。
よっしゃ、オッケー! 問題なし!
目指すは、後宮に籠もって女王以外の王宮関係者と一切関わりを持たず、ただひたすらダラダラと遊びほうける毎日!!
そうして善治郎の引き籠もり生活は始まったのである ――

美味しい話には裏がある……ようでいて、実はその裏が一番美味しい話だったという、幸運な男のお話。
女王アウラともごく親密にラブラブっぽく関係が続いているし、一度もとの世界に戻って、水力発電機と電化製品をしこたま持ち込んだので、生活もそれなりに快適。
現代日本で培った教養とか、もしもの時の通貨代わりになるかと気軽に持ち込んだビー玉(異世界では宝石扱い)のおかげで、「もしかして貴族階級出身?」とかいう誤解も受けていたりして、なかなか楽しいです。
今はようやく、「少しは対外的に出てもらわないと、女王が夫を閉じこめていると思われかねない」との思惑のもと、公的行事に顔を出すためマナーや世界常識を学び始めたところです。
まだ連載が始まったばかりなので、どう転がっていくか判りませんが、なかなか続きが楽しみです。

「南海インベーダーズ(オンライン小説)」〜懲罰的着衣週間2
 http://artemis20102001.moryou.com/

詳しくは読了してから書きますが、とりあえずほのぼのっぽい紹介文に騙されちゃ駄目というか。グロ注意というか。
寄生虫系駄目な人は、ほんと読んじゃ駄目です(汗)
No.3292 (読書)


 そういえば
2011年07月28日(Thr) 
昨日書き忘れてましたが、しばらく無線LANが繋がらなくなっていたゼロさん、久しぶりに試してみたら、なんとか繋がるようになってました。
いやー、繋げようとするとかなりの確率で本体ごとフリーズするので、試すのも面倒になり月単位でほったらかしにしてたんですよねえ。ともあれ直ってくれて良かった良かった。
それでも接続を切ったあと、タスクバーのアイコンが接続状態のまま戻らない場合があるのがちと不安です。まあ再起動したら戻るんですが。
うーん、なんか不安定だなあ……すっきりしないのは嫌なんですが。もう使い始めてずいぶんになる機械だし、文句は言えないんだろうか……
No.3293 (電脳)


 更新情報(2011年07月29日)
2011年07月29日(Fri) 
閲覧室の「その他書架」に、黒岩涙香の著作権切れテキスト「白髪鬼」四七話目をUPしました。
No.3294 (更新)


 不味い
2011年07月29日(Fri) 
なんか脱水症状起こしかけてるっぽい感じで、腹具合が悪い(痛くないのに下る)です。年に何度かは起きるそういうときは、ひたすら水分取ってなんとかするしかないわけで。
いつもならスポエネに走るのですけれど、最近のニュースで「スポーツドリンクを取りすぎると、血中糖度が上がりすぎてかえって喉が渇き、さらに飲むの悪循環で、下手すると倒れる」と聞き、怖くなって麦茶にしてみたのですよ。吸収率と熱中症対策を考えて、ちょっぴり塩を入れて。
……まっずーーー(−_卅 )
薬だと思ってどうにか飲みほしましたが、私にこの味は無理だ。入れすぎではないと思う。だってスプーンの先にちょっとでも濃ゆすぎて、思わず三分の二捨てて薄めなおしたぐらいなのに。
普段から水分は取るようにしてるんですけど、コーヒー(しかもほとんど牛乳)じゃ、利尿効果の方が大きいんですかねえ……ふみゅう。

ところで不味いといえば、「松平不昧」を「まっぴらまずい」と読んだ人は、天才だと思います(笑)
No.3295 (日常)


 今月は
2011年07月30日(Sat) 
珍しく毎日欠かさず記事を書いているのですよ。たとえそれが読書記録だけとか更新記録とかであったとしても。
だからがんばって今日も更新しようと思うのですが……ほんとーに書くネタがありません(−ー;)
一日ネサフしてただけの自堕落な土曜日だったからな……本すら読んでないよ。
しかたないので、それをネタにしてみました。
さて明日はなにか書ける内容があるかしら……?
No.3296 (日常)


 2011年07月31日の読書
2011年07月31日(Sun) 
本日の初読図書:
4265072275アンティークFUGA 6 永遠なる者たち (YA! フロンティア 27) (YA!フロンティア)
あんびる やすこ 十々夜
岩崎書店 2010-06-29

by G-Tools
ジービーズにレッドアイを封じることに失敗した風雅たち。
今度は「封魔の番人」と呼ばれる、魔を封じる力を持ったつくも神を探すことにした。彼らが宿るのは、長い時を経た格の高い器物。折りしも大英博物館の所有する至宝が、美術展のため日本へやってきていた。キュレーターとして付き添ってきたのは、以前ロンドンで縁のあった間宮。
もしかしたら至宝の中に「封魔の番人」が含まれているかもしれないと、一同は美術館に向かおうとする。ところがその途中、なにを勘違いしたのか「FUGA」を占い屋だと思った女性が、「お祓いをしてほしい」とアンティークのイヤリングを持ち込んできた。片方しかないルビー製のそれを購入してから、彼女はなにかにつきまとわれるような視線を感じるのだという。
イヤリングからは特におかしな力を感じなかった彼らだったが、急いでいたことや、また金になりそうだったこともあって、とりあえず引き受けてしまう。だがそのルビーを手にしたことで、彼らはまたもレッドアイとまみえることとなるのだった……

シリーズ最終巻。
一巻目からの因縁の相手、レッドアイとも決着がつきました。ううむ、こう来るかと、なかなかの結末でした。
……しかしすべては縁といえば聞こえはいいかもしれませんが、それにしても偶然の引き合わせが多すぎるだろうよ(苦笑)
っていうか、レッドアイ風雅の両親を封印するときに気づいとけよ、とかと思わなくもなく。
そして紗那と唯は、本当に風雅のことが好きなんだなあとしみじみしたり。
正直、最初から一緒にいろいろ頑張ってきて、かつツンデレな紗那はともかく、唯はどうしてそこまで……とか、そんなことは考えちゃ駄目なんでしょうね(笑)
とにかくめでたしめでたしで、ハッピーエンド至上主義には嬉しかったです。
あ、ちなみに今回の目玉はクリスタルスカル(水晶ドクロ)。最近、十九世紀に作られた品だったと判明してしまったそうですが、それでも一度は実物を見てみたい美術品。もう少し活躍して欲しかったなあと、そのあたりちょっと残念。
No.3297 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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