2015年06月11日の読書
2015年06月11日(Thr)
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本日の初読図書: 「異世界で『黒の癒し手』って呼ばれています(小説家になろう)」〜幕間 第71.5話 シアン http://ncode.syosetu.com/n4353bc/
間もなく大学卒業を控えた女子大生 神崎美鈴は、女子会帰りに冬の夜道を歩いているところを、いきなり暗黒に包み込まれた。闇の向こうから伸びてくる、ミイラのように干からびた何本もの手。必死にそれらを振り払って ―― 気が付くと、大自然のただ中にある暖かな草原に座り込んでいた。 見慣れない草花をぼーっと眺めていると、ふいに頭の中へその名前や効能が浮かび上がってくる。 やあ、まあ……うん。これって……うん。ゲームの世界にでも迷いこんじゃったのかな。っていうか、異世界トリップ系? 小説とゲームが大好きなオタク気質の美鈴は、思わず笑ってしまった。試しにメニュー? ステイタス? と呟いてみると、自分の現在の状態も浮かんでくる。 称号:『異世界の旅人』 どうやらここは異世界で間違いないようだ。 それからいろいろと検証してみた結果、イメージをしっかり持ちつつ何らかの言葉を口にすることで、アニメやマンガなどで出てくるような魔法をだいたい使うことができた。お約束の「アイテムボックス」も使えたので、なくしたら困るものを入れておく。 そうして元の世界に戻る方法を探すためにも、まずはこの世界の住人と接触しなければと考えた彼女は、先の見えない街道をゆくよりも、脇道が向かう森の中へ入ってみることにした。時おり現れる魔獣を相手に魔法を練習しつつ、辿り着いたのは無人の小屋。すでに日も暮れかけていたので、無断侵入を詫びながらもベッドを借りて眠りにつく。 翌朝目覚めてみると、気付かぬうちに二人の男が小屋を訪れていた。いかにもな騎士の鎧を着た男達は、それぞれヴァンとシアンと名乗る。なんでもこの小屋は、貴重な薬草の群生地を保護する管理人が住んでいる場所で、彼らは危険な任務を前にその薬草を補充しにやって来たのだという。ところが小屋の様子を確認する限り、管理人は数日帰ってきていないようで。 あるいは森の中で遭難でもしているのでは……と探しに行こうとする二人に、美鈴も同行を申し出た。昨日の実験で回復魔法も使えると判っていたので、何か役に立てればと思ったのだ。 すると二人は、強い驚きを見せた。どうやらこの世界では、癒しの術を使える存在は貴重らしい。これはマズッたかと焦る美鈴だったが、言ってしまったものはもう取り返しがつかない。 案の定、骨折で動けなくなっていた管理人を治療する美鈴の手際を見た二人は、彼女に次の任務 ―― 凶暴な魔獣討伐に同行してくれないかと願ってくる。 「お前の安全は俺たちが命をかけて守ると誓う。だから、力を貸してくれ」 正直を言えば、危険な場所になど行きたくない。下手に目立って、巫女ルートや監禁ルート、あるいは生贄ルートや政略結婚ルートをたどるのもまっぴらゴメンだ。 けれど、たった一日の付き合いでも、この二人がとてもいい人だというのはよく判った。もしも自分が手伝わなかったことで、ヴァンとシアンが負傷したりあるいは死んだりする可能性を考えると、行かないという選択肢は考えられない。 かくして美鈴 ―― 改め、リィーン・カンザックは、二人とともに魔獣の討伐へと向かうことにした。だがそれは、この先、彼女が巻き込まれていくさまざまな出来事の、ほんの始まりに過ぎなくて……
アルファポリスで無料公開されているwebコミカライズの連載を読んで、最初はうーんと思っていたものの、だんだん面白くなってきたので、以前DLだけしていたテキストをようやく読んでみました。 ……あいにく手持ちは第一部と幕間だけしかないんですが、まあこれはこれでキリの良い所で終わっているから、かえって良かったかもしれません。第一部だけで、文庫三冊分ぐらいありましたし。
いきなり異世界召喚され、オタク気質ですぐに大体の現状を把握。同じくゲームの要領で魔法を即座にハイレベルに使いこなし、ハンサムさん達に守ってもらいながら無自覚に成り上がり〜〜的な御都合主義満載なお話です。 それでも随所で重い部分もあり、ある程度猟奇描写もあるので、どっち方向でも苦手な方は要注意。
後見人になってくれるキラキライケメン王子様との関係も、けっして一方的に好意にもたれかかるのではなく、お互いにお互いの背景を考えた上で、判った上での利用をしあってるというのは、好みが分かれるところでしょう。私はギブ・アンド・テイクがはっきりしていて良いと思いましたが。 ヴァンさんもシアンさんも、忠誠はあくまで王子様にあり、もしリィーンが主君に不利益をもたらすようであれば、責任をもって自分が殺す、と誓うんですよ。安易に情には流されない。でも殺す時は自分がと宣言するぐらいには、強く思ってもらえてるし、その根底にきちんと信頼がある。 その上で、リィーンを『力が及ぶ限り』守る。それは肉体的な意味だけではなくて、たとえば貴重な癒し手であるリィーンは、ときにヴァンやシアンを見殺しにすることになっても、けして死んではいけない。それはこの先に救えるだろう、もっと多くの人々を見捨てることになるからだと、厳しくもはっきり言い諭す。 ヴァンさん、マジ兄貴。そしてシアンさんまじオカンやvv
ハイスペックかつ誠実なイケメンがガンガン出てきまくるのに、恋愛色が全然絡んでこないのも、この手の話では珍しいですね。まあリィーンが恋愛に疎いのはそれなりに理由があることが、終わりの方で明かされる訳なんですが。 webコミックの方はなろう版と異なり、かなり最初から『ラスボス』が関わってきています。なろう版だと確かにちょっと唐突感が否めなかったので、これはありでしょうね。っていうか、商業出版された小説版でも、あらすじ紹介見る感じ、そこらへんがだいぶ書き足されているようで。
個人的には、小説版の挿絵よりマンガ版の絵柄のほうが好みですな。 ただシアンさんの表情が、ちょっと優しすぎるかなあ。氷の貴公子が初対面から笑顔浮かべまくってるし。リィーン以外にどんな態度を見せてるのか、コミカライズの絵柄で見てみたいものです。
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No.6880
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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