更新情報(2014年12月12日)
2014年12月12日(Fri)
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「閲覧室」の「オリジナル小説書架」で、「骨董品店 日月堂」第十六話、「雨月露宿」の第二章をUP。 口絵イラストに描かれていたマフラーの登場ですvv ……変装したほうが、むしろ怪しい度合いが減る晴明くんでした(苦笑)
そして本文中で「譲と同年代」とか書いてますが、それはあくまで見た目がそう見えるってだけです。譲は外見相応に二十代半ば。 沙也香さんの年齢は……乙女のヒミツ★ です(^ー^;;)
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No.6417
(更新)
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2014年12月12日の読書
2014年12月12日(Fri)
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本日の初読図書: 烏金とは貧乏人が、その日暮らすのに必要な銭を、朝カラスがカアと鳴く時に借りてゆき、夕方カアと鳴く時間に一日の稼ぎの中から利息をつけて返すことから名がついた、その日払いの日銭貸しのことだ。一日一割の利息を払えなければ、元金に追加されて、どんどん借金は膨れ上がる。 江戸は三軒町に住む因業な金貸し婆ことお吟の元へ、浅吉と名乗る若い男がやってきた。田舎から出てきて日雇い仕事をしていたが、先日の火事で焼け出されてしまい、住むところがないと言う。そうして彼は、どうせなら今までしたことがない仕事をやりたいから金貸しの手伝いをさせてくれと、半ば無理矢理に転がり込んだ。 お吟の助手となった浅吉は、焦げ付いた厄介な借金を持つ人々にさまざまな知恵を貸し、新しい働き口を見つけてやったり商売の方法を工夫させることで、見事に貸し倒れ寸前だった借金を回収してゆく。 人当たりの良い笑顔と、親身になって相談に乗ってくれること。そしてマメに気を遣ってくれることなどから、浅吉はだんだん人々の信頼を勝ち取り、客に笑顔で挨拶されるという、いっぷう変わった借金取りになっていった。 しかしそんな浅吉には、大きな秘密があったのだ。 実は彼は、最初からお吟の財産を目当てに近付いたのである。 お吟は溜め込んだ金を、烏のようにどこかへ隠しているはず。それを見つけ出し、丸ごとせしめるのが浅吉の目的だった。返せぬ借金を整理して、首が回らぬ貧乏人たちに生記の道を世話してやるのも、お吟を儲けさせることでいずれは自分の懐に入る金を、少しでも増やしてやりたいがため。 果たして浅吉は、首尾よく大金を手に入れられるのか……?
西条さんの江戸もの。今度は因業(?)な金貸しのお話です。 「お江戸の企業アドバイザー、走る!(坂木司)」なんて解説文に、思わず笑っちゃいましたvv 貧乏浪人には商家の用心棒の口を紹介し、潰れる寸前だった八百屋には、質のいい仕入先や取引先と引きあわせつつ、目玉商品になるよう、やはり身売り目前だった少女の作るめっぽう旨い漬物を店に置かせる。 多重債務に押しつぶされかけていたお武家さまに、借金と現在の資産を残らず書き出させ、不正に多く取られていた利息を洗い出しつつ、利息の多いものから優先して返却させてみたり。 カッパライで食いつないでいた浮浪児達を説き伏せて、元手を貸してやり、稲荷寿司売りを始めさせてみたりと、もはや金貸しというよりコンサルティングな投資家。 すべてが順風満帆に行く訳ではなく、危ない目にも遭うし、計算違いもたくさんある。 お吟さんとの関係だって、元の目的が目的だから、認められてハイおしまい目出度し目出度しではすまないし。 あちこちで裏切られたり、恋に破れたりといろいろあるけれど、それでも最後の最後には、切なくも温かな読後感を味わえました。 一生懸命生きている人には、ちゃんとそれに応じた報いがあるんだよと、そう思えるお話です。
……とか言いつつ、実は読んでて一番ほっこりしたのは、浅吉の相棒で、雛の時から育ててやったカラスの勘左との絆だったりするんですが(笑)
ちなみに浅吉さんが金勘定に強いのは、算学を学んでいたからだと、ちゃんと理由付けができています。 江戸の頃に流行っていた和算って、いま見てもものすごく難しい問題を、計算機もなしに解いちゃうんだから、ほんとにすごいんですよね……
個性的な脇キャラ達の、今後がちょっぴり気になる一冊でした。
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No.6422
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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