2011年07月27日の読書
2011年07月27日(Wed)
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本日の初読図書: 前回のロンドン旅行で、両親が封じられたペンダントヘッドを取り戻した風雅たち。しかし封印を施した魔物の力が増しているためか、以前はつくも神のように姿を現し話すこともできたという両親は、わずかにその気配を感じさせるのみだった。 一同は落胆しつつも、次は当の魔物を探しだし、封印するか消滅させることに目的を変更する。 魔物を封印するには、高価な呪具、たとえばジービーズのような物が必要になった。その資金を稼ぐために紗那が考えたのは、曰く付きのアンティークを安く買いたたき、異変を起こしているつくも神を説得するか消滅させて、正規の値段で売り飛ばすという方法。 そうして彼らは「呪われている」と噂の鏡を購入した。十七世紀ロココ調のアンティーク・ミラーは、夜になると幽霊が現れて、家中の戸棚や抽斗を全部ひっくり返すポルターガイストを起こすのだという。夜になり姿を現したつくも神は、しかしうっすらと透けた状態で、正気も保っておらず言葉がほとんど通じなかった。 また一方で、店にはルビーを求める不思議な客が訪れていた。風雅が出した品物を「違う」と断じ、他にあるだろうと、母の婚約指輪まで見せろと要求してくる。一度は帰ったその男は、夜になって今度は自宅にまで不法侵入してきた。その男の正体は……
ついにことの元凶となった魔物「バビロニアの薔薇」登場。シリーズ最強の敵です。なんとあのユイマールをも手玉に取りながら、その力は未だ完全ではなく……倒すなら今のうちと風雅達は準備を整えようと頑張ります。 その一方で、いつものようにつくも神に関わるやっかいごとも解決するのだから、勤勉なもので。 さて次回最終巻で、果たしてどのような決着が付くのか。予測がつかなくて楽しみです。 ちなみに今回のうんちく、巨大なルビーについては、以前拙作を書くときに調べたこととかぶっていて、なんだかちょっと懐かしかったです。「黒太子のルビー」って、本当は「ブラック・プリンス」って言うんですね。そうだよなあ、英語だもんなあ、とか(笑)
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No.3288
(読書)
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2011年07月25日の読書
2011年07月25日(Mon)
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本日の初読図書: 元首相からもたらされた大がかりな依頼。 それは山奥の洋館で起きる、不思議な失踪事件を解明することだった。 増改築を繰り返され、迷路のようになった巨大な屋敷の中で、人が消えるというのである。消えた人物を捜しに入った捜索の人間まで行方不明になるに至り、洋館の持ち主である元首相は多数の霊能者達を集め、失踪の原因といなくなった人物の行方を探すことにしたのだった。 集められた霊能者達は、一癖も二癖もある者達ばかり。そんな中で、今回ばかりは最初から協力体制を取った渋谷サイキックリサーチの面々とぼーさん達いつものメンバー、そして何故か所長代理として雇われ同行した安原少年。 例の如く機材をセッティングし、複雑な屋敷内の平面図を作成し始めた彼らをよそに、他の霊能者達もそれぞれの方法で除霊をすすめていっていた。 しかしその霊能者達の間からも、行方不明者が出るに及び ――
個人的に、シリーズ中で一番好きなお話。 怖さも倍率ドンで、夜に読んだりすると暗い廊下が歩けなくなるほどの代物なんですが。 ……う〜〜〜〜ん(悩) 今回は辛口評価なので、記事をたたんでおきます。
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No.3285
(読書)
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2011年07月24日の読書
2011年07月24日(Sun)
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本日の初読図書: 女子大生の水町立夏は、霊が見えたり動物に異常に好かれるなどの特異体質により、幼い頃から孤立していた。地元を離れ一人暮らしになった今でも、人間不信は変わらない。そんな彼女を支えてくれるのは、犬のシキと猫のルリ、カラスのクロハの三匹。彼らは立夏が子供の頃から共に暮らしているのだが、何故かこの三匹には言葉までが通じてしまうのだ。おかげで「動物に話しかける頭のおかしい娘」というレッテルをも貼られてしまうものの、その存在はかけがえがない。 そうやって一人と三匹で暮らしていた立夏達だったが、ある日バイト先の雇い主が強盗に襲われ、雇い主は意識不明の重態、ペットの犬は殺されてしまうという事件が起きる。やがて殺された犬の霊を見つけてしまった立夏は、それがきっかけで探偵の高倉と知り合う。彼は人や霊のオーラを見られるという特殊能力を持っており……そしてなんと、立夏以外で初めて、三匹の言葉を聞き取ることができる人物だったのだ。 以後も立夏は何度も霊関係の事件に巻き込まれ、三匹や高倉と共にそれを解決してゆく。そんな中で、彼女は高倉を意識し始め……
読み切り連作のオカルトミステリー。 山内さん独特の、「可愛い絵でほのぼのだけど、ときどきゾッとするほど怖い」お話たちです。以前文庫で二冊ほど出ていたのを、今回大判コミックスで再版されました。1〜2巻の収録作は変わらないそうなので、3巻だけを購入。3巻の収録は「愛がたりない」、「翼をください」、「君に出会う運命」、「ハムスターを愛する男」、「夢見の森」の五作。ハムスタ〜以外は雑誌で見た記憶がありました。もっともどれも結末は頭からすっぽ抜けていたり。一粒で二度美味しい? 立夏と高倉さんは、三巻一話目でようやく両思いの恋人同士になりましたが、そこから先もぜんぜん進展がなくてじれったいったら。大学生の立夏はともかく、高倉! お前どう考えても三十前後やろ? もうちょっとこう、リードしてやれよ! と言いたくなります。 あと私、勝手にこれが最終巻だと思っていたんですけど、どうやら違ったみたいです。フリートークで某ゲストキャラを「また描いてみたい」とか書かれてますし。続いてくれるのは素直に嬉しいので、楽しみにしておきたいです♪
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No.3284
(読書)
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2011年07月22日の読書
2011年07月22日(Fri)
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本日の初読図書: もものき事務所は探偵社ではない。探偵のライセンスはとっていない、あくまで「調査会社」である。所長の百之喜 太朗と秘書の凰華の二人だけの事務所だ。 百之喜にはまったく商売気がない。やる気もなければ根性も能力もない。 だが彼にはたったひとつの才能があった。それはまったく意図せず偶然に、事件の真相に繋がる事柄に引き寄せられるという、やっかいな代物で……
茅田さんの珍しい現代物。長らく積んじゃってましたが、読んでみたらやっぱり面白かったです。ただなんていうか……微妙?
とりあえず主役が「もものき たろう」で、周囲を固める友人たちのうち、弁護士が「雉名」、格闘家が「犬槇」、売れない役者が「芳猿」、公務員でハッカーが「鬼光」。 ……これで桃太郎だと、半分以上読むまで気付かなかった私はかなり鈍いでしょうか(汗) 話は茅田さん一流の「道理の判っていない井の中の蛙な敵方」を、これでもかというほどけなしまくるお話です。今回は味方側の格好良さは薄目でしたかね。むしろゲストキャラの方がよっぽど存在感がありました。ハッカーな鬼光さんなど、出番ほとんどなかったし。 これは続編に期待したいところでしょうか。……って、出るのかな、続編(汗)
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No.3277
(読書)
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2011年07月20日の読書
2011年07月20日(Wed)
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本日の初読図書: 明日香と救世主の敵対、のち共闘を描いた生霊編。これにて白泉社で発表されていた旧シリーズはすべてです。 生霊編はとにかく明日香が可哀想で可哀想で……前の巻が一也と幸せだっただけに、そのギャップが切なくて(泣) 救世主も、最初は単なる嫌な奴だったのが、だんだん人間味が出てきて……そして最期はごっつー気の毒なことになるんですが…… また生霊編は、厳密に相手を倒していないと言うか、むしろ明日香達側が敗北して終わっているところが厳しいんですよね。ううむ。 こうして読むと、やはりMF版も目を通したくなってしまいます。買いたいと言うほどではないんですが。どこかマンガ喫茶にでも行くべきか……
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No.3268
(読書)
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2011年07月18日の読書
2011年07月18日(Mon)
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本日の初読図書: とりあえず直野さんの本は無条件で購入しているんですが、最近ちょっと……ですかね。 個人的に直野さんのお話は、ファンタジーとか時代物のが好みです。初期作品は現代物でもおもしろいと思ってたんですけどね…… まあ今回は、どちらも後半に妖怪ネタとか悪魔ネタが入っていたので、それなりに楽しめました。 あと廻る〜の方には「指先の恋」に登場の、接触テレパスな探偵と仲間達がゲスト登場するお話があったので、そちらも嬉しかったです。
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No.3265
(読書)
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2011年07月17日の読書
2011年07月17日(Sun)
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本日の初読図書: 両親が閉じこめられているというアンティークのペンダントを求めて、風雅たちは英国へと旅立った。そこで出会ったのは、以前関わりがあった学芸員から紹介を受けたという、アンティーク・ディーラー間宮。彼はとある屋敷に置かれている骨董品を鑑定し、リストを作成している途中で、一人ではとても手がまわりきらないので力を貸して欲しいという。だが何やら胡散臭いものを感じた三人は、目的のある旅だからと一度は依頼を断った。 ところが翌朝向かった先、目的のペンダントは一足違いで別の骨董商に買われてしまっていた。その相手は東洋人で、ライという町に店を持つらしい。さっそくライを訪れた一同だったが、ライにただ一軒だという東洋人の営む骨董店は、期間未定の長期休業中となっていた。 少しでも長く帰りを待とうとした三人は、ライに宿を置いて仕事をしているという間宮の依頼を改めて受け、幽霊屋敷と呼ばれる古い館へと通うことになる。そこにはいくつものアンティークがあるのだが、なぜかつくも神たちは気配ばかりで姿を見せようとせず……
今回はスリーパーと呼ばれる、作者不明となって埋もれてしまった、実は著名な作者が描いた「眠れる名画」を巡るお話。 胡散臭さ爆発な間宮さんは、なかなか良い味を出しております。 普段は優しく見える唯兄さんの、実はけっこう冷徹なところもかいま見えます。 両親が見つかったら、紗那や唯とは別れなければならないのか……と気がついた風雅の葛藤も始まったりと、話が終わりにむかって動き始めたというところでしょうか。 残るはあと二冊。どういう結末を見せてくれるのか、楽しみです。
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No.3263
(読書)
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2011年07月16日の読書
2011年07月16日(Sat)
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本日の初読図書: 一八九九年。土耳古スタンブールで考古学を学ぶ村田青年と、彼を取りまく下宿や博物館の人々との交流。そして時に起きる、ちょっとした不思議を淡々と語る短編集。 土耳古に留学している村田さんは、同作者の「家守奇譚」に、話でだけ出てくるキャラクターです。 話の雰囲気も家守奇譚によく似ていて、時に不思議を交えた日常が穏やかに淡々と語られていきます。最後の方には日本の綿貫さんや高塔さん、老犬のゴローまで登場するので、家守〜を読んだ方には合わせて読まれることをお勧めします。 ただどこか浮世離れした、世情とは関わりのなかったような家守〜とは違い、こちらは明治当時の世界情勢と無縁ではありません。 話の終わりにはいささか切ないものがあるので、ちょっと要注意かと。
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No.3262
(読書)
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2011年07月15日の読書
2011年07月15日(Fri)
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本日の初読図書: 「 異世界混沌平凡譚(Arcdia)」〜リニューアル 第三話 http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=tiraura&all=6872&n=0
ある日のこと、普通のサラリーマンだった岩崎雅樹は、逆恨みを抱く同僚に後ろから刺され死んだ……はずだった。 気がつけば見知らぬ草原におり、通りがかった村人によって、中世のような田舎の村へと連れてゆかれる。そこの村人達はみな優しく、こころよく食事や住むところを与えてくれた。そうして一ヶ月ほどもかけてようやく言語を習得した頃、彼は気がついた。 ここは……もしかしてゲームの中の世界ではないのか、と。 村人達はみな「ステータス」というものを表示させることができ、それぞれにレベルや職業、各種パラメーターなどが描かれているのだ。だが雅樹はそれができないと知ると、村人達はギルドに登録していないからではないかと教えてくれた。稀に……そう、稀に生まれてすぐに親から捨てられた子供などが、ギルド登録されていないということもありえるらしい。向けられる同情の視線のなか、さっそくギルドに登録してみると、たしかに雅樹にもステータスを表示させることができた。 その数値は、誰もが驚愕するもので……
ゲーム世界に生まれ変わったら、チート能力保持がお約束★ ……の逆を行く作品。主役のステータスは、成人男子なのに生まれたての赤子以下。しかも職業「無職」。さらに言うなら修行しても戦っても、異様にステータスの上がりが遅い。同時に戦い始めた村人が、レベル88、職業:精霊弓使いにまで上がっても、未だにレベル1、無職。 そんな彼だけれど、村人達からの信頼はあつく、気がつけば自警団の長として村を守る第一人者に。時おり挟まる脇キャラからの視点が楽しいのです。 Arcdia で「主人公が周囲の人に劣等感を抱いていて、周囲の人は主人公をしたっていたり尊敬したりしている作品」というスレで紹介されていたあたり、雰囲気は察して下さい。全体的にほのぼのとしていて、心温まることは請け合いです。 全十七話でいちおう完結済。現在リニューアル版を三話まで掲載されています。
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No.3260
(読書)
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2011年07月14日の読書
2011年07月14日(Thr)
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本日の初読図書: 一見すると愛らしい小型犬のラグは、実は機械でできたロボット犬。ロボットであることは内緒にして、病院で患者さん相手に慰問を行っている。 メモリーにプログラムされたことしかできないから、検索に時間がかかる分、どうにもこうにもとろくさい。それでもそれなりに、みんなからは愛される人気者だ。 ひとたび患者さんに問題が起きると、不思議と様々な行動で彼らの心身を救ってくれる。それは奇跡か偶然か。 生身でも機械でも、ラグは確かに生きている。そんな風に信じさせてくれる、心温まる物語 ――
大判だけれどページ数は140ページちょい。それで900円超とちょっとお高めなので買わずにいたのですけれど、古本で安くなっていたので購入しました。 やー、篠原さんの動物が関わるハートフルストーリーは、本当に心が癒されますねvv 収録作は六作七本。うち三本は書き下ろしだそうで。ちゃんと一冊でお話に決着がついています。 心優しい青年と小型犬のコンビが周囲を癒す。クォート×ハーフのシリーズがお好きな方にはオススメです。
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No.3255
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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