更新情報(2015年05月29日)
2015年05月29日(Fri)
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閲覧室の「その他書架」に、著作権切れテキスト「紳士か乞食か」の(二一)〜(三〇)をUPしました。
いよいよブーンこと獅太さん、御登場。 原作では具体的に出てきた、様々な文献の引用や掛け合いが、「頓智があり通行人の嘲弄には一々相應の挨拶するといふ滑稽者」という一言でまとめられているのが、ちょっと物足りなくもあり。
……そしてこの翻案の文章は、読みの当て字が非常に多く、またどう読んでいいのか判らないのにフリガナついてない単語も散見されて、かなりのところフィーリングで読み飛ばす羽目になっております。 それでもなんとなくの意味は予想できるあたりが、漢字文化圏のありがたいところなんですけどね(しみじみ)
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No.6845
(更新)
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2015年05月29日の読書
2015年05月29日(Fri)
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本日の初読図書: 三大候爵家の中でも、今は没落しているクラインシュミット家。 その末端に位置するメルディ・クラインシュミットは、レティとの視察旅行を経て諦めていた未来への希望を取り戻した。今は王立騎士団への入団を目指して、体力作りや勉強に励んでいる。レティも将来の有能な人材に恩を売っておこうと、様々な助力をしていた。 また同時にメルディは、五年前に起きた変死事件について調査を始めている。それはメルディの従兄弟で、レティの婚約者候補であったマティアス・クラインシュミットが、王宮の四阿の屋根で死んでいたという事件であった。周囲に高い建物などどこにもないのに、彼の死体はどう見ても墜落死の様相を呈していた。場所が王宮であり、被害者がレティの婚約者候補だったこともあり、事件は半ば揉み消されるように詳しく調べられないまま、事故か他殺かすら曖昧な状態で放置されていたのだ。 当時のマティアスはレティと婚姻したのち、彼女を殺して王位を奪うつもりでいた。その野心にただ一人気付いていた幼いレティは、不可解な現象に見える彼の死を、王になるべく定められた騎士王の生まれ変わりである自分を害そうとしたが故に、運命によって排除されたものと考えていた。それ故に責任を感じていたのだが、メルディはまだ犯人こそ絞り込めないものの、殺害方法だけは予測がついている。あれは人間の手でも起こせる他殺だと断言する。 メルディは従兄弟の、レティは婚約者候補の、その死の真相を知ることで、心の奥底に淀む過去の呪縛を断ち切れるかもしれない。レティに忠誠を誓うナイツオブラウンド達も、それで主君の気持ちが少しでも楽になるのならと力を貸した。 周辺諸国の来賓も迎えて大々的に行われる春のミモザ祭に忙殺されながら、彼らは調査を進めてゆく。 しかし祭の催しのひとつ、狐狩りの最中に、メルディが毒矢を射かけられた。果たして狙われたのはメルディなのか、それとも共に馬を走らせていた友人達なのか。メルディが羽織っていたのは銀狼公アウグストの外套であったから、彼に間違われた可能性もあるし、場合によっては誰でも良かったという可能性も考えられる。 メルディ自身は事件について何かを掴んでいたらしいが、意識不明で生死の境をさまよっている彼に、その内容を聞くこともできず ――
前作から引っ張ってこられた、軍師編がここで決着。 最初の頃は「自分の身は自分で守れる。ナイツオブラウンドは形だけ揃えるにすぎない」とか言っていたレティが、ナイツオブラウンド達を信じて様々な仕事を任せられるようになってきました。 ああ、レティも成長したなあ……とかしみじみ思っていたら、終盤それどころじゃなくなったというか。
もうね、えっそう来るの!? いやいやいや、それはないだろう。ああでもレティならやりかねないか? それもありなのか!? と、ものごっつ動揺しながら振りまわされまくりました。 だってねえ、なんだかんだ言ってメルディって、唯一レティを上回るレベルで脳味噌回転させて、高次元な会話を成立させられる天才じゃないですか? デュークはあくまでレティの思考をシュミレーションできるだけだし(それも充分すごいけど)、グイード殿下は『兄』ですから、『その選択肢』もありといえばありなのかなって思っちゃったんですよ。 政略はマティアスに始まりメルディに戻る。 メルディの父親だって、最初はそのつもりだったんですし、それならそれで綺麗に話はまとまるなあ、と。 やー、踊らされました(笑) ここで前の巻のデュークの発言、「下種なことが平気でできる人間がいい」が生きてくるとは……この作者様の伏線の張り方に脱帽です。
メルディの見せた覚悟。 そしてそれを受け止め「想いを背負うのはわたくしの仕事」と言い切るレティの格好良いことよ……
メルディはけして『平気』ではないし、今後もそうなっていくことなどレティが許さないでしょうが、下種でもずるくても辛くても、自分のやれることを精一杯やっていこうと、己の行くべき道を定められたメルディの成長ぶりに、感無量だったのでした。
ちなみに読んでる時は帯とブックカバーに隠れていて、後書きで初めてそれに気付いたんですが……表紙イラストのレティとデュークが、背中合わせで手ェ繋いでるvv やっべえ、あれほどデュークとレティの恋愛模様は微妙とか言ってたのに、なんだかんだ言ってもやっぱり萌えるっっ 特に本文ではデュークが完全に内心を隠しきって模範的な騎士の振る舞いを見せてるので、こういうさりげなーーい接触が微笑ましく感じられます。 てめえらこの大事な局面で色恋なんぞにうつつ抜かしてんじゃねえよ、と思うことが多い恋愛小説も数ある中で、やるべきことをちゃんと全部こなした上で、エピローグにようやく恋愛色をにじませる程度のこの作品は、これはこれでありかなと思えてきた今日この頃です。
さて次は、今回まったく出番のなかった第一王子がメインですかね……? フリートヘルム殿下も魅力的なキャラですし、次回も楽しみです。 やっぱり11番目と12番目は、あの二人なのかなあ……
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No.6846
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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