2013年01月21日の読書
2013年01月21日(Mon)
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本日の初読図書: 最初に読みかけて挫折した、児童向け全三巻の1冊目。返却日を明日に控えて、ぎりぎりでなんとか読了。 今回は気にかければいい人間と地名などがなんとなーく頭に入っていたので、どうにか最後まで読み通せました。この巻は有名な孔明出馬のエピソード『三顧の礼』までを収録。柴錬版だと中巻の終盤までの文庫1000ページ近くが、大きい活字&ひらがな多用にも関わらず300ページほどで語られています。……しかも前書きによれば、基本的な本筋はちゃんと拾ってあるそうで。それはもう、どれだけシンプルな文章になっているかは、おして知るべし。なんだか粗筋を読んでいる気分で、各キャラクターの個性とかが全然頭に入ってくれませんでした(−ー;) それでもスタンダードな『三国志演義』の知識を、要点を押さえて仕入れられるのは助かります。これはちゃんとした知識を持っている人が、「あそこどうだったっけ?」と確認したり、雰囲気を思い出しながら楽しむのに使うと、便利なんじゃないでしょうか。
とりあえず、ざっと気に留まった、柴錬版とこの『演義』の違いはというと、
・三人の出会いは柴錬版の方がドラマチック。ただし柴錬版には『桃園の誓い』がなく、演義では「兄上」呼びしているのが「わが君」になっている。 ・演義だと聡明で、義父のために身体を張って呂布と薫卓の仲を裂いた王允の義娘が、柴錬版だと単に思慮が浅くて器の小さい悪女になっている。 ・呂布が矛を射て劉備と袁術を和解させるエピソードが、柴錬版にはない。 ・演義では孔明と曹操が事前に出会ったりしないので、曹操が首の代わりに髪を切るシーンも普通に格好良い。 ・張飛が策略の一環として半殺しにした一兵卒は、演義によるといちおう悪い奴だった。 ・袁術、袁紹などの死に様が微妙に違い、柴錬版の方が格好良い。でも呂布の最期は演義の方がちょっとマシ。 ・医師吉平のエピソードが、柴錬版だと全削除。 ・趙雲が裴元紹を殺しちゃったのは、裴元紹の自業自得(待機中に馬泥棒をしようとした)だったらしい。 ・孫策の死に様は、演義だともっと妖術っぽいものが関わっていた模様。 ・袁氏兄弟の末路に関わる戦争まわりは、柴錬版ではざっくり解説のみ。 ・柴錬版では徐庶が母の手紙を偽物だと見抜きつつ、あえて助けに行っているが、演義では完全に騙されている。
とまあそんな感じで、基本的に演義の方では妖術などの超常現象が当時の常識として普通に語られ、柴錬版の方が現代に合わせて科学的考察を重視。そして半ば当然ながら、柴錬版の方は作者の好みにより場面の取捨選択&キャラクターの英雄化が激しいといった感じでしょうか。 でも少なくとも今のところは、基本的な流れに差はありません。うん、まずは良い小説から入ることができたのかな?
この岩波版は、たぶん中巻で赤壁メインに語り、下巻では世代交代後に孔明さんががんばるあたりをやるのでしょうか。 ……とりあえず中巻ぐらいまでは借りてみるべきか……(悩)
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No.4488
(読書)
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赤い壁の感想追加
2013年01月21日(Mon)
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……家族から呆れ顔をされつつ、レッドクリフの1と2、計4時間超をもう一回見てみたりとか。しかも早送りとかいっさいなし。最初から最後まで、がっちり再生。 うむ。余計な先入観を捨て、感情移入するべきキャラクターと重視するべき場面を把握して見直すと、ひとつの映画としてちゃんと楽しいと思えるようになりました。 そもそもこの短時間でもう一回見ようと思える段階で、かなりおもしろかったことも確かなんですが。
ちなみに初見時の感想はこちら。
とにかく演義における周瑜の扱いとか、彼の未来がどうなるのかとかを全部頭から追いやって、「この人が主役! 活躍する人!」と割り切った気持ちで眺めること。 そして演義ではほとんど記号扱いになっている女性陣の活躍も、笑ってそういうものだと受け入れること。 その二つが、この映画を楽しめるかどうかのポイントだと思いました。
あと二度目にしてようやく、メイン武将を(ある程度)見分けられるようになったので、各自の見せ場となる戦闘シーンで何が起こっているのかが把握できました。甘興とか、最初は敵なんだか味方なんだか全然判ってませんでしたからね……そしてよく見てみたら、劉備もちゃんとラストの戦場とかで活躍してたよ(笑) 関羽や張飛も過剰な期待をせずに見ると、普通に充分格好良い。 なによりも劉備のアレが周瑜と話し合った上での策略だったと判っていると、すっごく心が安らかになりました。 冒頭の新野の戦いでも、軍は壊滅したものの民は守り通した点で、仁義を重んじる名君という点をちゃんと表現できてますものね(柴錬版では結局窮民もろとも壊滅し、数十騎だけで落ちのびていた/苦) そう、演義で描かれる仁義馬鹿な劉備のことを一切無視し、映画だけを率直に見れば、「仁義だけでは勝てない。生きることを考えるのも必要だ」というその決断は、武将としてむしろ正しい英断なんですよ。どうせなら最初からそうあれよと言いたいぐらいに、上に立つ者としてまっとうな言動。
……そんなわけで。 うっかりノベライズをポチッてみたりする自分がいたりとか(苦笑) 映像作品のノベライズというのは、かなり微妙なモノが多いのですが、感想レビューを見た感じ、これはそう評判が悪くないみたいなので。 少なくとも、ちゃんとプロの小説家が書いていらっしゃるようなので、文章が壊滅的なことだけはないでしょう。……ない、よね? とりあえず、映画を見ていない人にも内容が伝わる書き方がされていることを切に祈ります。キャラの外見とか建物の内装とか風景、状況描写などなど、「どうせ本編見て知ってるだろ」とばかりに、まったく描写されない台詞八割なノベライズも世の中多いですから。ああいうのは本編を見ないで読むと、本当に参ります(−ー;) それとストーリーやキャラの性格が、まるで別物バージョンもなんだかなあと言うところ。 あれのとかこれのとか、いろいろあったよなあ……(遠い目)
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No.4489
(映像)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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