よしなしことを、日々徒然に……
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 2015年05月22日の読書
2015年05月22日(Fri) 
本日の初読図書:
4063856542寄生獣 寄の章 アンコール刊行 (講談社プラチナコミックス)
岩明 均
講談社 2015-04-10

by G-Tools
ある晩のこと、世界中に奇妙な物体が人知れず降り注いだ。大きさと形はテニスボールに似ている。数は不明。
それらの物体は内部から蛇のような謎の生き物を孵化させた。そしてその生き物は眠っていた人間の頭部へと次々に潜り込み、脳を食ってひそかに成り代わってゆく。
ごく平凡などこにでもいるような高校生、泉新一もまた、その生き物に襲われた一人だった。しかしとっさに抵抗した結果、謎の生き物は脳まで到達することができず、右腕へ寄生するに留まった。
彼の右腕を食らい代わりに擬態したその生き物は、旺盛な知識欲を見せ言葉を学び、宿主である新一と会話を交わすようになる。
寄生生物 ―― パラサイト達は、自由に形を変えることができ、普段は普通の人間に見えるよう装っていた。しかし実際には自由に変形することができ、ゴムのように伸びることもできれば、鉄のように硬くもなれる。人間では太刀打ちできぬほどの怪力とスピードも兼ね備えており、まさしく化け物と言えた。
そして何よりも恐ろしいことに、奴らの主食は『人間』だったのだ。
本能の赴くままに人間を捕食し食べ残しを放置する化け物達の所業を、世間はミンチ殺人と呼んで恐れ騒いだ。
しかしその犯人が人に成り代わった寄生生物なのだと知っている人間は、おそらく新一ただ一人。そして彼の右手に寄生しているパラサイト ―― ミギーもまた、完全な味方とは言えなかった。ミギーは人間を捕食する本能こそ持たなかったが、それでも人間に対して親近感を抱いている訳ではない。新一に対しても、あくまで宿主の肉体的健康を維持する必要を覚えているだけであって、自身の身に不都合を及ぼすのであれば、発声機能や視覚聴覚を奪うぐらいは辞さないと宣言しているのだ。
己の安全と人間としての責任に葛藤する新一だったが、それでも少しずつミギーとの共生生活に馴染んでゆく。
しかし他のパラサイト達は、人間の脳が生き残っている二人の状態を見ると、嫌悪感を露わに襲い掛かってくるのだった。二人は時に協力し合い、なんとかそれらを返り討ちにしていく。
新一の通う高校に赴任してきた田宮涼子という女教師もまた、首から上が寄生生物にすり替わったパラサイトであった。しかも人間社会に適応して一個人としての生活を維持させるだけの知性と、人喰いの冷酷な思考回路を併せ持つ、恐るべき存在である。
警戒する新一に対し、田宮涼子は人間と共存している二人のケースは興味深いから、敵対せずに研究するつもりだと告げた。実際に彼女は普通の教師の仮面をかぶり、日常生活を送り続ける。しかしそれに反感を覚えた他のパラサイト「A」が、新一とミギーを殺すべく、真っ昼間の高校に乗り込んできて……

高校時代、次兄が持っていたのを借りて読み、強烈に印象に残った作品です。
残念ながら引越しの際に次兄は多くのマンガを処分してしまい、この「寄生獣」も長らく読み返せずにいたのですが。先日の金曜ロードショウで実写版を放送されたらもう、読み返したい熱が高まって高まって。
いやはや、マスコミと出版業界の思うツボですね!

このコンビニ向けペーパーバックだと全三冊。B6サイズの新装版だと全10巻、大判サイズの完全版だと全8巻です。程よい長さで完結しているのも好感度高いかと。

このペーパーバック版は、完全に映画公開に便乗した実写デザインの表紙ですし製本も安っぽいですけど、とにかく安くて手軽に読めるのがありがたいです。刊行されたのがつい先月ですから、状態も良くページが黄ばんだりとかも全然してませんし。
ちなみに最初はどれが1巻だ?? と悩んだのですが、何の事はない。
「寄の章」「生の章」「獣の章」で、三冊合わせて「寄生獣」なんですね(笑)

一巻目「寄の章」は764ページ。
「犬に寄生したパラサイトと邂逅、初戦闘」→「人間に(略)、こっちの右腕に引っ越してこないかと勧誘されるも返り討ち」→「田宮涼子の赴任」→「Aが高校に乱入、死者二人」→「母親が旅行先でパラサイトに乗っ取られる」→「新一が死にかけて『混ざる』」→「『脳が残ってる仲間』の宇田さんと出会う」→「母親関連の事件ひとまず収束」→「子犬のエピソード(新一の変貌)」→「パラサイト島田秀雄の転入」→「政府機関がパラサイトに気付いて動き始める」ときて、ラストは島田秀雄が暴走して校内で暴れ始めたところまで収録されていました。

こうやって改めて読むと、確かに映画は相当はしょられてたっていうか、Aと母親を乗っ取ったパラサイトと島田秀雄の三人を、足して二で割ってたんですね……母親のエピソードのきっかけや終わり方についても、かなり改変されていました。確かにこれは、きちんと内容覚えてるファンなら怒るわなあ(苦笑)

自分としては、何年も前に読んだっきりなのに、細かいストーリーはともかくあちこちのコマの絵が未だに記憶に焼き付いていることにびっくりでした。

そして猟奇的な表現に目を奪われがちですが、ミギーが人間味を増していく一方で新一がパラサイトに近付いていく意識の変化の推移とか、人間という種のあり方への問いかけとか。生きるとは何か、生物とは何か。食べることの意味は、繁殖とは。などなど、様々な部分で奥が深いなあとしみじみと。
やっぱり記憶に残る作品というのは、それだけの深みとパワーがあるんだと思いました。

一気に読むのはもったいないので、二巻以降はまた後日じっくりと楽しもうかと。
No.6829 (読書)


 ……読みたかったんだもん
2015年05月22日(Fri) 
本日、仕事から帰宅した私の手には、こんなものがありました。



あー……(遠い目)

いえね、4月に実写映画第一作が金曜ロードショウで放送されてから、読み返したい読み返したいと言い続けていた私は、見事にメディアに踊らされているのでしょう。
おそらく映画公開前は一冊108円とかで売られていただろう20年以上前の古本が、旧版コミックの「コンディション可」ですら、2015年5月現在、10冊セットで安くても送料抜き3千円超。完全版とか文庫版に至っては、7〜8千円から万単位の値段がついているぐらいで。たぶん今が一番、高騰している時期なんじゃないでしょうか。
しかたがない、映画ブームが去って相場が落ち着くまで待つか……とか思っていたのですが。

新しい通勤路は、ちょっと遠回りするといわゆる新古書店があるんですよ。ちょっと覗いてみようかなと思ったのは一昨日のこと。しかしその日はうっかり忘れてしまい、自宅近くまで帰ってきてから「ああっ」と頭を抱えていたんです。
でもって。
今日はちゃんと良いタイミングでそれを思い出し、えっちらおっちら自転車を漕いで辿り着いた先で、まずはセット売りコーナーからチェック。ない。高価買取りコーナーもチェック。ない。続いて108円コーナーをチェック。……旧版の最終巻しかねえ(−ー;)

状態がそこそこの通常コーナーだと、あったとしてもだいたい一冊350円の値が付いてるしなあ……と。半ば諦めつつ、ふと「そういやペーパーバック版なんてのもあったな」と、コンビニ廉価版のコーナーを見てみたのですよ。
そしたらまあ、全三冊取り揃ってるじゃないですか。しかも状態のかなり良い、先月アンコール刊行されたばかりの最新版が!
ひっくり返して値札をチェックしてみたら、ネット上での相場の半額以下。

そんな訳で立ち読みですまそうかという選択肢は消え、速攻でレジに持って行きました(笑)
しかもレジでは「この値札、間違ってますね」って言われて、さらに100円引いてもらえたしvv

表紙が実写版なのがちょっとアレですけど、内容を読むには問題ありません。

やー……リアル古書店ってのも、やっぱり馬鹿にはできませんねえ。
品揃えを考えると、全国規模で展開しているネット通販には一歩譲りますが、それでもこういう出会いがあるから、たまにはリアルのお店にも足を運ぶべきなんでしょう。

うふふふふ、念願の寄生獣。しかもページが黄ばんでない、ほぼ新品vv
じっくりしっかり楽しんだら、やっぱり裁断してPDF化するべきか、それとも大事にとっておくべきか……
No.6830 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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