よしなしことを、日々徒然に……
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 ブックマーク その後
2012年05月22日(Tue) 
昨日の記事で気になると紹介していた、スワンタッチの自動しおり
よくよく考えているうちに、自作できる目途が立ちました。
そう、なにもあんなふうにスタイリッシュかつ複雑な形にする必要はないんですよ。プラ板を綺麗なカーブに切る自信がないのなら、直線にすればいいのです。
そんなわけで作ってみました。



材料は以前、保険屋さんからもらったA4のクリアホルダー。表には保険屋さんの広告がプリントされていますが、裏は半透明の無地です。色といい厚さといい弾力といい、ちょうど良さそうだと選択しました。
大体のデザインはエクセルのクリップアートで試行錯誤しつつ作成し、フォトショップで細部を整え。できるだけシンプルをモットーに、必要最低限の部分(くちばし、首、胴体)を本のサイズと首っ引きで設定しました。
で、完成品はこんな感じ。



……スワンというより、むしろ馬? 恐竜??
いちおう引っかからないように角は丸くして、特にしおり(くちばし)部分の内側は、めくったページがすべりやすいよう斜めにカーブさせてみました。それ以外は加工しやすいように、ひたすらまっすぐです。
輪郭をプリントアウトした紙に、外寸ほど合わせて切り出したホルダーシートを重ねて、セロテープで貼り付け。内部部分をカッターで切り抜きました。カーブ箇所のみハサミを使用。思ったより簡単に、ずれることもなく作業終了vv

でもって、ネックのひとつだった本に直接貼り付ける使用法については、本と同じサイズに切った紙にテープで貼って、その紙を本の最終ページに挟むという運用で解決されました。



紙のサイズを本に近づけることで、しおりを挟むときにいちいち位置調整を考えずにすみます。また異物を挟んでいるという違和感も減ります。特にしおり本体は左右の真ん中あたりに貼ると、ちょうど良いと思います。

使ってみたところは、こんな感じ。



ハヤカワ文庫600ページ超でも、ギリギリなんとか。
そして商品版には色がついてましたけど、これなら半透明なので、文字に重なっても読む邪魔になりません。
読書中、急の用事ができたり眠くなったときなど、そのままパタンと閉じるだけで自動的にしおりが挟まってくれます。病院や銀行の待ち時間に呼ばれたときとか、便利なんじゃないでしょうか。
うむ、なかなか良い物が作成できたvv
うっかり三つも作ってしまったので、それぞれ文庫用、新書用、四六判用にセット。
ブックカバーと合わせて、また快適な読書が楽しめそうです♪
No.3777 (創作)


 2012年05月22日の読書
2012年05月22日(Tue) 
本日の初読図書:
「艶容万年若衆」三上於菟吉

桜も散り果てた卯月なかばのこと、浮世絵師の露月は素晴らしく美しい若衆に出会った。年の頃、まだ咲きも盛らぬ十六七。艶々しい若衆髷は心持ち鬢のほつれた黒髪で、夢見るような瞳は夜の華を思わせる。なんとも美しくあでやかで、物やさしい美少年であった。
学者であった父の影響を受け、向学心にあふれる純粋な彼は、名を呉羽之介といった。そのうるわしさに魅せられた露月は、どうにかしてこの絶世の美の化身を未来永劫この世に遺したいと、ついに一枚の姿絵を描きあげる。それは露月の最高傑作と呼べる出来映えで、呉羽之介の美しさを余すところなく写し取っていた。
その姿絵を見た呉羽之介は、それによって初めて己の容貌が人並みはずれたものであることを自覚する。そしてそんな彼へと露月の友人 片里(へんり)は、まことしやかに様々な事柄を吹き込んだ。すなわち若く美しいそなたは、この世で最も仕合わせ者である。そんな人間が学問などすることはない。どのような女子とて思いのまま手に入るのだから、この世の喜びは得たい放題だ。その若さと美しさは、いずれ失われる貴重なもの。なればこそ今のうちに楽しく遊ぶべきだ、と ――
その言葉で己が遠くない未来、醜く老いさらばえるだろうことに気がついた呉羽之介は、恐怖に震えた。そのようなことは耐え難く、自分が老いてもなお美しいままであろう絵姿が、妬ましくてならなかった。
自分とこの絵姿が入れ替わり、自分の代わりに絵が年を取り、自分は常若に美しくあれれば良いのに。呉羽之介はむせび泣いた。
そして時は過ぎ ―― 果たしてどのような悪魔が願いを聞き届けたのか。呉羽之介の望み通り、絵の姿が変わり始めた。
どれほど経っても呉羽之介は若く美しいまま、しかし絵姿は徐々に年を取り、醜く恐ろしい顔に変じてゆく。それは遊蕩を覚え女達を弄ぶようになった呉羽之介の、内面を映し出しているのに他ならなかった。
清らかな外見はそのままに、精神が堕落してゆく呉羽之介に、露月は心を痛めるのだったが……

オスカー・ワイルド唯一の長編、「ドリアン・グレイの肖像」を翻案したという作品。B5サイズのハードカバーで33ページほどの短編? 中編? です。
よく様々な作品でモチーフに使われる有名どころですし、最初は原作(文庫一冊)の方を読もうとしたのですが、そちらは数頁で挫折しました。 文章とか、長さとかがね……
舞台は元禄時代のお江戸。美少年アドニスは振袖若衆に、油絵画家が浮世絵師に変えられていますが、ネットであらすじを見た感じ、基本的な流れはそこそこ忠実なようです。そしてやはり自分は日本人だからか、欧米の文学を引用した気障な語りより、「昨日少年今白頭さくじつのしょうねんきょうははくとう」とか「花のいろはうつりにけりないたづらに〜」といった表現の方がピンと来ますね。

そして既に良い年になっている私としては、十六だか七で己の容貌が衰えることを恐れる呉羽之介に苦笑いしつつ、判ってないなあと言いたくなります。
男の魅力は三十からよ! ビバ、人生経験のにじみ出る渋いおっさん!
呉羽之介の不幸は、純粋なところに片里の戯れ言を吹き込まれちゃったことですねえ。普通に年を取っていたら、どんな美中年になってくれていたことか。そう思うと惜しまれます。
No.3778 (読書)



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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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