よしなしことを、日々徒然に……
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 2014年04月09日の読書
2014年04月09日(Wed) 
本日の初読図書:
4062127377日暮らし 下
宮部 みゆき
講談社 2004-12-22

by G-Tools
葵の死体の側にいたことで、佐吉が自身番に引っ張られた。しかし湊屋が裏で手を回し、事件はなかったことととして無事に釈放される。だがその手配りをしたという事実は、湊屋が葵を殺したのは佐吉だと思っていることに他ならなかった。しかし平四郎や弓之助達は、佐吉の仕業ではないと信じている。……いや、あるいは相手が葵であれば、万に一つは佐吉が手にかけることもあるかもしれない。だがその場合、佐吉は正直にそうだと告げるだろう。だから彼が「やっていない」と言う以上、本当にやってはいないのだ。ならば真の下手人を突き止めなければならない。誰がなぜ葵を殺したのか、自分達は知りたいのだ、と。
そう心に決めた平四郎と弓之助は、政五郎達と共に調べにかかった。
葵のもとで小女をしていたお六や、湊屋の長男の宗一郎などから話を聞いてゆくうちに、これまでは佐吉の側からしか知らなかった葵や湊屋総右衛門の事情、人となりが少しずつ紐解かれてゆく。
おふじの不義や葵の悔恨、総右衛門があちこちの女に手を出しては外腹の子供を産ませてゆくことになったきっかけ。
やがて弓之助とおでこの推理を元に、意外な下手人の姿が浮かび上がる。
しかしその下手人もまた、悲しい過去にとらわれていて。
葵がお六を救うために使った幻術使いの一座の力をも借りて、平四郎らはもつれきった因縁の糸を解きほぐしてゆく……

前巻は短編集でしたが、今作はほぼまるまる一冊「日暮し」で埋まっていました。最後にエピローグっぽく「鬼は外、福は内」という後日談が入っています。
前巻でのあれがここに繋がるか! と細かいところがちょこちょこリンクしていて、読んでいて非常に楽しかったです。あと表紙。表紙に書かれている手書き文字を、ここで使うか! と。ううむ見事。
また前作「ぼんくら」でずいぶん冷たい人でなしに思えた湊屋総右衛門や葵も、やっぱり血の通った『人間』だったんだなあとも思わせられ。うん、やっぱりこの作品はここまで三冊まとめて読まないと、気持ちがしっくり落ち着かないですね。
ずっと心配だった佐吉さんは、いろいろ吹っ切ってちゃんと自分の人生を生き始められたようで一安心。
代わりと言ってはなんですが、石和屋の包丁人 彦一という別の意味で心配なキャラクターが出てきてしまいましたが(苦笑)
このシリーズはもう一冊あるっぽいので、そっちでは彦一さんどうなってるのかなあ。あと今回ほとんど出番のなかった、湊屋の渋み走った影番頭さんとかvv

キャラクターといえば、弓之助はまたずいぶん成長したというか、推理のレベルがもはや超常現象(笑)
なんだかちょっぴりホームズさんを思い浮かべてしまいました。いやホームズさんに比べるとずっと人間らしくって可愛いんですけどね。でもいくらお江戸が狭いとはいえ、ああも的確に過去の事件との関わりを探り出せるのは、ほんとに超能力だと思うんだ(苦笑)
現実のものを測量するのはもうやめて、今度は目に見えないもの ―― それは人の心の中だったりしがらみだったりするのですが ―― を測るようになった彼は、つるりと一皮むけた感じです。最後に下手人を救う手配りも、平四郎そっちのけでやってのけちゃって、叔父上立場がないったら(笑)
まあ平四郎さんは平四郎さんで、物事を誰のためにも良くなるように片付けるという、『大人』の気配りがあるので、まだまだお子ちゃまの弓之助ではそこらへんかなわないんですけどね!

……世の中は、けして湊屋を中心に回っている訳ではない。
湊屋がどれほど豪商で、過去にどれだけの因縁が渦巻いていようとも、世間は広く湊屋の外にも様々な人の営みがあり、因縁がある。それは湊屋とは縁もゆかりもない人々もそうだし、あるいは鉄瓶長屋で平和に暮らしていた人々もそうでした。
自分達の関わりの中だけで、ある意味手前勝手にうだうだやって他所様に迷惑をかけまくっていた湊屋の面々は、今回ある意味、横っ面を叩かれたような結末だったと思います。
そういう意味では、鉄瓶長屋のあれこれでモヤモヤしていた私は、ちょっと溜飲が下がったというか、やっぱり因果応報な展開が読んでいてすっきりするなあと思ったのでした。

そういう意味で湊屋のあれこれにめげることなく、お徳のお菜屋が成功しているのと、佐吉が元気になったのが心から嬉しかったのでした。
No.5740 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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