2012年08月02日の読書
2012年08月02日(Thr)
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本日の初読図書: 数百年にもわたって中央共和宇宙から隔絶されていたため、独自の文化をはぐくんできた惑星トゥルーク。「大いなる闇」をあがめる僧侶達が大きな発言力を持つその星には、様々な政治的思惑から一般人の立ち入りは制限されていた。 僧侶達の中でもかなり高位にあるアドレイヤは、ルゥを「大いなる闇」の顕現した姿だと呼び、崇拝の念を露わにしている。トルゥークの高僧達の目には、それは一目で分かる明らかな事実だということだった。実際彼らは特異能力としか思えない不自然な程の勘の鋭さを持ち、他者の嘘も欺瞞もたちどころに見抜いてしまうなどの力を持っている。 そんな僧侶が数多くいるというトゥルークで、いま大きな問題が起きていた。貨物船が宇宙空間で、立て続けに襲われているのだ。連邦宇宙軍の護衛艦も、原因不明の異常を起こし、海賊船をのがしてしまうのだという。 海賊達が狙っているのは、どうやらトゥルークの特産である藍王木と白籠岩らしかった。これらは染め物や工芸などに使われる、ごくありきたりの材料なのだが……実は加工することで、とある特殊な薬物を作り出すことができる。トゥルークの僧侶が修行で使用するその薬物は、用法を誤れば恐ろしい麻薬ともなった。そして最近、共和宇宙の上流社会で密かに蔓延しつつある新しい薬物「パーフェクション」は、その薬物に酷似した効果を持っていたのである。 戒律によって嘘をつけない僧侶達は、全員が薬物の製造密売には関わっていないと誓った。しかし現実に薬物の生成方法が外部に洩れているようだし、逃がすはずのない海賊達が幾度も逃走している。 トゥルークを調査する必要を感じた連邦だったが、トゥルークで絶大な信仰を集める僧院に官憲の手を入れることは、深刻な国際問題を引き起こしかねなかった。そしてなによりも、特殊能力を備えた僧侶達と、まともに相対できるだけの人材が存在していない。さらには宇宙空間で海賊達をも相手取るとなると…… 思案の末に元主席マヌエル一世が白羽の矢を立てたのは、ジャスミンとケリーの二人だった。 二人はさっそく惑星トゥルークに向かったが、そこは剛胆な彼らをして幾度も言葉を失わせるほど、想像以上に「常識」からかけ離れた土地で ――
「天使たちの課外活動」とリンクした、大人サイドの新シリーズです。シリーズというのは語弊があるのかな? 何冊続くかは判らないけれど、とりあえず続き物。リィ達は噂話でしか登場せず、もっぱら怪獣夫婦が惑星トゥルークで、ライジャの両親や兄姉達などとドタバタを繰り広げております。 ううむ……個人的に怪獣夫婦サイドの方が好きなので、彼らが活躍してくれる長編は非常に嬉しいのですが。しかし茅田さんはどこまでこの作品世界を広げるつもりなのでしょう。 ぶっちゃけ、この新作をちゃんと内容把握しようと思ったら、最低でもデルフィニア本編18冊、スカウィ6冊、暁の天使7冊、クラブレ16冊、課外活動2冊で、ええと……49冊か? それだけを読まないとならないって、途中から興味を持って手に取ろうとする人間には、非常に不親切なんじゃないかと、他人事ながら心配になってしまいます。 私自身、携帯サイト yorimoba とやらで公開されているという前日譚的短編を読めていないので、ところどころよく分からない部分が。前作は割とすぐに紙書籍に収録されてくれたけど、今度はどうかな……
追記:
中央公論社のHPでも公開されました。
■大いなる闇が来た トゥルークの海賊序章 - C★NOVELSドットコム http://www.c-novels.com/kayata/
※要最新 FrashPlayer ってあたりが微妙にもにょる……
中央公論社のHPからも消されたようですね。 現在、「トゥルークの海賊」3巻に収録されています。
お話自体は、まだ始まったばかり。とりあえず1巻目の今回は、惑星トゥルークと僧侶達の特殊性を解説&新キャラ紹介でほぼ埋まっておりました。 うがった見方をすれば、怪獣夫婦とダイアンが無敵チートと化してしまったので、彼らが苦戦するような新たなステージを用意する必要があったのかとか。 そしてリィ達子供サイドではすっごく大人で完全無欠に見えた、お師匠様ことアドレイヤさんが、こちらではなんだか可愛いvv むしろいきなりご登場のお師匠様のお師匠様、ライジャのお父上でもあるミスタ・ロムリスとお母上ミス・シノークが格好良くて格好良くて。 珍しくもジャスミンと対等に会話できるミス・シノークは、ジンジャーに続く良い友人になってくれそうで、今後が楽しみです、 高僧の中では一番下位のライジャ視点からだと揺るぎない一枚岩に思えた僧院にも、もっと高位の立場から眺めるといろいろ問題が多そうで。あと「ほんとにライジャの兄姉??」と思っちゃうような、ふっつーの感性を持ってる兄姉達は、いっそようやく一人立ちしたミニラあたりに人生相談できれば良いんじゃないかとか。きっとものすごく理解と共感をもらえると思うんだ……
そして最後にようやく海賊が登場。そうか、タイトルの海賊ってケリーのことじゃなかったんですね。グランド・セブンとシェンブラックは、これまでの描写こそ少なかったですが、それでもシェンブラック爺さんとラナート様を汚すのは許さん! というわけで、次回はケリーに活躍して欲しいところです。 ……ああでも、すぐにやっつけちゃうと話がそこで終わっちゃうから、きっと最初はうまくいかなくて、いろいろ引っ張られちゃうんだろうなあ。
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No.3969
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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