2015年06月07日の読書
2015年06月07日(Sun)
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本日の初読図書: 結婚し還俗していたライジャの両親が、再び僧侶として迎えられることとなった。しかも惑星全体でも百人と存在しない、最高位ドルガン・ドガールという階位でだ。 二人は夫婦のまま、俗世間での仕事も続ける在宅出家という形をとる。男女が触れ合うことについての戒律も大幅に見直され、家族の絆は尊重するという方針に向かっていた。その先駆けとなった二人の叙任式は、誇張ではなく、トゥルークの歴史と宗教のありかたに大きな影響を与える、世紀の大イベントである。 ジャスミンは数少ない対等な女友達であるエルヴァリータの晴れ舞台に駆けつけたいし、かの夫婦もまた、自分達が昇格するきっかけとなったルゥに、ぜひ参列してほしいと招待状を送ってくる。 しかし先日の大潮やトゥルークの僧侶たちに散々な目に合わされたダイアナは、二度とあの星には降りたくないと、断固拒否する。行く先々で、感応力の強い高僧たちに拝まれまくるルゥも、まったく同じ意見だ。 また一方で、宇宙に何の興味もないリィ達がトゥルークで貴重な経験をしてきた事を知ったジェームズは、自分が素人にも劣る『子供』であると感じて強い不満を覚えていた。『あの』辺境最速の船長ダン・マクスウェルの息子でありながら、お前はトゥルークについてすら何も知らないのかと。周囲からそんなふうに言われて反発した彼は、進学せず中学卒業と同時に宇宙へ出る。そうして現場叩き上げの船長になるのだと言い出す。 周囲の大人たちは口を酸っぱくして止めようとするが、ジェームズはまったく耳を貸さなかった。特にダンなどは、自分もかつては同じことをして成功を収めているだけに、いくら今は時代が違うのだと言っても、まるで説得力がない。 一同、頭を抱える中、いっこうに理解を得られないとすねまくったダイアナとルゥは、手に手(?)を取って、駆け落ちを決行して ―― !?
微妙にラストが駆け足だった、「トゥルークの海賊」全3巻の後日談。 あちらこちらで生じたこまごまとした波紋が、どんなふうに収められていったかが補足されています。 目次こそ分かれていないものの、小ネタ短篇集といった雰囲気が強かったかな。 大潮の時に、ケリー@パラス・アテナが必死な割に余裕をかましているように見えた《アルベルティーナ》船内が、実はけっこう洒落になっていなかった光景&無事着陸してからの一同取り揃った宴会シーンとか。 ダイアナとビーティの感応頭脳同士の会話と、それに参加するブライアンとリーヴス博士(ランバルトの息子とその母)とか。 ティラ・ボーンに帰ったあと、リィとシェラがトゥルークについてのレポート発表を行った結果、聴衆たちは阿鼻叫喚、そしてジェームズが厨二病をこじらせて家出寸前になるとか。 『駆け落ち』したルゥとダイアナを追って、怪獣夫婦がピグマリオン II とミニヨン星系に行ったりとか。 一番の見どころはもちろん、ダレスティーヤとエルヴァリータの叙任式なんでしょうが、ラストのラストでまたもランバルトに持って行かれたりとか(笑)
まあそんな感じで、よくも悪くも同人誌っぽかったです。 イラストも遊び心満載。表紙も表紙だけど(裏表紙がまた笑えるんだvv)、子供っぽい我がまま言うジェームズを物陰から見ながら「ゴゴゴゴゴッッ」ってなってるジャスミンと必死で止める金銀天使とか、どんだけ楽しんで描かれたんだかvv あと叙任式の衣装は、なんというかやり過ぎ(褒め言葉)
ランバルトがうねうねしてるルゥの髪をワシっと掴んで三つ編みしたら、なぜか髪がおとなしくなるというエピソードに萌えました。 リィがやると余計に止まらなくなるという話でしたけど、ケリーも総帥時代にやってましたよね。三つ編みにしてもビッタンバッタン暴れるから、ベッドに括りつけたんだったか。 そこらへんでも、ケリーはまだまだランバルトにかなわないんだなあとか(苦笑) ビバ、最強爺ってことですな。
ところで今回もちょっくら気になった点が。 ダイアナはケリーの義眼を通しても、相手の位置が把握できるだけで、具体的に何をやっているかは判らない。プライベート上の問題もあるからという描写があったんですが。 ……義眼を通して長年その記憶と経験と思考パターンをデータとして記録してきたからこそ、ケリーはクローン体に人格を移植するという技術を実行段階に持って行けたって設定じゃなかったですっけ??
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No.6874
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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