2011年07月13日の読書
2011年07月13日(Wed)
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本日の初読図書: 「眠る蛇」で行方不明になった明日香が「雨の封印」で生還して、「水底の騎士」で田添家とひととき幸せに暮らしながらも、最後はまた別れの予感に身を任せるという流れ。 このあたりは明日香と一也のラブストーリーが盛り上がって、実に読んでいて微笑ましいですvv 一也にもついに自然の友としての自覚が出てきたし★ そして変身後のセクシー明日香が最新水着を着ているのも美しいですが、変身前の明日香がスクール水着を着ているのも可愛らしくて素敵です。そのあたりの魅力をわかっている一也だからこそ、明日香を任せても良いと思えるのさ。 ……しかし相変わらず話に容赦はなく、時に手が飛ぶ首が飛ぶ(汗)
それにしてもこれらの作品、発表されたのは平成が始まる前後なんですが、このあたりで既に和田さんの絵柄は完成されているように感じます。もうすっかり、いま読んでも違和感がありません。明日香の姿は相変わらず、膝丈スカートに三つ折りソックスなんですけどね。 さすがにまだ携帯は出てきてないなあ……
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No.3254
(読書)
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2011年07月12日の読書
2011年07月12日(Tue)
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本日の初読図書: 収録作は「明日香子守歌」「ビーナス翔ぶ!」「明日香・妖精狩り」の三本。 〜子守歌は、花ゆめコミックス版を買った記憶があるのですが、手元にも蔵書リストにもありません。これもまた、蔵書リストを作成する前に人に貸して戻ってこなかった一冊なのか……(寂) このあたりから、一也と明日香の不自然なほど頻繁な邂逅が見えてきます。普通のマンガだと(たとえば金田一少年で事件遭遇率が異様なほど高いとか)どうしても不自然になってくるその偶然を、「自然によって後押しされる、運命の二人」と理由づけることで、必然にするあたりはさすがです。 それにしても和田さんのマンガは、ときどきほんとに容赦がないです。スケバン刑事よりはほのぼのしていると評されるこのシリーズでも、人質はガンガン殺されるわ、実はちょっと良い人?的描写のあった敵方もあっさり片付けちゃうわ……やはりそのあたりが女性作家と男性作家の違いなんでしょうか。 実はシリーズ一話目の四重奏の扱いが、ちょっと不公平だなあとか思わなくもないんですよね。四人のうち二人は駆け落ちさせて幸せにしちゃうのに、一人は結果的に雇い主を裏切ったから自業自得とはいえ、もう一人も気絶した明日香のために会社に遅れていくような気遣いを見せながら、あっさりと殺されちゃうし……二話目の紅輪忍軍も、行き倒れた明日香を拾ってくれた相手に対して、なんだかんだで内部崩壊を画策して全滅とまではいかずとも何人も死なせちゃう。かなりそのあたりシビアです。 っていうか、良く考えるとシリーズ一話目など特に、やっぱり私の好きな「直接手を下さず自滅に追い込む復讐譚」なんだなあと思ったり。
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No.3252
(読書)
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2011年07月11日の読書
2011年07月11日(Mon)
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本日の初読図書: 新たに兄として増えた屋久杉の精霊ユイマールは、行方不明になった風雅の両親について、情報をもたらしてくれた。彼ら二人は封じようとした妖魔の返り討ちにあい、逆に封印されてしまったのだという。そしてその品物はおそらく、ラリックのガラスのペンダントヘッド(ニセモノ)だと思われた。 さっそくラリックの作品(ニセモノ)を探し始めた一同だったが、そんな彼らの耳につくも神が起こしていると思われる騒動が届く。常連客のひとり加奈がつとめる宝飾会社で、倉庫にしまわれているジュエリーが、何者かに壊される事件が連続しているらしい。そして現場に残されているのは、風雅の両親が失踪したときに残っていたのに似た、黒っぽい羽のみ。 なおその宝飾会社の社長は、ラリックが前半生に作成した、一点物の高価なジュエリーを蒐集するコレクターだった。ならば事件を起こしているのは、ラリックの作品に宿るつくも神なのか。 あるいはラリック繋がりでなんらかの情報が得られるかもしれないと、一同はジュエリーのつくも神に会いにいく。しかしそこで情報と引き替えに求められたのは……
今回は十九世紀の宝飾家ルネ・ラリックにまつわるお話。 この方、前半生は一点物の豪華な宝飾品を、後半生にはガラスを使った大量生産可能な器や比較的廉価なアクセサリーを作成しておられるのだそうで。方向は真逆なようですが、デザインはどちらもとても綺麗で素敵です。 そのあたりはこの本の中でガッツリ語られているので割愛しますが、端くれとはいえ骨董ネタを手がけている人間としては、非常に興味深く読ませていただきました。 ちなみに実際の作品は、ネットで画像検索してみるといくつか見ることができます。 しかしルネ・ラリックのガラス細工って、先日読んだCMBの17巻にも出てきてましたっけ。偶然っておもしろいなあ。
あ、これからこの本を読まれる方には、ひとつご忠告。 読む前に本を開く際、表紙をめくった見開き部分は注視しないことをオススメします。そこの部分にちょっとしたネタバレが、文字ではなしに描かれておりますので……
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No.3251
(読書)
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2011年07月10日の読書
2011年07月10日(Sun)
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本日の初読図書: あの「ドリトル先生」シリーズに登場する、ブタのガブガブが本を書いた。 ドリトル式ブタ・アルファベットで書かれた膨大なその著作の中から、人間がおもしろく感じるであろうエピソードをスタビンズ少年が抜粋し、英訳したのがこの本だ。さらに読みやすくするためスタビンズ少年は、ガブガブが炉端で動物仲間達に内容を語っていたときのことを思い出し、その折りのやりとりをもまじえて、十夜分の物語として構成しなおした。 これは食物と食事をこよなく愛するブタ、ガブガブ・サラダ・ドレッシング博士が記した、食に関する物語集。
ドリトル先生シリーズの番外編。 wiki でドリトル先生のことを調べていて存在を知り、図書館で即行探しました。 主役はおなじみブタのガブガブ。本編では無邪気なトラブルメーカーの彼が語り手となって、食にまつわる様々な物語を聞かせてくれます。オウムのポリネシアやアヒルのダブダブ、フクロウのトートーや犬のジップ、白ネズミに雀のチープサイド、サルのチーチーといった、いつものキャラ達が聞き手となりますが、ドリトル先生はご登場なさいません。先生が書斎でお仕事をなさっている間、それを邪魔しないよう動物たちとスタビンズ少年の間でだけ語られるお話なのです。 内容はなかなか荒唐無稽、イギリス人でないと判りづらい言い回しや引用パロディもたくさんありますが、それでもおもしろかったです。 ただやはり、井伏鱒二さんの訳でないのは悲しいですね……近づけようと努力なさっているのは判るのですけれど、時おり違和感が。 挿し絵はロフティングなので、そのあたりはすんなり受け入れられます。本編にある炉端の語りで、ガブガブのお話が嫌いでなかった方にはオススメだと思います。
大会社田添建設の社長宅に、一人のお手伝いがやってきた。彼女の名前は砂姫明日香。ちんくしゃな見た目とは裏腹にとても有能で、子供達が面白半分にいびり出そうとしても、まるでびくともしない。 実は彼女には隠された目的があった。故郷の砂神村を、実用性のないダム工事のため水没させ、村人達を皆殺しにした相手に復讐することだ。その工事は田添建設の名で行われており、彼女は動かぬ証拠を掴んだうえで、田添家の家庭を崩壊させるつもりだったのである。 だが、その田添家は明日香が手を出すまでもなく、既にバラバラに近かった。ただ母親を中心に意地っ張りな三人の子供達と、仕事人間の父親がいるだけである。 なお、その田添建設にはライバル会社 芙蓉産業があった。汚い手で乗っ取りをかけようとしてくるライバル社長 芙蓉夫人と、参謀集団四重奏。彼らは株券を手に入れるために田添家の娘をさらい、脅迫をかけてきた。長男 一也と共に彼女を救出した明日香は、ダム工事を行った本当の相手が芙蓉産業だったことを知る。 二人の活躍で、田添家の人々は絆を取り戻した。 だが自然と共に生き、自然の力を借りることで超能力を発揮する砂神一族、その最後の生き残りである明日香は、復讐のため、そして自然を破壊することで富と権力を蓄え経済界を牛耳ろうと考える芙蓉夫人を止めるため、超能力を駆使して戦いを始める。 見守るしかできない一也は、彼女が怒りのままに手を汚すことを止めようとするのだが……
収録作は「超少女明日香」、「明日香ふたたび」、「ふたりの明日香」の三作。 マーガレットコミックスで出ていた三冊分ですね。 上記で紹介したのは、とりあえず一作目。二作目以降も一也が登場し、明日香とじょじょに愛を育んでゆきます。 このシリーズのすごいのは、絵柄とか超能力とかいった細かい要素は置いておくとして、自然破壊による環境問題について既に警鐘を鳴らしていることだと思います。だってこれ、四十年近く前に書かれたお話ですよ? バブルもまだ始まったばかりの頃じゃないですか? その時代にこれだけ未来を見すえたお話を書かれたところが、和田先生のすごいところだと思います。
……とかなんとか言いつつ、いま読み返すと、怪盗アマリリスで映画化していた部分のお遊びとか、「ふたりの明日香」で「スケバン刑事」のドラマを取っているシーンがあるところとかにクスリと笑ってしまうのですが。 いやほんと、現在読んでもまったく遜色なくおもしろいです。
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No.3245
(読書)
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2011年07月09日の読書
2011年07月09日(Sat)
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本日の初読図書: 「雪之丞後日(資料庫)」三上於菟吉 http://www.geocities.jp/kmkr_01/top.html
うぉぉぉおおおおお!!!! ずっと前からどこかで読めないかとフリーテキストや古本を探していた、「雪之丞変化」の後日談が!! うわあ、管理者様、ありがとうございます、ありがとうございます〜〜〜!!(平身低頭)
もとい(ごほん) 当サイトで配布している著作権切れテキスト「雪之丞変化」の続編です。長さは文庫ぐらいの版形で四十ページちょい。PDF形式で公開されています。 昭和 14 年に「オール讀物」に掲載され、おそらく単行本には未収録だった幻の作品。なんでも 1989 年の臨時増刊号に収録されたものをもとに入力されたそうで。ずっとずっと読みたかった幻の作品に出会えて感無量です。 内容は、前作終了から五年後。上方で暮らしていた闇太郎が、かつて敗れた親の敵に出会うところから始まります。 ……っていうかこれ、本当はもっと長くいろいろと書かれる予定だったのではないでしょうか? 冒頭で闇の親分が預かった謎の品物とか、消化されていない伏線がちらりほらり見受けられます。結末も、前作で判っていたこととはいえ切ないです。 しかし雪之丞ファンとしてはどうしても押さえておきたかった、この一作。読むことができて本当に良かったです。
2016/06/26:追記
カミコロ様にご許可を頂き、当サイトでもテキストファイル形式で公開させていただきました
■その他書架 著作権切れフリーテキスト他 http://plant.mints.ne.jp/sonota_top.htm#txt
許可して下さったばかりが、データーの提供までしてくださったカミコロ様には本当に感謝感謝です。
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No.3244
(読書)
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2011年07月08日の読書
2011年07月08日(Fri)
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本日の初読図書: 数百年前に起きた『大戦』により、多くの技術と文明が失われた惑星。 砂塵に覆われたその地では、ザ・サードと呼ばれる亜人種達によって、人間達は管理され生きていた。失われたとされる技術の多くはザ・サード達が独占し、人間達は大戦前とは雲泥の差の、生きることに必要なだけの技術しか持つことを許されないでいる。 そんな世界で、黒髪黒目の十七才の少女 火乃香は、相棒である機械知性体のボギーと共に「なんでも屋」を営んでいた。その仕事は砂漠を越えての人物のエスコートや学術調査、ボディーガードなどである。刀を手に神速の抜刀術を駆使する彼女を、人は「刀使い」と呼んだ。 ある夜のこと野営をしていた火乃香は、危険な砂漠の夜を一人歩く謎の青年イクスと出会った。危険な機甲アリの群から彼を救った火乃香だったが、腕にひどい捻挫を負ってしまう。ところがイクスは、不思議なヒーリング能力によってその傷の痛みをやわらげてくれた。 街に着き何も訊かないまま別れてしまった二人だったが、やがてザ・サードの査察軍に追われるイクスと再び行き合った火乃香は、自分でもよく判らない衝動のままに彼を助けてしまう。そしてイクスの求めに応じ、なんでも屋として彼をエスコートすることとなった。 目的地は「鋼の谷」。先の大戦でできたと言われ、人が踏み込むことを拒む禁断の地である ――
けっこう長く続いているシリーズのようですが、作者さんのデビュー作なので、一応一巻目は一区切りついています。 ただほぼ全編においてネタバレした状態で読み始めてしまったので、うーん、という感じだったでしょうか(苦笑) 文明崩壊後の砂漠地帯で、イモムシ型装甲車とか機動歩兵とかが戦いまくっているのは、なんかお約束な感じですね。そんな中で主役の火乃香は、日本刀を駆使した居合い術でばっさばっさと敵を倒す。格好いいです。 火乃香に執着を保っている感じのザ・サード、浄眼機なんかもなかなか美味しい役どころvv もちろん穏やかな微笑みで火乃香を見つめるイクスが大本命ですけれど。
ただ個人的に言わせてもらうと、挿し絵がちょっと……特にイクスが(汗) 文章を読む感じ、感情の起伏が少ない穏やかな優男系に思えるのに、挿し絵だと頭身はちっちゃいわ、表情はギャグ調に崩れてるわで、なあんかイメージがピンときません。他にも意識があり立って震えているはずの人間が、挿し絵では倒れて気絶してたりとか……イラストって難しいですね(−ー;)
アニメ化もされているようなので、ちょっとそのあたりの動画もチェックしてみようかとか思いつつ、続きは保留と言うところですかね。
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No.3242
(読書)
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2011年07月06日の読書
2011年07月06日(Wed)
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本日の初読図書: 一年ぶりの新刊。 TVドラマがまだ引っぱられています。収録は終わったけれど、まだ放送はされていない、みたいな。人間関係もそちらから続いていて、毎度書いていますが最近楽くんの出番が少なくてさびしいです。好きなんだけどなー、意地っ張りで有能で、主役には懐いているちょっと不思議キャラの楽くん。 このところ、ちょっと内容が能から離れ気味な感じがします。久々に以前買った面の話が出てきたのは嬉しかったですけど。これはまだまだ落ちが見えなさそうですし。二年半後にやるという、道成寺で使うのかな? あと憲人さんの恋愛が絡んできてるのがちょっと苦しいです。まあ、すでに二十七才の主役ですから、いい加減そういう話が出ないと困ったことでもあるんでしょうけど。 考えてみれば憲人さん、成田キャラの主役の中では、群を抜いた年上なのかも……?
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No.3235
(読書)
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2011年07月04日の読書
2011年07月04日(Mon)
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本日の初読図書: ウィルキンソンさん一家は、第二次世界大戦のさなか家に爆弾が落ち、そろって幽霊になってしまった。それでも何十年かは変わらず愛しい我が家で暮らしていたが、やがて次の住人達がやってきて、泣く泣く出て行かざるを得なくなった。 大都市ならば幽霊が暮らせる空き家もあるだろうとロンドンへ出てきてみたものの、そこでは行くあてのない幽霊達がひしめき合っていた。しかたなく下着屋へ取り憑いてみたけれど、あられもない下着や水着に取り囲まれる環境は、子供達にとってたいへんよろしくない。困り果てていたところに、幽霊になってから引き取った義理の娘アディが、素晴らしい看板を見つけてきた。 「幽霊あずかる方募集中」 それは魔女のミス・プリングルとミセス・マナリングが経営する、幽霊派遣会社の広告だった。彼女達は家がなくて困っている幽霊と、幽霊を引き取りたいという人間を仲介しているのである。 さっそく事務所に登録してもらった一家は、やがて人の良い尼僧達の住まう修道院を紹介される。 一方、同じく事務所に登録していた元貴族の幽霊夫妻。彼らはひどく恐ろしい外見をしていて、しかも礼儀知らずのやかまし屋。子供を見つけたら殺そうとせずにはいられない残忍な幽霊だった。そんな彼らにも相応しい物件が見つかった。古い城をお化け屋敷として公開し観光客を呼ぶため、できるだけ恐ろしい霊をというのである。しかしそれは実のところ、古い城を遺産相続した幼い少年を殺さんとする親戚達の、恐ろしい悪巧みであった。 ところが、ここで手違いが起こる。事務所で書類を取り違えたことから、人の良いウィルキンソンさん一家が古い城へ、恐ろしい貴族夫婦がのどかな修道院へ派遣されてしまったのだ ――
いっぷう変わった設定の児童文学。 割と普通に幽霊を見られる人が出てきたり、魔女になるための夜間学校が存在していたりします。ほとんどの登場人物が当たり前のように幽霊を信じているし、その幽霊も飼っていたセキセイインコや溺れたときポーチに入った魚、動物園のカモノハシまで種々雑多。 かといって純粋にほのぼのあたたかいお話かというと、元貴族の幽霊夫婦はかなり怖い。怖いというか描写がグロい(−ー;) 内臓とか肉汁とか勘弁して欲しいッス。 突然遺産を相続して狙われる羽目になるオリヴァー少年も、最初は気の弱いおどおどした子供だったのですが、ここぞと言うところでは、親戚達にも負けない気の強さというか、手段を選ばないところを見せます。 最終的にはめでたしめでたしなんですけど、けっこう容赦のないところもあるかな? という感じでした。
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No.3231
(読書)
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2011年07月03日の読書
2011年07月03日(Sun)
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本日の初読図書: シリーズ下巻。 上巻は短編集で、通しで読むと繋がっているという構成でしたが、下巻は一冊丸々ひとつの話でした。上巻第一話からの通しキーワード、「巨大企業モア」との全面対決です。 軽妙な語り口は相変わらずで、途中吹き出してしまうこともしばしば。 ってか大介! 何故にそこで石臼(爆笑) ウェイク、何故に乙女回路(大爆笑) ワイズマンは相変わらず素敵に良い味を出してましたねえ。 ハッキングシーンのピンチにワイズマン登場、そしてウィザードが「四人に」分裂したシーンではゾクゾクしました。そしてたたみかかる怒濤のクライマックス。泣けました。そりゃあ桜も嬉し泣きするさ! EBISU も、ここで登場するかーーーっと、作者の伏線はりぶりに感嘆。 いやあ、これは上下巻間をおかずに読むべきお話です。 雪華さん、素敵なお話を紹介ありがとうございました。面白かったです!
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No.3229
(読書)
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2011年06月30日の読書
2011年06月30日(Thr)
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本日の初読図書: 明治維新がなってから早二十年。 元徳川方の旗本であった長瀬家の若様 健吾も二十歳を迎えていた。 俸禄を失い落ちぶれた家には、旧家臣団が身を寄せており、彼らを養うためにも先立つものは必要で。将来を考えた長瀬は、予算と自分ができることを考え合わせ、警察の巡査になることを決めた。そうすれば安月給ながらも定期収入ができる。空いた時間で副業をこなすこともできるだろう。 同じ境遇の仲間達に声をかけた結果、八人の元若様が採用試験を受けることになった。 とりあえず全員が無事筆記試験を突破したが、その後には教習所で二ヶ月にわたる泊まり込みの教習を受けることになる。学ばねばならない科目は多く、毎週小試験が行われては、落第者は追試の上、罰則を与えられる。そして三ヶ月経っても合格できなければ、警官にはなれないのだ。 それだけでも厳しいのに、同室になった中には維新時に朝敵だった長瀬達とは敵対していた「薩摩組」、維新後に所領を減らされ静岡に移住した士族出身「静岡組」、四民平等の代になって一般から応募してきた成り上がり商人出の「平民組」など、人間関係のややこしい相手達が山のよう。 裕福な平民組や、上層部にコネのある薩摩組にはあからさまに依怙贔屓をする師範達に、若様集団は早々に目をつけられてしまう。 それでもどうにか日々過ごしていく中で、小銃の教練中、平民組の姫山が怪我を負った。最初は暴発によるものかと思われたそれだったが、銃を調べると誰の物も発砲した形跡がない。 不審に思う生徒らだったが、しかし師範達はいっこうに気にする様子を見せない。 やがてぶつかり合いながらも徐々に結束を見せ始める生徒達だったが、事件はやがて世間を騒がせるピストル強盗とも結びついて、思わぬ様相を見せ始め……
以前に読んだ「アイスクリン強し」の続編というか、前日譚というか。 アイスクリン〜では、既に警察巡査になっていた「若様組」達が、警官になるまでのお話です。前作ではほぼモブ扱いでリーダーの長瀬とサブ格で切れやすい園山以外は見分けつかなかったんですけど、今回はかなり書き込まれています。 ……っていうか、登場人物多っ。 若様組八名、薩摩組三名、静岡組三名、士族組一名、平民組四名、教師など教習所の人間が十名に加えて、教習所外の知人達も入れると、合計で何人だ……? 人物一覧と首っ引きで読んでおりました。そうしないと、いましゃべってるのがどの派閥の人間かもあやしいぐらいで。 でも魅力的かつ個性的なキャラはいるもので、そこらへんはじょじょに見分けがついていくんですけどね。 最初はただの嫌な奴にしか見えなかった幹事が、だんだん一筋縄ではいかない食えない人物に見えてくるのがおもしろかったです。 前作主役のミナなども登場するし、やはりここは両方あわせて読んでおきたいところかと。
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No.3222
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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