2013年02月20日の読書
2013年02月20日(Wed)
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本日の初読図書: 豊臣秀吉が天下の諸大名を総動員して行った、北条は小田原城攻め。 莫大な権力と財力を見せつけるかのような、圧倒的勝利で終わったその戦の裏で、最後まで戦い抜き本城が落ちるまで抵抗し続けた支城があった。 その名は武州忍城。石田三成の武将としての経歴に、決定的な汚点を残してのけた城である。彼らは女子供を含むわずか三千人をもって、二万の兵を相手に戦をしてのけたのだ。 兵を率いたのは、城主の従兄弟である成田長親。 城主は既に秀吉へと内通しており、本来ならば忍城は早々に開城するはずであった。しかし使者の傍若無人な態度から、長親は開戦を言い出す。血の気の多い板東武者の末裔達も、それに同調した。 図体こそ大きいものの、てんでものの役に立たない男。野良仕事が大好きで、百姓に入り交じっては手伝おうとし、あまりの不器用さに追い払われる役立たず。ついたあだ名がでくのぼうの「のぼう様」。 そんな長親を周囲の者達は呆れ、見下し ―― そうして、自分らが守ってやらねばどうにもならぬと、苦笑いして立ち上がる。 彼が心底から手のつけられない愚者なのか、はたまた底知れぬ将器を持つ賢人なのか。それは誰にも判らない。 そんな「のぼう」の城の、戦いを語ってみよう……
映画で話題になっていた作品の、原作です。 最近になって時代物を多少なりとも読むようになり、ようやく戦国時代の基礎知識が、いくらかでも頭に入ってきた今日この頃。小田原攻めについても、なんとなーくのイメージはできてきましたが、この忍城の話は初耳……って、あれ? もしかして腕白関白で出てたかも。っていうか、甲斐姫って腕白関白のメインヒロインじゃん!? と気付いたあたりで、いっきにテンションが上昇(笑) そっかー、あの城の話かあと、楽しく読み進められました。 で、内容についてですが、かなり読みやすいです。もっとお堅い歴史小説を想像していたら、むしろライトノベルとかキャラクター小説に近い感じ。ちょっと調べてみたら、もともと映像化を念頭に置いた、脚本を元に書かれたノベライズだとか。妙に納得です。 有名どころの石田三成とかはもちろん、忍城の幹部連中などもおそらく無名に近い、初めて名を聞く侍ばかりだったんですが、まあキャラの立ってること立ってること。 特に靭負(ゆきえ)という若武者は、映画で相棒の成宮寛貴が演じてらしたそうですが、もうイメージぴったりで。完全にあの人の顔でしか思い浮かびませんvv そして主役(?)の「のぼう様」は、本当に愚かを装ってる賢人なのか、単にすべてが良い方向に転がっただけの行き当たりばったりさんなのか、よく判らないままにラストまで。 確かに見せ場はありましたが、いまひとつ掴めないお人でした。これは謎の「のぼう様」を中心にした、周囲の人物の物語と言えるのかもしれません。
あと意外かつ嬉しかったのが、石田三成がそれなりにちゃんと格好良かったこと。 絶対に勝てるはずの戦で、失策と時間切れのため名を落としまくった頭でっかちの愚将として描かれているとばかり思っていたら、どうしてどうして。戦国の男として、人としての美学を追求し、それ故に現実主義の武将達との間に軋轢を生じつつ、それでも彼なりに一本通った筋を持つ人物として描写されておりました。うん、悪くない。
個人的な不満点を言えば、甲斐姫の扱いですかね……もうちょっと、のぼう様との間になんらかの接点というか、決着をきちんとつけてほしかったなあ。ある意味、靭負の粘り勝ちと言っても良いのかもしれないけれど。
……原哲夫さんで、この話マンガにしてくれないかなあ(笑)
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No.4569
(読書)
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おもしろくなってきた
2013年02月20日(Wed)
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ドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」は、ついに太宰治の「晩年」ですな。 1巻目のクライマックスであり、どこか一線引いていた栞子さんと大輔さんの関係を一気に近づけたこのお話は、どうやらドラマだと前後編な模様。 ちゃんと放火事件もあったし、大輔さんが頭回転させて自力で犯人にたどり着くし、それなりにしっかりした内容だったんじゃないでしょうか。 オリジナルキャラだった喫茶店のマスターも、なんでこんな無駄キャラ増やすんだろう?? と思っていたら、まさかのレッドヘリング要員だったとは。道理で怪しすぎる気持ち悪い人だとつねづね(笑) ドラマの改変で初めて感心した部分かもしれません。
ちなみにいっしょに見ていた母などは、ラストの栞子さんの行動に「なんで屋上に逃げるのよ。病室にいた方が安全じゃない」って……うん、その指摘はすごくもっともで正しいんだけれど、母よ、あなた原作読んでるじゃんよ。ほんっとーにパラ読みですぐに内容忘れるタチなのね(苦笑) そのくせ「ドラマのキャストはイメージに合わない!」とか文句垂れまくってるのはどうなんだヽ(´〜`)/ ああでも確かに、「いつの間に誰が病院の金庫へ『晩年』入れたの」ってツッコミには激しく同意する。栞子さんが長期入院しているという設定を改変しちゃったから、緊急入院したのに『晩年』が持ち込まれているうえ、その鍵がネックレスになっているという無理が生じているのがちと気に掛かりました。
今後については、次回で「足塚不二雄 UTOPIA」も混じるっぽい。 ……この調子だと、ドラマはどこまで話を進めるんでしょうね。そして「口が軽い」属性を喫茶店のマスターに奪われた弟は、はたして母親との「関係」を残してもらえるんだろうか……? 個人的にはぜひもう一度、坂口夫妻にご登場願いたいところですが、無理かなあ。
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No.4570
(映像)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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