2012年05月14日の読書
2012年05月14日(Mon)
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本日の初読図書: 三上於菟吉翻訳のモンテ・クリスト伯。 やっぱり五日ぐらいかかりましたが、どうにか中篇も読了。 ……ううむ。 ちょーっと、翻訳が荒いかなあと思い始めています。 人名地名などが、場所によって違うのは当たり前。一行前でデビネーだった人が、次の行でドピネーになっているような適当さが随所にあって、事前知識がないとごっちゃになりそうです。あと翻訳せずに省略してあった部分で説明されていたはずの内容が、後になって普通に出てきたりとか、年数・金額の勘定が適当だったりとか<ダンテスが脱獄してから、結局何年経ってるの?? 表記も気になりますね……二百〇五フランって、なんて読むんだよ。脱字や文字が入れ替わっている部分も相当多く、活字そのものがひっくり返っていたりも一ヶ所や二ヶ所じゃありません。 ……まあそれを言ったら、涙香版もお金の単位がフランになったり圓になったり両になったりと、かなり行き当たりばったりではあるんですが(苦笑)
追記: 時系列が気になったので、原作について調べてみました。
1815年2月24日 ファラオン号が帰港。エドモン19歳、メルセデス17歳。 1815年2月28日 エドモンがイフ城の地下牢に幽閉される。 1824年 地下牢でファリア司祭に出会う。 1829年2月28日 エドモン(33歳)が14年ぶりにイフ城を脱出。 1838年 モンテ・クリスト伯爵として復讐に乗り出す。
以上こちらを参照。 三上版では、復讐に乗り出すのが一八八三年となっていたので(?_?) 八と三の活字が入れ替わってたんですね……(−ー;)
追記ここまで。
もちろん、面白いなあと思うところもあります。たとえば「提燈」と書いて「かんてら」と振り仮名がついていたり、「擦筆畫(さつぴつぐわ)」って「デッサン画」のことだろうかとか、「王子旅館」ってもしか「プリンス・ホテル」!? などなど、昔ながらの翻訳の妙が色々とvv
あと涙香版では省略されていた、信号手を買収して偽の電信を送らせるくだりや、ルイジ・ワ゛ンパの過去などがちゃんと書かれていたのは嬉しいところです。
お話は、オオツュイユの別荘にて赤子の死体の話を聞かされたヴィルフォールとダングラール夫人が密会し、ダングラールは娘婿にアンドレア・カワルカンチをロックオンし、アルベールが伯爵を自宅の晩餐会に誘ったあたりまで進んでいます。 これからが復讐の本番ですね。さてはて、そのあたりはどうなるのでしょう。 今まで読んだバージョンだと握手をしていたシーンが、こちらでは肩を組んでいたりとか、持ち家だったのがホテルになっていたりと、非常に微妙な部分で変化があるので、なかなか油断できません。 さて残るは一冊。最後まで楽しめることを祈りつつ……
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No.3757
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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