よしなしことを、日々徒然に……
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 2012年07月30日の読書
2012年07月30日(Mon) 
本日の初読図書:
4061828118魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)
田中 芳樹
講談社 2012-06-07

by G-Tools
十一名もの女性を監禁拷問し殺害した殺人鬼 日下公仁(きみひと)。投資の天才だった彼は、数百億という金を動かす資産家の顔に隠れて、おぞましい快楽殺人を繰り返していた。当局の手を逃れ国際指名手配された日下は長らく行方をくらましていたが、このほどシベリア東部に潜伏しているという情報が入った。
薬師寺涼子を煙たがっている……もとい、できるだけ国内で問題を起こして欲しくないと考えている刑事部長は、これ幸いと涼子をシベリアへ送り込むことにした。たとえ成果など挙げてこなくともかまわない。一週間でも二週間でも不在でいてくれさえれば、それでいいとの思惑が透けて見えていたが、涼子は意気揚々とシベリア奥地へ飛んだ。お供はいつものごとく、泉田警部補と安部巡査、呂芳春こと貝塚巡査の三名である。
そこは町長が警察署長を兼務しているような田舎町で、領事館から案内としてつけられたのは、現地雇いの中年ロシア人ペトさんただひとり。首都近郊でテロが起こったためそちらに手が取られ、応援が来るのは早くて二週間後だという。だがそれは涼子にとって、好き勝手に行動できる時間が与えられたと言うことに等しかった。
ツンドラの森の奥深くには、旧ソ連時代の忘れ去られた秘密都市の廃墟が、いくつも存在しているという。そのひとつに日下が潜んでいると考えた一行は、機銃砲座を備えた走行兵員輸送車を調達し、深い森へと分け入っていった。
しかしその森には、人間を胴体から食いちぎるような、正体不明の恐るべき猛獣が徘徊していて……

5年ぶりでしょうか。薬師寺涼子シリーズ。いそいそと購入いたしました。
表紙で盛大なネタばれをしている是非はともかくとして、相変わらず垣野内さんの美麗イラストが素敵です。口絵の泉田警部補に悶えたファンは、けして私だけではあるまいvv
前作が正直微妙だったので心配していましたが、今回はちゃんとお涼がお涼。泉田警部補も、ちょっとやりすぎなんじゃないかってぐらい活躍しまくっていました。
そうだよ、このシリーズの醍醐味は、いかにも大物そうに登場する悪役を、コテンパンにけなし、くさし、高笑いするお涼の背後にひっそり控える有能な忠臣泉田(&マリーとリュシー)なんだよ!
ちょっと怪奇成分が少なかったり、悪役がいかにも背景ありげに風呂敷広げまくった割りに最期が本当に「え?」みたいなだったとか、原発関連の批判が鼻についたのとかが微妙にアレでしたけど、それ以外はおおむね面白かったです。ジャッキーが出なかった代わりと言ってはなんですが、魅力的なサブキャラが男女共に活躍しましたし。

それにしても、周囲から生暖かい眼で見られている、お涼と泉田警部補の無自覚ないちゃつきっぷりが……おまえらもうけっこ(以下略) 泉田警部補は本当に、ほんっとーーーに判っていないのか? 無意識にストッパーかけているのか??

難癖っぽいものをつけるなら、ちょっと文章の練りが甘いかもでした。
立ち回り時などで人間の位置関係が判りにくかったり、英仏露しか話せないはずの人間が、いきなり日本語の会話に割り込んできたりと、ところどころ「あれ?」みたいな部分が。 銃つきつけられて監視されていた人間が、いきなり全員静止もされずに駆け寄ってきたり、人質を羽交い絞めにしていた人が次のシーンでは手ぶらになっていて、気絶でもさせたのかと思っていたら、人質は部屋の隅でポツンとしていたりとかとか。あと夜光曲の時も気になりましたが、泉田さんがいきなりキレて記憶をなくすほど我を失うのはどうかと……

でもまあ、細かいところは気にしない。
いつもの薬師寺涼子節を楽しみましたvv

ああ、いっそお涼がサーベルタイガー一頭ぐらいつれて帰っちゃえば良かったのに。物語の展開的に無理だったのが非常に残念です。表紙イラストのアングル、ゴージャスでほんとに格好良かったのになあ……

あれ、ところで結局、日下の存在を日本にリークしたのは誰だったんだっけ?? シベリアを開発したかったロシア政府?
そして日下はどうやってあんな武器を体内に仕込めるような技を身につけてたんだろう……
No.3956 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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