2011年09月07日の読書
2011年09月07日(Wed)
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本日の初読図書: 引き続き「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」シリーズのひとつ。 法医学士で弁護士のソーンダイク博士が、クリストファ・ジャーヴィス医師などをワトソン役に、謎を解いてゆきます。その手法はあくまで科学的。遺留品の服についたホコリを顕微鏡で分析したり、血痕を同じく顕微鏡観察して「ラクダの血だ」と証明してみたり。とにかく科学調査を旨としております。 書かれ方も独特で、倒叙推理小説と呼ばれる形式を確立した作品なのだそうです。すなわち最初に犯行が行われ、読者は犯人もその手法も知ったうえで、現れた探偵が謎を追ってゆくのを眺めるのです。いわゆる「コロンボもの」のはしり。 そしてソーンダイク博士の造形は、「エキセントリックな所のないホームズさん」と言ったところ。 頭が良く身体的にも優れ、これといったアクもない、ごく紳士的なお方です。探偵ものの主役としては珍しいタイプなんじゃないかと。 ……ただ収録作が、発表順にそったものではないせいもあって、「ソーンダイク博士って何者?」、「なんで警察は博士に相談を持ちかけてくるの?」、「博士とジャーヴィス医師の関係は?」といった疑問がいろいろ発生してきます。 そのあたりは同じく創元推理文庫から出ているという、第一作目の長編「赤い拇指紋」を読むと判るのかもしれません。図書館にあるようなので、借りてきたいと思いつつ、でもこのシリーズ読むのにけっこう時間かかるから、また他に借りたいものがなくなってきてからかなあとも思ったり。
個人的に面白かったのは、「おちぶれた紳士のロマンス」。結果的に殺人は起こらなかったし、終わり方も感傷的。犯人の行動とその裁かれ方には賛否両論あるでしょうが、心に残るお話でした。
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No.3348
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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