よしなしことを、日々徒然に……



 2012年01月22日の読書
2012年01月22日(Sun) 
本日の初読図書:
「えっ?平凡ですよ??(小説家になろう)」〜幸運の乙女 リリアナ2
 http://ncode.syosetu.com/n3791w/

リリアナ・ラ・オリヴィリアは、オリヴィリア伯爵の第1子で七才の女の子。
お人好しの両親は領民には慕われているけれど、領地経営に身銭を切ったり悪い人間に騙されたりと、家計は常に火の車。貧乏伯爵家が少しでも楽に暮らせるように、彼女は様々な努力をし、そしてそれは彼女のあずかり知らぬところにまで波紋を広げて実を結んでゆく。
……実はリリアナ、かつて現代の女子高生だった記憶を持つ、転生者だったのです。
平凡な今生を望む彼女は、自分が周りからどう評価されているのかも気付かずままに日常を過ごし、成長してゆく ――

連載始まったばかり。しかも作者さんがオフの事情でしばらくカメ更新の宣言を出していらっしゃいますが、あまりにツボな紹介文だったので読んでしまいました。そして期待にたがいませんでしたvv
転生内政チートも好きなんですが、同じぐらいに「主人公無自覚なまま周囲に高評価」ってのもツボなんです。
このお話も、ときどき他者視点が混じっていて、リリアナちゃんの(良い意味での)非常識ぶりが喧伝されております。あと両親が普通の良い人と見せかけて実はかなり聡明な人達で、リリアナの『特別』さを良くも悪くも理解し、ふさわしい家庭教師をつけてあげたりと、さりげなく配慮しているのがたまりません。
基本ほのぼのですが、ときどき地に足着いたシリアスも混じっているのがさらに良し。
カメ更新の予定は1月までだそうなので、そろそろ再開されることを期待して待ちます。
やっぱり好みは『神への反逆者』こと、時代を先取りしすぎた異端の学者シリウスさんでしょうか♪
No.3581 (読書)


 2012年01月19日の読書
2012年01月19日(Thr) 
本日の初読図書:
4048737430クジラの彼
有川 浩
角川書店 2007-02

by G-Tools
いつ出港したのか、そして戻るのはいつか、さらにはどこへ向かったのかも一切外部には漏らされない。電話なんて携帯が通じれば奇跡。会えない期間は最短でも一ヶ月。そんな彼は、自衛隊の潜水艦乗りだった。究極の遠距離恋愛を選択したOLの、恋人を待つ日々「クジラの彼」。
航空設計士として、新作輸送機の設計について要望を聞き取り調査することになった女性。担当の航空自衛官が案内した倉庫への通路は、何故か男子トイレだった!? 一番優先される要望は、やっぱりトイレ!? 強面の航空自衛官と女性設計士が、タッグを組んでトイレを巡る戦いへと立ち上がる「ロールアウト」。
女性の割合が極端に少ない自衛隊内では、どんな女性でもとにかくモテる。だからこそ彼女達は強くしたたかに上を目指し、下っ端の男どもになど目もくれない。そんな中でも鬼軍曹と呼ばれる女性三曹は、いつも一般人の男性を恋人に選び、破局しては古なじみの同期を呼び出してクダを巻く。男として見られていないことに葛藤を覚えつつ、過去のいきさつ故に一歩を踏み出せないでいる同期が、今日も彼女の愚痴を聞く羽目になる「国防レンアイ」。
八年の片思いのすえに同じ職場へ追いかけてきてくれた年下の彼女は、若くて美人でアグレッシブだった。有事にしか役に立てないと自覚する自信の持てない潜水艦乗りと、普段から有能すぎるほど有能な彼女との年の差カップルが、どうにか結婚にこぎつけるまでのお話「有能な彼女」。
どうしても会いたい……愛しているなら今すぐに来て。そう恋人に言われたなら、何事おいても駆けつけなければならない。たとえそれが脱走と呼ばれる行為であっても。あのフェンスを越えれば恋人に会える。そう信じた自衛官達がつきつけられる、現実の姿「脱柵エレジー」。
はじめてのチューはいつ? 娘に問われた父は、懐かしい過去に思いを馳せる。戦闘機乗りの妻との出会いは、一言ではとても語り尽くせない事件の渦中だった。それらを乗りこえた末に恋人となって、初めて迎えたデートの思い出。そして結婚するにあたって肝に銘じさせられた、自衛官の伴侶としての心構えを思い返す「ファイターパイロットの君」。

以上、六編からなる短編集です。基本的に恋愛を主題に置いたものはあまり好まない私が、有川さんのだけは楽しく読んでしまいます。すれ違いや多少の切なさはあっても、ドロドロした所がないからでしょうか。最終的には甘く幸せになってくれるのもポイントでしょう。あと恋愛だけではなく、様々なうんちく(今回は自衛隊内部事情)が盛り込まれているのも、読んでいて楽しい要因かと。周囲がちゃんと見えている、大人同士の恋愛という感じがします。
さて内容ですが、収録作のうち二編は「海の底」、一編は「空の中」の番外編になっています。本編を知らなくても判る作りにはなっていますが、やはりここは先に「自衛隊三部作」を読んでから手に取られた方が、楽しめるのではないかと。
特に「海の底」では完璧に近い姿を見せていた冬原が、事件後に彼女の前で泣く姿は心に沁みました。うん、やっぱり彼も人間だったんだな。そして素敵な彼女とつきあえて良かったね、と。
「国防レンアイ」は、懐の深い伸下に脱帽です。あれだけ目の前に据え膳ちらつかされて、よく耐えた! いくら惚れた相手とは言え、背中で吐かれたら普通ブチ切れるよ(苦笑) 彼らの今後が幸せでありますように。
「脱柵エレジー」は……うん、現実って時に残酷よね……というお話でした。上官二人には、こちらも一年後に幸せになって欲しいです。
「ファイターパイロットの君」は、個人的に一番続きが読みたかったカップルでしたvv
以前にも感想で書きましたが、旦那の方が私の好みを鷲掴みにするキャラクターでして。ビバ、普通のふりして実は有能で包容力の強い男。冒頭からいきなり娘がいてびっくりしました。そして旦那の両親には、お話と判っていつつもイラッとこさせられる。それが作者の手腕なのか。そしてドッグタグにこだわる妻に、声を出して笑っちゃったり。くそう、上手いなあ。
そして最後に回しましたが、「ロールアウト」。いえね、トイレに関する認識に、妙に親近感を抱かされてしまって。なんというか、うん、建設業界の工事現場もそんな感じよ? みたいな。
仮設トイレだから男女共用だし、たまに大小が分かれているタイプの仮設でもどのみち隣に設置されてるから意味ねえし。そもそも小側にはドアすら存在しないし。っていうか、ドカタ親父共は大側使う時すらドアに鍵かけないこと多いから、うっかり開けちゃってニアミスとか日常茶飯だし!!
……最初はいろいろもの思いましたが、しまいには諦観しましたっけ(遠い目)
そういえば本社だって、トイレは男女共用で、そのくせ掃除は女性の役目だったよな……普通の会社や都会では訳が違うんでしょうか……

あと、後書きで触れられている作品に「星へ行く船」って……前回の「妖精作戦」といい、ほんとにピンポイントを突かれている気がします(笑)
年がバレそう……と思いつつ、そう言えばどちらも復刻されてましたっけ?
No.3576 (読書)


 2012年01月16日の読書
2012年01月16日(Mon) 
本日の初読図書:
4344820762翼の帰る処 3 ―歌われぬ約束― (下) (幻狼ファンタジアノベルス)
妹尾 ゆふ子 ことき
幻冬舎 2011-08-30

by G-Tools
昨夕に読み始めて、日付が変わってから布団の中で読了。
あれ? こんなにさらりと片が付くような展開だったっけ?? と首を傾げてしまうような。
上巻の引き、特に皇帝の命令とかヤエトの暗殺計画とか、のっぴきならない状況が山積みだったような気がするのに……なにこの「(文字通り)気がついたら北嶺に帰ってました」的展開(きょとん) いや(やはり文字通り)死にかけてはいましたけど(苦笑)
基本的に視点がヤエトから動かないので、こういう流れになるんでしょうね。きっとヤエトの知らないところで、あらゆるキャラが心配しつつ東奔西走してるんだ……
北嶺では主要キャラのほとんどが不在で寂しかったものの、ナオさんと腰をすえて話せたおかげで、謎もひとつ解けたし彼女の引き籠もりも終わったしでひと安心。シロバの調子も飛べる程度には戻ったようで、もひとつ安心。
姫様不在については「なにやってんの!?」的理由でしたが、こちらもまあ……四の君はお気の毒でしたが、皇女に辛い役目を負わせた段階で同情の余地なし。
それよりもヤエトと皇帝ですよ……やっぱりヤエト最強なんじゃなかろうか。なんたって三度目ですよ? っていうか、喉に切っ先触れてるのに落ち着きすぎだろう!? いやそれがヤエトなんだけど、もうちょっとこう、後からどっと来るとかないのかと、胸元掴んで揺さぶってやりたく。それだから死にたがりなんて言われちゃうんだよ……
カラー口絵がファルバーンだというのに気が付くのに、しばらくかかりました。格好良すぎです。そして表紙絵のメンバーは豪華すぎてキラキラしいです(笑)
次回はジェイ爺がもうちょっと活躍してくれると嬉しいなあ。

追記:
某所の考察で、皇帝は先祖が交わした契約の影響でヤエトの血筋に害を及ぼせないのでは? という説を発見して、なるほどなあとしみじみ。だから「手足が思うように動かなければ、不便なだけだ」な訳ですか。深い……
とはいえやっぱり、それに気付いていないのにあの落ち着きっぷりなあたりが、やはりヤエト変人ぶりを現しているわけですが。
あとセルク×ルシルのフラグとか、なにそれ萌える。二人してヤエトへの傾倒を語り合うと良いと思うよvv
No.3572 (読書)


 2012年01月14日の読書
2012年01月14日(Sat) 
本日の初読図書:
「異世界で物書き(小説家になろう)」〜15話 女で男
 http://ncode.syosetu.com/n9638x/

太陽神ソールを主神とするその世界では、教導院が大きな力を持っていた。シンボルとして勇者を神聖視する彼らは、その存在や信仰を貶めるものに対し、厳しい弾圧を行っている。
三十過ぎになる中年男フミアキは、勇者を題材とした小説を書いて生活していた。非常に人間味に溢れたその人物像は、熱心なファンを掴むと同時に、教導院にケンカを売っているとも取れる内容に他ならず。
実際フミアキは三年前に教導院との間に問題を起こし、処刑されそうになった過去を持っていた。今はその際に命を救ってくれた貴族の少年、クーことクーエンフュルダの世話で借家に住まい、執筆を続けている。何故ならクーは、フミアキの書く小説の大ファンだったからだ。
生活能力のないフミアキを気遣って送り込まれたメイドは、方陣魔法の達人。忠誠を抱く主(クー)に対して気軽に接するフミアキに、容赦なく魔法を放ってくる。
大人の対応でそれらを(かろうじて死なない程度に)かわしつつ、フミアキは日々を過ごしている。
そんな彼にはどこか常識では計ることができない、不思議なところがあった。その発想や紡ぎ出す物語、はては作り出す光具と呼ばれる魔法道具まで、これまで世間に存在したものとは一線を画している。
何故なら彼は、その世界で生まれ育った人間ではなくて ――

中年オッサンの異世界トリップ物、連載中。
前々から気になっていた作品で、話数もだいぶ溜まってきたので手をつけてみました。
基本はのんびりゆったりまったり。主役が大人で落ち着きかつ覇気のないおっさんでありながら、実はさらりとチート能力持ちだったり、不意に鋭い一面を覗かせたりと、なかなか一筋縄ではいきません。
フミアキが異世界に落ちた流れとかクーと出会った経緯とか、三年前に教導院との間で起こしたいざこざとか、まだまだ語られていない謎が多いです。クーとフミアキの今後なんか、年の差スキーとしては期待しちゃうんですが。
そして登場したばかりの新キャラ30番ことサンが、非常にツボにはまっております。こういう精神の成長をどこかに置いてきた冷酷キャラ、ただし限定対象に対してのみ子供のように素直ヘタレって大好物なんですvv 「APPLE BY CLOCKWORK」さんのパフィオペディルムとか最高。……あの話、もう更新されないのかなあ(しょぼん)
いまのところ、割とこまめにUPしてらっしゃるようなので、続きが楽しみです♪
No.3564 (読書)


 2012年01月13日の読書
2012年01月13日(Fri) 
本日の初読図書:
「ゲームの世界で第二の人生!?(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n4709w/

ごく普通の高校生 火桜優喜(かざくらゆうき)。彼はフルダイブと呼ばれる、ヘルメット状の端末で脳に直接電気信号を流し、現実と見まごうリアルな感覚を楽しめるオンラインゲームにはまっていた。危険な冒険に出ることはほとんどせず、もっぱら貴重なアイテムを作成しては売りさばき、いつしか剣術から裁縫までほぼMAXにまでレベルを上げた、大富豪のベテランプレイヤーになっていたのだ。
……そのはずが。ある日いつものようにゲーム世界にダイブしてみると、なぜか子供の姿で汚い路地に倒れていた。所持品ゼロ、ステータス無し。まったく身ひとつの、完全なる浮浪児である。しかも何故かログアウトができない。さていったいどうしたものか。
初心者なら投げ出してしまいかねない現状だったが、しかしユウキの脳内にはこれまでこのゲームをやりこんできた、その経験が残されていた。達人級だったその知識をもってすれば、道ばたの雑草から上質のポーションを作り出すことも、鉄屑から名剣を鍛えることもできる。
よし、ここはひとつこのバグから解放されるまで、初心に返ったつもりでイチからゲームを始めるか、と。
そう心に決めて、まずはポーションを手土産に薬屋の扉を叩き、専属契約という名の定期収入を確保する。これでとりあえず最低限の生活はできると、ひとまず食事をとろうとしたのだが……そこで自分と同じような身なりをした、四人の浮浪児達と出会った。すったもんだのあげく彼らを養うことになったユウキだったが、やがてそれが大陸全土を巻き込んでひとつの王国を生み出すきっかけになると、果たして誰が知っていただろう。
これは後世に歴史からその名を抹消された、「人類の歴史を救った男」、「始まりの英雄」の物語である ――

異世界召喚内政チート。完結済。
主役が普通の高校生を自称している割に、ゲーム面で培った以外にもかなりスキルが高いです。主に人心掌握面で。
最初はずいぶん気軽にいろいろやるなあ、ゲーム感覚が抜けないままなのかなあと思っていたら、途中からちゃんといろいろ葛藤とか語られていました。
あとは十二才の身体でゲーム世界に落ち込んでから、わずか五年でいっきに駆け上がるところがいささか超展開とも思ったり思わなかったり。いくら教育を施しても、人材って三年やそこらでは育たないんじゃと思うのは無粋なのか。新しく建国した国の中枢が、国王参謀軍事面のほとんどみんなティーンエイジ。しかも男性:女性比が1:9って……おもしろいから良し!
そして男女比がそこまで極端なのに、ハーレム要素がほとんどないなあと思っていたら、後半怒濤の展開が(笑)
それにしても、全編通じて相当量の人物が登場するのに、読んでいてほとんど混乱しないのは見事でした。なんでだろう、外見描写とか少ない方だと思うのに。割と随所で「元○○の××」というような補足が入れられていたからでしょうか。そういうところが読みやすかったです。
終わり方も、読みながらハラハラしていましたが、最終的に心休まるもので良かったですvv
No.3563 (読書)


 2012年01月12日の読書
2012年01月12日(Thr) 
本日の初読図書:
4403621309魔法使いの娘ニ非ズ(2) (ウィングス・コミックス)
那州 雪絵
新書館 2011-12-23

by G-Tools
新米陰陽師 初音ちゃんの事件簿、二冊目。
……相変わらず容赦がないっつーか、ギャグ調の中にいきなりド深刻な展開が混ざってるというか。でもそういう話の方が、印象に残るし面白いんですよね。今回の「塔」なども、存分に容赦なく、そして面白かったです。 こういう話、書けるようになりたいなあ……(ため息)
そうそう、1巻では謎のままだった、パパのその後が今回ちょっと出てきてます。詳しい説明はないんですけどね。いったい何を修行しているのか、どうして髪が白くなっているのか。そもそも人形師さんはパパのために何を作っているのか、謎は深まります。
あ、兵吾が前回より頼りになる感じだったのは嬉しいですね。せいぜい太い藁になって、溺れる初音ちゃんを助けてあげておくれvv
No.3559 (読書)


 2012年01月11日の読書
2012年01月11日(Wed) 
本日の初読図書:
4101174156影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)
隆 慶一郎
新潮社 1993-08

by G-Tools
慶長五年(一六〇〇年)の関ヶ原の合戦。
開戦直前、西軍 石田三成配下の武将 島左近は、手の忍び甲斐の六郎を東軍の中へと侵入させていた。狙うは徳川家康の、首 ――
圧倒的に不利な状況のそのいくさをひっくりかえすには、総大将を暗殺するよりほかないと結論したからだった。そして六郎は首尾良く家康を刺し殺し、手傷を負いながらも帰還する。
しかし ―― 徳川家康には影武者がいた。とっさに殺されたのはその影武者の方だと偽り、そして続けて合戦の指揮をとった彼は、見事に東軍の勝ちを収めたのである。
その男の名は世良田二郎三郎。かつては一個の野武士として各地を転戦し、一向一揆の際には一揆衆としてかの織田信長をも狙撃した生粋の「いくさ人」であった。
十年間に及ぶ影武者生活で、家康の持つ兵法や思考法までも身に付けた二郎三郎は、己の置かれた状況を冷静に判断する。
自分の価値は、家康として征夷大将軍の地位につき、それを家康の世子である秀忠に譲り渡すこと。そして大阪城に住む豊臣秀頼を廃し、徳川の世を作り出すまでの旗印であること。その二点にあるのだと。秀忠に戦国武将達をまとめる器はなく、『家康』というカリスマの存在がなければ、徳川盤石の世は作り出せないのだ、と。
しかしそれが終われば、家康が贋物だという証拠である自分は殺される。死にたくないならば、できるのは秀頼を殺さないことだ。少しでも長く事態を引き伸ばし、己の生きる道を模索すること。
元野武士として、徳川家への忠誠など持たない二郎三郎は、そう結論してひそかに活動し始める。
また、かろうじて関ヶ原から落ち延びた島左近と甲斐の六郎もまた、水面下で動いていた。やはり家康が贋物だと知る彼らは、同じ推察から二郎三郎が秀頼の延命を望んでいることを察知し、二郎三郎の身を秀忠らから守ろうと決意したのだ。
ここに徳川家康の影武者と石田三成配下の武将が手を組むという、奇妙な図式ができあがる ――

ここで何度も話題にしている、「花の慶次」とその原作「一夢庵風流記」。同じ原作者が書き、同じマンガ家 原哲夫がマンガにしたこともある、もうひとつの作品です。マンガ版は同タイトル「影武者徳川家康」と「SAKON(左近)」。徳川側からの視点と、島左近側からの視点みたいですね(昔パラ見した程度)。しかもマンガ版は未完??
しかし、この原作はめっさ面白いです! いわゆる歴史改変物とは違い、公的な歴史はあくまで史実の通り進んでいきます。その裏でどのような『真実』が展開されていたのか、という作りになっているわけですね。とにかくその『史実』の書き込みようがすさまじい。あらゆる文献を引用し、関ヶ原以前、信長存命の三河一向一揆の頃までさかのぼって、影武者になる前の二郎三郎の人生が綿密に描かれていきます。家康影武者説についても、どうやら元となる説が事前に存在したらしく、その根拠を幾つもあげてまことしやかに語っています。何ページも台詞がなく、地の文でびっちり埋められていることもしばしば。とにかく内容が濃いです。史実の知識がほとんどない私など、ネットで見つけてプリントアウトした旧国名の地図と電子辞書を横に置いて、首っ引きで読みました。下手な教科書よりも、よっぽど歴史の流れが頭に入る感じです<慶長五年 関ヶ原とか、天正十年 本能寺とか(笑)
またね、キャラクターが良いんですよ。男達の立場をこえた友情とか。戦国たたき上げの筋骨隆々たる歴戦のいくさ人が、ふとした折りに見せる含羞(はにかみ)の色とかvv
こんちくしょう、格好いい上に可愛いなんて、どんな萌えキャラだvv
二郎三郎も島左近も甲斐の六郎も風魔の小太郎も、みんな素敵で目移りしてしまいます。秀忠の嫌われっぷりも、一種突き抜けていて、ここまでくればある意味見事というか。
史実では1615年に大阪夏の陣で秀頼が死に、その翌年に家康七十五才で病死。秀忠が二代将軍となるわけですが……この話ではどういうふうに落ちをつけるのでしょう。まったく予測がつきません。
とりあえず、上巻終了時にようやく1603年。征夷大将軍に就任しましたけど……二郎三郎が十五年頑張ったからと言って、素直に死んで将軍位を渡すとは思えないんですよね……いやあ、続きが本当に楽しみです。
No.3558 (読書)


 2012年01月04日の読書
2012年01月04日(Wed) 
本日の初読図書:
「暁の魔女と風の傭兵(オンライン小説)」
 http://kouyanokinmokusei.web.fc2.com/

世界の愛し子たる、双黒を纏う異世界の少女《祝福の姫君》。
誰にも媚びず膝をつかず、ただ己の道を行く孤高の青年《傭兵王》。
まったくの偶然から出会った二人は、やむを得ない事情でともに旅をすることになった。最強の傭兵である青年オーディンの胸には、膨大な魔力を持つ少女 白刃への《隷属》の契約が刻まれており、彼女の身に危険が及ぶとそれがそのまま彼にまで反映されるようになっていたのだ。
双方共に意に染まぬその契約を解除するため、二人は強い力を持つ魔女ヴィヴィが住む、王宮を目指す。
しかし世界に愛されたという黒髪黒目の容姿を持つ白刃は、あちらこちらで人買いに目をつけられ、チンピラに絡まれと、トラブルに巻き込まれまくる。もちろん黙って虐げられる彼女ではなく、膨大なその魔力をもって、存分に反撃を食らわしては、周囲に破壊をまき散らす。
人に縛られるのが大嫌いで俺様なオーディンは、そのつど白刃を怒鳴り殴りしつつ、悪党共にはきっちりしっかりとどめを刺す。
そんな彼らの珍道中(?)の前に、オーディンとは旧知の仲である青年、アルザスが姿を現した。【王の狗】と呼ばれる密偵の一員である彼は、傭兵としてのオーディンに仕事の依頼をしてくる。さらには魔力が強いばかりで魔法そのものの使い方を判っていない白刃に、護身用だと術を教えてくれる。しかしその行為は、実のところ彼の計画の一端で ――

女子高生異世界召喚ファンタジー。完結済。
転移して、主役二人が出会ってすったもんだという発端のくだりは、本編完結後の番外編で語られています。いきなり喧嘩腰の二人の道中から始まっていて、転移したことによるカルチャーショックとかは、わりとさらりと流されています。白刃自体が、あんまり元の世界に未練を残していませんし。
彼女が元の世界でどういう生い立ちをしていたのかとか、本編でほとんど触れられていないので、ちょっと消化不良なところもあったりなかったり。
白刃が明るく元気良く前向きでありながら、辛い過去も乗りこえてきており、人の痛みが分かる健全さを持っているところが好感度高いです。
オーディンは……ツンデレ?
最初は俺様ぶっきらぼうだったのに、だんだん白刃に落ちていく様がツボにはまりますvv いやこの人も、壮絶な過去と物凄い努力を乗りこえてきている、すごい人なんですけど。キャラ的にも容赦がなくて、滅多に笑わないような人なんですけど。それだけに、たまに見せるデレがたまらん……ッvv
その他出てくる脇キャラ達も、一見人が良さそうでいながら、実は腹黒。……でもなんだかんだで本当に根っこの所は、二人のことを想ってくれているというところが読んでいて心温まりました。
個人的にはやっぱり、【王の狗】アルザスが好みかなあ。
面白かったし、ちゃんと完結しているしで評価大。
……ただちょっと文章が微妙っていうか、勢いで書いてるっぽい所があるので、細かいところが気になる方には、少し厳しいかもしれません。
No.3548 (読書)


 2011年の読了図書
2011年12月31日(Sat) 
「あやかし修学旅行」はやみねかおる
「シートン動物記5 歴史に残る動物たち」A・T・シートン、藤原英司訳
「シートン動物記6 森と自然の物語」A・T・シートン、藤原英司訳
「笛吹き男とサクセス塾の秘密」はやみねかおる
「10ドルだって大金だ」ジャック・リッチー、藤村裕子他訳
「ハワイ幽霊城の謎」はやみねかおる
「仮面教師SJ」1巻 麻城ゆう
「ファンム・アーレス」4巻 香月日輪
「人質ゲームオセロ式」柄刀一
「天使が開けた密室」谷原秋桜子
「龍の館の秘密」谷原秋桜子
「レディ・ガンナー外伝 そして四人は東へ向かう」茅田砂胡
「オリエント急行とパンドラの匣」はやみねかおる
「クライム・マシン」ジャック・リッチー、好野理恵他訳
「いつも心に好奇心(ミステリー)!」はやみねかおる、松原秀行
「虹北恭助の冒険」はやみねかおる
「短劇」坂木司
「怪盗クイーンはサーカスがお好き」はやみねかおる
「怪盗クイーンの優雅な休暇」はやみねかおる
「まんまこと」畠中恵
「とっても不幸な幸運」畠中恵
「怪盗クイーンと魔窟王の対決」はやみねかおる
「こいしり」畠中恵
「怪盗クイーン、仮面舞踏会にて」はやみねかおる
「怪盗クイーンに月の砂漠を」はやみねかおる
「卒業〜開かずの教室を開けるとき〜」はやみねかおる
「探偵伯爵と僕」森博嗣
「ショートショートセレクション4 奇妙な旅行」星新一
「ゴーストハント1 旧校舎怪談」小野不由美
「ゴーストハント2 人形の檻」小野不由美
「星新一ショートショートセレクション15 宇宙の男たち」星新一
「ゴーストハント3 乙女の祈り」小野不由美
「死体ばんざい」星新一
「アコギなのかリッパなのか」畠中恵
「コーラル城の平穏な日々」茅田砂胡
「河合雅雄の動物記1 ゲラダヒヒの星」草山万兎
「音なし源捕物帳」笹沢左保
「QED 出雲神伝説」高田崇史
「オペラ座の怪人」ガストン・ルルー、三輪秀彦訳
「アンティークFUGA2 双魂の精霊」あんびるやすこ
「ゴーストハント4 死霊遊戯」小野不由美
「僕とおじいちゃんと魔法の塔」4巻 香月日輪
「河童のクゥと夏休み」木暮正夫
「クゥと河童大王」木暮正夫
「ゆんでめて」畠中恵
「翼の帰る処」上巻 妹尾ゆふ子
「翼の帰る処」下巻 妹尾ゆふ子
「翼の帰る処2 鏡の中の空」上巻 妹尾ゆふ子
「翼の帰る処2 鏡の中の空」下巻 妹尾ゆふ子
「WIZARD―Daily Fairy Tale―」小竹清彦
「若様組まいる」畠中恵
「WIZARD―Passion Fruit―」小竹清彦
「幽霊派遣会社」エヴァ・イボットソン、三辺律子訳
「ザ・サード 蒼い瞳の刀使い」星野亮
「ガブガブの本」ヒュー・ロフティング、南條竹則訳
「アンティークFUGA キマイラの王」3巻 あんびるやすこ
「村田エフェンディ滞土録」梨木香歩
「アンティークFUGA4 宝探しは眠りの森で」あんびるやすこ
「祝もものき事務所」茅田砂胡
「ゴーストハント5 鮮血の迷宮」小野不由美
「アンティークFUGA5 バビロニアの紅き瞳」あんびるやすこ
「アンティークFUGA6 永遠なる者たち」あんびるやすこ
「天使たちの課外活動」茅田砂胡
「タマの猫又相談所 花の道は嵐の道」天野頌子
「悪霊島(角川e文庫)」上巻 横溝正史
「悪霊島(角川e文庫)」下巻 横溝正史
「和菓子のアン」坂木司
「三匹のおっさん」有川浩
「アーサー王と円卓の騎士」ローズマリ・サトクリフ、山本史郎訳
「アーサー王と聖杯の物語」ローズマリ・サトクリフ、山本史郎訳
「アーサー王最後の戦い」ローズマリ・サトクリフ、山本史郎訳
「マックス・カラドスの事件簿」アーネスト・ブラマ、吉田誠一訳
「怪盗タナーは眠らない」ローレンス・ブロック、阿部里美訳
「翼の帰る処3 歌われぬ約束」上巻 妹尾ゆふ子
「夕ばえ作戦」光瀬龍
「思考機械の事件簿」1巻 ジャック・フットレル、宇野利泰訳
「ソーンダイク博士の事件簿」1巻 オースチン・フリーマン、大久保康雄訳
「阪急電車」有川浩
「植物図鑑」有川浩
「わたしの勇者さま」前編 とまとあき・塚本裕美子
「わたしの勇者さま」後編 とまとあき、塚本裕美子
「やなりいなり」畠中恵
「チャリオンの影」上巻 ロイス・マクマスター・ビジョルド、鍛冶靖子訳
「ようこそ女たちの王国へ」ウェン・スペンサー、赤尾秀子訳
「陰陽師 醍醐ノ巻」夢枕貘
「ワーキング・ホリデー」坂木司
「チャリオンの影」下巻 ロイス・マクマスター・ビジョルド、鍛冶靖子訳
「キケン」有川浩
「シアター!」1巻 有川浩
「塩の街」有川浩
「戦士志願」ロイス・マクマスター・ビジョルド、小木曽絢子訳
「エイリアン・テイスト」ウェン・スペンサー、赤尾秀子
「赤い拇指紋」オースチン・フリーマン、吉野美恵子訳
「シアター!」2巻 有川浩
「親愛なるクローン」ロイス・マクマスター・ビジョルド、小木曽絢子訳
「空の中」有川浩
「レインツリーの国」有川浩
「スイスのロビンソン」ヨハン・ダビット・ウィース、小川超訳
「雲上都市の大冒険」山口芳宏
「祝もものき事務所」2巻 茅田砂胡
「無限の境界」ロイス・マクマスター・ビジョルド、小木曽絢子訳
「豪華客船エリス号の大冒険」山口芳宏
「海の底」有川浩
「我が恋せし淀君」南條範夫
「人魚は空に還る」三木笙子
「デブの国ノッポの国」アンドレ・モーロワ、池田竜雄訳
「蒼志馬博士の不可思議な犯罪」山口芳宏
「物書同心居眠り紋蔵」佐藤雅美

「銀河鉄道の夜 旧字旧仮名(青空文庫)」宮沢賢治
「ホシナ大探偵(近代デジタルライブラリー)」押川春浪
「雪之丞後日(資料庫)」三上於菟吉
 http://www.geocities.jp/kmkr_01/top.html

以上、108冊と電子テキスト三作。
とりあえず個人的ノルマ、年100冊はクリアできました。
……シートンとか、ゴーストハントの加筆修正版とか、初読に数えるのはどうかと思うものも含まれてますけど(苦笑)
今年は有川浩さんの作品に出会えたのが、大きな収穫だったでしょうか。あと冊数は少ないですが、ウェン・スペンサーが非常に面白かったので、今後の翻訳に期待です。
来年はさらなる時代物とか、警察ミステリーあたりにも手を出してみようかと予定していたり……
No.3544 (読書)


 2011年12月30日の読書
2011年12月30日(Fri) 
本日の初読図書:
「HDの肥やしになっていた端折り戦国物(小説家になろう)」
 http://ncode.syosetu.com/n6594t/

近未来、日本は中国に併呑され恐怖政治の中に置かれていた。そんな中で絶望的な独立闘争に生涯を捧げる舟橋博士は、自覚のあるマッドサイエンティスト。彼は己の研究をもとに心身共に強化された、超人的な人間を作り上げた。シンイチと名付けられたその少年は、既に救うには遅すぎる日本から「個人の能力が究極に生かせる場所」、即ち過去の日本へと送り込まれることとなる。
戦国の世で舟橋真一と名乗った彼は、やがてその博識さから羽柴秀長の目に止まり、信長配下の武将であった秀吉に召し抱えられる。
長篠の戦いから本能寺の変を経て、関白へと成り上がる秀吉の元で、彼は重用され様々な仕事を任されていった。そうして彼は、日本の国力そのものを増すことに心を砕く。
これは戦国時代にタイムトラベルさせられた一人の少年が、後世の日本を中国と対峙できるだけの大国にするために、歴史を改変してゆく物語である。

「腕白関白」が面白かったので似たようなものを求め、手を出してみた戦国歴史改変物。完結済で、厚めの文庫三冊分ぐらいの量があります。
プロローグだけ別の話かと思うぐらい雰囲気が違いましたが、一話目からは期待していたとおりの展開でした。
……ただ何度も言っている通り、私には史実の知識がほとんどないので、正直よく判らない部分が多すぎて_| ̄|○
特に今回のこれは、主役の設定が「ナノマシン搭載の強化人間」とかいう割に、俺無双や内政チート要素はさらりと流される程度。それよりも「誰それが討ち死に」とか「大名某がどこそこへ改易」といった、政治的な物がびっちりと書き込まれており、歴史物としての要素がかなり強いです。
っていうか知らない人ばっかり……(しくしくしく)
数少ない知ってる大名、我らが松江城を築城した堀尾吉晴は、秀次切腹のあおりであっさり腹切らされて、代わりに小早川秀秋がやってきたりとか、なんだかしょぼん。
作者さんは森長可贔屓なご様子ですが、正直、誰……? っていうか、なんて読むの? という体たらくなもので(−ー;)
でも二日で読み切っちゃったあたり、読ませる吸引力を持つ作品でした。
後はもうちょっと推敲してあると良かったんですけど……ちょっと文章の荒さが目に付いたというか、なに言いたいのか判らない部分が散見されたのが惜しかったです。
No.3543 (読書)


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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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