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コメントで以下のような作品に心当たりはないかと聞かれて、記憶をあさってみました。 曰く「テンションがほどほどに高く、陰湿さが無く、痛く無く、ハーレクインで無く、ご都合主義過ぎず、強気受け(男女とも)で、ハッピーエンドな話」。 さらに「主人公が巻き込まれ型苦労人である」「ヒーロー、ヒロインが愛せるタイプである」「ハーレム、逆ハー過ぎない」「チートも良いが、成長物も捨て難し」「何はともあれ、隠し味程度に巻き込み型」だとなお良し。
……ううん、基本的に日記をはじめてから読んだ本は、商業・オンライン、小説・マンガ含めてみんな紹介しているので、改めてとなると難しいのですが。 とりあえず、かなり昔に読んだものをいくつか思い出してみました。
身よりのない貧乏大学生 草刈鷲士は、ある日突然12才の少女に訪ねてこられる。彼女はなんと鷲士の娘だと名乗った。心当たりは……あった。小学生の時、幼馴染みの少女と別れ別れにならねばならなかった際、思い出に……と愛の行為に及んだことがあったのだ。言われてみれば、少女は彼女によく似ている。 幼馴染みの彼女は大財閥の跡取り娘だったが、少女は祖父である現会長や優秀な双児の弟と折り合いが悪いらしく、お父さんと一緒に住む! と言い出した。そして狭いアパートに運び込まれる高価な家財道具の数々。 なんでも彼女は実家の財力に頼ることなく、自ら世界的巨大企業を立ち上げ、さらにはトレジャー・ハンティングで巨万の富を手にしている天才なのだという。 自分の父親であるからには、鷲士にも立派なトレジャー・ハンターになってもらわなければと、娘は父教育に余念がない。無理矢理聞かされるのは怪しげなお宝話、持ち歩かされるのは銃器やロストテクノロジーを使った機器の数々。 銃を持った怪しい男達や、謎の化け物共が鷲士のまわりに出没し、最凶のトレジャー・ハンター「ダーティー・フェイス」の正体はお前だったのかとドンパチを繰り広げる。 財力と権力を駆使してハチャメチャを押し通す娘に振りまわされる、情けない父親であったが……しかし鷲士には、実は誰も知らない秘密があったのである。
最初はそれこそ「巻き込まれ型ヘタレ苦労人」と思われた主人公が、実は「最強チート」だったという予想外なお話。ハチャメチャな娘のさらに上を行く、実は最強のお父さん。でも苦労人でヘタレ。 現在四作八冊出ており、最新作の四分冊は後半二冊積んじゃってるんでちょっと紹介しにくいんですけど、1〜3作目までは文句なくおもしろいです。常識をかっ飛ばしている娘、冷淡なようでいてけっこう姉と父に甘いツンデレ息子(ちなみに超能力者)、死んでいると思わせて実は……な幼馴染みのお母さん。 最初は宝探しなんて……と言っていた鷲士くんが、じょじょにそれも良いと思ってゆく、成長モノのエッセンスも含まれています。
若き宇宙軍中尉ウィラード・フールは、うっかり平和協定調印式を機銃掃射するという大ポカをやって、軍事会議にかけられることとなった。 しかし彼の出自は、宇宙軍に兵器を卸している宇宙最大の企業の息子で、自らも多くのビジネスを成功させた億万長者であった。取引先の社長である父親を怒らせるわけにはいかないと、厳罰を言いわたす事のできない上層部。彼らはせめてフールが自発的に辞めてくれればと、大尉に昇進させ問題児揃いの「オメガ中隊」の中隊長として送り込むことに決定した。 オメガ中隊の隊員達は、そろいもそろってやる気がない。ろくな仕事もないからと、訓練もせずに好き放題やっている彼らは、個性派と表現するのも言い過ぎな落ちこぼればかりだった。 しかしフールは自らの持つ「金」という力をフルに使い、個性的な隊員達をなだめたりすかしたり、あるいは適材適所に割り振ってと、じょじょにオメガ中隊を立て直していくのであった ――
こちらは「愛される主人公」「巻き込み型」「内政チートかつ成長モノ」と言ったところでしょうか。現在六作(かな)出ていますが、三作目からは他の作者さんとの共著になっていて、正直ちょっと……な感じになります。オススメは2巻目の「銀河おさわがせパラダイス」まで。 とにかく個性的で魅力的なキャラクター達が満載。最初は反発していた彼らが、フールの魅力にしてやられて、失っていた自信を取り戻して生き生きしていくさまがたまりません。 フールがまたアクの強いキャラでして、最初は苦労知らずのお金持ちの坊ちゃんかと思わせておいて、その実はワーカーホリックとも言える熱心さで隊員達のことを思い働き続ける勤勉さ。そのくせユーモアや危ない話の判る裏的部分もしっかり持っていて、こんな上司欲しいとしみじみ思わせられます。
魔物も術者も力が強いほど周囲に溶け込む平凡な容姿を持っている。そんな常識が存在する世界で、「美しい(くせに強い)キラル」と呼ばれる魔物がいた。 ぼさぼさ髪に無精髭で、素顔も判らないほどもっさりとした破呪師ファガルは、旅の青年サリームとその連れで魔族のリカリルにはめられ、彼らをキラルのもとに案内させられる羽目となる。 キラルは他者からの干渉をいとい、長年行方をくらましているのだが、ファガルだけは彼に繋ぎをつけられるという。それ以外これといって取り柄のなさそうなファガルだったが、何故か彼の作る料理は、魔族のリカリルをも絶賛させるほどの美味しさで。訳ありでトラブルメーカーな二人に振りまわされつつ、いつしか彼は一行の「お母さん」役に。 しかし実はファガルにも、重大な秘密が存在していて……
リジィオっぽい作品と聞いて、真っ先に思い浮かんだシリーズ。 実は美形だけど髪と髭で顔を隠しているとか、本当は卑怯なほど強いとか、そのくせヘタレで巻き込まれ型苦労人だとか、共通点は多いと思います。 基本肉食の魔族に、精進料理をも食べさせてしまうファガルの料理スキルが素敵vv 美形の癖にお人好しで生活感溢れてるってツボです。 現在四巻まで発行されてますが、長らく続編が出ていないのが残念なところ。
……とりあえず、思いついたのはこれぐらいでしょうか。 全部ちょっと古めの商業小説です。最近のオンライン物とかは、既にここで紹介しちゃってるので…… マンガのたぐいはまた、思い出せたらと言うことで。
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No.3204
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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